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汚部屋の片付けに疲れた人は、こんな言い訳をします。
「うん、確かにうちの押入れには使っていないものがある。でも、少しぐらい不用品があっても、誰にも迷惑かけてないじゃない。私が私のガラクタをためこんで、いったい何が悪い?」
そうですね。一人暮らしなら、家族には迷惑をかけていないかもしれません。一緒に住む猫にも。
でも、ガラクタをいっぱいためこんでいると、自分が疲れるんです。
ストレスが増えます。
「いいじゃん、べつに」と開き直りそうになったときは、ガラクタが自分のメンタルに与える影響をもう1度復習しましょう。
この記事では、私がかつて感じていた、ガラクタのメンタルへの影響を5つ紹介します。
1.視覚的ノイズの増加によるイライラ
押入れや棚にしまってあるものは、ふだんは目に見えないでしょう。
でも、押入れの戸を開けたら、びっしり詰まったものが見えるはずです。たとえきれいに整理してあったとしても、得体の知れない「圧」を感じるんじゃないですか?
それが視覚的ノイズです。ふだんは見えていなくても、「なんだかわけのわからないものがそこにたくさんある」と、脳はしっかり記憶しています。
私が見つけた視覚的ノイズ~取り外してみたらほこりだらけだった。
昔私が、ベッドの下に雑誌やTシャツその他をびっしり収納していた話はすでに何度も書きました。
私、この光景、まだよく覚えています。
あるとき、保険会社の人が来て、私は何かを取り出す必要があり、部屋の中を探し回っていました。
証券を探していたんでしょうか? それとも健康診断の記録? 詳細は忘れましたが、机の引き出しやカラーボックス、本箱、すべてをざっと見て、最後にベッド下の収納を見るはめになりました。
ベッド下から、平らな収納ケース(ふたはない)を引っ張り出すとき、とても恥ずかしかったんです。
「えいや!」と思って引っ張り出しましたが。
私は、そこに雑誌やTシャツがびっしり入っていることをよく知っていたから、それを白日の元にさらすのが恥ずかしかったのです。見ないように、考えないようにしていたけど、その存在をよく知っていました。
まあ、見ないように、考えないようにするのは、その対象について意識を向けることですから、視覚的ノイズの記憶は強化されます。
2.終わっていないタスクがある居心地悪さ
不用品をたくさん持つと、「未完了のタスクがある」という居心地悪さがついてまわります。
使うために買ったものをちゃんと使っていない、整理整頓ができていな居心地悪さです。
私もものだらけの部屋に住んでいたときは、いつも頭の片隅に「片付けなければ!」という焦りやプレッシャーを感じていました。
特に私が、「早くなんとかしなければ」と思っていたのはファンシーケースです。
ファンシーケースはこんな感じの衣類を入れるビニール製のケースです。
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これは令和のファンシーケースだから、使いやすいだろうし、風通しがよくて、熱もこもらないと思いますが、私が使っていたのは昭和のファンシーケース。
スチールパイプの骨組みに厚手のビニールを張ったシンプルなもので、風通しはよくありませんでした。たいてい、女性っぽい変な柄(筆子的には)がついていました。
ファンシーケースは、ジッパーを閉めてしまうと中が見えません。
たとえ中がどんなにくしゃくしゃでも、知らないことにできます。
だからこそ、どんどん中に洋服をぶら下げてしまい、そのうちジッパーがしまらなくなります。
「ファンシーケースはほこりが入らないからいい」と言われますが、それはきれいな衣類を、適度な数、ぶらさげているときだけです。
私のファンシーケースは、下に服やら何やらいろいろ落ちていて、入らないはずのほこりやゴミもしっかり入っていました。
ファンシーケースの中や部屋の中を片付けろと母に何度も言われていたので、片付けてないことが重荷になっていました。
3.使っていないもののある居心地悪さ
お金を出して買ったのに、活用できていないものがあることにも居心地悪さを感じます。
それがコレクションなら、べつに使う必要はありませんが、でも、コレクションなら、きれいに整理しておきたいですから、2番に書いた「未完了のタスクあり」という罪悪感を感じます。
買ったのに使っていないキッチン家電(ホットプレート、ジューサー、たこ焼き器、フードプロセッサーなど)がある人は多いと思います。
家電はものによっては値段が高いので、見るたびに、「ああ、無駄な買い物だった」と思うんじゃないでしょうか?
私も、塗り絵のために買った画材や本を引っ越し前に少し整理しましたが、「買うんじゃなかった」とか、「同じミスをまたしてしまった。ブログで人に買うなと言っているのに」など、いろいろな感情が混ざり合って襲ってきて、決して気分はよくありませんでした。
捨てたら気分はよくなりましたけどね。娘にFacebookで売ってもらったので、必要な人が使ってくれると思えたからです。
4.セルフイメージが悪くなるさまざまな感情
ガラクタがたくさんあると自己肯定感やセルフエスティームが下がります。
セルフエスティーム(自分を愛する気持ち)が高い人の12の特徴
自分のものや自分の部屋なのに、ちゃんと管理ができていないと感じるからです。
さらに、これまでの買い物の仕方や、自分の判断能力、意思決定能力についても、失望を感じることがあるかもしれません。
私は確かに失望しました。
買い物で同じ失敗を何度もしましたから。
買ったけど使っていないものは、いくつもありましたが、今でも覚えているのは、かなり若い頃に雑誌を見て買ったダイエットグッズです。
これはグッズというより、本です(私が買ったのはカードになっていた記憶あり)。「マギーのやせる法」という名前でした。
オークションのサイトで調べると「1972年 マギーのビューティフル・マシーン」というものが出てきますが、たぶんこれです。
これは美容体操(死語でしょうか?)の写真がついていたカードで、このカードを見ながら体操をすればやせることになっていた商品。
私、このカード、2~3枚は見た気がしますが、ほかはまったく見ず、もちろん体操もせず、やせもしませんでした。
カードはやけに立派な紙のケースに入っていました。
ダイエットグッズを活用できないと、「無駄なもん、買ってしまった(値段が高かったのに)」という気持ちだけでなく、「私は三日坊主だ」とか、「一生デブなんだ」みたいな、いろいろセルイメージを下げる感情がうずまきます。
だからこういうものはさっさと捨てたほうがいいのです。
私はこのカードでこりたので、以後、ダイエットグッズはいっさい買っていません(でも、いばれません。ほかのものはいろいろ買っていますので)。
5.掃除や管理の大変さからくる無力感
不用品がいっぱいあると、たとえ、置き場所があっても、管理する必要があります。
移動させたり、並べ直したり、横によせたり。この作業は永遠に続くので、メンタルが落ちているときは大きな無力感に襲われます。
いらないものでも、必要なものと同じくらい手間ひまをかける結果になります。
手間ひまかけたくないからと、押入れにどんどん突っ込むと、必要なものを取り出すとき、結局、大仕事をしなければなりません。
だから、置き場所があって、きれいに整理できたとしても、不用品は持たないほうがいいんです。
フライレディが、「ガラクタは整理できない。捨てなければいけない(You can’t organize clutter; you have to get rid of it.)」と言っていますが、これは本当ではないでしょうか?
アメリカのお片づけ指南サイト、フライレディに関する記事のまとめ
若い頃、私は土日の休みのどちらかの午後の数時間、いらないものを、移動させたり、引っ張り出したり、きれいに整えようとしたりして奮闘しました。
この片付けを毎週継続して、ずっとやっていましたが、部屋はぐしゃぐしゃなままでした。
しかも、そういう作業をする前に、雑誌で、「上手な収納方法」をチェックしていました。
この時間、もっとほかのこと(体力作りや勉強など)に使っていれば、私の人生は今とは変わっていたと思います。
■関連記事もどうぞ⇒しまい場所があるからべつに捨てなくてもいいよね:服を捨てない理由とその対策(その6)。
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最近の私は、セルフエスティームは普通というか、自己嫌悪を感じることはそんなにありません。
所持品が少ないせいで、どこに何があるかだいたいわかっているし、掃除もちゃんとできているからだと思います。
ガラクタが少なめなら、自分で自分の環境や人生をコントロールできます。
逆にガラクタが多いと、ものに自分をコントロールされてしまいます。