ページに広告が含まれることがあります。
家族がものを散らかす。いらないものをどんどん家に持ち込む。こんな悩みのある方に、シンプルライフとは真逆の行動をする家族との付き合い方を紹介します。
どれだけ自分が頑張って片付けても、家族がものを出しっぱなしにしていたり、全然片付けてくれなかったりすると、イライラしたり、やる気をなくしたりしますよね。
今は一人暮らしの私ですが、長年、家族が片付けてくれない状況に何度も悩まされたので、その気持ちはよくわかります。
でも、どれだけ言っても変わらない家族にストレスをためるより、自分の行動を変えるほうが建設的です。
相手をコントロールしようとする前にやれることはたくさんありますよ。この記事では5つ、紹介しますね。
1. 人のものには手を出さない
家族が散らかしたまま片付けてくれないと、「もう勝手に捨ててしまおうか」と思うことがあるかもしれません。「きっともう忘れている」と自分に都合のいい解釈をして。
ですが、他人のものに勝手に手を出すのはおすすめしません。
本人の意思を無視して片付けると、相手は「勝手に捨てられた」「自分のものを大事にしてくれない」と感じるので、信頼関係が壊れることがあります。
先日、親に勝手にものを捨てられてしまった人の相談にnoteで返信しましたが、ご本人はとても悲しんでいました。
大切なものを突然失ったとき、気持ちと向き合い、前へ進むヒント
他人には「これはゴミにしか見えない」と思えるようなものに限って、当の本人にとっては大切な品物だったりします。
それに、捨てられた経験がある人は、「いつかまた捨てられるかも」という不安から、ますますものをためこむ傾向があります。すると、逆効果になります。
私自身は「人のものには手を出さない」というルールを決めていました。
自分が管理できるのは、自分のものと自分の空間だけ。この原則を忘れないようにしましょう。
2. 自分のスペースを整える
家族が片付けてくれないからといって、暮らし全体をあきらめる必要はありません。まずは、自分がコントロールできる範囲から整えていきましょう。
たとえば、以下のようなスペースから始めてみてください。
・自室の引き出しやクローゼット
・洗面所の自分用スペース
・ダイニングテーブルの自分の定位置
・リビングの一角(自分のもの、たとえば読みかけの本などを整理する)
小さな場所でもスッキリした空間があると、不思議と気持ちが落ち着きます。視界に整った景色があると、ストレスがやわらぎ、達成感も得られますよ。
できれば、何があってもものも置かないスペースを一つ作るといいでしょう。
自分のスペースをきれいにしていると、家族が「なんかこのへん、片付いてる」「最近、部屋がきれいだな」と気づくこともあります。整った空間は誰にとっても気持ちのいいもの。すっきりしたスペースのよさに気づくと、家族の意識も少しずつ変わるでしょう。
人に「片付けて」と何度も言うより、自分が無言で実践してみせること。これが一番伝わる方法だと思います。
3. 行動で整えたい気持ちを伝える
「片付けて」と何度言っても変わらない家族に対して、言葉で指摘するのは逆効果です。言えば言うほど反発されたり、無視されたりして、けんかが増え関係がギスギスしてしまう恐れがあります。
こんなときは、行動で静かにでもきっぱりとメッセージを伝えましょう。
たとえば─:
・帰宅したら、脱いだ上着をすぐにしまう
・食後は自分の食器をさっと流しに持って行って洗う
・郵便物をその日のうちに整理する
・洗い物やごみ捨てなどの家事を淡々とこなす
こうした日常の動作ひとつひとつが、「私はすっきり暮らしたいと思っているよ」というあなたの意思を家族に伝えます。
また、片付けを終えたあと、あなたが気分よく過ごしていたり、笑顔が増えたりしていれば、家族にシンプルライフのよさが伝わります。
「気持ちよさそうだな」「あのくらいなら自分もやってみようかな」と思ってもらえるかもしれません。
シンプルに心地よく暮らしたいという気持ちを、日々の暮らしの中で自然に伝えていきましょう。
4. 自分が手を出す範囲を決めておく
一緒に住んでいる人が、どこまでが自分の担当で、どこからが相手の責任かが曖昧になりがちです。そのせいで、片付けが好きな人はやらなくてもいいことまで背負い込み、イライラや疲労感が増してしまうことがあります。
この状態を防ぐために、自分なりの片付けルールを決めておきましょう。
たとえばこんなルールはどうでしょうか?
・リビングに家族のものが出しっぱなしでも、夕食以降は気にしない
・キッチンのカウンターは、使う場所だけきれいにしておく
・自分の掃除当番のときだけ、共用スペースを整える
このように自分ができる範囲を決め、これ以上は手を出さないラインを明確にしておけば、他人の行動で感情を振り回されにくくなります。
ルールは柔軟に適用しましょう。疲れているときは、「今日だけは目をつぶる」と割り切って、カリカリしないようにしてください。
人が散らかしたものは確かに気になりますが、住環境を全て自分の思い通りにしようと考えない方がストレスがたまりません。
誰かと一緒に暮らす以上、相手の持ち物に関して妥協しなければならないことも忘れずに。
どこまで対応するか決めておき、片付けや掃除をやりすぎないようにしてください。
5. なぜ片付けたいのか伝える
タイミングを見計らって、自分がどう暮らしたいのか、落ち着いて家族に伝えてみましょう。
「なんで私ばかりが片付けなきゃいけないの?」と、怒りや被害者意識に囚われるのは禁物です。
「私はこうしたい」と要望を言うと角が立ちません。
・床に何も落ちていない状態が気持ちいいと思う
・探しものに時間をかけたくないから、ものの場所を決めたい
・朝バタバタしないように、前の晩にちょっと片付けておきたい
こんなふうに、どんな風に暮らしたいのか丁寧に伝えると、相手の受け取り方が変わります。
部屋をきれいにするかしないかを、正しい・間違っているという問題にするのは得策ではありません。「こうすると私は楽なんだよね」「こう暮らしたいと思ってるんだ」と、自分の希望を家族と共有してください。
「ちゃんと片付けてよ!」と頭ごなしにいうのは、正義を振りかざすすようなもの。
すると、相手は自分を否定されたように感じます。でも、要望として伝えれば、「ああ、そうなんだ」と受け入れてもらえる可能性が高くなりますよ。
コミュニケーションを増やして、お互いの価値観や暮らし方を少しずつすり合わせていきましょう。
◆関連記事もどうぞ→片付けを手伝うと家族とケンカになる理由、そしてそれを防ぐ方法
おわりに:相手の立場に立ってみる
片付けない家族とうまくやる一番の秘訣は、相手の立場に立つことです。
夫婦や親子でも片付けに対する価値観が違うことはよくあります。
『筆子ジャーナル』を読んでいると世間の人はみんなシンプルライフを目指していると思うかもしれません。
ですが、私の経験ではものを減らしてシンプルに暮らそうとしている人は思ったより多くありません。
散らかすことは、その人にとってはごくあたりまえのことなんです。
あたりまえのことなので、「そうするな!」と言われてもピンと来ません。
本人にしてみれば、散らかすのはべつに悪いことでもなんでもないのです。
仮に、片付けようと思っていても、うまく行動に移せないこともあります。
・疲れている
・片付けの優先順位がそんなに高くない
・整理の仕方がわからない
こんな理由で散らかしてしまうのかもしれません。
そこで、部屋をきれいにすることより、家族との関わり方に目を向けてください。
相手を無理に変えようとするのではなく、自分の伝え方や姿勢を見直して変えていくと、家庭の雰囲気が変わると思います。
強制ではなく提案、命令ではなく選択肢を与える。片付けの目的は、自分と家族が気持ちよく暮らせる関係を築くことでもあると考えてください。