ストレス

健康・アンチエイジング

ストレスを感じると、腹痛が起きたり太ったりする理由。

幸せな人生を生きるためにストレスマネジメントを考えるシリーズ。今回は、強いストレスがどんなふうに人を病気にさせるのか、そのメカニズムをお伝えします。



ストレスはメンタルの問題だけではない

日本では厚生労働省が、2015年の12月から従業員50人以上の企業に「ストレスチェック」を義務付けました。

パソコンのソフトを使ってチェックできるようです。うつ病など精神的な病気の防止のために始まった制度みたいですね。

しかし、ストレスが起こすのは心の病だけではありません。

今やみんな、強いストレスが病気をひきおこすことはよくわかっています。実際、何か不調があると、多くの人は、「ストレスのせい」と半ば自動的に、冗談めかして反応します。

しかし、なぜストレスを感じると病気になるのか、そのメカニズムを知っている人は少ないのではないでしょうか?また、ストレスをためこむことの怖さに気づいている人も少ないと思います。

ストレスがどんなふうに病気を引き起こすのか知っておくことは、健康でいるために有効です。今回は、ストレスが病気を引き起こすメカニズムを4分40秒で説明しているTED-EDの動画を紹介します。

タイトルは How stress affects your body(ストレスがどんなふうに体に影響を与えるのか)。心の病気ではなく、それ以外の病気に焦点が当たっています。

英語の字幕もついているので、英語の学習にもなります。発話はとてもゆっくりで明瞭なのでわかりやすいです。動画のあとに抄訳をつけます。

ストレスとは

ストレスは、何か困難を感じたり、圧倒されたり困惑するときに感じる感情です。ストレスは感情だけでなく、肉体的な反応も引き起こします。

短期的には、ストレスはからだにとってメリットになります。ですが、あまりに頻繁に、長く感じていると、「闘争か逃走か反応」が、脳だけでなく、全身の臓器や細胞にダメージを与えてしまいます。

☆「闘争か逃走か反応」についてはこちらで説明しています⇒運動をしないとどんなことになるのか。運動不足の6つの弊害 「5.ストレスを感じやすく、免疫機能が落ちる」のところです。

ストレスホルモンが心臓に影響を与える

ストレスを感じると、副腎(ふくじん adlenal gland)から、ストレスホルモンであるコルチゾール、エピネフリン(アドレナリンのこと)、ノルエピネフリンが分泌されます。

このホルモンは血管を通して心臓に到達します。

アドレナリンは、心拍数と血圧をあげ、高血圧(hypertension)の原因になります

コルチゾールは、血管内皮(けっかんないひ endothelium)と呼ばれる膜を血管の内側に作り、血管がうまく機能しない原因となります。

これは、アテローム性動脈硬化(後述)の初期段階だと考えられています。コレステロールプラーク(血管の壁に付着したコレステロールのかたまり)が動脈にたまってしまうのです。同時に、心臓発作など、心臓病の原因にもなります。





ストレスが腸に及ぼす影響

脳がストレスを感知すると、自律神経(autonomic nervous system)が刺激され、腸の神経に到達します。すると腸が正常に働きにくくなり、酸の影響を受けやすくなります。その結果、胸焼けが起きます。

腸の神経細胞に到達したストレスは、腸内細菌のバランスをくずし、消化にも影響を与えます。

ストレスが食欲を刺激する

コルチゾールは、カロリーが豊富な食べ物を摂取するように体に命じるため、糖質の多い食べ物(砂糖や炭水化物)に対する食欲が増します。つまり、カロリーを摂り過ぎてしまい、その結果、内臓に脂肪が蓄えられます。

この脂肪がつくと、服がきつくなるだけではありません。

この細胞からは、サイトカイン(後述)という、ホルモン(免疫細胞へ情報を伝達をしている物質)がたくさん分泌されます。すると、心臓病や、インスリン抵抗性などの病気になりやすくなります。

ストレスと免疫システムの関係

ストレスホルモンは、免疫細胞にいろいろな影響を与えます。ふつう免疫細胞は、体に侵入してくる異物と戦い、怪我を治す手助けをします。

ところが、いつもストレスを感じていると、免疫システムがダメージを受け、炎症を起こしやすくなり、傷が治りにくくなります。

テロメアとストレスレベルの関係

長生きしたければ、長期的なストレスレベルを下げる必要があります。というのも、ストレスはテロメア(後述)を短くしてしまうと考えられているからです。

テロメアは染色体の先にあるキャップです。テロメアはその細胞の年齢を示しています。細胞分裂のたびにDNAがコピーされる(遺伝子の情報を伝える)のは、テロメアがあるからです。

テロメアは細胞分裂のたびに短くなります。テロメアが短くなりすぎると、その細胞はもう分裂ができなくなり死亡します。

その他のストレスが健康に及ぼす影響

ほかにもストレスはいろいろな面で健康に害があります。たとえば、にきび、抜け毛、生殖機能の異常、頭痛、筋肉のこわばり、集中力の欠如、疲労、イライラなど。

人生にはストレスがつきものです。しかし、どんなふうにストレスに反応するかによって、脳や体に対する影響も変わります。

同じストレスフルな状況でも、チャレンジと受け取れば、ストレスをコントロールすることができます。短期的には、パフォーマンスがあがり、長期的には健康を保つことができるのです。
—- 抄訳ここまで —–

難しげな言葉の説明

アテローム性動脈硬化:動脈硬化の一種。アテロームとはおかゆのような固まり、脂肪性のろうのような沈着物のこと。その原因は高血圧や高血糖です。

テロメア:細胞の核(染色体)の先っぽにあるキャップのようなもの。遺伝子情報を保護しています。動画で言っていたように、細胞分裂のたびにテロメアは短くなります。細胞は50~60回しか分裂しません。

テロメアが短くなることが老化現象と関係があると考えられています。ただし、がん細胞のテロメアは短くなりません。テロメラーゼという酵素があるからです。

そこで短くなってほしくない細胞にはテロメラーゼを与え、短くなってほしい細胞にはテロメラーゼを抑制するという研究が行われています。

テロメア(telomere)という名前の由来はギリシア語。意味は「末端」です。テロスとメロスが合体しているとか。そういえば、「走れメロス」ももとはギリシャ神話ですね。

サイトカイン:細胞同士で情報を交換するときに出る物質。情報伝達物質で、その正体はタンパク質。人間で言えば言葉のようなものです。ホルモンとも言えます。

ホルモンとは⇒知っているようで知らない、ホルモンとは何?わかりやすく解説しました

ホルモンは分泌される場所が決まっているし、ターゲットである細胞(受容体)もきちんと決まっています。

ですが、サイトカインはいろいろなところから分泌され、ターゲットもいろいろで、相手次第で、違った情報を伝達するアバウトな雰囲気を持っています。

ホルモン同様、適正に出ていれば健康になるし、足りなかったり、多すぎると逆に不健康になります。

サイトカインについてはこちらでもちょっと書いています⇒風邪のひき始めの7つの対策。軽いうちに治す方法 「7.8時間ほどぐっすり眠る」のところです。

ストレスとうまくつきあうには?

動画の最後で、同じ状況でも受け取り方次第で、ストレスホルモンの分泌を抑えることができる、と言っていましたね。つまり物ごとをポジティブに受け取るか、ネガティブに受け取るかの違いです。

すると、どうやったら物事をポジティブに受け取ることができるのか、という話になってきます。

この点に関しては、これまでこのブログに書いてきた「幸せな人生」がトピックの記事を全部読んでいただくと、ヒントがいくつか見つかると思います⇒幸せな人生

手っ取り早い方法は、断捨離(物もタスクも捨てる)と運動と感謝することだと思います。特に物を減らすことと運動は、健康に大きな影響を与えており、ひいては、人生の質を決めると考えています。

自分の考え方を変えるのに、物やお金はそんなに必要ありません。お金や物を求め過ぎると、考え方の軸がぶれ、よけいなストレスをかかえこんでしまうのではないでしょうか?





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