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今年もまた汚部屋から抜けられなかったけど、来年こそはよけいな物を捨てたい。そんな人のために、どうやったら物を捨てられるか、考え方をお伝えします。
なぜ片付けられないの?
先日、1ヶ月で部屋を片付ける方法を教えてほしいという人にアドバイスをしたら返事をいただきました。
「こうなることはわかっていたのに なぜもっと真剣に片付けをしてこなかったのか反省の日々です」
と書かれていました。
それを拝見し、私は「本当になぜできないんだろう?」と思いました。
いらない物を捨てるだけなのに。
1日15分でも続ければ、1年もあれば充分きれいになるのに。
「1ヶ月で片付けたい」という質問はこちら⇒1ヶ月で家をきれいにする方法、親の家の片付けの注意点など質問3つに回答。
私の結論は、いつも書いていますが、「家に物を入れすぎているから」です。
しかしもう入ってしまった物は外に出すしかありません。
こんなふうに考えるともっとうまく物を捨てられるのではないでしょうか?
1.自分の気持ちを確かめる
まず、自分は本当にガラクタを片付けたいのか、汚部屋を脱却したいのか、自分自身に聞いてください。
毎日の暮らしの中で、ほかにやりたいことや、やらねばならないことがいっぱいあり、自分の気持ちや時間、エネルギーが掃除や片付け以外のものに向かっていたら、部屋の中はきれいになりません。
時間も体力も有限ですから。
掃除や片付けが嫌いな人は、ほかに楽しいことがいっぱいあるのかもしれませんね。
それで毎日が楽しいなら、もう無理に片付けようとは思わず、「自分のガラクタは自分が死んだあと、娘か息子、誰か他人に始末してもらおう」と決めてしまってもいいと思います。
それも1つの選択です。
自分の人生において、とても重要なこと(病気のお母さんの介護とか)があるために、片付けなんてやっていられない、という人もおられるかと思います。
その場合も、片付けはあきらめて、自分の使命に徹してください。
片付けないことを選択したらその道を全うすればストレスになりません。
大晦日になってほかの人みたいに「大掃除しなきゃ」とバタバタすることはないです。
片付けない選択をしたのに、ギリギリに大掃除をして部屋をきれいにして、歳神さまに笑顔で来てもらいたい、と思うのは欲張りすぎです。
自分自身の気持ちを確かめたら、「いや、やはり私はこのまま汚部屋にいるのは嫌だ」という結論に至った人は続きをお読みください。
2.片付けの優先順位をあげる
次にすることは片付けの優先順位をあげることです。
毎日何をやっているのかわかりませんが、24時間のうち15分でいいので、不用品を捨てる時間を作ってください。
「忙しすぎて片付けができません」というメールをもらうことがあります。
本当に物を捨てる時間がないのか、ふだんの自分のスケジュールを書き出してみるといいです。
一般人は、毎日同じようなスケジュールで動いています。
スケジュールを書いてみたら、自分が何を優先して生きているのかリストを書いてください。
自分が時間を使っていることが日々優先していることである、と考えて差し支えありません。
1.仕事
2.育児
3.料理
4.ボランティア
5.SNS
6.テレビの視聴(家族との団欒を兼ねる)
7.世帯運営のマネージメント
8.洗濯(衣服の管理)
9.学校の役員の仕事
10.趣味
11.掃除(片付け含む)
こんな感じに並ぶとと思うので、片付けの優先順位を上げ、上から5つめ以内に入れてください。
それでもうまくいかないときは3つめまでに入れてください。
優先順位をあげる、ということは実際に片付けに時間を費やすということです。
上の例で言えば、SNSより上に片付けを入れます。必然的に、これまで片付けの代わりにやっていた何かにあまり時間を使わないようになります。
そんなにきっちりタイムスケジュールを作る必要はありません。
単に、「ひまになったら片付けよう」と思うのではなく、片付ける時間をスケジュールに組み込んでしまうのです。
毎日Facebookをチェックしているけれど、とりあえず今月は、この時間を片付けにあててみよう、というアプローチをしてください。
3.自分自身に正直になる
汚部屋の人にとって片付けとは物を捨てることにほかなりません。
しまう場所がないから、外にあふれているのです。
毎日の片付け時間に不用なものをどんどん捨てるようにしてください。
捨てる、捨てないの見極め方は過去記事にたくさん書いております。
こちらにまとめました⇒まとめのまとめ:捨てるコツをぎゅっと詰め込みました。
大きなポイントは、自分に正直になることです。
大事なのは自分がどう思うか、です。
以下のことにとらわれすぎないようにします。
1)他人がどう思うか
世間ではこんなことがまことしやかに言われます。
大人の女性は黒いベーシックなワンピースを1着は持っているべきである。
仕事のできる女性はトレンチコートを持っているべきである。
こういう意見は「人がどう思うか」です。
2)過去に起きたこと
3年前の夏、家族でスペインに旅行し、花瓶(ガウディグッズ)を買った。これが過去に起きたことです。
現在起きていることは、以下のことです。
旅行はとても楽しかったかもしれません。しかし、スペインでは素敵に見えた花瓶も、自分の部屋では悪目立ちしています。
しかも、花をいけにくいので使っておらず、ほこりだらけになっています。
3)将来起きそうなこと
姪の結婚式の引き出物でル・クルーゼの小さなココット(鍋)をもらいました。真っ赤で可愛いと喜びました。
現在起きていることは以下のことです。
しかし、自分は全く使わない。
引き出物はまだ箱に入ったまま、自室の棚の上にのっています。
今は使っていないけれど、そのうち使うかもしれません。これが将来起きそうなことです(というより、将来起きてほしいことと言ったほうがいいでしょうか)。
以上の3つ(人の意見、過去、未来)は、「捨てる、捨てない」の判断をするとき、重要視しないでください。
こういう服は持っているべきだから、旅行の思い出を忘れたくない、そのうちココットを使うときがあるかもしれない。
こういうことを考えていると、物は減りません。
人が思うことを優先していると、他人軸な暮らしになってしまうし、過去に起きたことにこだわりすぎると、「思い出の品」だらけになるし、「いつか使うかも」の「いつか」は来ません。
では、何を重要視するのか?
A:自分が本当に今、便利に使っているのか?
B:自分が今本当に、好きで毎日ながめているのか?
ポイントは「今」です。
自分に正直になって、自分が使っているか、という視点で残すものを決めてください。
4.贈り物は捨ててもいい
「人からもらった物は捨ててはいけない」と思う人が多いのですが、これは違います。不用なら捨てるべきです。
人がなぜ贈り物をするのか、その理由を考えてください。
みんな、自分の愛情、感謝の気持ち、喜び、そういうポジティブな思いを形にして、他人にあげたい、と思ってプレゼントします。
つまりそこにあるのは、贈り物をする人のニーズなのです。
自分の家に置く物は、自分のニーズやウォンツにこたえるものだけにするべきです。
ニーズとウォンツについて⇒ミニマリスト的節約術の極意は、「必要なもの」と「欲しいもの」をしっかり分けること
贈り物の交換で大事な物があるとしたら、その気持ちを受け取るか受け取らないかということだけです。
物を捨てても受け取った気持ちをキープすることはできます。
「お気持ちだけいただきます」という言い方がありますが、それで充分なのです。
プレゼントをくれた気持ちに感謝すれば贈り物の役割は終わっています。
「これを捨てるとくれた人の気分を損なうかもしれない」と心配するかもしれませんが、贈り物の本質を考えてみれば、そんなことは全く気にしなくてもいいのです。
贈り物を捨てられない人はこちらもどうぞ。
罪悪感を感じる必要なし、人からもらった贈り物を捨てる3つのコツ
5.同じ物が2つもいるときってどんな時?
今の日本に住んでいる人は、たぶん必要な物はもうすべて持っています。
みんなふつうに暮らしていますから。
2つも3つも持とうとするから、よけいなお金が必要になるし、物が増えてしまうのです。
一度に履ける靴は一足だけ。
同じ靴を毎日履くと、早く痛むので、2足持って交互に履く、というのは理にかなっているとは思います。
しかし、理にかなっているな、と思うのは2足まで。
それ以上はいりません。
靴を3足も4足も持ってしまうと、ある靴はまったく死蔵品になってしまうか、4足の靴をバランスよく履くために、あれこれ考えることが増えます。
物をたくさん持つと「使わないともったいない」という気持ちになり、無理に使う状況を作り出すために、よけいな思考を強いられるのです。
靴だけに関して、こういう余計な考え事が増えるのならまだしも、靴の数が多い人は、バッグも洋服も帽子もアクセサリーも多いものです。
すべてをうまく使いこなしたいと思うから、脳内が混乱し、どれも使うことができず、すべてがガラクタになってしまい、部屋や玄関はくしゃくしゃで、自分はストレスいっぱいになるのです。
試しに、靴1足、バッグ1つ、洋服1着、アクセサリー1つを大事に使ってみてください。頭の疲れ方が違ってきます。
もちろん部屋もきれいになります。
1つだけなら自分のお気に入りでとても便利で大切な物になるのに、2つも3つもあると、すべてがガラクタレベルに落ちてしまいます。
6.捨てたからってそれが何なの?
必要のないもの、好きでないもの、もう使っていないもの、ただ家の中でゴミになっているもの。
こういうものを捨てたからってどんな悪いことが起こるのでしょうか?
「◯◯を捨てたら次々と悪いことが起こりました。捨てた物のたたりでしょうか?」というお問い合わせをいただくことがあります(複数の人からです)。
問題なのは、こういうメールを送ってくる人たちは、本気で「あれを捨てたからこんな悪いことが起こっている」と思っていることです。
繰り返します。
みんな本気でそう思っているのです。
どうしてそこまで物に自分の人生をコントロールさせることを許すのでしょうか?
たかが物じゃないですか。
しかも、全然使っておらず、ガラクタになっていたような物です。
それを捨てたから自分の人生に悪いことが起きたと考えてしまう、その思考はいったいどこから来るのでしょう?
たぶん、「いろいろな物がたくさんあればあるほど自分は幸せになれる」という考え方を持っているからでしょうね。
だから、1つでも捨てると、自分の幸せはその分少なくなってしまう、と感じるのです。
ですが、いい加減、物に自分の幸せを決めさせる生き方は手放したほうがいいです。物にそんな力はありません。
物にそういう力を与えているのは自分自身です。
「物を捨てるとバチが当たる」と思いがちな人は、もっと自分自身の力を信じてください。
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いったん所有してしまった物を捨てるのは簡単ではありません。
人は物に夢や希望を託しています。心配、不安、恐怖などネガティブな気持ちも投影しているでしょう。
だから一度手にしたものは捨てにくいのです。
しかし、捨てると心が軽くなります。自分が物に持たせていた、あんな気持ちやこんな気持ちもさっぱりと捨ててしまうことができるからです。