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部屋の中にものがあふれていて、暮らしにくい。
でも、いざ捨てようとすると、どれも好きで、捨てたいものがひとつも見つからない。
こんな悩みを抱えている人は、実は少なくありません。
今回ご紹介するのは、ものは多すぎるのに、捨てる決断ができないという読者のお便りです。
片付けの本を読み、ときめきで選ぼうとしても、何も捨てられない。そんなジレンマに苦しんでいる様子が伝わってきました。
こんなときは、放せない理由を考えてみるといいと思います。
では、お便りを紹介しますね。ミニーさんからいただきました。
ものだらけなんだけど
じつは、モノが多すぎて困っています。とにかく収納場所が足りず、部屋はいつもぐちゃぐちゃ。
精神的に不安定なことが多く、片づけようと思っても集中できず、すぐに疲れてしまいます。
友人が部屋を見て、「こんなにものがいっぱいあったら、元気な人でも片づけられないと思う」と言われました。
でも、服も雑貨も、どれも好きで、これはもう捨ててもいい、もういらない、というものが見つかりません。
こんまりさんのときめきで選ぶ方法も試しましたが、全部好きなのでうまくいきませんでした。
どうすればモノを手放せるようになるでしょうか?
ミニーさん、はじめまして。お便りありがとうございます。
ものがたくさんあるけれど、すべて大事なものに思える。
そういう方はミニーさんだけではありません。どれも自分が好きで買ったものだから、そう簡単にはゴミにはしたくないですよね。
でも、今、ミニーさんは、少し捨ててすっきりしたいと感じているから、こうしてお便りをくださったのだと思います。
今回は3つのアドバイスをお伝えします。まずは、「なぜ捨てられないのか?」を一緒に考えてみましょう。
1. 手放せない理由を考えてみる
「片付けたい」「減らしたい」とは思っている。けれど、いざ手を動かそうとすると、どれも捨てられない。
そんなふうに止まってしまうのは、捨てることに対する思い込みや、現実的なハードルがあるせいです。
片付けを阻むものを具体的に考えると、どうしたらいいか対策を考えることができます。
今、ミニーさんを邪魔しているのは、以下のようなものではないでしょうか?
好きなもの=必要なものという思い込み
好きなものすべてが、今の生活に必要なものではありません。
「好きだから、残すべき」「嫌いじゃないから、捨てる理由がない」と考えると、すべて手元に残ってしまいます。
どんなに好きでも、今の暮らしに役立っていないものは処分したほうが暮らしの質があがります。
ものを手放すことは、自分を否定することという考え
持ち物に、「これが好きな自分」「お金がある自分」「センスのいい自分」を投影していると、ものを捨てることがつらくなります。
捨てると自分の一部がなくなるような気がするからです。
ですが、たくさんのものを持ち続けることが、今の自分を苦しめているなら、「大事なものたち」を少し距離を取って見たほうがいいでしょう。
選び方がわからない
全部とっておきたい人は、逆に言えば、どういう基準で減らせばいいかがはっきりしていない状態にあります。
このようなときは、自分がしっくりくるルールに当てはめて選別すると捨てやすいです。
ときめきで選ぶ方法が合わなければ、「この先使う?」「今の生活で必要?」という視点で所持品を見てみましょう。
こんまりの「ときめき」がよくわからないあなたへ。捨てる物を決める15の質問
考えるだけで疲れる
心が疲れていると、捨てる・捨てないの判断はできません。片付けは元気なときにやるものであって、無理に進めるものではありません。
ミニーさんは、今、ものに圧倒されている状態なので、しっかり休息をとって体制を整えましょう。
捨てることに対する罪悪感
思い出や愛着、もったいないという気持ち。こうした感情が強いと、捨てることに罪悪感を抱きます。
でも、不用品を手放して身軽になることは、悪いことではありません。部屋の中で死蔵品になっているものを外に出せば、ものにはまた活躍する機会が生まれ、ミニーさんの暮らしもラクになります。
無理に捨てようとせず、まずは「どうして減らせないのか?」と問い直すことから始めてみましょう。自分の気持ちに目を向けることが、片付けの第一歩になります。
おすすめはモーニングページやブレインダンプを書きながら、自分を観察することです。
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2. 「なぜ減らしたいのか?」に立ち返る
「捨てたいものがない」と感じているとき、無理に捨てるものを選ぼうとすると、混乱したり、苦しくなったりします。
こんなときは、「そもそも、なぜものを減らしたいのか?」という問い、つまり片付けをする理由に立ち返ってください。
片付けの目的は、ものを捨てることではありません。
本当の目的は、快適な空間で気持ちよく暮らすこと、あるいは、ストレスを減らして心を軽くすることです。
たとえば、毎日ものを探してイライラするのが嫌だ、気持ちが落ち込む部屋から抜け出したい、もっとすっきりした生活がしたい。
そういった思いがあるから、片付けようとしているのですよね。
「全部好きだから捨てられない」とものに目を向け、捨てられない現実に苦しんでいるだけだと、本来の目的から遠ざかってしまいます。
捨てるかどうかを判断する前に、今の自分が望んでいる暮らしをイメージしてみましょう。
その理想の暮らしを邪魔しているものはないか、一歩引いて考えてください。
ものを減らしたい気持ちがあるということは、今の暮らしを変えたい気持ちがすでに芽生えているということです。
その気持ちを、大切にしてください。
3. 自分を責めすぎない
持ち物を手放そうとすると、心がチクッと痛むことがありますよね。
「結局、使わなかったな」「もったいないことをした」「こんなものを買ってしまった私っていったい?」と。
このとき、あまり自分を責めすぎると居心地が悪いので、「じゃあ、捨てるのをやめよう」と思い、「だって、全部大事なやつだし」と、捨てなくていい言い訳を考えてしまいます。
そこで、「ものを捨てること=自分を責めること」という構図を作らないようにしましょう。
実際、ものを捨てることは、自己否定ではありません。
私も、たくさんものを断捨離したので、「使わないものをこんなにいっぱい買った自分って本当に馬鹿だ」と思いました。
でも、このままものを持ち続けている自分はもっと馬鹿かもしれないとも思いました。
使わなかったとしても、それを買ったとき、私やミニーさんには、それが必要だと思った理由があったんです。もしくは、未来予測を少し間違えてしまった。
失敗を理解した上で、「今の自分には、もう必要ない」と判断して処分することは、前向きな選択です。
今の暮らしに合わせて持ち物を見直すのは、以前より成長した自分が次のステージに進もうとしているサインだと考えましょう。
片付けは、自分と向き合う作業です。
自分にダメ出しするのではなく、「よりよい生活をしようとしている私ってえらい」と思いながら進めてください。
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みんな大事なものに見えるから、捨てられないという読者、ミニーさんの悩みにアドバイスしました。
・捨てられない理由の深堀り
・片付けたいそもそもの目的の見直し
・ものを捨てる自分を責めない
こんなことをすると、捨ててもよさそうなものが見つかります。
明日の記事では、実際にものを減らすための具体的な方法を紹介します。
全部好きで捨てられない状態から一歩抜け出すきっかけになると思います。お楽しみに。