1人たたずむ若い女性

ミニマルな日常

捨てられない人は、捨てたあとに起きるいいことに目を向けよう。

物がありすぎて、、明らかに生活が不便になっているのに、いっこうに捨てない人は、捨てたあと起きるかもしれない悪いことばかり考えています。

これを捨てちゃうと、あとで必要になって、困るかもしれない。

これを捨てちゃうと、新しく買い直すとき、お金がいる

これを捨てちゃうと、部屋がガラーンとして寂しくなる

これを捨てちゃうと、がんばった自分の過去が消えてしまう

こんな具合です。

自動的にこう考えてしまう人は、捨てたあとに、起きるであろうよいことを想像するクセをつけてください。

どんないいことが起きるか、今回は、3つ紹介します。



1.自分の好みがわかる

捨てるもの、キープするものと選別しながら、不用品を減らしていくうちに、自分の好みがわかってきます。

やたらと物のある家は、好きなものも、嫌いなものも、他人の趣味が反映されたものも、どうでもいい物も、使うものも、使わないものも、何もかもいっしょくたになって入っています。

このような状態で暮らしていると、いっこうに自分の好みやポリシーが確立せず、そのときの流行や、たまたま他人の言ったこと、やったこと、雑誌やSNSで見たことに、簡単に影響を受けます。

その結果、ますます、大事なものとそうでない物が混在する家になります。

そのままずーっといくと、自分のことがよくわからないまま一生を終えることになります。

思い切って断捨離をすると、そんな生活をしなくてすむのです。

タンスやクローゼット、押入れのケースにたくさん服が入っているとき、自分はそのすべてを好きだし、どれも必要なんだ、と思いがちです。

つまり、すべて自分の好みが反映されたものだと感じていますが、これは違います。

ちょっと前に、コートを捨てて後悔した、という方のメールを紹介しました。

古いコートを捨てたことを、すごく後悔しています。気持ちの整理がつきません←質問の回答。

このように、使わないものでも長年持っていると、愛着がわき、それを持っているのが、あたりまえになり(クローゼットがぱんぱんな状態や、古い没原稿を持っているのが自分のコンフォートゾーン)、その品物が必要以上にいいものに思えます(授かり効果)。

授かり効果のせいで捨てられない物を捨てられるようになる考え方

その結果、自分はこれが好きで、必要だ、大事だ、と感じますが、それは錯覚なのです。

好きで必要なら、しょっちゅう使うはずですよね?

大事なものなら、押入れの中に、何年も放置しませんよね?

「何を捨てていいのかわからない」と思う人ほど、じっくり考えながら、物と向き合ってください。

自分の好みやポリシーがよくわかり、今後、買い物の失敗が少なくなります。





2.スペースを確保できる

不用品を外に出すと、スペースがあきます。

それを置いていたスペースがあくと、どんなことが起きるか考えてください。

まず、見た目がスッキリしますよね?

次に、掃除が楽になります。

物の出し入れも楽になります。

自分自身の移動も楽になります。

物によっては、あたりを満たす空気もきれいになります。

これらは、物理的にスペースがあくメリットですが、心理的にも新たにスペースを得られて、気分がよくなります。

物がたくさん詰まっていたり、積み重なっていたりするのを見ると、そのごちゃごちゃした光景が、頭を疲れさせます。

気をつけて。ガラクタが感情に与える悪影響を見過ごしてはいけない

「片付いていない」「きれいにしなきゃ」と考えて、何かに追われている気がします。

いま、在宅勤務する人が増えていますが、家にいると、たまった家事をしたくなること、ありませんか?

たくさんの物を見て、「やり残していることがある」と考えてしまうからです。

高価な品物を、ろくに使わず放置しているときは、「買ったのにちゃんと使えていない」という罪悪感を感じます。

ガラクタがたくさんあると、こういう感情や思考が、頭の中のスペースをどんどん奪います。

すると、物ごとを落ち着いて考えることができません。

それはあたかもメモリが不足しているパソコンのようなもの。

もともとのスペックは高いのに、どうでもいいものをダウンロードしすぎて、メモリ不足になり、パフォーマンスが大幅に低下し、何をするにも異様に時間がかかります。

不用品を捨ててしまえば、やり残しはないし、罪悪感を感じさせるものもないため、頭の中のスペースが解放されます。

すると、別のことを考える余裕ができるし、仕事にも集中できるし、心の余裕を取り戻すことができます。

もちろん、ふだんの行動も早くなります。

心の中(脳の中)のスペースは目に見えないから、物をたくさん持っている人は、自分の頭が、ガラクタに侵食されているなんて、夢にも思わないでしょう。

ですが、本当に、ガラクタはメンタルのスペースを奪いますよ。

捨てたあと、スッキリする、身軽だ、解放感がある、と思うのは、メンタル面のスペースができるからです。

シンプルに暮らすために余白を取ることを意識したい7つのもの。

「もったいない」「いつか使うかも」「使わないけどかわいいし」と不用品にしがみついていると、自分のせっかくの能力をい生かすことができません。

3.より自由になる

どんな物でも、いったん所有すると、それを維持、管理、使用する手間が発生します。

すなわち、それは自分の自由を奪われることです。

持ち家と賃貸とどちらがいいか、とよく議論されます。

どちらを選ぶかは、その人の好みや趣味によると私は思いますが、「利便性がいいのは、賃貸だ」ということは誰でも賛成するでしょう。

いったん家を買うと、住宅ローンを支払う関係上、同じ場所、同じ会社・仕事に紐づかれることが多いです。

ローンを支払い終わっても、たいていその古い家に住み続け、自分たちがいなくなったあとは、子供が処分に苦慮します。

家や車のような大きな物でなく、ごく小さな物でも、所有している人のこころと行動を制限します。

全然着ていない服なのに捨てない人、30年以上前の領収書を捨てない人、ろくにインクが出ないのに、最後まで使い切りたいとがんばる人、いろいろな人のメールを拝見しました。

使っていないのに捨てられず、それを管理し続ける、というのは、その物たちに、自分の行動を決めさせていることにほかなりません。

物が足かせになっているのです。

大事な物や、本当に使う物を管理するのならいざしらず、もういらない物まで面倒をみるなんて、なんて不自由な人生でしょうか。

しかも、自分がのびのびするはずのスペースまで奪われています。

「え、でも、物を使うのは楽しいよ」と言う人もいるかもしれません。

確かに、同じ物をたくさん取り揃えて、毎日あれこれ迷うのは楽しいかもしれません、ですが、楽しいのは最初だけです。

その刺激に慣れて、そうすることが当たり前になると、もう楽しくありません。

むしろ、迷ったり、決めたりすることに時間とエネルギーを使って疲れます。特に、数がたくさんありすぎるときは。

新しい刺激を求めて、「もっと別のを買いたい、使ってみたい」と持ち物を増やすとますます疲れます。

気がついたときには、断捨離しなければならないほど、たくさんの物に囲まれて、身も心も身動きできなくなっているのです。

捨てるメリット

過去記事でも、不用品を捨てるメリットをたくさん書いています。

物が少ない生活の具体的なメリットとは?(前編)

不用な物を持たない生活の具体的なメリット(後編)

自分の心の中でひっそり育つ、目には見えない断捨離の4つのメリット。

片付けを実践したらたくさんのメリットがありました(読者の断捨離体験談)

物が少ないメリット:足りないからこそクリエイティブになれる(TED)

2ヶ月かけて不用品を1000個捨てたら、いいことがいっぱい。

不用品を捨てたらいいことが起きて、断捨離熱がヒートアップ。

******

私に言わせれば、物が少ない暮らしはいいことだらけです。

しかし、たくさん物を持っている人は、「捨てるときに感じる心の痛み」を避けたくて、捨てたあとに起きるかもしれない悪いことばかり考えます。

たとえ、痛みがあることでも、それをやることによって、大いなる喜びを得られることはたくさんあります。

不用品を捨てることも、そうした行為の1つだと思います。





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