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昨年の夏、親の家を片付けた体験を今回から何回かにわけて、お伝えします。
遺品整理より生前整理が理想
親がモノを溜め込むのをそのままにしておくと、すべて遺品整理することになります。それよりは生前整理をしたほうがいいです。
たくさんのモノに囲まれて暮らすのはストレスが多いですから。
ただ、そのことを親に納得させたり、実際に片付けてもらうのはそんなに簡単なことではありません。
現実問題として、親が高齢のばあい、子供が片付けに行ったり、業者を手配することになりますが、それもなかなか難しいです。というのも、いったん実家を出たら、もうそれは自分の家ではなく他人の家だからです。
人に無理やり捨てさせるのは断捨離ルールからはずれます。
しかし、ほっておけば、親の家のモノは増え続け、ますます片付けられない状態に。ゴミ屋敷になる可能性だってあります。
そこまでひどくならないまでも、高齢になると、たくさんのモノを管理することは大変な負担です。
今は元気なお年寄りでも、一軒家からマンションに移ることや、老人ホーム、施設に入ることだって多いにありえます。そのとき片付けなければならないのは子供の自分。
仮にそういうことがなかったとしても、遺品整理は避けられません。
実家を片付けたら安心感が増した
私は、去年の夏およそ40日実家に滞在し、母のものを母と一緒に断捨離しました。「生前整理のススメ」にも書いたように、とてもポジティブな体験でした。
生前整理のススメ⇒生前整理のススメ~すべてを遺品整理に回すより、少しでも生前整理をしておくべき理由とは?
この記事にも書いたように、実は母はまだまだモノをたくさん持っています。
ですが、台所の1番高い天袋にあったものはほとんど処分したり、移動させることができたので、椅子にのって、高いものを取ろうとして転倒する、ということは避けられます。
それに、少しは「もう使わないモノを持っていることは無意味である」ということをわかってもらえたかもしれません(希望)。
私がどうやって親の家を片付けたのか(片付けようとしたのか)、シリーズでお伝えします。何かの参考になれば幸いです。
筆子の実家事情
私の母は82歳になったばかり。父は私が14歳のときに亡くなりました。その時母は40歳。以来42年間、父の建てた一軒家に住んでいます。引っ越しはなし。
私と2つ違いの弟は22、23の頃に家を出ましたが、私は30代半ばすぎまで居座っていました。よって自分のモノも実家にたくさんあったのですが、ほぼ断捨離済です。
私は4,5年に一度しか実家に帰っていません。飛行機代が高くてためられないからです。カナダに来て今年20年目ですが、去年を含めて4回帰っただけ。たいへんな親不孝をしております。
まず母に断捨離という言葉を教えた
母は私が以前からシンプルライフをめざして、どんどん捨てているということは知っていました。今回は、あらたに断捨離という言葉を教えてみました。
定義は簡単に、「いらないものを捨ててスッキリすることだよ。そのほうが暮しやすくなるしね。それに不用品を捨てると、もっといいものがどんどん入ってくるよ」と言っておきました。
「過去への執着を捨てて、今を生きろ」、「モノを捨てられないのは恐怖心があるからなのだ」などと言っても、母には理解できないと思います。とにかく「運気があがる」「もっといいものが入ってくる」というところを強調しました。
筆子の部屋にある置物から断捨離開始
モノの捨て方や、捨てる順番ですが、大きく分けて、カテゴリーごとに捨てる方法と場所を決めて捨てる方法の2つあります。有名なこんまり流は、カテゴリーごとで衣類→本→書類→小物→思い出の品という順番。
しかし、ふつうこんなに簡単に進むはずがありません。
ましてや断捨離を始めたころの母は「なぜ捨てなければならないの?」という状態でした。
そこで、まずは自分のモノを捨てました。
実家の居間にある本棚に、筆子の本がたくさんあったので、文庫本、ハードカバー、雑誌と、毎日せっせと本をひもでしばって、捨てていました。
それと同時進行で、自分の部屋にあった置物を捨てました。実家の部屋は、北欧風のシンプルインテリアをめざして、白木の小さな机、木製のベッド、木製のワゴンなど、ナチュラルな感じにしていたつもりでした。
しかし私のいないあいだに、母がさまざまな置物を棚に飾ったり、壁や天井からぶらさげていました。
私が小さいときから持っていた人形もあれば、人からもらった旅行のお土産、母が自分で買ったお人形。何かのおまけ、粗品。テイストも何もあったものじゃありません。
スヌーピー、ピエロの人形、編みぐるみのクマ、ココナツで作った飾り物などなど、1つ1つは可愛くても、それが壁や天井のあちこちからぶらさがっているさまを想像してください。
こんな部屋ではとても安眠できません。母にことわってすべて取り外して捨てました。
母は「せっかくかわいいのに」と不満そうでしたが、一応私の部屋にあったものなので、さしたる抗議もなく、無事捨てることができました。
最初はこんなふうに、自分のモノを捨てることから始めました。
実録「親の家を片付ける」この続きはこちら⇒その「思い出の品」は本当に思い出の品なのか?~実録・親の家を片付ける(2)
物を捨てながら、「片付けたら、スッキリしたよ」「暑いし、ものがないほうがうっとうしくなくていいよ」「ぶらさがっていた人形、ほこりまるけだった、あのままだと健康によくないしね」「この本、誰も読んでないし、廃品回収に出したほうがいいね」などなど、片付けるメリットを強調するようにしました。
このとき、「たまたまなのか、隣の人から、夏の旅行のおみやげのそばをもらったり、なじみの植木屋さんから、畑でとれたというスイカをもらったり、実家の正面の家に、人が引っ越してきて、ハンカチタオルをもらったり、という貰い物が続きました。
そのせいで、母もなんとなく「物を捨てたほうがいいことが起きるんだ」と思い始めたようです。