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先週の水曜日にようやく歯のインプラント3本の施術が終了しました。今回は、インプラントの最終工程である、上部構造(クラウン)をつけた体験をお話します。
私はインプラントのネジ部分はインプラント専門医にやってもらい、上部構造の設置はいつもの歯医者で行いました。
インプラントのクリニックでの最終チェック
前回の記事では、インプラント専門医で行った施術の最終部分について書きました。2016年5月12日のことです⇒インプラント(2回法)の手術を受けた体験談。歯より懐が痛い:インプラント(8)
その1ヶ月後に、インプラントのクリニックで、ファイナルアセスメント(最終チェック)がありました。
まずレントゲンをとり、先生がそれを見てから、実際に患部も目視していました。
特に以上はなし、ということでした。
先生のチェックに150ドル、レントゲンに38ドル支払いました。
この後、先生は、私がいつも診てもらっている歯医者に、施術が終了したことを知らせ、レントゲン写真も送っておきます、と言いました。
待っていれば、歯医者のほうから連絡が来るのこと。
さらに、インプラントのチェックを1年後と5年後にします、と言われました。定期的にチェックをしておけば、何かあってもより多い選択肢があるから(you have more options)と。
こちらの医者は、よくoption(オプション)という言葉を使います。
私、カナダでは、出産のときをのぞいては、ほぼ歯医者にしか行っていないので、「歯医者が」と言うべきかもしれません。
それにしても、1年後と5年後だけで大丈夫なのでしょうか?日本の歯医者は半年ごとなど、もう少し短い間隔で定期検診していると思います。
実はこの日、クリーニングもしたので、3ヶ月後のクリーニングの予約もしました。
受付の人に、口腔内の衛生を保たないことのほうが、喫煙より、インプラントをだめにしてしまう確率が高いというリサーチが発表されたのよ、と笑顔で言われました。
インプラントの上部構造(クラウン)の型とり
ほどなくして、いつものクリニックから電話がかかってきて、予約を2回取りました。1回めは型とりです。その3週間後にクラウンを入れます。
2016年7月14日 型取り
まず、歯型を取りました。
以前、インプラント(歯につけるフィクスチャー部分)を入れる前、専門施設で3DのCT撮影をしたときと同じように、口の中に、モールド(粘土みたいなの)をのせた型を入れて、上顎と下顎それぞれの型を取りました。
前の型とり体験はこちら⇒サイナスリフト(骨造成)のあと注意すること~インプラント(6) 「専門施設に3DのCT撮影に行った」のところです。
専門施設でやるよりは、簡易な感じがしました。
粘土みたいなねちねちしたものがのった型を口につっこまれ、そのままの姿勢で何分か粘土が固まるのを待ちます。
アシスタントの人が、型を押さえています。私は前方にある大きな窓の外を見て時間がたつのを待ちました。
壁全体が窓になっていて、外がよく見えるのです。
診察室の前は、駐車場で、フェデックスの人が車を止めて、何かを持って車から降り、また戻って、走り去りました。
この窓は、室内からは外がとってもよく見えますが、外側からは、黒っぽい色で鏡のようになっており、中は見えません。
ときどき、窓ガラスを鏡に見立てて、髪を整える人がいます。
型とりは決して楽しい工程ではありませんが、痛いとか、苦しいとかそういうことはありません。口の中に型を入れるとき、ちょっとうっときますが、麻酔の注射に比べたら、天国のようです。
下の型は問題なく取れましたが、上は2回やりました。初回の型をはずしたとき、アシスタントがチェックした後、ほかの人に「これでいいかしら?」と相談していました。
やや疑問の残る型だったようです。
2人で何かこそこそ話していましたが、結局、また型を取ることになりました。
その後、先生(中国人の女医さん)がやってきて、今度は、インプラントを入れる部分だけ、型を取っていました。そのさい、ネジのキャップを外していたような気がしますが、私はずっと口をあけていたので、何をやっているのかよくわかりませんでした。
私は右上の奥から3本インプラントするのですが、一番手前の歯のにねじ込むとき、少し衝撃や痛みを感じました。
クラウンはセラミックですが、色について相談されました。2種類のサンプルがあり、「暗い方と明るいほうとどちらがいいかしら」と。相談の上、その中間に決めました。
サンプルを見ると、ともに暗い色でしたが、客観的に歯の色を見たら、それは白よりも、象牙色とかベージュに近いのだと思います。
まあ、あまり目立つ場所ではないので、赤とか紫じゃなく、それらしい色だったら別に何でもいいのです。
型とりが終わって、お金を払おうと思って受付の人の顔を見たら、「今日は支払いはないですよ」と言われました。
クラウンを入れるときに一気に払うようです。
2016年7月21日 型とりやり直し
その数日後、歯医者から電話がかかってきて、型取りをやり直す、と言われました。「ほんの15分ぐらいで終わるから、また来てください」。翌日朝、行きました。
全体の歯型取りではなく、患部の型取りのやり直しです。先生は、「3本並べてインプラントするケースはめずらしいから、ラボの人は、もう少し情報がほしいそうです」と言ってました。
今回は、レントゲンをとり、さらに、インプラントに何か長いネジみたいな特殊なツールをねじこんで型とりをしていた雰囲気です。
15分では終わらず、30分ぐらいかかりました。
2016年8月4日 クラウンの装着
この日も実は何をやっているのかよくわかりませんでしたが、先生がそれぞれのインプラントのキャップをはずし、何かをねじこんでいるようでした。
奥の歯2本は、わりとすんなり入ったようですが、一番手前の歯がきつくてなかなか入りませんでした。
最初、先生が入れようとしたとき、痛みというか、きつい感じというか、そういうのを感じて、「ぎょえー」と心の中で声をあげました。
先にも書いたように、もともと手前の歯のインプラントのあたりをさわると、奥よりも痛みを感じるのです。
先生が、「プレッシャーありますよね」と言って、はずして、隣の歯(インプラントのほう)を少し削っていました。
そして、また手前のクラウンを差し込みます。それからフロスをかけて、チェックしていました。
このチェックのとき、アシスタントの人が何かあてがっていたようですが、見えないので何をしていたかは不明。
時々、サクションで血を吸ったり、消毒液みたいなのをふっかけていました。
その後、このクラウンを差し込む⇒フロスをかけてチェック⇒はずす⇒隣の歯(これもインプラント)を削る⇒またさしこむ⇒フロスをかけてチェックという工程を、全部で、7~8回やったと思います。
隣の歯を削り過ぎると、それはそれで困るので、慎重に少しずつ削っていたのでしょう。
「この先生、根気があるなあ」と感心しました。先生がこんなにがんばっているのだから、私もがんばって口を開けていようと思いました。
ようやく、ちょうどいい具合になったのか、今度は、手前に入れるクラウンそのものを、ちょっと削って装着しました。
差し込むとき毎回痛みがあったので、「インプラントを入れたあとも、こんな痛みがあるの?」と不安になりました、が、いったん入れてしまったあとは、何の痛みもありません。
インプラントのクラウンを装着する方法は、スクリューをさしこむ方法とセメントを使う方法があるらしいのですが、私の場合、スクリューをさしこみ、なおかつ部分的にセメントを使っていたと思います(先生には確認していないけれど)。
クラウンをつける方法について、相談されたことはないので、そういうものなのでしょう。
クラウンを入れたあと、こんどはクラウンの先をちょっと削っていました。かみ合わせの調整です。
インプラントは自前の歯ではないので、かみ合わせの調節が大切です。
自前の歯は、歯と歯の骨のあいだに歯根膜(しこんまく)というのがあり、何かをガシガシかんだとき、これがクッションの役割をして、骨に負担がかかりません。
しかし、インプラントの歯には、このクッションがないので、かみ合わせの調整が悪いと、インプラントにダイレクトに力がかかって、パーツが破損したりします。
私の場合、インプラントのネジ部分は、とうの昔に骨にくっついているはずなので、そんなに心配はないと思いますが。
この日の施術はちょうど1時間。代金は5712ドルでしたが、保険適用分がおよそ2500ドルあり、自分で払ったのは3500ドルだけでした。
ただ、私の保険はもう限度額いっぱいだと思うので、たぶん、残りの2500ドルもそのうち請求が来るのではないかと思っています。
抜歯からインプラント終了までにかかった金額は、保険適用前で、22085.94ドルです。我が家の家賃のおよそ1年7ヶ月分です。インプラント1本に、半年分の家賃を払ったと言えます。
☆インプラントの記事を最初から読む方はこちらから⇒初めて歯のインプラントの専門医に相談した日~インプラント編(1)
☆これまで書いた歯の記事をまとめました⇒歯に関する記事のまとめ:歯肉炎、根管治療、そしてインプラント体験。
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抜歯してから20ヶ月後、ようやくインプラントが入りました。20ヶ月間、上の奥の歯3本がないまま過ごしていたので、入れた直後はちょっと違和感がありました。
歯でさわってみると、インプラントの歯は、すごく存在感があります。かなりしっかり装着されていて、ちょっとやそっとでは取れそうにありません。取れたら困りますが。
特に痛みなどはなく、ふつうに食事ができています。
今後は、いかにこのインプラントを長持ちさせるかが課題です。ほかの歯もできるだけ大切にして、これ以上インプラントのお世話にならないようにしなければなりません。