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7月に入り、今年も後半が始まりました。
今回は、ポジティブ心理学を長く研究してきた科学者のTEDトークを紹介します。
たった5分の短いトークですが、幸せの核心を端的に教えてくれます。
タイトルは 1 Thing You Can Do Today to Be Happier(もっと幸せになるために、今日できるたった一つのこと)。
スピーカーは、幸福研究の第一人者、ソニア・リュボミアスキー(Sonja Lyubomirsky)さんです。
36年の研究でわかった幸せの正体
収録は2025年11月。動画の長さは5分です。
日本語の字幕はありませんが、自動翻訳でだいたいの内容をつかめます。
■TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
どうすれば人は幸せになれるのか。
ソニアは、その問いに、研究者人生をかけてきました。
1998年、ソニアの研究室は、幸福を高める実験を始めます。
・感謝の気持ちを表す。
・人に親切にする。
・外向的な人のようにふるまう。
こうした練習が本当に人を幸せにするのか、何十もの実験で確かめました。
結果は、確かに効く、でした。
ところが、あるとき気づきます。
こうした方法がどれも効くのは、それらが、人とつながっていること、愛されていることを感じさせてくれるからだったのです。
母に感謝の手紙を書けば、母から愛されていると感じる。
同僚に親切にすれば、その人との距離が縮まる。
よりよい幸福の科学者になるためには、自分は愛の科学者にならなければいけなかった。
そう、ソニアはふり返ります。
the key to happiness is feeling connected and loved.
(幸せの鍵は、つながりを感じ、愛されていると感じることにある)
ありふれた結論に聞こえるかもしれません。
ですが、本当に効くものは、たいていこんなふうにシンプルです。
心の壁を取り払う小さな会話術
では、どうやって人とつながればいいのでしょう。
触れ合う、踊る、目を合わせる。
つながり方はいろいろありますが、多くの文化で、私たちは主に会話を通じてつながっています。
ここでいう会話は、ただたくさんおしゃべりをすることではありません。
私たちは話しているときも、自分のまわりに壁を作っています。
友人にも、同僚にも、近所の人にも、家族にさえ、その壁はあります。
壁は自分を守ってくれますが、本当の自分を知ってもらう機会を奪ってしまいます。
裏を返せば、もっと自分を知ってもらえれば、もっと愛されていると感じられます。
幸せになるために今日からできるのは、次に誰かとする会話を、これまでと少しだけ変えてみることです。
まず、自分のことを少し正直に打ち明けてみます。
体裁のいい部分だけでなく、ありのままの自分を、ほんの少し見せます。
相手が親友でも、同僚でも、初めて会った人でも、素の自分を出す勇気を持ってください。
いきなり大きな秘密や、つらい過去を打ち明ける必要はありません。
急に距離を詰めると、相手が壁を作ってしまいます。
たとえば、元気ですかと聞かれたとき、元気ですと返すかわりに、ちょっと大変な一日でした、と正直に言ってみます。
浅い会話より、少し深い会話のほうが、人はあなたに好感を持つという研究もあります。
さらに、相手の話を聴くときは、答えるためでなく、学ぶつもりで聴きます。
自分が次に何を話そうかと考えていると、相手の話は半分も入ってきません。
明日その内容のテストがある、というくらいのつもりで耳を傾けてみましょう。
そのうえで、いつもより質問をひとつ多くしてみます。
「それで、本当はどう感じたの?」と、もう一歩ふみこんで尋ねると、私はあなたの話をちゃんと聴いていますよ、という合図になります。
打ち明けることと聴くこと、この2つがそろって初めて意味を持ちます。
打ち明けるだけでは、ただの独り言になります。
聴くだけでは、聞き取り調査のようになってしまいます。
両方が重なったとき、はじめて心が通い合います。
幸せ・ポジティブ心理学に関するほかのプレゼン
同じテーマが気になる方は、以下の記事もごらんください。
成功すると幸せになるのではなく、幸せだから成功する~ショーン・エイカー(TED)
私たちが幸せを感じる理由~制限がある方が幸せ?ダン・ギルバート(TED)
『ものは少なく、幸せは多めに』~グラハム・ヒルに習う小さく暮らすメリット
たくさん持っていた頃より、今の方が幸せ
今回のトークは、人とのつながりこそ幸せの鍵だと教えてくれます。
世の中には、ものをたくさん持てば幸せになれるという風潮があります。ですが、もの自体はたいして重要ではありません。
私はミニマリストになる過程で、たくさんのものを手放しました。
ものを減らすと、楽しいことが減ってしまうのではと思うかもしれませんが、実際は逆でした。
健康でいられること、人とのつながり、ありがたいと思えること。
日々の喜びは減るどころか、むしろ増えました。
ものの管理に使っていた時間や気遣いが減って、気持ちが穏やかになりました。
若い頃の私は、買い物で気分を上げていたものです。
落ち込んだら何かを買う。退屈だから新しいものを手に入れる。
そのときは気がまぎれますが、満たされるのは一瞬で、すぐにまた次のものがほしくなりました。
ものを減らしてみて、幸せはもっと別のところにあるのと、ようやくはっきりわかりました。
今は、散歩をしたり、本を読んだり、誰かと話したり、お金を使わない時間を楽しんでいます。
娘のひと言で気づいた私の壁
私は在宅で一人で仕事をしているので、普段ほとんど人に会いません。
一日中誰とも口をきかない日もあります。
だから、外で会う人とは、なるべく楽しく話すようにしています。
歯医者さんの受付やクリニックのスタッフ、Uberのドライバー。
ほんの数分会うだけの相手にも、こちらから質問するよう心がけています。
お休みの日は何をしているんですか。最近どこかに出かけましたか。
そんなふうにたずねると、相手が話してくれます。
歯科衛生士に夏の予定をたずねたら、うれしそうに教えてくれました。
Uberのドライバーに趣味を聞いたら、思いがけず多趣味な人で驚きました。
自分の知らないことを教わると、それだけで気分が上がります。
とはいえ、自分では感じよくしているつもりでも、相手にそう伝わっていないことがあります。
娘と少し遠くの歯医者まで出かけたときのこと。
受付に新しい人、ナタリーがいて、少し話をしました。
べつの州から引っ越してきたと言っていました。
私はいつもどおり応対していたつもりです。
ところが帰り道、娘から、「ママ、ちょっと感じが悪かったよ。ナタリーがいろいろ話してくれていたのに、素っ気なさすぎる」と注意されました。
世間話をあまりせず、必要なことだけを簡潔に伝えて、あとは黙る。これが私のいつものスタイルです。
本音を隠しているわけではありませんが、私の沈黙も一種の壁かもしれません。
今後は、相手が話していることに、さらに興味を示すようにしたいです。
正直になる一歩は、自分の気持ちに気づくこと
トークの中で、ソニアは、正直な気持ちをひと言そえてみようとすすめていました。
ただ私は、その前にもうひとつ、必要なことがあると思います。
それは、自分の本当の気持ちに、まず自分が気づくことです。
忙しく動いていると、自分が疲れているのか、何にもやもやしているのか、案外わからないものです。
気づいていない気持ちは、正直に伝えようがありません。
だからまず、今の自分はどんな状態か、立ち止まって確かめてください。
そのうえで、最近少し疲れている、今日は静かに過ごしたい、と相手に伝えてみるといいでしょう。
小さな打ち明け話から、相手との間にあった壁が、少しずつ取り払われていきます。
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自分を正直に見せるのも、相手に一歩ふみこむのも、少しだけ勇気が要ります。
私もいまだに、必要なこと以外は黙ってしまう人間です。
それでも、勇気を出して壁を外した分だけ、人との距離が近づきます。
下半期に心がけたいのは、そんな小さな勇気を持つことです。














































