本屋にて

ミニマルな日常

最終更新日: 2023.03.24

本はどんな形(紙本、それとも電子書籍)で入手し、どう処分するのが理想的なのか?

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本の消費の仕方に関する質問をいただきました。

どんなふうに本を手に入れ、読んだあとは、どんなふうに処分するのがベストなのか、という質問です。

この記事で回答します。

まず、メールをシェアします。Hさんからいただきました。



本の扱い方

こんにちは。

以前に本を捨てることについて質問させていただいた者です。

本は貴重な文化財だから捨てるべきではない、という意見に私が思うこと。

その際は有意義なご意見を色々な方からいただき、大変お世話になりました。

さて、今回も本について筆子さんのご意見をお伺いしたいことがあり、メールいたしました。

筆子さんは、つい先日も本を出版され、「ミニマリスト」の顔だけでなく「作家」としての顔も持っていらっしゃいます。

そこで、「作家」であり「ミニマリスト」である筆子さんのお立場として、「本」はどのように入手して、読んだ後はどうするのが良いのか、ご意見を聞かせていただきたいと思ったのです。





物を減らすなら図書館で借りるべきだけど

物を少なく持つためには、本は購入せずに図書館で借りるのが理想です。

しかしそれだと、その本の作者に印税は入りません。もちろん、図書館が購入した際の印税は入りますが、読みたい人全員が購入するよりも印税ははるかに少ないでしょう。

ある作家が講演をしたときに、観客が持っていたその作家の本が図書館で借りたものだったのでがっかりした、という話も聞いたことがあります。

確実に作者の利益になるには、やはり「新品を買う」ということになるでしょう。

新品を買って読んだ後にそのまま置いておけば、当然物は増えます。

そうすると、物を減らすためにまず思いつくことはブックオフやメルカリで売ったりどこかに寄付したりすることですが、中古に流した本を誰かが購入しても作者に印税は入りません。

捨てるとゴミが増えるし

誰かに譲る以外の方法だと「捨てる」になりますが、もし作者の方が、自分が書いた本がゴミ捨て場に捨てられているのを見たら悲しくなるのではないでしょうか?

また、読んで捨てて・・・を繰り返すことはゴミを増やすことであり地球環境に悪く、最近話題のSDGsや環境保護にも反しています。

そうすると電子書籍が良いのかな・・・とも思いますが、「本は紙でなければダメ」という人はいまだに多いです。

また、電子書籍の印税は紙の本の印税よりも低い、という話も聞いたことがあります(この辺は、作者や出版社や契約条件等、場合によりまちまちなのかもしれませんが)。

本の理想的な入手方法や捨て方は?

それで、「作家」であり「ミニマリスト」である筆子さんは、本の入手の仕方や、読んだ後について、どうするのが一番理想的とお考えなのか、教えていただきたいと思いました。

比較的最近の投稿で、「人間は矛盾する生き物だから一貫性を追求する必要はない」ということをおっしゃっていたと思います。

筆子さんも、「作家」としてのお考えと「ミニマリスト」としてのお考えは違っているのでしょうか?

それとも、「作家」と「ミニマリスト」を両立しうるお考えをお持ちなのでしょうか?

変なことを質問してしまい申し訳ありませんm(_ _)m

現実的に世界中の人全員がミニマリストになることはあり得ないから、「みんなが物を買わなくなったら・・・」と考える必要はないのかもしれません。

しかし最近は、出版不況という言葉をよく聞きます。

また、今の若者は昔の人に比べて物欲が少ない、という話も聞きます。

「物欲」の中には「本を買うことに対する欲」も入っていると思います。

だから、どのように本を入手して(新品を購入するか、中古を購入するか、図書館で借りるか)、読んだ後どうするのか(ずっと保存しておくか、売るか、寄付するか、ゴミとして捨てるか)、印税で生活している作家の立場と自分の生活空間を良くすることとのバランスを考えるとどうすれば良いのか、知りたいと思いました。

Hさん、こんにちは。お便りありがとうございます。

べつに変な質問じゃないです。きっと、Hさんは、本や読書が好きなんですよね。

本という消費財が、Hさんにとっては、とても大事なものだから、どう付き合っていくのがいいのか、考えてしまうのでしょう。

洋服が好きな人が、「どこで、どんな形で洋服を手に入れ、どんなふうに使って、最後にどう処分するのがいいんだろう?」と考えるのと同じだと思います。

自分のライフスタイルに合わせた選択をすればOK

Hさんの質問に対する私の回答は、本の消費の仕方は人それぞれなので、自分のライフスタイルや信条に合った選択肢を取ればいい、となります。

「一貫性を追求する必要はない」と書いた覚えはありませんが、「その時々で、一番大事にしたいことを優先した選択をすると、場合によっては、できればやりたくないと思っている行動をすることもある、すべての条件を満たすことはできないので、バランスをとるべきだ」とはよく書いています。

たとえば、物を増やしたくないから、本はいつもキンドルで読んでいるけど、友達が自費出版した本は、応援したいし、電子版もないから、紙本で買う、とか。

環境を大事にしたいから、プラスチックの使い捨て商品は使わないようにしているけれど、新型コロナウィルスの感染防止のために、マスクは使い捨てを使うとか。

これはケースバイケースで考えるべきです。

Hさんの最初のメールにも、「世間ではこんなふうに言われていますが~」と言った記述がありましたが、世間が何と言うかは関係なく、あくまで自分の心地よさや、自分が納得できるかどうかを優先してください。

「本は紙で読まなければだめ、と世間では言われます」的な考慮は不用です。同様に、誰かの印税の心配をする必要もありません。本がゴミ箱に捨てられていたら、作者は悲しむかも? なんてどうでもいいことです。

きのうの質問の回答にも書きましたが⇒もらった物を捨てて、あとでもめたことはありませんか?

他人がどう思うかは、自分ではコントロールできないんです。

自分のコントロールの及ばない状況で、他人がどんな感情になるかは、その人が考えるべき課題であって、Hさんの課題ではありません。

Hさんは、自分自身の課題に向き合うべきです。

したがって、Hさんが、紙で読みたければ紙で読めばいいし、電子書籍でOKなら電子書籍でいいわけです。私の娘のように、本を全く読まない生活をするのも自由です。

すべては、自分が決めることです。

では、ここから、私が実際どうしているか書きますね。

私は電子書籍で読む

過去記事にも書いていますが、私は本は「買う派」で、ここ数年はキンドル本を買って読んでいます。

座って本を読む時間があまり取れないので、オーディオブックの利用も多いです。

図書館はめったに利用しませんが、たまに電子書籍やオーディオブックを借ります。

電子書籍だから、不用になったらアマゾンのサーバーから削除するだけです。

アマゾンだと「コンテンツと端末の管理」から該当の本に行き、「その他のアクション」から「削除」をクリックすると、「本当に完全に削除しますか?」と確認画面が出るから、「はい、完全に削除します」をクリックします。

ただ、電子書籍は場所を取らないので、読み終わった本も、アマゾンのサーバーにはけっこう残していますよ。

印税に関して

私は印税で生活していませんよ。私は近藤麻理恵さんじゃないですから。印税だけで生活しようと試みたこともありません。

それに私は自分は作家というより、ブロガーだと思っています。

印税は、販売部数に応じて支払われることもありますが、現在の主流は印刷部数に対して支払われるやり方だと思います。

たとえば定価が1500円の本を、初版で5000部印刷し、印税が5%だとしたら、1500×5000×5%=37万5千円が著者の預金口座に振り込まれます。

初版の売れ行きがよく、また1000冊重刷したら、1500x1000x5%=7万5000円がさらに著者に振り込まれます。

仮に、初版で刷った5000部のうち、1000部しか売れなかったとしても、出版社は、著者に「売れ残ったから、支払ったお金の5分の4にあたる、30万を返してくれ」、とは言いません。

でも、売れ行きが悪ければ、重刷はないし、次の出版の企画もありません。

だから、著者としては、もちろん、本が売れたほうがうれしいです。本を買って読んでくれるとありがたいと思います。

しかし、この世の中の人全員に、「紙の新刊本を本屋で買って読め」とは言いません。

新刊本を読みたければそれでいいし、電子書籍がいいなら電子書籍でOK、メルカリで買っても、図書館で借りても、本が読める喫茶店で読んでも、友人から借りて読んでも、読まずにスルーしても、すべてはその人の自由です。

私は、そこまで他人の行動をコントロールしたいとは思いません。むしろ、自分優先主義で生活してもらいたいと思っています。だからこそ、本を書いています。

私の本がゴミ箱にぼんと捨ててあっても平気ですよ。

捨ててあれば、誰かが拾って読むかもしれませんから。

だから、Hさんも、自分のライフスタイルに合った消費の仕方をしてください。

その方法は、今後、生活や考え方が変化したら、それに応じて、変えていってくださいね。

本をどんなタイミングで、どうやって処分するかは、去年大勢の読者の方が、自分の体験を教えてくれたので、改めて読んでください。

本は捨てるな、という意見を読んで(その1) このシリーズは、その9まであります。

過去記事でも本の捨て方はたくさん書いています。

まとめ記事⇒筆子流・本と雑誌の捨て方を書いた記事のまとめ

では、Hさん、お元気で読書を楽しんでください。

キャンペーンのお知らせ:ムック本の電子書籍が安くなっています

3月23日から4月5日まで、宝島社で、『片付け、メンタルケア、ダイエットまで~新生活に向けて「ココロとカラダのアップデート!」フェア~』というキャンペーンをしていて、期間中、私のムック本も、定価980円(税込み1078円)のところ、2割引の862円で購入できます。

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よかったらこの機会にお求めください。

内容の紹介はこの記事に書いています⇒ムック本・第2弾『8割捨てれば、お金が貯まる』発売のお知らせ:11月15日です。

ただし、ムック本は写真や絵が多いから、スマホや小さいタブレットだと読みにくいと思います。

*****

たまに、「日本経済をよくするために買い物する」と言う人がいます。でも、自分が必要だから買うことにしたほうが、余計な物がたまりません。

誰かが、「買い物する・しない」ことよりも、少子化のほうが日本経済を悪くさせると思います。

本当に経済発展を願うなら、少子化対策をするべきでしょう。

だからと言って、いきなりぼんぼん子供を産めないので、子供を育てている人が、住みやすい社会になるような配慮をすることが、求められるでしょうね。

では、あなたも、質問や感想などありましたら、お気軽にメールください。お待ちしています。





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