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必要以上に愛着を持ってしまい、なかなか捨てられないものを紹介します。
愛着は、一言で言うと「感情的なつながり」です。
ものをいっぱい持ってしまう人は、ものに対して、過度に感情移入をしています。
愛着を持ちすぎてしまう背景を探りながら、上手に手放す方法を考えていきましょう。
1.思い出の品
今の生活にはまったく役立っていないたくさんの思い出の品。
収納スペースを一番奪っているのは、このような思い出グッズです。
たとえば、昔部活で使っていたユニフォームや、大会で入賞したときにもらったトロフィー。
もう使いませんが、手放してしまうと、過去の大事な瞬間を失うように感じます。
子どもが幼稚園や学校で制作した絵、立体物、作文などをすべて保管する人もいます。
それは貴重な「成長の記録だから」捨てられないのです。
2.高価なもの
お金をたくさん払って買ったものにも愛着が生まれます。
金銭的執着とも言えますが。
たとえば、ブランドバッグや時計、ジュエリーなど高額の品物を手放すのは、お金を失うような気がしてなりません。ものすごく損をするように感じるのです。
この愛着は、いざ手放そうとするときに強く表れます。
使っていない宝石やジュエリーも、「資産価値があるかもしれない」と考えて捨てられません。多くは、ただ、たんすの肥やしになっているだけですが。
3.「いつか使うかも」と思うもの
今は使わないけど、いつか使うときがくるから、と思って手放せないものにも、愛着を感じていると考えていいでしょう。
たとえば、「やせたら着られるかも」と期待している服や、部屋着として使えると思ってためこんでいる服など。
こんなふうにろくに着ていない服を大事にする(実際はしまっておくだけですが)人ほど、ほかにも服をたくさん持っています。
押入れの中で眠っている使わなくなった家電も愛着の対象です。
もう使わないけれど、「こわれていない」「また使うときがあるかもしれない」と、処分をためらいます。
4.贈り物
くれた人との関係を象徴しているギフトも、手放しにくいもののひとつです。
義理堅い人は、「捨てたら申し訳ない」と感じるし、大事な人間関係がこわれると恐怖を感じる人もいます。
イベントで入手した記念品も、大事なものです。
捨てるのは、楽しかったイベントや、そのとき、共に時間を過ごした人たちを否定するように感じるのかもしれません。
5.集めたもの
コイン、切手、フィギュア、本、DVDなど、趣味で集めたものが増えすぎて、困っているのに捨てられません。
人は、自分が多くの時間や労力を費やしたものに、より価値を感じます。
これは心理的なもので、ものの実際の価値とは関係ありません。
コレクションしたものを捨てるのは、自分の努力やお金が無駄だったと感じさせます。
6.普段遣いしない日用品
新しいものを買って、ほとんど出番がないマグカップやお皿、お椀も、愛着の対象です。
長年使った、自分が稼いだお金で買ったなど、感情やリソースを投資したものだからです。
古いタオルや布を捨てないこともあります。
ウエスにして掃除に使えると思うからですが、大きな面積(と言っても、たいして大きくない)の布は、ウエスとして使ったあとですら捨てられません。
ウエスにするからしまっておく:着ない服を捨てない理由とそれを乗り越える方法(その9)
7.過去の栄光の象徴
かつて仕事で使った書類や資料を捨てられない人はたくさんいます。
たくさんある仕事の書類をどうしても捨てられなくて困っています←質問の回答。
自分では、「いつか使うときが来る」「あとで参照するかもしれない」と思っていますが、実際は、昔の仕事の資料は、「自分の努力や業績の証」だから、捨てられないのだと思います。
賞状や、成績表、資格を取った証明書みたいなものも、もちろん使わないし、飾ってもいないけど、「私が成功した証拠」だから、捨てません。
私も昔、英検やTOEICの証明書みたいなものを持っていましたが、このような資格は、実際は、コンスタントに更新していないと何の証明にもなりません。
8.遺品
亡くなった人やペットが使っていたもの、つまり形見や遺品は、思い出の品とギフトが合わさってパワーアップした執着の対象です。
捨ててしまうと、その人やペットとの関係が消えると感じるので、大量に保管します。
実際は自分が覚えている限り、何も消えません。
9.未完成のプロジェクト
途中まで作って放置している手芸やDIYの制作物も、これまでにかけた労力がもったいなくて捨てられません。
「完成させれば素敵なものになるだろう」と、あきらめきれないのです。
そして、「いつか時間ができたら作る」と思い続けます。
感情を整理すれば捨てられる
人は、ものを捨てる痛みを強く感じるので、いったん手に入れたものは、程度の差こそあれ、すべて捨てたくないと思います。
これまで感情的な投資を多くしてきたものには、その分、愛着の度合いもアップします。
ということは、感情を整理すればうまく手放せます。
感情を整理するとき、私が有効だと思う方法は以下です。
自分の気持ちを客観視する
愛着を感じて捨てられないものについて、自分が何を考えているのか、その気持ちをそのまま見ます。
うまくできないときは、書き出してみるといいでしょう。
たとえば、「このコートを買ったときは、とても幸せな気持ちだった」「この本を読んで勇気をもらった」「このプレゼントは、使わないけどデザインが好きで、ふだんはしまいこんでいるけど、改めて見るとかわいい」など。
自分の感情についてよく考えると、捨てようと思ったからこそ出てきたことに気がつくかもしれません。
このとき、自分の感情に、「懐かしい」「後悔」「罪悪感」など具体的な名前をつけると、なんとなく感じているもやもやした執着や不安が和らぎ、気持ちを吹っ切ることができます。
質問する
感情を整理するのに役立つ質問を自分にします。たとえば、
– これは自分の生活にどんな価値を与えているか?
– これがなくなったら、どんな気持ちになるか?
– もしこれを所有していなかったら、わざわざ欲しいと思うか?
– これが私に与えているのは、ポジティブなことか、それともストレスか?
– 特別な思い出や強い感情と結びついているか? ⇒ この場合はその気持を書き出して深堀りします。
– また手に入れることができるか? ⇒ 補充可能なものは、捨てても安心です。
感情的価値とものの価値を切り離す
ものに愛着を感じているとき、多くは自分の感情による価値のせいです。
しかもその価値は、捨てようとしたときに、急に出てきたものが多いと思います。
そのような感情的価値ともの本来の価値(たとえば、毎日ご飯を食べるのに役立っているなど)を切り離してください。
感情的価値を重要視したいなら、それでもいいですが、そうすると、「捨てたくない」と少しでも思うものは、すべて持ち続けることになります。
汚部屋になるのは、感情的価値のあるものも、ものとしての価値があるものも、区別なく一緒くたにそのへんに置いているからです。
お礼を言ってみる
ものに強い思い入れがある人は、ものを自分と同等の、あたかも人間のように感じていますから、お礼を言ってみると、関係を断つ罪悪感を減らせます。
「今までそばにいてくれてありがとう」「あのときは活躍してくれてありがとう」「これまでありがとう。さようなら」など、感謝やお別れの言葉を言いながら手放すと、うまく別れることができるでしょう。
正直、この部分を書いていて、「バカバカしいかも」とは思いますが、人によっては、とても効果的な捨て方です。
関連記事もどうぞ⇒とても愛着のあるものを手放す5つの方法~コツはちゃんと向き合うこと。
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愛着のせいで捨てられないものを9種類紹介しました。
いったん手に入れると、どんなものも手放しにくくなるので、ものに強い思い入れを持ってしまう人は、最初から手に入れないほうが後々苦しまなくてすみます。
旅先でおみやげを買うとき、いつもなら3種類ぐらい買っていたのを、ひとつだけにするとか、食べればなくなるものを買う。シーズンごとに新しい服を買っていたなら、2年毎に買うようにする、DVDでドラマを視聴するのではなく、配信サービスで見るなど、やり方はいろいろあります。
安易にものを所有しなくなると、シンプルに暮らせますし、経済的だし、捨てる苦しみを感じなくてすみますよ。