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忙しさを感じる人の多くは、無意識のうちに思い込みにしばられています。この記事では、そんな思い込みを5つ紹介します。
「最近どう?」と聞かれて、無意識に「忙しくて…」と答えることはありませんか?
多くの人が、忙しいと思っています。朝起きた瞬間から、頭の中はやることでいっぱい。スマホの通知に目を通しながら、今日の予定を確認し、ついでに昨日やり残したことにも思いを巡らせる。
一日中動いているのに、やることが次から次へと出てくる。
でも、よくよく考えてみると、やることが多すぎるというより、自分の思い込みのせいで、忙しい状態が続いていることがあります。
こうした思い込みを見つけて手放せば、もっと落ち着いて暮らすことができます。
1. 忙しいことはいいことだ
最初の思い込みは、忙しいことに必要以上に価値を感じることです。
「忙しくしている=充実している」「スケジュールが埋まっている=必要とされている」。多くの人は、そんなふうに思っています。
こう思う背景には、暇でいることへの不安や罪悪感があります。
日本社会では、「忙しい=頑張っている」「休んでいる=怠けている」といった価値観が根強くあります。学校でも職場でも、忙しいことが評価される空気の中で育ってきた人も多いでしょう。
「予定があまりない自分は社会から求められていない」「怠けてると思われるかも」。こんな気持ちのせいで、いろいろな予定を入れてしまうのです。
予定が埋まっていると安心なので、本当は少し休みたい、自分の時間を持ちたいと思っていても、空白の時間ができると落ち着きません。
でも、忙しさとその人や人生の価値は関係ありません。
何もしていない時間があるからこそ、心身が回復し、思考も深まります。
忙しくないことを悪いことだと考えるのをやめてみましょう。
2. 断ったら嫌われる
人からの頼まれごとを受けすぎて、忙しくなっていることもあります。
人の期待に応えようとしすぎている状態です。
断らない理由はいろいろありますが、多くは、「断ると嫌われるかもしれない」「冷たい人だと思われるのが怖い」といった気持ちがあるからです。
幼いころから「相手を不快にさせないように」「人に優しくしなさい」と言われて育つと、断ることに罪悪感を持ちやすくなります。とくに女性はその傾向が強いかもしれません。
でも、すべての依頼に応えていると、自分の時間やエネルギーがどんどん削られていきます。
ちょっとした頼みを断っても、相手は気にしないし、大きな問題にはなりません。
そもそも、自分の余裕がなくなると、人に優しくすることも難しくなります。
自分を守るために「NO」と言うのはわがままではなく、自分と周囲との健全な境界線をつくること。
断ることは、人間関係を壊すことではなく、長続きするよい関係を築くことにつながります。
ママ友の誘いを罪悪感を抱かずに断る方法を教えて←質問の回答。
3. 全部自分でやらなきゃ
「人に頼るのは甘え」「自分でやったほうが早い」。そんな考えにとらわれて、仕事や家事を一人で抱え込むことがあります。
この思い込みの奥には、「弱みを見せてはいけない」「迷惑をかけたくない」という気持ちが隠れていることがあります。
特に、子どもの頃から「しっかり者」として期待されてきた人は、自分がやらなければならないと思うことが思考のクセになっていることが多いでしょう。
これまで達成してきた数々のことが、自分の価値を感じさせる土台になっていると、なんでも自分でやりたくなるかもしれません(そういう読者からメールをもらったことがあります)。
その結果、誰かにお願いすることに強い抵抗を感じ、気づけばなんでも自分でやろうとします。
でも、全部を自分一人でこなす必要があるでしょうか?
限られた時間とエネルギーを、すべてのタスクに均等に割いていては、肝心なことに集中できません。
人に任せる、仕組みに頼る、手を抜く。こうしたやり方は、サボることでもなければ、自分の弱みを見せることでもありません。
人は協力しあって生きるもの。誰かに頼ることを、迷惑と考えるのではなく、その人を信頼していることと考えてみるといいかもしれません。
人にまかせてもいい仕事や習慣はないか、いま一度見直してみましょう。
4. 完璧にやらなければ
忙しい原因のひとつに、「最後まできちんとやらないと気がすまない」という完璧主義があります。
どんなことも全力で、細部まで手を抜かずにやり遂げたい。そんな気持ちは責任感の表れですが、生活のすべてにそれを当てはめていたら、時間がいくらあっても足りません。
たとえば、夕食の準備ひとつ取っても、栄養バランスも彩りも気にして、調理法や盛りつけにまでこだわる。書類の整理も、他人には気づかれないようなラベルのずれに手を加えたくなる、SNSに出す写真の角度まで気になってしまう。
こだわるほど作業時間は長くなり、肝心なことが終わらないまま1日が終わります。
完璧を目指すのは、根本に「失敗したらダメ」「ちゃんとできない自分は価値がない」という不安があるからかもしれません。
でも、100点を目指さなくても、十分な仕事やタスクはたくさんあります。
完璧主義の人は、それぞれのタスクの重要度を考えて、重要でないタスクは、ほどほどのところで切り上げましょう。
5. 忙しいと言っておけばうまくいく
最後の思い込みは、「忙しい」と言っておけば角が立たない、人間関係も穏便に進む、という考えです。
気が進まない誘いや頼まれごとを断るとき、「今ちょっと忙しくて……」と口にしたことはないでしょうか。
本当は、面倒、不安、乗り気でないなど、いろいろな感情がありますが、こうした気持ちに気づいていないか、言葉にするのがおっくうなので、とりあえず、「忙しい」と言ってしまうのです。
この「忙しい」は、感情や本音を直接伝える代わりに使える便利な言葉です。
でも、「忙しい」という言葉を何度も繰り返していると、「忙しい人」がセルフイメージになってしまうことがあります。「忙しいと言っておけば無難だから」と思って発した言葉が、実際の忙しさを生んでしまうのです。
脳は、何度も繰り返される言葉を現実として認識します。
「忙しい」「時間がない」と言い続けていると、本当は余裕のある日でも、「まだやることがある気がする」「のんびりしていてはダメだ」と焦ってしまいます。
挨拶代わりに、「忙しい」を乱発していると、そのたびに、脳は「余裕がない」「時間が足りない」と認識し、ストレス反応を強めます。
言葉は、自分の思考と行動に大きな影響を与えます。
「忙しい」と言いたくなったときは、自分の本当の気持ちに目を向けるようにしましょう。そして、本当に忙しいときだけ、「忙しい」と言いましょう。
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この記事では、自分の思い込みが忙しさを生むことをお伝えしました。
忙しい日々を変えたいとき、やることを減らすべきですが、今回紹介した「〜であるべき」「〜しないといけない」といった思い込みがそのままだと、なかなか減らせないものです。
そこで、思い込みを修正していきましょう。
最初のステップは、まず思い込みに気づくこと。そして、その感情の背景を考えながら、1つずつ変えていきます。
思考のクセは、長年の習慣で身についたものなので、変えるのに時間がかかります。
気長に少しずつ修正していき、忙しさに呑まれない生活にしていきましょう。