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私達が自分では管理できないほどたくさんのものを所有し、なかなか捨てようとしないのは、ものがたくさんあればあるほど豊かな生活になると信じているからです。
シンプルに暮らしたいと思っていても、いざ捨てようとすると、「今よりみじめな生活になるかもしれない」という予感がして、捨てられないのではないでしょうか?
でも、ものがたくさんあるから幸せに暮らせるとは言えません。
実は、そのものの多さのせいでストレスが増えていることがあるからです。
いろいろ取り揃えて、私はものを選ぶことやバリエーションを楽しんでいる、つまり豊かな生活をしていると思いこんでいても、実際は、迷う苦しみを感じていることが多いんです。
この記事では、選ぶ喜びと迷う苦しみを比較し、本当はどちらを感じているのか見直すことをおすすめします。ものの多さが幸福感をもたらしているのか、ストレスを増やしているのか一緒に考えてみましょう。
楽しんでいるつもりで、苦しむことが多いことに気付いたなら、少しものを減らしてみてください。確実にストレスが減ります。
選ぶ喜びとは?
選ぶ喜びとは、今の自分や状況に最適な選択をする過程で感じる喜びや満足感です。そうしたポジティブな感情を感じることで、自己肯定感もあがります。
たとえば、自分好みの洋服がどっさり入ったクローゼットから、その日の気分やTPOにどんぴしゃりの洋服を探し、見つけたときの気持ち。
それは以下のようなポジティブな感情です。
自信や確信
好みが自分でちゃんとわかっていて、その日の服装のニーズもよく理解しています。
たくさんある洋服から最適なものを見つけるプロセスそのものが楽しいし、選択したあとも、それが正しいという確信があり、選択に自信が持てます。
自分を一番よく見せてくれる服を見つけて、その日1日が楽しみになるでしょう。
冒険心・期待感
選択するときに、これまであまり試したことのないスタイルを試そうと思い、新しいコーディネートを考えるのが楽しいし、それは、まるでプチな冒険です。
クローゼットにはまだあまり着たことがない服がたくさんあるし、そもそも数が多いから、その組み合わせは無限。
さまざまなコーディネートを試す期待感に胸がふくらみます。
満足感
その日着るのに最適なお気に入りのスタイルを見つけたことに大きな満足感を感じます。
その選択が、今後の生活や経験を豊かにするというポジティブな期待感(わくわくした気持ち)もあります。
好きな洋服を着ると、きれいに見えるといいますが、最適なものを見つけた気持ちが、あなたの表情を明るくさせます。
迷う苦しみとは?
一方、迷う苦しみは文字通りネガティブな感情です。
決められない
選択肢が多すぎて、その時着る服をすぐに決められません。「決められない」「決断できない」という感情は、自分で思っている以上にストレスです。
迷っているあいだに脳のリソースを使ってしまい、決断疲れを引き起こします。
自分が迷う要素がその日の服装だけなら、山のような洋服の前で毎朝迷っていても、たいした問題ではないでしょう。
しかし、現代は、洋服以外にもあらゆる商品やサービスが豊富です。たとえば、Netflixには、余暇時間をすべてドラマや映画の視聴に捧げても、とうてい見尽くすことができない作品があります。
日常生活のあらゆる面で、多くの選択肢の中から選ばなければならないので、「決められない」というストレスは、どんどん増大します。
そもそも、迷う前に、その量に圧倒されるかもしれません。数が多すぎて、全ての選択肢について考え、評価を与えるのが困難です。
だから、クローゼットの前で、さんざん迷っても、結局、「いつも着る服」に手が伸びるのではないでしょうか?
決断に自信がもてない
選択が正しかったかどうか今ひとつ確信が持てず、むしろ不安や後悔を感じます。
以前、実家にあった古いゲームソフトを寄付したが、売ったほうがもっとお金になったかもしれないと後悔している読者からお便りをいただいたことがあります。
「寄付する」と「売る」の2つの選択肢があったから、選ばなかったほうを選らんだほうがよかったと思ってしまうのです。
このように、自分の選択や決断を後悔することはよくあるでしょう。
私は、まだ使えそうな不用品を手放すときは、はじめから「寄付する」という選択肢しか用意しません。
不用品を処分するときはお金にすることを考えないとシンプルにできる
だから、手放してしまったあとに、「売ればお金になったのに」とは、まったく考えないのです。
他人の意見に左右されセルフイメージが悪くなる
決断に自信や確信がもてないとき、家族や友人の意見を聞いて、ますます迷ってしまうことがあります。
今、インフルエンサーの影響で、ものを買う人が増えています。
その人にあこがれていてライフスタイルを真似したいからおすすめ品を買うのでしょうが、自分で決めなくてもいいから、という理由で、すすめられるまま買ってしまう面もあるでしょう。
選択肢がたくさんあると、選ぶのも迷うのも考えるのも面倒です。
信頼できるインフルエンサーが勧めるものをそのまま購入すれば、迷う苦しみを回避できるし、時間も節約できるし、そのインフルエンサーが送っているような「幸せな暮らし」が手に入る予感も手に入れることができます。
人間は楽なほうに流れるので、毎回誰かに決めてもらっていると、だんだん自分では決めなくなります。他人の意見や指示に依存してしまうのです。
人に決めてもらっていると、少しずつ主体性が失われます。自分の価値観がわからなくなり、決断力もどんどん弱くなります。
つまりそれは、自分軸を喪失するということです。
決断を先延ばしする
自分の選択に自信がもてず、選択したあとに後悔することを恐れて、決断を先延ばしすることがあります。
どうでもいいことだったら、決めずにすべて自動化しておくと効率的ですが、人生において重要な決め事を先延ばしする癖がついてしまうと、ストレスが増えます。
決めなきゃいけないのにまだ決めていないという居心地悪さを感じ、未解決の問題が心に重くのしかかるからです。
また、重要な決断を先延ばししていると、せっかくのチャンスを逃すことにつながります。
あなたが感じているのは喜びか苦しみか?
選ぶ喜び、迷う苦しみ、あなたが主に感じているのはどちらの感情でしょうか?
若い頃、私はすごくたくさん服を持っていましたが、今思うと選ぶ喜びなんて1つも感じていませんでした。
私が感じていた「快感」は、買う前と買っている最中のドーパミンの分泌によるものだけです。
買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。
新しく買った服をすぐに着ることもあまりしませんでした。
いつも着ているTシャツを着るほうが好きだし、いつものスタイルなら新たにコーディネートを考えなくてもすむからです。
でも、買ったばかりの服を着て出かけるのが楽しみという人も多いでしょう。
その場合は、新しい服はあなたの生活に喜びをひとつプラスしています。
問題は、たとえ選ぶ喜びがあったとしても、所有しているものの数が増えれば、管理の苦しみと、失う恐怖が増えるということです。
ものを家に入れることは、喜びだけをプラスする行為ではありません。
喜びと一緒に苦しみも家の中に招いていることを忘れるべきではないでしょう。
もし、苦しみのほうが大きくなっているなら、「捨てるのはもったいない」と思ったとしても、少し手放したほうが、楽になります。
きのうの記事に書いたように⇒衣類の断捨離:まだ着れる服があるけど、新しい服も欲しいときはどうするか?
私は衣類の数は増やさないようにしています。
そのおかげで、あまり苦しまず、買った洋服をちゃんと着ているという満足感、つまりポジティブな感情をさらに1つプラスできているんです。