服を見ている人

ミニマルな日常

最終更新日: 2022.12.24

捨てにくい物があるときは、心の奥底にある恐怖に向き合うと上手に処分できる

ページに広告が含まれる場合があります。

 

物を捨てようとするとき、多くの人が恐れるていることを3つ紹介します。

頭では、「これはもういらない物だ」とわかっているのに、なかなか捨てられないことってありますよね?

恐怖が原因で捨てられないことが多いので、自分が恐れているものが何であるのか考えてみると、わりとあっさり捨てることができます。

「捨てようかな~」と思って引っ張り出したものを、「やっぱりだめ、もったいない!」と、しまい込む前に、少しでいいから自分の恐れに向き合ってください。



1.安全、安心、快適さを失う恐怖

安心な状態や快適さを失うのが怖くて物を捨てられないことがあります。

自分や家族だけではとても使い切れない大量のストック品が、場所を取っていてすごく邪魔。どこに何がどれだけ置いてあるのかもよくわかっていないのに(時には虫がわいていたりするのに)、捨てない、なんて現象が起きてはいないでしょうか?

その理由は

・いつか必ず使う物だから

・せっかくお金を出して買ったから(あとで買わなくてすむ)

・腐るもんじゃないから

・自分で使わなくても、そのうち欲しいという人が現れるかもしれないから

こんな感じです。

最初の3つは、まっとうな理由に聞こえますが、捨てない理由を作り出している意識の奥底にあるのは、「これを失ってしまうと、近い将来すごく困るかもしれない。不自由になるだけでじゃなくて、命まで失ってしまうかもしれない」という恐怖ではないでしょうか?

私の母は冷蔵庫の中にたくさん食品が入っていて、食器棚の中にも食器がたくさんあるほうが安心だ、と言います。

でも、母は食が細いし、89歳の一人暮らしで人の出入りが多いわけでもありません。

母が何を不安に思っているのかは知りませんが、もし、大本の不安が、もうすぐこの世を去らなければならないこと、つまり死への恐怖なら、食品や食器をため込んでも根本的な解決にはならないと思います。

2.ステータスを失う恐怖

物はステータスシンボル(その人の社会的地位を目に見える形で表すもの)になるので、ステータスを失うのが怖くて捨てられないこともあります。

たとえば、大きなプール付きの家、立派な家具調度、高級車、金持ちしか持てない何か(黒いクレジットカードとか)、ブランド品(シャネルのスーツとか)、はやりのガジェット、その他、自分は成功者だ、勝ち組だということを示すたくさんの物。

ステータスを失いたくて、使っていない物がいっぱいあるときは、以下の2つの方法のどちらかを使ってください。

1)物以外のものでステータスを示す

今後もずっとステータスにこだわりたいなら、物以外のものでステータスを示せば、物は処分できます。

私はステータスが高い人の生活をよく知らないから、いい例を思いつきませんが、たとえば、毎月のように、飛行機のファーストクラスで、あちこちに旅行して、写真を撮り、その様子をインスタグラムにあげるのはどうでしょう?

金持ちしか入れない店で、有名人やインフルエンサーと自撮りした写真をシェアするのもいいでしょう。

高級ジムで、トレーニングしている様子をシェアしてもいいですね。

勉強することが好きならハーバード大学やスタンフォード大学の博士号を取るのもいいかもれません。

いずれも、物は使わないので、ステータスシンボルをキープしつつ、シンプルに暮らせます。

2)ステータスにこだわるのをやめる

ステータスにこだわるのをやめれば、ステータスシンボルは必要なくなるので、すべて捨てることができます。

ステータスにこだわる大本の理由は承認欲求だと思うので、承認を求める度合いを下げてみてください。

強すぎる承認欲求(人にほめられたい気持ち)を手放す方法。

今の自分をそこそこ好きになれれば、他人の承認がなくても、わりと幸せに生きられます。

持ち物や資格、仕事、趣味(人に見せつけるためにやっていること)、家族や親戚、友人の仕事や社会的地位、財産、食べているもの(人に見せつけるために飲食しているもの)など、ステータスシンボルとして利用しているすべてのものを取っ払ったとき、何が残るか考えてみるといいでしょう。

何も持たない自分に満足できるなら、部屋の中でガラクタ化しているステータスシンボルは、「大事な物」ではなく、「目障りな物」になるはずです。

すぐに捨てることができますよ。

3.愛を失う恐怖

私はいろいろな人から好かれているが、部屋の中で邪魔になっているこれを捨ててしまうと、その人たちの好意や愛を捨てることになるんじゃないか、という恐怖です。

気に入らない贈り物や、ガラクタ化しているギフトを捨てることができないとしたら、その贈り物が体現している「愛、好意、善意」を失うのが怖いのかもしれません。

人からもらった年賀状やグリーティングカードを捨てずに、たくさん持ってしまうのも、そこにある愛を捨てたくないのだと思います。

結婚式の祝儀袋を捨てないのも、同じ理由からです。

11年保管していた祝儀袋を、乾燥した虫ともども、ようやく捨てた話。

この場合は、考え方を変えれば捨てることができます。

贈り物を捨てても、それをくれた人の愛は消えない、と考えてください。

中には、悲しむ人がいるかもしれませんが、全員を喜ばせることはできないので、仕方のないことです。たとえ悲しんだ人がいたとしても、それは、その人が解決すべき問題だと私は思います。

というか、あなたが、その贈り物を毎日使おうが、押入れにしまい込もうが、ガラクタ化させようが、それをくれた人には、もはや何の関係ありません。

それを管理する責任はあなたにあり、あなた以外の人には、どうすることもできないのですから。

物と感情を切り離すのもおすすめです⇒不用品を捨てやすくなる5つのマインドセット(考え方)。

全然使わない贈り物を無理にキープしなくても、それをくれた人との関係を強化する方法はいくらでもあります。

たぶん1番いいのは、一緒に時間を過ごすことです。

共に何かを体験すると、人間はたいてい仲良くなり、絆が深まります。

遠方に住んでいてなかなか会えないなら、電話で話したり、メッセージを送ったりすればいいです。

相手がもうこの世にいない場合は、その人のことを思い出すことで、より関係を強化できます。

忘れない、無視しない、相手のことを考える。こんな行為が、2人の絆を深めるのです。

怖くても捨てるべき

たとえ大きな恐怖を感じても、不用品は捨てるべきだと私は思います。

恐怖のせいで捨てられない物が部屋でガラクタ化していると、新たなるマイナス感情を引き起こすからです。

安心な環境を失う恐怖から、ガラクタをたくさんかかえこむのは、恐怖に根ざした生活をすることですから、今の生活を楽しむことができません。

ステータスを失うのが怖くて捨てられない物があると、物でステータスを誇示する生活が続くので、さらに物が増えます。

愛を失うのが怖くてギフトを捨てないと、くれた人をうらむ心が生じます。

不用品を捨てるとき、恐怖や自分の生活の核にある価値観と向き合うことになりますが、それは、恐怖から解放してくれる行動ではないでしょうか?

*****

物を捨てるときに感じる恐怖を3つ紹介しました。

現代は、大量生産、大量消費社会なので、普通に暮らしていると、物はどんどん増えていきます。

毎日のように、素敵な物、便利な物が発売されますし、「もっと幸せになるために、健康になるために、きれいになるために、効率よく家事や仕事をするために、自分らしく生きるために、あなたは、こういう物を買うべきです」という広告があふれています。

私たちが、次々と物を買うのも不思議はありません。

でも、ガラクタがあると暮らしにくいし、ストレスがたまります。少しずつでも処分したほうがいいですよ。





服を選んでいる女性洋服を大事にするとはどういうことか? 着ないままクローゼットに詰め込んでおくのは違うと思う。前のページ

私が見つけた視覚的ノイズ~取り外してみたらほこりだらけだった。次のページ見た目がうるさい額

ピックアップ記事

  1. 筆子の新刊『買わない暮らし。』(6月16日発売)著者による内容紹介。現在予約受付…
  2. 新刊「50歳からのミニマリスト宣言!」3月14日発売のお知らせ(現在予約受け付け…
  3. ムック本・第2弾『8割捨てれば、お金が貯まる』発売のお知らせ:11月15日です。…
  4. ムック・8割捨てて二度と散らからない部屋を手に入れる、発売しました。
  5. 新刊『本当に心地いい部屋』4月14日発売のお知らせ:現在予約受付中。

関連記事

  1. コンフォートゾーンにいる人。

    ミニマルな日常

    捨てなくてよかった、と感じる時があり、それがとてもうれしいので片付けが進みません。

    部屋の片付けに関する相談にアドバイスします。数年に1度、「あ~…

  2. 混乱する人

    ミニマルな日常

    気が散って、ちっとも片付けが進まない。そんなときはこうしてみよう。

    部屋を片付けたいけれど、すぐに気が散って、ちっとも進まない。こんなメー…

  3. 窓ガラスふき

    ミニマルな日常

    毎日家事だけで疲れるあなたへ。今すぐやる癖をつけて悪循環から抜けだす方法。

    家事で疲れている人は、やることをためこみ、事を複雑にしています。今すぐ…

  4. 片付いた引き出し

    ミニマルな日常

    不用品を1000個捨ててわかったこと(読者の断捨離体験)

    いらない物を1000個捨てるチャレンジをしてみた方、現在、継続中の方の…

  5. 心配する人

    ミニマルな日常

    不安や疑いを手放し、再び相手を信頼するためにできること。

    読者の方から相談メールをいただきました。恋人が今どこで何をしているのか…

  6. カラオケ

    ミニマルな日常

    子育てが終わって自分のしたいことがわからない人へのアドバイス。

    子育てが終わって気が抜けた。この先思い切り人生を楽しみたいけど思いきれ…

新刊「50歳からのミニマリスト宣言!」

ムック:8割り捨てて二度と散らからない

ムック・8割捨てればお金が貯まる

書店かセブンイレブンで買ってね。
8割捨てればお金が貯まる・バナー
ムック本・8割捨てればお金が貯まる、発売のお知らせ

「本当に心地いい部屋」

「買わない暮らし。」売れてます(第7刷)

筆子のムック(第5刷)

筆子の本、『書いて、捨てる!』

更新をメールで受け取る

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,824人の購読者に加わりましょう

新しく書いた記事を読む

  1. 笑顔の中年女性。
  2. オンラインで買い物しそうな人。
  3. 「それって、必要?』表紙イラスト
  4. Tシャツを着て、考えている女性
  5. 手放してスッキリ
  6. 女性プレゼンター
  7. 店で服を選んでいる女性
  8. 公園でくつろぐ中年女性

筆子の本・10刷決定です

オーディオブック(Audible版)も出ました♪ 捨てられない人は要チェック
1週間で8割捨てる技術
⇒筆子の本が出ます!「1週間で8割捨てる技術」本日より予約開始

 

実物の写真つき紹介はこちら⇒「1週間で8割捨てる技術」筆子著、本日発売です(写真あり)

大好評・特集記事

小舟バナー

 

お金を貯める・バナー

 

実家の片付けバナー

 

ファッションバナー

 

フライレディバナー

 

湯シャンバナー

 

ブックレビューバナー

 

TEDバナー

 

歯の治療バナー

今日のおすすめ記事

  1. チョコレートケーキ
  2. 食器棚
  3. スキンケア商品
  4. テディベア
  5. ピーナッツ
  6. 心配する人
  7. ぼんやりした人
  8. 小銭入れ
  9. 積み上がった本
  10. モップがけ

過去記事、たくさんあります♪

PAGE TOP