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部屋は散らかるもの、こんな前提で暮らして、片づけに関するストレスを減らしましょう。
片づけた直後はすっきりしていたのに、数日も経たないうちにまた元どおり。この繰り返しに、うんざりした経験がある人も多いのではないでしょうか?
私も昔はそうでした。ものが多かったので、週末に時間とエネルギーをかけて片づけるのが常でしたが、月曜には元のぐしゃぐしゃになって、ため息をついたものです。
ですが、きのう、子育てで忙しくて片づけられない人にアドバイスしたように、こうした片づけに対するストレスや嫌悪感があると、かえって部屋はきれいになりません。
片づけそのものを放棄することにもつながります。
こんな状態になるのは、「理想の片づけ像」にとらわれすぎているからかもしれません。
部屋は散らかって当然。大切なのは、散らかってもサッと元に戻せるようにしておくこと。
この記事では、常に片づいた状態を保つようとがんばるのではなく、整え直しやすい仕組みづくりをすることを提案します。
片づけがつらいのは、理想のゴールが高すぎるから
せっかく片づけても、すぐに部屋が散らかると落ち込む理由は、「いつも片づいた状態を保たなければいけない」という思い込みのせいです。
この思い込みは、SNSや雑誌に登場する理想の部屋から生まれます。こうした部屋は、スッキリきれいに整っています。
けれどそれは、あくまで静止画にすぎません。
私たちの暮らしは常に動いています。ごはんをつくればキッチンは散らかり、子どもが遊べばリビングにおもちゃが出て、仕事をすれば机の上に資料が広がる。人が生活していれば、新しいものは日々、普通に入ってきます。部屋が散らかるのはごく自然なことなのです。
そこで、片付けのゴールの設定を変えましょう。
「いつも片づいた状態を保つ」ことを目指すのではなく、「散らかっても、すぐに戻せる仕組みをつくる」ことをゴールにしてみるのです。
片づけの本当の目的は、完璧な見た目を保つことではなく、気持ちよく暮らすことです。
究極のゴールを思い出すだけで、片づけのストレスはずいぶん軽くなります。
戻しやすい部屋にする5つの工夫
では、ここから、実際に元に戻しやすい部屋にする工夫を5つ紹介します。
1. ものを減らす
そもそも、ものが多いと際限なく散らかります。
衣類や食器など日常使うものがたくさんあると、使うたびに新しいものをひっぱりだして、流しの中や、洗濯かごの中に山ができます。
また収納スペースがいっぱいになり、ものを戻しにくくなるという問題もあります。
使っていないもの、似たようなもの、ストックしすぎた日用品。こうしたものを見直して、必要なものだけを持つようにしましょう。
ものを捨てるコツですが、「使っているもの」「使っていないもの」をシビアに分けましょう。「いつか使うかも?」という幻想に囚われていると、いつまでたっても、所持品は減りません。
「いつか使うかも」と思って溜め込んだもの、どうして使えない? その理由と解決策。
2. ものの帰る場所を決める
ものが出しっぱなしになるのは、どこに戻すかがあいまいだからです。
カギ、書類、リモコンなど、迷子になりやすいものは必ず「定位置」を決めておきましょう。
リモコンは専用のトレーや小物入れに、鍵は玄関横のフックに、よく使うペンは、専用のペン立てに。
こんなふうに、使ったら戻す場所を厳密に決めて、家族にも伝えておいてください。
このとき、ものを入れるものを用意しすぎると、ものの帰る場所がしっかり決まらないので、最小限にしましょう。
ポイントは、数は最小にし、場所を明確にすることです。
3. ワンアクションで片づく収納にする
収納の手順が複雑だと、ものを戻すのがおっくうになります。
収納場所が遠かったり、しまうためにふたを開ける、重ねたものをどかすというステップが必要だと、使ったあとそのまま放置しがちですよね。
私が意識しているのは、ワンアクションで完結する収納です。
ハンガーにかけないTシャツや下着は軽くまるめて、IKEAで買った布製ボックスに放り込んでいます。
書類はペーパーレスを目指しているので、あまり持っていませんが、デスクの下にあるメッシュの引き出しに、がさっといれます。
こんなふうにトレーやカゴに投げ込むだけでいい収納にすれば、ものを戻す習慣が身につきますよ。
しまい込むとあとが大変。余計な物を増やさない4つの収納ルール。
4. 定期的にリセットする
どんどん散らかるのを防ぐために、定期的に部屋をリセットする習慣を作りましょう。
朝食の後や寝る前など、日々の生活の中で、5分だけものを片づける時間を取り入れてください。タイミングは人それぞれです。
毎日行うのがおすすめですが、それが面倒なら、週に3回でもいいし、できる日だけでもいい。
でも、リセットする時間を作ることは意識してください。
私は、日中、仕事の気分転換として、キッチンのカウンターの上をよく片づけていますが、それ以外に、1日の仕事が終わったあとに、いったん完全にリセットしています。
家全体をきれいにする必要はないので、特に散らかりやすい場所だけ、片づけるようにしましょう。
日々のリセットをして「ぱなし癖」と縁を切る~汚部屋になってしまう前に。
5. 一時置き場を作っておく
すぐ戻せないときのために、とりあえず置いておく場所をつくっておくと、部屋の乱れが広がりません。バッグ、本、洗濯物など、一時的に置けるスペースを設けましょう。
私は娘が小さかったとき、すべてのおもちゃを投げ込む大きな箱を用意していました。
こうすると、ものをなくすことも防げます。
片付けられないものは一時置き場に投げ込んでおき、1週間に1度、中身を整理するといいでしょう。
「一時置き場」も作りすぎないように気をつけてください。
。。。このように、戻しやすさを意識して、ものを所有し、収納する場所を決めると、管理しやすい部屋になります。
片づけなくても整う暮らしへ
「部屋をきれいに保たなきゃ」と思っていると、少し散らかっただけで気持ちがざわついてしまうものです。
でも、戻しやすい仕組みを作り、「散らかっても、すぐ戻せるから大丈夫」と思えるようになれば、片づけに振り回されません。
暮らしの中に、安心できる土台ができます。
部屋の状態と気分は密接に関係しています。
床にものが散らかっていたり、カウンターの上にいろんなものが積まれていたりすると、それだけで落ち着かない気持ちになりますよね。
でも、そういう状況でも、「この散らかりは想定内」「あとでさっと戻せる」と思えれば、焦ったり、自己嫌悪に陥ったりしなくてすむのです。
すると、片づけが「やらなければならないめんどくさいこと」から、「生活の流れの中で自然にしてしまうこと」になります。
「すぐリセットできる」と思えると、ものを散らかす家族に対するストレスも減るかもしれません。実際、元に戻しやすい部屋になれば、家族も戻すようになりますよ。
片づけるのではなく、暮らしの流れを整える。そんな生活を目指して、戻しやすい環境を作ってください。
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片づけを負担に感じるのは、常に完璧を求めすぎてしまうからかもしれません。
でも、私たちの暮らしは日々動いていて、部屋が散らかるのは当たり前のことです。
散らかっても整え直せるようにしておく。
それだけで、暮らしはもっと気楽で、もっと快適になります。
「片づけなきゃ」と焦るのではなく、「また整えればいい」と思えるだけで、気持ちはぐっと軽くなるはず。
完璧じゃなくても大丈夫。
あなたらしいペースで、戻しやすいシステムを作っていってください。