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長年、物だらけの家に住み、なかなか片付けることができないと悩んでいる読者の質問に回答します。
まずお便りをシェアしますね。どすこい!さんからいただきました。
質問が3つ書かれていましたが、今回は一番最初の部屋の片付けについて回答します。
汚屋敷をなんとかしたい
筆子さんのブログをいつも楽しく読ませていただいております。
勉強になる記事ばかりで、すべてではありませんが、行き帰りの電車内で読んでおります。
普段はブログは読む専門ですが、今回初めてメッセージを送らせていただきたいと思いました。
以下、まとまりのない文章ですが、どうかご容赦ください。
私は現在33歳、統合失調症の持病がある女性です。
障害者雇用(フルタイム)で働いております。
健常者の父、統合失調症プラス身体障害のある母、発達障害の姉と同居しております。
以前からずっと3つのことで悩んできました。
1.自宅の片付けについて
母は私が物心つくころには精神障害者になっていたため、片付けや掃除をしているところは一度も目にしたことがありません。
父は健常者ですが、自宅を整えることに関心が薄く片付け・掃除については母と同様です。
姉は障害が重く、自分から動いて物事をよくする(=自分から片づける)という発想自体が希薄です。
このような状況から、30年以上自宅は手つかずの「汚屋敷」となってしまっております。
どの部屋もモノでいっぱい。本来しまうべき押し入れも例外ではないため、布団は万年床。
その布団の上にもたくさんのモノ、モノ、モノ…。
毎晩そのモノたちを毛布で隠して、その毛布を「ひっかぶって」寝ています。
また、毎日家族の誰かが連続してくしゃみをしています(おそらくハウスダストが原因と思われます)。
家を不在にする時間が長いため、毎日15分の片付け時間を確保するのはなかなか難しく、「1つだけ片付け」も目に見える達成感が得られずに3日坊主となってしまいました。
何とかしたい、そう思ってもどうすれば良いのか、どこから手をつけたらよいのか分かりません。
「こうすればよい」というモデルがなく、ゴールが明確に設定できていません。
ただ旅行などで「整っている」場所には何度も行っているため、「自分もこのようにできたらいいな…?」という漠然としたイメージはあります。
母は「私は病気だから片付けができない」というスタンスですが、私は納得できません。
現在は独身ですが、いつか家庭をもち同じことを子に言ったらその子も同じように納得しないでしょう。
「汚屋敷」から脱するにはどのような方法・順番で取り組めばよいでしょうか?
どすこい!さん、初めまして。お便りありがとうございました。
電車の中で記事を読んでいてくれているのですね。とても嬉しいです。
どすこい!さんは、統合失調症を患っているそうですが、この記事ではそのことは考慮せず、一般的にどんな風に汚屋敷から脱出したらいいのか説明します。
家族の協力はあきらめる
最初におすすめしたいのは、家族の協力を、すっぱりあきらめることです。
他の読者の方にも、「お母さんが協力してくれない」とか「夫がものいっぱい持ってる」などなど、メールに書いている方がたくさんいらっしゃるんですが、他人は変えられません。
まずは自分が変えられること、つまり自分がコントロールできることにエネルギーを注ぐべきです。
「家族のせいで~できない」という考えは、いつまでたっても片付かないことの言い訳になりますし、余計なストレスを生みます。
特に、どすこい!さんのご家族は、精神障害を患っていたり、長年、そう暮らすのが当たり前になっていたりするので、すぐに全員の意識を変えるのは難しいでしょう。
家族を説得するストレスを減らし、片付けに専念しましょう。家族の態度が変わらなくても、自分のスペースが整えば十分快適になります。
自分のスペースから片付ける
家全体を片付けるのではなく、自分が使う空間からきれいにしていきましょう。
例えば、寝る場所や身支度をするスペース、その他毎日使う場所から片付け始めてください。
とりあえずは布団の上に乗っているものを取りたいですよね?
布団の上に何もない状態を作ることから始めてはどうでしょうか?
もしくは、布団を収納するために押し入れの中をきれいにして、万年床にしなくてすむ状態を目指すのもいいでしょう。
こんな風に目標を小さくして、そのためにすべきことを一つずつやっていきましょう。(タスクの細分化)
1日5分でもOK
1日15分の片付けをおすすめしていますが、その時間がないなら5分でも大丈夫です。
布団の上に何が乗っているのかわかりませんが、自分のものなら、どんどん捨てることをおすすめします。
布団の上に乗っているものを見て、「もういらないな」と思うものを、毎日5分使って少しずつ捨てていきましょう。
朝起きてから、もしくは寝る前に片付けるといいかもしれません。
布団の上が終わったら、次は布団をしまうスペースを作る場所、その次は、自分が食事をする場所、というようにスペースを広げていきます。
どのスペースについても基本的に、毎日少しずつ不用品を外に出すようにしましょう。
5分間、ものを捨てても、変わり映えしないと思うかもしれませんが、小さなスペースに区切って見てみると、きのうより大きく前進したことがわかります。
おすすめの過去記事⇒汚部屋すぎて、どこから始めていいかわからない人に伝える片付けの始め方。
捨てる・捨てないの判断で迷うなら?
すでに家の中はものでいっぱいなので、基本的に、不用品をどんどんゴミとして外に出すことを意識してください。
私なら「いる・いらない」と迷わず、「全部いらない」という方針で作業します。
これができないときは、捨てる優先度の高いものを意識しておくといいかもしれません。
たとえば以下のものは、優先的に捨てるべきものです。
・壊れているもの(使えないものは迷わず処分)
・明らかに不要なもの(賞味期限切れの食品、役割のかぶった日用品)
・使う予定のないもの(長年しまい込まれたままのもの、そのへんに置かれたままのもの)
お片付け番組を見てみる
これまで片付いた家に住んだことがなくて、モデルがない問題に関しては、片付け番組を見てイメージをつかむといいかもしれません。
私が知っているのは、近藤麻理恵さんの Netflix のショーだけですが、YouTubeにも関連動画はたくさんあるでしょう。
こういう動画には片付けた後の家の様子も出てくるので、「こんな感じか~」とイメージがつかめると思います。
動画の視聴をするときは、以下のポイントを気をつけてください。
1)見過ぎない
動画ばかり見ていると片付けをする時間がなくなります。番組を見ただけで、片付けた気分になるのも禁物です。
2)理想を上げすぎない
動画の中に出てくる「片付いた部屋」は多分に演出が入っているので、この通りにしようと思ってはいけません。
完璧を求めるとかえって行動できません。
片付いた部屋にある空気感を感じてください。
3)自分の部屋と比べない
番組では、数時間~数日で劇的に変わることが多いですが、現実はそんなに簡単には進みません。
こんなスピードで片付けができるのは、それが「番組」や「動画コンテンツ」だからです。
番組の片付けスピードは、現実の10倍速くらいだと考えましょう。
片付けに失敗した例やリバウンドの話は、あまり紹介されないかもしれませんが、それも「番組」だからです。
お片付け番組はあくまでショーです。
「私の部屋は全然片付いてない」とか、「こんなふうにできない」と落ち込む必要はありません。
片付け番組はあくまでヒントをもらうためのもの。番組を見たら、何か1つ行動することに決め、視聴が自分の部屋の片付けに確実につながるようにしましょう。
それでは、どすこい!さんの片付けが進むことを祈っています。
もし途中で悩んだり、行き詰まったりしたら、また気軽にメールをくださいね。
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読者の質問に回答しました。
ものだらけの部屋を片付けるのは決して簡単ではありません。
時間がかかることは覚悟しましょう。
ゆっくりでもいいので、昨日より今日、今日より明日と少しずつ前進してください。