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長時間座ることは、喫煙よりも危険だ、と言われて久しいのですが、危機感を持っている人が少ないように感じます。
座りっぱなしの生活が、私たちの健康にどんな害を与えるのか、また、どうしたらそのリスクを最小限におさえることができるのか説明します。
私たちは思ったより長時間座っている
私は毎日1時間スロージョギングし、15分~20分筋トレ(おもにスクワット)をしています。歩けるときはできるだけ歩いています。
しかし、一方で、パソコンに向かってブログを書く時間が多いため、座っている時間のほうが圧倒的に長いです。通算して1日8時間は机に向かっているのではないでしょうか?
私は特に「座る生活」をしている人間です。ですが、そうでない人でも、オフィスのデスクで座って仕事をし、自宅でも食事やテレビ鑑賞のために座り、趣味のパソコン作業、スマホでチェックするインターネット、SNS、ゲームのために座り、車通勤なら車の中で座り、トイレでも座っています。
毎日、意外と長時間座っているのです。
1日の摂取カロリーや食事やおやつのカロリー、1日に歩く歩数、運動する時間を気にする人は多いのですが、椅子や床に座っている時間を数えたり、気にしている人は少ないと思います。
しかし、この座りすぎが、健康を害し、さまざまな病気をひきおこしてしまうのです。
長々と座っているとき、体内で起きていること
2分15秒で、長時間座る弊害を説明している動画があるので紹介します。英語ですがイラストがあるので「とにかく危険なんだ」ということはわかると思います。
動画で説明されている健康リスクを簡単にまとめます。
●座ったらすぐに筋肉の電気活動が低下し、カロリーの消費が減り、1分に1カロリー消費するだけになる。
●座って3時間たつと、血管が50%収縮し、血の流れが悪くなる。
●24時間座りっぱなしだと、インスリンがグルコースを吸収する率が40%低下し、2型糖尿病になりやすくなる。
●日に6時間以上座ることを2週間続けると、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)と脂肪細胞が増え、体重が増える。脂肪を分解する酵素が減る。長時間動かないことで、筋肉が弱くなり、心臓の働きを疎外する
●たとえ、定期的に運動していても、動くのをやめれば、座っている時間に応じて、健康は損なわれてしまう。
運動しても、喫煙が健康に及ぼす害をなくすことができないように、長時間座りっぱなしが原因で起きる害をなくすことはできない。
●座りっぱなしの生活が1年続くと、影響はさらに大きくなり、女性は、1年毎に骨密度が1%減少する。
●動くことは、血流をよくして脳により多くの酸素を送り込むだけでなく、気分を明るくするホルモンの分泌も促す。動かないと脳の機能が衰える。
●10年から20年、1日6時間座る生活を続けると、質調整生存年(Quality Adjusted Life years QALY)を7年間失う。QALYとは、病気でもなく、死んでもいない年。単に生存しているだけでなく、人間らしい暮らしをしている状態です。
心臓病にかかる率は64%増加。前立腺がん、乳がんにかかる率は30%上昇。
●もしみんなが、1日3時間以上座らなければ、平均寿命は2年伸びると考えられる。
●まとめ
人のからだは座りっぱなしで生きるようにはできていない。1日8時間職場で座っていたら、帰宅後テレビを見ていても、ジムで運動していても、同様に体によくない。
長時間座ることは、死をもたらす行動である。
座りっぱなしが引き起こす恐ろしい健康リスク
たとえ運動習慣がある人でも、長時間座る生活をしていたら、肉体が衰えてしまいます。
座りっぱなしだと、足がむくむ、お尻が痛いとか、お尻が大きくなる、お尻の形が変わる、ということを心配している人がいます。実は、そんなことよりもっと心配なことがあります。
たとえばこんなことです。
1.内臓が衰える⇒病気になる
長時間座っていると、筋肉がカロリーを燃焼しなくなるので、血の流れが遅くなり、心臓に脂肪酸が蓄積しやすくなります。
これが高血圧、コレステロールの増加、心臓病を引き起こしてしまうのです。
すい臓がインスリンを作りすぎてしまい、糖尿病になる可能性もあがります。
動画で言っていたように、ある種のがんになる率があがる、とも考えられています。
2.筋肉が衰える
座っていたら、筋肉はほとんど鍛えられません。立って動けば、おなかの筋肉が緊張しますが、座っていたら全く使いません。
お尻の筋肉も弱くなります。
立ったり、歩いたりすることはすごくゆるい活動に思えるかもしれませんが、座っていることに比べると、いろいろな筋肉が忙しく活動しているのです。
3.体重増加
座ってばかりいると太るのは明らかです。肥満の人は、そうでない人に比べて、毎日2時間半よけいに座っていると言われています。
4.脳がしっかり機能しない
机に向かっていると、なんだかすごく脳を使っているように感じるかもしれません。ですが、実は、座りっぱなしだと脳の機能は低下します。
動画でも言っていましたが、筋肉を動かせば、血の流れがよくなり、酸素が脳にいくのです。
長時間座りっぱなしだと、これが行われないので、脳に栄養が行き渡らず、頭がぼんやりしてきます。
5.首や背中、腰が痛くなる
これは、たいていの人が経験済みだと思います。ずっと同じ姿勢で座って、パソコンの画面をながめていると、首こりや肩こり、背中の痛み、腰痛が生じます。
職場では、電話を首にはさんでしゃべりながら、パソコンを見たり、メモをとっている人がいます。これはとても、頚椎(けいつい)に負担をかける動きです。頚椎は簡単に言うと首の骨です。
肩こり解消法⇒肩こり、首こりの原因とその解消法。ポイントは生活習慣の改善
座りすぎによるリスクを回避する方法
座りすぎにより引き起こされる健康被害を回避するためには、座るのをやめればいいのですが、仕事でデスクワーウをしている人はそうもいかないでしょう。そこで、以下のことをして、できるだけ座りっぱなしになるのを防いでください。
●30分に一度は立ち上がり、ちょっと動いてみる。
こうすると、血の流れがよくなります。1時間に10分は動くのが理想です。
●自分が一日何時間座っているか計算してみる。
どれだけ座っているか計算して、座っている分だけは動くようにしてください。それは必ずしも運動をするということではありません。
テレビは立ってみるとか、電話は立ってするとか、やれることはいろいろあります。
こちらを参考にしてください⇒ジムに行くより効果的。日常生活でカロリーを消費するNEAT(ニート)ダイエットのススメ この記事ではスタンディングデスクも紹介しています。
●テレビのコマーシャルを合図に動く。
●友達と会うのは喫茶店や飲食店ではなく公園にする。
そして歩きながらしゃべってください。
関連⇒ウォーキング・ミーティングのススメ。健康にいいし仕事もはかどる(TED)
●職場で、同僚にメールを送るかわりに、相手のところに行って話す。
デスクワークの多い人は、なるべく動く機会を見つけてください。
●仕事で必要なものをわざと遠くにおく。
必要なファイルなどを手の届かないところにおき、嫌でも歩くようにしてください。
そんなことすると、仕事がしにくい、と思うかもしれません。ですが、前述したように、ときどきは動かないと、脳に充分酸素がいかないのです。何もかも、手に届く範囲におくと、生産性が落ちる可能性があります。
●椅子をバランスボールに変える。
☆こちらにも運動量を増やす方法を書いています⇒座りっぱなしが寿命を縮める。座りすぎのリスクとそれを回避する方法。
☆職場でもっと体を動かす方法はこちら⇒少しの工夫で運動不足を解消。職場で簡単にできる運動6選。
☆長時間横になってスマホをやるのもよくありません⇒座りっぱなしが健康によくないなら、寝ながらスマホをするのはいいのでしょうか?←質問の回答
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私は、パソコンに向かって仕事をするときは、タイマーを45分に設定して、アラームがなったら台所やバスルームに行って家事をしたり、ちょっと断捨離したり、ストレッチをしたり、音楽を聞きながら踊ったりしています。
こうすると気分転換になるし、おもしろいアイデアもわいてきます。座りっぱなしだと、脳に酸素が行かないとか、気分を明るくするケミカルが分泌されない、というのは本当だと思います。
若いころは、なるべく便利なものを使って、できるだけ動かず効率的に仕事をしようと思っていたときもありました。ですが、今は、めんどくさいことをあれこれやったほうが、脳にも体にもいいし、老化防止にもつながると信じています。
ダイエットとかやせることばかり気にする人が多いのですが、座りすぎていないかどうかもチェックしてください。