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断捨離をするとき、ときめきや直感で残すものを決めようとすると、なかなか片付きません。
ときめきで見分けるのは、一見、わかりやすくスムーズなやり方です。しかし、実際は迷いが増え、思ったほどものが減りません。
手に取るたびに「これも好きかも」と思い、気分によって判断が揺れる──そんな経験はないでしょうか?
この記事では、ときめきや直感に頼る片付けがうまくいかない理由を5つ紹介し、それぞれに対策を提案します。
1. 感情は気分でぶれやすい
ときめきや直感は、その日の気分や体調に大きく左右されます。
ある日は「もう使ってないし、手放してもいいかな」と思えたものが、別の日には「やっぱりこれ好きかも」と感じて残してしまう。その繰り返しで、いつまで経っても片付けが終わらない。
感覚に頼りすぎるとこんなことが起きます。
ときめきだけを基準にすると、毎回判断がぶれます。自分の中に明確な規準がないので、同じ引き出しを開けては、また閉じる、なんてことを何度も繰り返すことになるでしょう。
気分だけで決めない
「ときめくかどうか」に加えて、「この1年で使ったか?」「同じものをいくつも持っていないか?」といった質問を自分にしてみましょう。
また、アウターは5着まで、ソックスは1週間分というように数を決めておくと、気分だけの捨て活になりません。
好きでときめくものを残すのは理にかなっていますが、それだけでは不用なものも一緒に残ります。感情+客観的な基準のふたつを使って、数を減らしていきましょう。
2. 思い出や執着を「ときめき」と誤解する
「ときめき」を重要視すると、手放しにくい感情をすべて、ときめきと勘違いする可能性があります。
高かったから、もらいものだったから、昔よく使っていたから。本当は、そうした理由で残しているのに、捨てたくないので、「まだ好きかも」「なんとなくときめく」と自分をだますのです。
今あなたが感じているのはときめきではなく、罪悪感や執着かもしれません。
たとえば、誕生日にもらったけど使っていないポーチ。かわいいと思う気持ちが少しでもあれば、「これにはまだときめいてるかも」と自分を納得させてしまいます。
しかし、実際は「くれた人に悪い」「使ってないけど捨てるのは抵抗がある」といった、ときめきとは違う感情のほうが強いかもしれません。
「今の自分が使いたいか」で判断する
「ときめくから残す」ではなく、「今、この暮らしの中で本当に使いたいか?」と問い直してみましょう。
残したい本当の理由を言葉にするのもおすすめです。
そこに執着や罪悪感がありそうなら、感情の整理をするといいでしょう。
過去にとらわれた気持ちと、本当に好きな気持ちを切り分けないと、ときめき規準のやり方ではうまくいきません。
とても愛着のあるものを手放す5つの方法~コツはちゃんと向き合うこと。
3. ときめくものばかりで、結局ほとんど残ってしまう
ときめきだけで選ぶと、減らすつもりが、結果的にたくさん残ってしまいます。
買ったときに気に入って選んだものは、そう簡単には嫌いになりません。「これも好き」「あれもまだときめく」と感じて、いざ片付けようと思っても、ほとんど減らないのではないでしょうか?
たとえば、クローゼットにかかっているあまり着ない服。色も形もお気に入りの服ばかりなので、全部残したくなるのも無理はありません。
でも、すべてよく似ているから、供給過多となり、1年以上着ていない服が出てきます。
気に入っていても減らす
「これはときめく?」ではなく、「これは減らせるか?」と考えてみると、実際に減らすことができます。
全部お気に入りだと思うときは、「どれを残すか」ではなく、「どれを手放しても困らないか」と考え、もう持っていなくてもいいアイテムを見つけてください。
ものが多すぎて生活に支障が出ているなら、「ときめくから残す」とやっていると、暮らしやすさは手に入りません。
あくまで減らすことを意識しましょう。
4. 好き嫌いだけでは、使いやすさが判断できない
ときめきだけを基準にしていると、使いやすさや日々の生活で役立つかどうかといった視点がないがしろにされます。
たとえば、色が気に入って買ったけれど重くて使いにくい鍋、履き心地が悪いけどデザインは好きな靴。これらはときめくものに入るかもしれませんが、実際に使っていないなら、限りなく役立たないものに近いです。
反対に、「特に好きではないけれど、毎日使っている」「地味だけど、あると便利」、こんなものもたくさんあるはずです。ときめきを基準にしていると、こうした、生活に有用なものが見落とされます。
片付けの目的は、部屋を快適に整えること。見て気分があがることだけが重要ではありません。
「使っているかどうか」を重視する
手に取ったときに「好きかどうか」だけでなく、いつ使ったか考えてください。
日常的に出番があるかどうか、管理がしやすいか。そうした視点で見直すと、ときめくけど、実用性は今ひとつのものを発見できます。
ときめきは気持ちを明るくする力がありますが、片付けで大切なのは、そのときの感情より、生活しているときの実感です。
「好き」より「ちゃんと使っている」を優先したほうが暮らしの質があがります。
5. 片付けの目的が見えなくなる
ときめきという感覚にばかり頼っていると、そもそも、なぜ片付けようと思ったのか、本来の目的を見失うことがあります。
最初は、「人を呼べる部屋にしたい」「掃除しやすくしたい」「朝の支度をスムーズにしたい」などのゴールがあったはず。ところが、目の前の「ときめき」だけに意識を向けていると、一番大事な片付けのゴールに気が回りません。
たとえば、リビングをすっきり見せたいと思っていたのに、「この雑貨、かわいいから」と全部残してしまう。結果、片付けているつもりが部屋は何も変わっていない。そんなことが起こるかもしれません。
目的を明確にする
片付けを始める前に、そもそも、なぜ片付けをする気になったのか、捨て活のゴールを思い出しましょう。
自分が片付けをしている理由を、しっかり言葉にすることをおすすめします。
私たちは、目の前の細かい作業や問題に意識を奪われていると、本来の目的を見失います。「木を見て森を見ず」という状況ですが、これは私たちの脳の認知のしくみと関係しています
たとえば、人間の脳は、すべての情報を同時に処理することができないので、目の前の重要だと感じる情報に意識を向ける特性があります。
片付けをしているときも同じことが起きます。
ひとつひとつにときめくかどうか考えるより、ゴールを意識しながら片付けたほうが、望む生活に近づきます。
■関連記事もどうぞ
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⇒こんまりの「ときめき」がよくわからないあなたへ。捨てる物を決める15の質問
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何を持ち、何を手放すか。その選択には、自分なりの考えや目的が必要です。
その場の印象や気分だけに頼っていると、どうしても判断が揺れます。
「あれはかわいい」「これはやっぱり残したい」と思って迷っているうちに、たいして数は減らず、暮らしにくさも解消されません。
本当に必要なのは、「どんな空間で過ごしたいか」「どんな毎日を送りたいか」を明確にし、それに沿って所持品を合理的に選んでいくこと。
手持ちのものを使いこなせていれば、数が少なくても、足りないと感じることはありません。
所持品が、今の自分の生活にふさわしいかどうか見直してください。
大事なのは気分より、目的に沿った判断です。
「好き」を大事にすることを否定はしませんが、客観的な判断も入れて、より暮らしやすい生活を手に入れましょう。