汚部屋でいらいらする人

ミニマルな日常

最終更新日: 2024.09.17

ガラクタは心の敵~捨てられないものが強いている心理的負担

ページに広告が含まれる場合があります。

 

不用品が生活に制約をもたらしている現象を、シリーズで紹介しています。

前回は物理的スペースを奪われて不自由になっている状態について書きました。

いつまでも捨てない不用品が奪っている自由~スペース編。

今回は、ガラクタが心の中のスペースを奪っている状態を紹介します。

不用品やガラクタは、物理的に負担になっているだけでなく、心理的にも重荷になっており、実はこちらのほうが深刻です。



0.とにかく気持ちが重い

断捨離をした人はよく、「みんな捨ててさっぱりした。すごく気分が軽くなった」と言います。

断捨離前は、この逆で、すごく気持ちが重いんです。

つまり、精神的に負担を感じ、ストレスや不安、プレッシャーがのしかかっています。

ものをいっぱい持っている人は、重い気分がふつうになっているので気づいていないだけです。

試しに、今日、「ちょっと断捨離しよう」と決意してみてください。

最初に何を思うでしょうか?

「この部屋、どうしてこんなにモノが多いの!?」

こう私は感じました。

その頃のこと⇒なぜ私は断捨離をしてミニマリストになったのか?(1)~物がたくさんあっても幸せではなかった

ものがいっぱいあるのを何とかしようとすると、私のようにいきなりうんざりするかもしれません。

このやるせなさは、ガラクタの重さと直面したからこそ感じられる気分です。

問題の先送りをやめて、しっかり片付ければ、気持ちが軽くなります。

以下に、気持ちの重さのもとになっている4つの心理的負担を紹介します。





1.片付けなきゃ、というプレッシャー

これまで、「片付けなければならない」というプレッシャーに襲われたことはありませんか?

私はものだらけの部屋を見るたびに、このプレッシャーを感じていました。

人間は、環境を自分でコントロールしたいという欲があるので、それができていないと、「なんとかしなきゃ」と感じ続けるものです。

ガラクタや自分の人生のことを突き詰めて考えることに疲れて、少し休もうと思っても、部屋のすみに積んである本や雑誌、棚の中をうめるフィギュアなどに、「早くなんとかしてよ!」とせっつかれます。

片付けようとすると、プレッシャーを感じるので、それが嫌で、現状のままでいいことにする人もいるかもしれません。

汚部屋の片付けに疲れて、「べつに一生汚部屋でもいい」と開き直るのです。

この場合、心底、そう思っていないと、「片付けなければならない」というプレッシャーから逃れることはできません。

2.視覚的ノイズによるイライラ

心の奥底から、汚部屋とともに生きていくことにしたとしても、今度はべつのストレスを感じます。

視覚的ノイズから来るイライラです。

視覚的ノイズ(見た目のごちゃつき)を極力なくすコツ(その1)~飾り物を減らす。

リビングでリラックスしようと思っても、まず目に飛び込んでくるのは雑誌の山。その山の中に、ストレス解消の本やお片付け指南本が混じっている皮肉な状態に、笑うに笑えない、なんて経験はありませんか?

どんな人もスッキリとした環境のほうが好きです。

山のように好きなものを集めて、すべてに囲まれて暮らしたいと思っていたとしても、ものでごちゃごちゃしている部屋より、カフェや図書館のほうが勉強がはかどりますよね?

生活感のないホテルのほうがよく眠れませんか?

スッキリした環境には秩序があります。人はカオスより秩序を好みます。

自分の部屋に秩序があれば、ほかならぬ自分が自分の家や生活環境をコントロールしている感覚も得られます。

コントロールできていない感覚があると、気分が悪いです。

3.終わっていない感覚

部屋の中に不用品がたくさんあると、未解決の問題があると感じます。

たとえば、

・せっかく買ったのに、まだ使っていないものがある

・途中まで作ったのに、放置した作品がある

・まだ読んでいない本がある

・まだ片付けていないエリアがある

こうした事実は、未解決の問題として常に頭の片隅にあり、いつもなんとなく不愉快ですし、何かの拍子に未解決問題が表のほうに出てきて、はっきり嫌な感情を作ります。

問題を解決していないことが、罪悪感や自分を嫌う気持ちを引き起こすでしょう。

セルフイメージも悪くなり、自分のことを「片付けられない自分」と考えてしまいます。

罪悪感は、想像以上に大きなストレスになるマイナス感情です。

必要以上に罪悪感を感じるのをやめる方法。

4.決断疲れする

ものが多いと決断する回数が増えます。1日になんども、意思決定をしなければならず、これも、心のリソースを奪います。

多くの女性が数をたくさんもつことが好きな服飾品を考えてみましょう。

服飾関係のものをたくさん用意する人は、その日の気分や予定によって、組み合わせを変えたいからだと思います。いろいろなおしゃれを楽しみたいわけです。

服、靴、バッグ、コスメが多いと、考えられる組み合わせは何万とあり、一見、豊かな状態のように思えるかもしれません。

ですが、選択肢が多すぎると、人は選択を放棄する傾向があります。

決めるときに、それぞれの選択肢を比較し、メリットやデメリットを評価しなければなりませんが、この作業をするのに、精神的エネルギーが必要です。選択肢が増えれば増えるほど、エネルギーを使わねばならないので、最終的には、決断をするのをやめるか、後回しにするのです。

バリー・シュワルツに学ぶ『選択のパラドックス』(TED)~所持品をミニマムにすると生きやすくなる理由とは?

実際、服や靴をたくさん持っていても、「いつもの組み合わせ」に落ち着くことが多いと思います。

あるいは、雑誌やSNSで見かけたアドバイスや占いなど、自分以外の誰かに決めてもらおうとします。

さらに、選択肢が多いと、自分がした選択に関して後悔が増えます。

私のように、いつも着るジャケットがワンパターンしかない場合、「ああ、あっちを着ればよかった」と思うことはありません。

でも、ジャケットを何着も持っていると、1着を選んで着て出かけたあとに、「あっちのほうがよかった」「こっちにすればよかった」と後悔してしまうのです。

せっかくお金を出して、いろいろ買い揃えても、結局、使うのは決まっています。

それならば、最初から数を揃えないほうがお金の無駄にならないし、迷って疲れることもありません。

情報社会の今、セルフサービスが増えたので、家事でも仕事でも、細かい決め事をする機会はたくさんあります。日常の細かいことまで決断していると、大事な決め事をするリソースが残りません。

毎朝、満杯のクローゼットの前で悩む日々、どうにかしたいですよね。

■関連記事もどうぞ⇒集中できないのはぐしゃぐしゃの部屋にいるから。ガラクタは脳にも悪影響を与えている

*****

ガラクタ問題が脳内のリソースを奪い、あなたの行動に制限をかけている話をしました。

記事で書いた以外にも、ガラクタが心理的負担を強いることはよくあります。たとえば、

・家族や同居人とのもめごとによるストレス

居住スペースをシェアしている人から、ものの多さや片付けのできなさ加減を責められる場合です。

・探しものがなかなか出てこないストレス

探しものは時間を奪いますが、探しているものがすぐに出てこないと、気分がよくありません。目当てのものを向きになって探してしまうのは、私だけではないでしょう。

・なんとなく無気力

さまざまなストレスが重なってセルフイメージが悪くなると、無力感が生まれます。

不用品を捨てるだけで、こうしたストレスから解放されます。

100%解放されなかったとしても、かなり、楽になります。

いきなりすべてを捨てなくてもいいので、できるところから少しずつ処分してください。

捨てれば捨てるほど気持ちが軽くなります。





空き容器をためすぎた女性空き瓶・缶・箱を捨てられない人のための手放し術。前のページ

秋におすすめのミニ断捨離チャレンジ、3つ。次のページキッチンを片付けている女性

ピックアップ記事

  1. 新刊『本当に心地いい部屋』4月14日発売のお知らせ:現在予約受付中。
  2. ムック・8割捨てて二度と散らからない部屋を手に入れる、発売しました。
  3. 筆子の新刊『買わない暮らし。』(6月16日発売)著者による内容紹介。現在予約受付…
  4. 新刊「50歳からのミニマリスト宣言!」3月14日発売のお知らせ(現在予約受け付け…
  5. 筆子の新刊『書いて、捨てる! 』3月11日発売。著者による内容紹介。

関連記事

  1. 9月のスケジュール帳

    ミニマルな日常

    目標と反省~買ったものを記録して、家にあるものを使い切りたい。

    シンプルライフを心がけている読者のお便りを紹介しました。月々の…

  2. 物がたまっている場所

    ミニマルな日常

    私の断捨離生活、うまくいったこと、いかなかったこと。

    物を減らしてシンプルに暮らしている読者のお便り紹介コーナーです。今月(…

  3. お便りありがとう。

    お知らせ

    【連絡】買えなかった物への執着心の捨て方、という質問を下さった方へ

    今から4時間ほど前、2017年4月7日金曜日、午後5時頃、「買えなかっ…

  4. 窓のあるお風呂

    ミニマルな日常

    カナダ在住主婦がお風呂を掃除するタイミングと掃除に使っているもの。

    お風呂の掃除に関する質問をいただいたので、この記事で回答します。…

  5. 服の買い物

    ファッションをミニマルに

    好きな服を着たいけど、ネットで叩かれると思うと怖くてできない。

    ファッションに関する相談メールをいただきました。この記事で回答…

  6. 断捨離する女。

    ミニマルな日常

    たくさん捨てても納得できず毎日捨てる物を探してしまう私は病気でしょうか?

    読者のお便り紹介コーナーです。今回は2016年の7月の後半にいただいた…

新刊「50歳からのミニマリスト宣言!」

ムック:8割り捨てて二度と散らからない

ムック・8割捨てればお金が貯まる

書店かセブンイレブンで買ってね。
8割捨てればお金が貯まる・バナー
ムック本・8割捨てればお金が貯まる、発売のお知らせ

「本当に心地いい部屋」

「買わない暮らし。」売れてます(第7刷)

筆子のムック(第5刷)

筆子の本、『書いて、捨てる!』

更新をメールで受け取る

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,828人の購読者に加わりましょう

新しく書いた記事を読む

  1. キッチンを片付けている女性
  2. 汚部屋でいらいらする人
  3. 空き容器をためすぎた女性
  4. 未来に向かって歩く人
  5. 片付けリストをチェックしている女性
  6. TEDトークイメージ画像。
  7. 書棚を片付けている女性
  8. 散らかった部屋を片付けようとしている女性
  9. 部屋にものが多すぎる人
  10. 寝室を片付けている女性

筆子の本・10刷決定です

オーディオブック(Audible版)も出ました♪ 捨てられない人は要チェック
1週間で8割捨てる技術
⇒筆子の本が出ます!「1週間で8割捨てる技術」本日より予約開始

 

実物の写真つき紹介はこちら⇒「1週間で8割捨てる技術」筆子著、本日発売です(写真あり)

大好評・特集記事

小舟バナー

 

お金を貯める・バナー

 

実家の片付けバナー

 

ファッションバナー

 

フライレディバナー

 

湯シャンバナー

 

ブックレビューバナー

 

TEDバナー

 

歯の治療バナー

今日のおすすめ記事

  1. もう捨てる服
  2. 外国のお札とコイン
  3. ブティック
  4. 砂時計
  5. 母と子
  6. 80対20の法則
  7. 考えごとをする女性
  8. ヘッドフォン
  9. 寝室
  10. ハローキティのノート

過去記事、たくさんあります♪

PAGE TOP