ゼロ・ウェイストな暮らし

ミニマルな日常

最終更新日: 2019.07.10

ゼロ・ウェイストな暮らしの始め方。ふつうの人向けの現実的なプラン。

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ゼロ・ウェイスト(Zero Waste)とは、できるだけゴミを出さない生活をすることです(名前とは裏腹に、ゼロにはなりません)。

最近、ますます異常気象が見られるので、少しでも地球温暖化を防ぐために、ゴミを減らしたいな、と思っている人も多いんじゃないでしょうか?

とはいえ、ゴミを出さない生活は、かなりチャレンジングなことです。

この記事では、ごくふつうの人が、ゼロ・ウェイストを始めるステップを提案します。



1.ゴミなし生活をする理由を考えておく

節約やミニマルライフと同じように、自分がゼロ・ウェイスト生活をする理由や、ゴミを少なくする意義を先に考えておくと、挫折しにくいです。

ゼロ・ウェイストのいいところはいくつかありますが、わたしは2つのメリットを重視しています。

1.)ゴミが減る

ゴミ処理には、とても多くのリソースを要します。

ゴミを集めて、指定の場所まで運搬し、分別して焼却する。ゴミが少なかったらいいのですが、先進国では、ものすごい量のゴミが出ていますから、処理にかかるコストもばかになりません。

断捨離をしている人なら、重たいゴミ袋をいくつも、ゴミ捨て場に運んだり、粗大ごみを指定の場所まで運搬したりした経験があるでしょう。

自分1人が出すゴミでもけっこう大変なのに、何万、何百万人ぶんものゴミを処理するのは、とてつもなく大変だろう、と想像がつきます。

ゴミの運搬にリソース(ガソリンとか)を使うし、ものによっては埋め立てる場所が必要だし、ゴミを焼却すると二酸化炭素がたくさん出て、地球温暖化が進みます。

「生きるとは、ゴミを出すこと」と言いかえることができるほど、何をしてもゴミは出ますが、出さなくていいゴミもあります。そうした出さなくてもいいゴミをできるだけ減らそう、という運動がゼロ・ウェイストだと、私は理解しています。





2.)資源を大事にできる

すでに残り少ない地球の資源を使って、すぐに捨ててしまう(使い捨ててしまう)製品を大量に作り、どんどん消費し、ゴミにする。これが、いま私たちがやっていることです。

製造にも、ゴミ処理にも貴重なりソースを使っています。

生きるのに必要なものを作って、ゴミにするのは仕方がありませんが、たとえば、ファストファッションの服などは、べつにそこまで必要でもないものです。

ファストファッションについて⇒「真の代償」The True Costはファストファッションの真実を暴く映画 ~これでもあなたは安い服を買い続けますか?

流行の最先端を行く安価な服を、短いサイクルで、どんどん市場に放出し、消費者の欲をあおって、消費させ、ゴミを増やす。

確かに、こうすれば売り手側は利益をあげることができます。その利益を、チャリティに使うこともできるかもしれません。しかし、その裏で、環境に大きなダメージを与えています。

ゼロ・ウェイストな生活は、手に入れたものをすぐに捨てず、何度も何度も使う生活なので、作った物をゴミにするサイクルを少し遅くすることができます。

資源を大事に使うことができるのです。

2.現実的なゴミなし生活をめざす

「ゼロ・ウェイスト」という言葉はすっかり定着し、ゼロ・ウェイストと言えば、「ああ、ゴミを出さないことだね」と多くの人が思います。

だから、私も、ゼロ・ウェイストという言葉を使っていますが、実際は、ゴミをゼロにすることなんてできません。

活動すれば、ゴミは絶対でます。

なので、100パーセント、ゼロにしようと、しゃかりきにならないほうがいいです。

YouTubeなどでは、かなりコアなゼロ・ウェイスターの生活を垣間見ることができますが、いきなりすべてを真似しようとすると疲れます。

ゴミの量を減らす生活にシフトするには、物を減らすのと同じで、時間がかかります。

日本には、まじめで、完璧主義な人が多い気がするので、ここは気をつけたほうがいいと思います。

さもないと、思うようにゴミを減らせない自分自身にイライラしたり、ゴミを出している人(自分にはそう見える)に攻撃的になったりして、ストレスが増えます。

完璧主義のせいで、断捨離に失敗し、よけいなストレスをかかえている人のメールを何通も拝見しました。

何をするときにも、完璧をめざしすぎず、現実的な線で行動するのは、とても重要なことだと、最近の私は考えています。

3.参考になる本などを読んでみる

はじめてゼロ・ウェイストを始めるときは、ゼロ・ウェイストについて書かれている本を読んだり、ブログを見たりすると概要がつかめるし、やってみたいことも思いつくでしょう。

このブログでも、ゼロ・ウェイストな生活をしている人のTEDトークを2つ紹介しています。

ベア・ジョンソンに学ぶゼロ・ウェイスト・ホームを作る5つのルール(TED)

なぜ私はゼロ・ウェイストな暮らしをしているのか:ローレン・シンガー(TED)

私は、ベア・ジョンソンさんの本をオーディオブックでもっています。

こちらは翻訳版です。

オーディオブックだと読みたいところにさっとアクセスできないので(オーディブルのアプリでは、しおりをつけたりできるようですが、よくわからないので、私は使っていません)、紙本で読んだほうがいいでしょう。

いまは、日本の方の本もあるかもしれません。図書館で探してみてください。

4.自分のゴミ調べ

何かを減らそうとするときに、最初にするべきことは、現状の把握です。

自分がどんなゴミを出しているか、調べてください。

たいていの人のゴミで一番多いのは、台所から出たゴミ(食品関係のゴミ)だと思います。

これは、我が家のキッチンにある、リサイクル用のゴミを入れたゴミ箱です。

我が家のリサイクル用ごみ

ほかにも、リビングルーム(私のデスクの下)、私の寝室、バスルームの3つにゴミ箱を設置しています。

夫の部屋にはゴミ箱がありません。「部屋全体がゴミ箱だから」というわけではなく、夫は、手持ちのエコバッグやレジ袋をゴミ箱がわりにして、中身がたまったら、そのまま、外にあるゴミ箱に捨てています。

我が家のゴミ事情⇒モノはいつかゴミになるからゴミ処理問題に無関心は禁物

自分のゴミを調べてみると、減らしたい分野が見つかります。

たとえば、我が家で言えば、上の写真で、一番上にのっているプラゴミは、夫がスーパーで買ってきた、キーライムメレンゲパイのパッケージです。

1キロあるこのパイを、夫は数日かけて1人で完食しました。

こういうお菓子のパッケージが多かったら

・手作りできないか?

・パッケージに入っていないお菓子にスイッチできないか? バラ買いできないか?

・お菓子を食べる頻度を落とせないか?

・いっそ、お菓子を食べるのをやめるのはどうか?

こんなふうに、いろいろなアイデアを思いつきます。

5.スワップする

スワップ(swap)とは、取り替えることです。

現在、使い捨てている商品を、使い捨てなくてすむ商品にスワップすることから始めると、ゴミはだんだん減っていきます。

たとえば、

レジ袋⇒エコバッグ

ジップロック(ジッパー付きの透明な保存袋)⇒布の袋、丈夫な紙袋

ふつうのストロー⇒ステンレスやガラスのストロー

ティッシュペーパー⇒布きれ、ハンカチ

ペットボトル⇒水筒

使い捨てのコーヒーカップ⇒水筒、マグ

このあたりは、簡単にできるスワップだと思います。

簡単なものから取り組み始め、じょじょに難易度の高いスワップに挑戦していくとよいでしょう。

こちらもお読みください⇒ゼロ・ウェイスト(ゴミなし)生活の始め方。1回しか使わない物の使用をやめてみる。

ゼロ・ウェイスト関連記事もどうぞ

ふつうの人にもできるプラスチックのゴミの減らし方5選。

なぜ、今すぐプラスチックのごみを減らすべきなのか?

プラゴミを減らすために私がやっている7つのこと。

フタル酸エステル(環境ホルモン)の毒性とは?プラスチック、ヘアケア製品、化粧品に入っています

この春から始めたい。誰でも簡単にできる4つのエコな習慣。

ゴミを出さないことを意識すれば暮らしは自然にシンプルになる。

ミニマリスト主婦がやっている、できるだけゴミを出さない5つの工夫。

*****

海外には、ゼロ・ウェイスト生活にするためのアイテムを売っている店やサイトもたくさんあります。

たとえば、メイソンジャー(ガラスびん)など。どれも素敵なデザインで、おしゃれな雰囲気です。

しかし、いきなり、こういうものを買い揃えないほうがいい、と私は思います。

現在、「使わなくてもいい物」を使っている可能性も多分にあるからです。

コーヒー用のペーパーフィルターを、使いまわしできる金属フィルターに変えると、ゴミなしに近づく、と思うかもしれません。

しかし、金属フィルターで淹れたコーヒーはおいしくない、という声もたくさんあります。しかも、洗うのがけっこうめんどうです。ゴミを減らすつもりで、水や洗剤をいっぱい使ってしまうかもしれません。

それならば、自分ではコーヒーは淹れず、スターバックスやドトールで、自前のマグに入れてもらう、という方法もあるわけです。

その一方で、外でコーヒーを買うと、どんどんお金が出ていくから、コーヒーは家でしか淹れない生活にシフトする人もいます。

私のように、コーヒーを飲むのをやめてしまえば、コーヒーフィルターの問題はとりあえず解決します。

こういうことを、一つひとつ確認しながら、自分の生活環境にそう形で、ゴミを少なくしていったほうがいいでしょう。





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