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イベントに合わせてつい買ってしまう心理と、その裏にあるマーケティングの仕組み、そして乗せられないための方法をお話しします。
3月17日はセントパトリックデーです。
アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックをたたえるお祝いで、カナダでは毎年この時期になると、街のあちこちが緑色に変わります。
日本ではあまりなじみのない習わしですが、ハロウィン、バレンタイン、クリスマス、母の日、父の日と、日本にも季節の行事はたくさんありますよね。
こうした行事のたびに、つい何か買ってしまう人は多いのではないでしょうか。
限定パッケージのお菓子、イベント仕様の雑貨、セールで安くなった洋服。
家の中に関連のものが増えるのは、企業が巧みにマーケティングを仕掛けているからです。
イベントがあるたびに買い物したくなる3つの理由
なぜ私たちは行事のたびに財布を開いてしまうのでしょうか。それには3つの理由があります。
期間限定という言葉に負ける
今しか買えない、今日を逃したらなくなる。そう思うと、ふだんなら気にもとめないものが急に魅力的に見えます。
冷静に考えれば、限定品がなくても暮らしは何も変わりません。でも、今買わないと損をするような気持ちにさせられます。
同調圧力
周りが楽しんでいると、自分だけ参加しないのは寂しい気がします。
SNSでみんなが季節のグッズを見せていたり、職場で催しの話題が出たりすると、何か買わなければ乗り遅れるような気になるわけです。
雰囲気づくりのためにものを使う習慣
イベントらしさを演出するために、飾りやグッズを買うクセがついています。
先進国に住む多くの人にとって、毎日のように買い物をするのはごく普通のことです。
季節の行事は格好の買い物の言い訳になります。
セントパトリックデーに見る、巧妙な販売戦略5つ
次に、カナダで実際に見かけるマーケティングの手法を5つ紹介します。
セントパトリックデーは、もともとかなり宗教色の強い日です。
詳しくはこちら⇒セントパトリックデーに緑色のものを身につけると幸運が訪れると言われる理由。
ところが今では、アイルランド系でなくても誰でも参加できるお祭りになっています。確かに、春の訪れを祝う機会として楽しい面はあります。
でも、商業化はクリスマスやハロウィンに次ぐ勢いです。
私は、ミニマリストでものをあまり買わないし、そもそもお酒は一滴も飲まないので、余計に冷ややかに捉えてしまうのかもしれません。
1. 今しか変えないと思わせて希少性をあおる
この時期、酒屋ではアイリッシュ系のビールやウイスキーが大々的にプッシュされます。
実際、セントパトリックデー前後はアルコールの消費が平常時より大きく跳ね上がるそうです。
この日は飲む日だ、飲まなければ始まらない。そんな空気を店全体で作り出しています。
ふだんはビールを飲まない人でも、年に1回のことだからと財布を開いてしまいます。
2. 色やモチーフで売り場の雰囲気を作る
セントパトリックデーといえば緑色です。
店に入ると、緑色の商品がずらりと並び、シャムロック(三つ葉のクローバー)のモチーフがあちこちに飾られています。
有名なのが、緑色に着色したビールです。これはアイルランド本来の伝統ではなく、アメリカで広まったマーケティング上の仕掛けだとされています。
本当のアイルランド人は緑ビールなんて飲まないという声もあるくらいです。
つまり、伝統行事の雰囲気を利用して、ものを売る仕組みが作られているのです。
3. SNSで拡散させる
企業はSNS映えする商品を用意します。
緑色はビジュアルが映えるので、SNSとの相性がとてもいいです。シャムロックのデザインもかわいいし、縁起がよさそうな雰囲気があります。
緑のコーディネートや緑のスイーツを投稿する人が増えると、それを見た人がさらに買い物をします。
4. 期間を広げてセールを仕掛ける
衣料ブランドなどは、St. Patrick’s Day Saleと称して、緑色の商品や防寒ジャケットなどを最大30%オフにするセールを行います。考えてみると、3月17日は冬物をさばくのにいいタイミングです。
セールの期間は3月13日から17日の数日間だけのこともあれば、3月全体にわたることもあります。
催しは1日でも、セールは1日では終わりません。買い物の機会を長引かせ、より多くの人を取り込もうとします。
買わせるテクニックにひっかからない人になる~認知バイアスを知っておこう。
5. セット販売やおまけでお得感を出す
カナダの酒販チェーンでは、こんなキャンペーンを見かけたことがあります。
ギネス8缶パックを買うと、ギネスのシャツジャケットと帽子が当たる抽選に参加でき、さらにパイントグラスが無料でもらえるというものです。
香り系のブランドでも、セントパトリックデー限定バンドルとして、2つの商品を組み合わせたセット販売をしていました。
おまけやセット販売は、お得に見えます。でも冷静に考えると、おまけのグラスや帽子がいるかというと、ほとんどの人はいりません。ましてや、ギネスのマークがついた服なんて、関係者だと思われてしまうのではないでしょうか。
無料に惹かれてものを増やすとあとで苦労します⇒無料でもらったおまけが捨てられない5つの理由
企業に乗せられない5つの工夫
ここまで紹介した仕掛けを踏まえて、具体的な対策を5つ紹介します。
1. イベントがなくても欲しいか、自分に聞いてみる
本当に欲しいものと、雰囲気に流されて欲しくなっているもの区別しましょう。
買い物かごに入れる前に、ひと呼吸おいて自問してください。
セントパトリックデーでなくても、これは欲しいだろうか。年に1回しか使わないけど、それでもいいのか。
クリスマスの限定パッケージも、ハロウィンの飾りでも同じです。特定のイベントという要素をマイナスしても、まだ欲しいなら買ってもいいかもしれません。
2. 家にあるもので間に合わせる
セントパトリックデーには、緑色のものを身につけると幸せが訪れると言われています。
わざわざ新しい緑のアイテムを買わなくても、家にある緑色の服やスカーフ、ソックスを使えばいいでしょう。
以前、私はペリドットのピアスをつけていました(このピアスは片方落としたのでもう使っていません)。
ほかの行事でも、毎年グッズを買い足す必要はありません。
去年買ったものがあるなら、それを使いましょう。クリスマスのオーナメントもハロウィンの飾りも、手持ちのものを活用すれば、ものは増えません。
3. 情報の入り口を減らす
街がセールに沸き立つタイミングには、意識して情報を見ない時間を作りましょう。
イベント前後は、セール情報やおすすめ商品の広告が増えます。
メールマガジン、SNS、店頭のポップ。目に入る回数が多ければ欲しくなります。
セールのお知らせメールは開かず、行事関連のハッシュタグも追わない。そして用もないのにウィンドウショッピングに出かけないようにしましょう。
情報に触れなければ、欲しいという気持ちは生まれません。
情報の断捨離のススメ。頭の中も片付けないと、何もできないまま人生が終わる。
4. ものではなく体験で楽しむ
季節の催しを楽しむのに、ものは必須ではありません。
セントパトリックデーなら、緑のグッズを買う代わりに、季節そのものを楽しんでみてはどうでしょうか。
春先の緑が芽吹く散歩道を歩く。アイルランドの伝統音楽を聴く。聖パトリックの歴史を調べてみる。
ものを買わなくても、行事の本質に触れることはできます。
ほかの催しでも同じです。
バレンタインデーなら、チョコレートを買う代わりに手紙を書く。ハロウィンなら、コスチュームやグッズを買わず映画を見る。
そのイベントが本来どんな日だったのか調べてみると、自分の価値観に合った楽しみ方が見つかります。
ものを通さずにイベントを楽しめるようになると、行事のあとに不用品が残りません。
5. 買い物リストと予算を事前に決める
行事に合わせて何か買う必要があるなら、事前にリストを作りましょう。
食品や飾りなど、本当に必要なものだけを書き出して、リストにないものは買わないと決めます。
合わせて予算も決めておくと、さらに効果的です。
リストと予算があれば、店に行ったときに目についた限定品やおまけに心を動かされても、立ち止まることができます。
衝動買いは、計画がないから起こります。事前の準備が、いちばん確実なブレーキになります。
おわりに:ものがなくても催しは楽しめる
イベント消費のワナにはまらない方法をお伝えしました。
こうした買い物の多くは、自分が心から欲しくて買っているのではなく、マーケティングに背中を押されたものです。
今回紹介した販売戦略を心に留め、ものを増やしすぎないようにしましょう。
誤解しないでほしいのですが、イベントそのものを否定しているわけではありません。
季節の催しを楽しむことは、暮らしに彩りを添えてくれます。
ただ、自分で選んで楽しんでいるのか、企業に乗せられて買わされているのか。その違いを意識してほしいと思います。
私自身は、セントパトリックデーには何も買いません。
3月中旬のカナダは雪が溶け始め、春の兆しを感じられる季節です。窓の外の景色が少しずつ変わっていくのを見るだけで、この時期を十分楽しめています。














































