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時間の使い方を見直すことをすすめるTEDトークを紹介します。
タイトルは、Are you making the most of your time? (あなたは自分の時間を最大限に使っていますか?)
メディアコンサルタントで作家の、アンソニー・ノップス(Anthony Knopps)さんの講演です。
時間を最大限に使う
収録は2024年の2月、動画の長さは15分。自動生成の英語字幕あり。動画のあとに抄訳を書きます。
☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
アンソニーさんは、子ども向けの本を書いているだけあって、叙情的なトークですね。
残り時間があまりないとしたら
あと1年しか生きられないとしたら、何をするか考えたことがありますか? 1ヶ月だとしたら? 1日だとしたら? 1時間だとしたら?
誰に電話しますか? 何を話しますか? 時間をせいいっぱい使ったと感じますか? それとも、無駄にしたと後悔するでしょうか?
私自身の人生を考えると、多くの人と同じように、少し後悔があります。
でも、すばらしい思い出もたくさんあります。みなさんもそうですよね?
月明かりのもとで、大好きな人の誕生日に一緒に海岸を歩いたこと、子どもが自分の期待以上に成長したこと、誰も、自分自身する、できるわけないと思っていたゴールを達成したこと。
誰もが、こんなあたたかい思い出を持っています。そして、自分はまたいつでもこんな思い出を作れる。明日がある、と考えています。
でも、現実はそうではありません。私達の時間は保障されていません。私自身、そういう体験をしました。
人生を変えた事故
2019年の7月、息子と私は用事を終えて家に帰るところでした。
家まであと5分というところで、不注意なドライバーが運転する車が、私達の車に衝突しました。
ひどい事故でしたが、幸い私達は助かりました。
2人とも病院で診察を受け、家に帰ってもいいと言われました。でも、その6週間後、私の世界が突然終わったんです。
後遺症
何もできなくなりました。着替えも、まっすぐ歩くことも、文章を話し終えることも。
私はこわれてしまったんです。
妻は、すぐに私を緊急処置室に連れていきました。
医者に状況を説明しようとしましたが、うまく話せませんでした。その夜のことはあまり覚えていませんが、手術を受けました。1日以上たって、ICUで目覚めました。
2度目の人生
「病気のとき、決してGoogleで検索してはいけない」と言われます。そのとおりです。
でも、元リポーターの私は検索しました。
6週間前の事故が原因で、脳出血を起こしている私のような場合、死亡率は78%。私と似たような怪我をした5人に4人は、生き延びることができません。
でも、手術は成功し、ICUに少し入院し、何週間かリハビリをして、歩いたり、話したり、キッチンに行ってコーヒーのありかを見つけたりすることができるようになったとき、自分が5人のうち1人なんじゃないかと考えるようになりました。
要するに、私は2度目のチャンスを与えられたんです。残りの時間をもっと賢く使うチャンスです。
でも、今でも考えます。
もし妻が、あの晩、私を救急処置室に連れて行かなかったら、私が、「大丈夫だ」と言って、寝てしまったら、あの晩、病院にいたスタッフが素早くと処置してくれなかったら、私は、生きていられただろうか?
私の精神科医の先生は、回復しようとしている私に、助言をしてくれましたが、その言葉を皆さんにシェアします。
「きみは今、新しい家で暮らしている。古い家が嫌いだったわけじゃない。でも、もうそこには戻れない。この新しい家で新しい思い出を作らなければいけないんだよ」
新しい思い出を作る
それこそ、私が今、毎日しようとしていることです。私はおもに、子どものためのお話を書いています。
コミュニケーションと政治科学も教えていて、トラウマになるような脳の怪我をした人々のために講演もしています。
彼らに、「私は自分をサバイバーだとは思っていない、むしろ、ファイターだ」と話しています。
毎日、瞬間瞬間が私にとっては戦いです。
勝つ日もあれば、負ける日もあります。
幸か不幸か勝つ日のほうが多いんです。
これまでずっと、また明日がある、また日が昇ると思っていました。
でも、保障されていることなんて何もないと経験から学びました。
時間について言えば、私達に与えられているの今日だけです。それすらも、本当ではありません。
時間を最大限に活用する
では、私達には何ができるでしょうか? どうやったら残された時間を最大限に使えるのでしょう?
これは昔から、人々が答えを探している問いかけです。
時間の使い方について、たくさんの人が話をしました。
アリストテレスやカントなど。カントは、「時間は決して変化しないし、変化から離れることもない」と言いました。
ベンジャミン・フランクリンは、「失った時間は2度とは見つからない」と言っています。
現代の哲学者、ドクター・スース(アメリカの絵本作家)は、「時々きみは、その瞬間の価値が絶対わからない、それが思い出になるまでは」と言いました。
これらの名言に共通するものはなんでしょう?
それは、チャレンジです。私達は、時間を定量化しようとしています。
時間をどうやって定義すべきか? そもそもそんなことをしようとするべきなのか?
そういうことは、ドクター・スースみたいな哲学者にまかせておくべきではないか?
皆さんも、時間の変化を感じていると思います。
メールで話せばすむことを、口頭で伝えようとしている人の話を聞いているときは、時間が止まったように感じるかもしれません。
でも、年をとるにつれて、時間が速く過ぎているように感じるでしょう。
うまくバランスをとって時間と付き合うにはどうしたらいいのでしょう?
旅路を管理する
1つの方法は、旅路をコントロールすることです。旅に自分をコントロールさせるのではなく。
私達が時間を使う側に立つべきです。
その瞬間を大事にして、その瞬間を生きるべきではないでしょうか?
スマホを手放すべきではないでしょうか?
自分のためになる方へ向かうための3つの方法を紹介します。
1)時間を節約するか? それとも使うか?
時間を節約していますか? それとも、時間を使っていますか? その違いは何でしょう?
これはその人によって違います。
私達は、時間を節約する人たちのことを知っているし、自分もそうかもしれません。
まさかの時のために時間を取っておく人。一方で時間を使う人がいます。
私が好きなのは、「葬列で、Uホール(引っ越し用のトラック)を見たことはないよね?」という言葉です。
近年、インフルエンサーがいろいろなことを言っています。
お金の予算を立てるように、時間も割り振れと。
でも、あなたが私のように、毎朝、残高を確認する人であるなら、このやり方が、一番いい時間の使い方と言えるでしょうか?
職場や家庭でタスクを誰かに任せるメリットは確かにありますが、そうすることで、あなたが、一番重要なことに時間を使えるようになるでしょうか?
2)先を見るか、振り返るか?
これは、私達全員の課題です。もう終わったネガティブなできごとを、頭の中で再生しないでいることは、難しいです。
どうしてそうしてしまうのでしょう?
脳は、過去の出来事を振り返り、よくないことがあったとき、将来、同じことが起きないようにしているんです。
でも、そのとおりに行きますか? そうとも限りませんよね。
ビジネスリーダーと話をしたとき、先を見る人のほうが、より成功していることに気づきました。
彼らは単にお金を追い求めているだけではありません。
向上することを追い求めているんです。
ウォルト・ディズニーがこう言いました。「ここでは、過去のことをながながと振り返ったりはしない。扉を開けて、新しいことをするんです。これこそ、私達がすることです。私達は前進します。だって好奇心がありますから。好奇心が新しい道へ向かわせてくれるんです」。
3)今と未来の時間をせいいっぱい使う
最後に3つ目です。過去から学んで、今と未来の時間を最大限に使うようにしましょう。
私はスポーツが大好きです。次女はバスケットボールをしているし、息子は陸上競技。長女はサッカーをしています。
30年前、妻と私は、ホッケーのジャジー姿で、婚約の写真を取りました。
私の好きなプレイヤーであるウェイン・グレツキー(カナダの元プロアイスホッケーの選手)がこう言っています。
彼がよく言うことですが、彼の言葉ではないかもしれません。
「パックが進んだところに滑っていけ。それがあったところではなく」。
この言葉の解釈はいろいろあります。私の解釈を言うと、自分の行動は自分で定義しろ、ということです。
流行を追うのではなく、何かが流行るまえに、自分の場所を確保し、時間を最大限に使います。
あなたはゴールを決めますか? それともほかの人がゴールを決める手助けをしますか?
毎日、少しずつよくしよう
1日、1日をどうやって最大限に使うか?
これは、残された時間について、私が考えていることです。
前に進むためにがんばっています。賢いコーチが私に言ったことがあります。
「きのうより、1つだけよりよくしなさい。何でもいいです。大きなことでも、小さなことでも」。
本当にそうです。このアプローチを取るなら、ときどき振り返ってみてください。
自分がどれほど前に進んだか驚くでしょう。
そうする時間を確保することを忘れないでくださいね。
//// 抄訳ここまで ////
時間に関するほかのプレゼン
時間がないんじゃなくてやる気がないだけ。大事なことに時間を使う方法(TED)
不用品の管理に時間を使うのはやめたほうがいい
どんな時間の使い方をすれば、一番自分やまわりの人のためになるかは、実際に時間を使ってみないとわからないので、自分のためになる時間の使い方を見極めるのは難しいですよね。
でも、確かに言えることがあって、それは、不用品の管理や、自分のためにならない行動(やる必要のないことをすること)には、時間を使わないほうがいいということです。
アンソニーさんが、あと1年しか生きられないとしたら何をするかと、問いかけていますが、1年しかないんだったら、「いつか使うかもしれないもの」なんて、もう必要ないですよね?
私達が、「これ、いつか使うときが来るかも知れない」と思って、全然使っていないものや、まず、使いそうにないものを捨てないのは、自分が、その「いつか」まで生きていると思っているからです。
多くの場合、寿命を全うするでしょうが、若くして事故や病気で亡くなってしまうことだって、ないわけではない。
そう考えると、いつか来る日のために何かを取っておくのではなく、今とちょっと先の未来の生活に必要なものだけを残して、その日、1日をできるだけ楽しく暮らしたほうが、時間を最大限に使っている状態に近づくと思います。
あなたはどう思いますか?