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買い物依存気味の人、衝動買いをやめたい人に買い物のしすぎをやめる方法をお伝えします。
これまで衝動買いを防ぐ方法を紹介してきましたが、今回は特に効果的なメタ認知について詳しくお話しします。
メタ認知は、自分の認知プロセスを認知すること、つまり、自分の考えていることや行動について、自分で考えるスキルです。
衝動買いと理性的な買い物
まず衝動買いと理性的な買い物を比較することから始めましょう。
いつも衝動買いをしている人は、理性に基づいた買い物について考えたことがあるでしょう?
自分なりに、衝動買いと理性的な買い物がどんなものなのか、考えてみてください。
衝動買いと理性的な買い物にはそれぞれ以下の特徴があります。
衝動買いの特徴
・感情や欲求に基づいて買う決断をする
衝動買いでは、理屈はあまり関係なく、直感や気分が優先されます。
買うつもりのなかったものを売り場で見て買ったり、セールで買ったりすることが多いならそれはきっと衝動買いです。
・即時的な満足を希求している
がまんせず、今すぐ手に入れたくて買います。
この場合、すぐに満足できますが、その満足感はあまり続かず、長期的な満足に変わることもまれで、むしろ後悔することが多いです。
・マーケティングの影響を受けやすい
期間限定の販売や割引、セール、ポイント倍増など、プロモーションの影響を受けて買うことが多いです。そういう「お得なキャンペーン」をしているときは、いつもよりたくさん買ってしまいます。
「今、買わなければ損だ」と思って買うことが多いなら、衝動買いの可能性が高いです。少なくともかなり欲求に突き動かされています。
理性的な買い物の特徴
理性的な買い物は文字通り、理性に基づいて購入を決断することで、以下の特徴があります。
・事前の計画がある
必要性やそれを買う価値や意義を十分吟味し、評価したうえで買う決定を下します。
・長期的な満足感あり
理性的な買い物では、計画する段階で、その買い物から得られる長期的な満足感や価値を重要視するので、当然、衝動買いより長期的な満足が続きやすいです。
・予算管理が含まれることが多い
買う決断をするまえに、高い確率で、予算や、買う商品の金額について検討するので、電卓や計算した紙切れが身近にあると考えられます。
衝動買いのほうが多い
衝動買いと理性的な買い物のどちらが多いかというと、圧倒的に衝動買いだと思います。
人々がデフォルトで理性的な買い物をしているなら、不用品の片付けに苦労している人はいないはずだし、こんなにもゴミ捨て場にまだ使えそうなものが捨てられることもないし、遺品整理業も近藤麻理恵さんの仕事も繁盛しません。
計画的な購入より、衝動的な買い物のほうが、ドーパミンの分泌が多いと思います。つまり、衝動買いをすると、刹那的な快感を感じられ、買った瞬間の満足感や喜びが大きいのです。
結局、楽しいからどんどん買ってしまうのでしょう。
買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。
どんどん買っているとそれが習慣になるので、その後は、楽しい、楽しくないにかかわらず、いつものタイミングで、いつものように買い物をします。
客が衝動買いをすればするほど、売り手側の利益が増えるため、売るほうは、さまざまな手を使って衝動買いを促進しようとします。
ニューロマーケティングとは?:消費者の決断に関する新しい科学(TED)
今はスマホでワンクリックで買い物できるし、買ったものはすぐに家まで届けてくれます。
買い物も返品も簡単なので、何も考えていないと、たくさん買ってしまうのではないでしょうか?
さらに衝動買いは、事前に制限をかけないので、新しい商品やサービスを試す機会が増えるので、この点に魅力を感じる人も多いかもしれません。
私のように、基本的に定番しか買わない人は、いつも同じものを買い続け、何かのきっかけがあってはじめて、別の商品を買う傾向があります。
ここまで説明したように、人間はもともと衝動買いのくせがつきやすくできているし、販売するほうも、衝動買いが起こるように仕向けるので、何も考えていないと衝動買いをします。
買い物日記のすすめ
衝動買いと理性的な買い物の違いがわかったら、自分はどちらが多いか、考えてください。
たとえば、過去1ヶ月はどうだったか、今年前半はどうだったか、自分がした買い物を思い出して、どちらだったのか調べましょう。
買い物の頻度が多い人は、ひとつひとつの買い物なんて覚えていないでしょうが、ネット通販なら購入履歴が残っているので、全部調べてみることをおすすめします。
店舗で買うことが多いなら、手元にある商品を見ながら思い出してください。
とはいえ、人間はすぐに忘れるので、何も思い出せないかもしれません。
そこで、もし今後、衝動買いを減らしたいなら、きょうから買い物日記をつけてください。
たとえば、買い物をしたら、ノートやスマホのメモアプリを使って、日付、購入したもの、金額、購入利用、そのときの感情、現在の感情などを記録します。
どんな形でもいいので、日記をつけて、自分がした買い物を振り返る習慣をつけましょう。
買い物についてメタ認知する
これら一連の作業を「メタ認知」といいます。
メタ認知は、過去記事で何度か書きましたが、自分が考えていることについて考えることです。
自己の思考プロセスを調べて、制御する脳力とも言えます。
自分がどのように考えているのか、学んでいるのか、問題を解決しているのかを意識すればそれがメタ認知となります。
衝動買いをするとき、人は、文字通り衝動に従っているため、メタ認知をそんなにしていません。
「あ、かわいい」「あ、安い」「あ、便利そう」。こんな理由でいとも簡単に買っています。
このとき、「あ、かわいい。でも、待てよ、かわいいと思ってるけど、今日、はじめて見たから、新鮮でかわいく見えるだけなのかもよ、そもそも本当に必要なの?」とか、
「あ、安い。でもちょっと待って、家に似たようなのがあるから、いくら安くても、買うと無駄になるから、結局は高くつくじゃん」とか
「あ、便利そう。でも、今持っているもので十分間に合っているから、これが便利とか便利じゃないとかは、私にはどうでもいいことだ」などなど、考えることができれば衝動買いはしません。
買い物を振り返ることを習慣にする
衝動買いが多い人は、ふだん買い物に関してあまりメタ認知をしていません。そのため、売り場でいきなり冷静な思考を展開するのは難しいと思います。
売り場には、魅力的な商品が並び、買う気満々のほかのお客さんがいて、店員も巧みに購入に誘導するため、どうしても買う方に引っ張られます。
そもそも売り場でメタ認知できるぐらいなら、自宅に不用品がたくさんたまることはありません。
そこで、最終的には、売り場(買う決断をする場)でメタ認知できるようになるために、まずは、すでに行った買い物についてメタ認知する練習をしましょう。
そのために最適なのが、買い物日記をつけることなのです。
メタ認知をするとき、そんなに深く思考する必要はありません、ごく軽く、その日行った買い物について振り返るだけで十分です。
すでに日記をつけている人は、日記にその日の買い物の振り返りを書けばいいでしょう。
これを半年から1年、まじめにやってみてください。
必ず、衝動買いが減るし、買い物習慣も変わります。
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定期的に断捨離しなければならないほど、部屋にものがあるとき、高い確率で、衝動買いが発生しています。
スッキリ暮らしたいなら、買い物習慣を変えることは不可欠です。
メタ認知は学習と問題解決の効果を高めるためにとても重要なスキルで、これができるとできないとでは、人生が大きく変わります。
メタ認知を試みたことがない人は、買い物習慣を変えながら、メタ認知スキルも磨いてください。
買い物依存の人にも、メタ認知(買い物日記)はとてもおすすめの方法です。
以前、明らかに買い物依存で、医者にかかっていて、医者に、「買ったものを記録してごらん」と言われたのに、「面倒だから」やっていなかった読者がいました。
どんなに面倒だと思ってもやるべきですし、買ったもののを記録するのはそんなに難しいことではありません。
世の中は、買い物をよしとしているため、買い物依存はそんなに問題視されないし、買い物そのものは反社会的な行動ではありません。
しかし、買い物依存には、たった1度の人生をだめにする破壊力があります。
私の身近に買い物依存気味の人が2人いますが、2人ともひじょうに情緒不安定で、とても幸福には見えません。私が親ならセラピーを受けることを強くすすめるでしょう。