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私たちは、自分でも気づかないうちに、毎日、よけいな音をけっこうな量、聞いています。今回は、騒音が私たちの健康にどんな影響を与えるのか詳しく紹介しますね。
騒音は英語でnoise(ノイズ)です。ガラクタがいっぱいあると、視覚的ノイズになってストレスがたまります。音はノイズそのもの。やはり大きなストレスになります。
気づかないうちに騒音に取り囲まれている私たち
WHO(世界保健機関)は騒音公害(noise pollution)を大気汚染(air pollution)の次に深刻な環境汚染である、と言っています。
騒音公害と聞くと、工場、事業所、建設現場から出る音、ジェット機、パトカーのサイレン、トラックのエンジンの音などを思い浮かべる人が多いと思います。
ですが、実際は、生活騒音で不快な気分になっている人が思いのほか多いのです。
生活騒音には、冷蔵庫や掃除機など家電の音、ドアをバタンと閉める音、ピアノ、ステレオなど音響機器の音、人の話し声、ペットの鳴き声、スマホのアラーム、風鈴の音など、いろいろありますね。
1つぐらいだったらいいのですが、こういう音が数多く集まると、人はすごくストレスを感じてしまいます。
たてつけの悪い、開けるたびにギーッとなるドアや、カチコチ秒針の音がうるさい時計を使っていると、自分でも知らないうちに心が疲れてしまいます。
前回、イヤホン難聴の記事で、音のせいで耳が悪くなるとき、2つの要素がある、と書きました。
●どのぐらいの大きさの音なのか?
●どのぐらいの時間、聞いていたか?
です。
前回の記事⇒耳の健康も大事。若い人に増えているイヤホン難聴の予防法
1つ1つは、そこまで大きな音ではなく、耐えられる音だとしても、1日にいっぱい聞いてしまうと、耳や脳がすごく疲れてしまうわけです。
私がパソコンを打っている場所から冷蔵庫まで3歩です。夜も、ほぼ同じ場所で寝ているため、冷蔵庫のモーター音とともに暮らしているといっても過言でありません。
朝方は、これに洗濯機の音や、まれに衣類の乾燥機の音も混ざります。朝はわりと元気なので、早いうちに音を聞いてしまおうと、家事を前倒ししてます。
しかし、理想を言えば、このような音は何もない部屋でブログを書いていたほうがいいでしょうね。
では、騒音の影響を紹介します。
☆騒音が私たちの健康に与える影響
1.難聴になる
コンサートや映画館で大きすぎる音を聞きすぎて、一時的に耳がよく聞こえなくなったり、MP3プレイヤー(イヤホン)でボリュームをあげすぎて聴き続けると、恒常的に難聴になる可能性があります。
イヤホン難聴は、近年社会問題になっていますね。これから、絶対、耳のお医者さんと、精神科のお医者さんの患者が増えていくと思います。
2.聞きたい音(会話)が聞こえない
うるさい環境の中で、人と話をしていて、相手の言ってることが聞こえない、といった場合です。電話で話していて、相手や自分のバックグラウンドで騒音がしていても、会話をうまく運ぶことができません。
これはこれですごくストレスです。
3.眠れない、睡眠の妨害
周囲がうるさいと、入眠できないし、寝てるときも音で起こされます。
私は、耳栓をしながら寝ています。それでも周囲の音が聞こえるので、夜中に誰かがトイレに行ったり、娘からテキストが入って、スマホがピンと鳴ると、目がさめることがあります。
今月に入って、夜中に起こされることが2回ありました。
たまたま、レム催眠(浅い眠り)のときに、そういう音を聞いてしまったからだと思います。
私はもともと、いったん寝たら、朝まで起きないタイプですが、今のアパートは狭いので、起こされてしまうこともあるのです。
睡眠は大切なので、音で眠りを妨害されると、健康に大きな害が及びます。睡眠の大切さはこちら⇒睡眠不足はとっても危ない。寝足りないと起きる5つの弊害
たとえ、睡眠中に起きなくても、周囲の音は、脳にインプットされています。自分では意識しないところで、音の情報は処理されているので、寝室にはよけいな音がないほうが、脳はしっかり休むことができます。
4.心臓病になる
「音と心臓とどんな関係があるのか」と思ってしまいますが、騒音は循環器系の健康を損なう恐れがあります。
飛行機の騒音にさらされている人は、心臓の発作、心筋梗塞、狭心症、その他循環器系の病気になる率が高い、という報告があります。
脳が騒音を察知すると、「あ、危険が迫ってる」と解釈することが多く、その危険に対応するために、ストレスを感じたときと同じ様な脳内神経伝達物質が出ます。
すると、心拍数が増え、血圧があがり、免疫システムはお留守に。
ストレスを感じたときの体の反応はこちらに詳しく書いています⇒ストレスのせいで頭痛がしたり太ってしまう理由とは?
要するに、大きな音がストレスになっている、ということですね。
音のせいで睡眠不足になっていると、それもストレスになってるし、また昼間余計な音をがんがん聞いていると、それもストレスになり、結局いつもいつもストレスを感じている、という状態になります。
すると、体が、心臓にとってはあまりよくない反応をしてしまうのです。
☆音が人に与える影響がわかりやすく説明されているTEDのプレゼンはこちら⇒音が人に与える4つの大きな影響:ジュリアン・トレジャー(TED)
5.糖尿病の原因になる
音と糖尿病は、音と心臓病より、さらに関係なさそうですが、騒音を聞きすぎてしまうと、糖尿病になるリスクがあがります。
ドイツで、道路の騒音を長年にわたって聞き続けたせいで、2型糖尿病になった、という研究結果が発表されました。
2型糖尿病は、血糖値があがってしまう病気です。
ハイウエイのそばの住民は、しっかり睡眠が取れないのと、心臓病のところで書いたように、ストレスを感じてしまうので、それが原因ではないかと考えられています。
確かに、高速道路のそばや、飛行場のわきに住んでいたら、病気にもなりそうなものだ、と思ってしまいますね。
別にハイウエイのそばじゃなくても、すごくいびきのうるさい人と一緒に寝ないほうがいいと思います。睡眠は大事ですから。がまんしているのなら、寝室を別にしたほうが、自分の将来のためにはいいと思います。
6.心の健康によくない
音はストレスになるので、それが心の平穏を乱すのは、説明するまでもないですね。音がどういうふうにストレスになるのか、以前、音の断捨離の記事で説明しています⇒年末年始のストレス解消に「音」の断捨離が効く
7.集中できない
騒音というほどでもない生活音、街の音、人の話し声、BGMなども、人の作業の邪魔になっています。
喫茶店のほうが勉強に集中できるという人も多いのですが、たいていの人は、よけいな音がない場所のほうが、パフォーマンスのレベルがあがる、と専門家は言っています。
何をやっているかにもよりますが、脳を使ってしっかり考えないとできない仕事に従事する時は、音がないほうが早くできるし、仕事の質もあがります。
ホワイトノイズというものをご存知ですか?ホワイトノイズは、あらゆる周波数を含んだ音で、ほかの音を薄める効果があります。
以前こちらでホワイトノイズを紹介しています⇒疲れの取れる昼寝の方法。睡眠不足ぎみの人は試す価値あり 「気持よく眠れる道具を忘れずに」のところです。
ホワイトノイズは騒音を打ち消すから、騒音を聞いているよりは、ホワイトノイズを聞いているほうがいいのですが、それでも、ノイズなので、ないほうが、人は集中できる、と考えられています。
「ホワイトノイズがあると集中できる」という人がいますが、私は、音は何もないほうが格段に集中できます。
ほとんどの子供たちは、ホワイトノイズがないほうがより学習できるのですが、ふだん集中できない子供は、ホワイトノイズがあったほうが集中できる、という研究結果があります。
「ホワイトノイズがあるほうが集中できる」と言っている人は、もともと集中できないタイプなのかもしれません。
仕事中に音楽を流すのがクセになっている人も、一度できるだけ音を消して、仕事をしてみてはどうでしょうか?もしかしたら、そのほうが集中して仕事ができるかもしれません。
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今の生活は音があって当たり前なので、多くの人は、騒音のない世界を忘れています。
私が子供のころは、こんなに音はありませんでした。せいぜい、台所にあった柱時計の音ぐらいです。
小学生のとき、台所の隣の畳の部屋に寝ていました。夜寝る前、あたりは本当にしーんとしていました。私は、すごく心配性の子供だったので、よく「あれ、耳が聞こえなくなっちゃったのかな?」と本気で心配しました。
暗闇でじーっとして、柱時計が「ボーン、ボーン」と鳴ると、すごく安心して寝たのを覚えています。
現在、そういう無音状態になることができるのは、停電のときぐらいでしょうね。