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冬場にバチバチして不快な静電気。なぜバチバチが発生するのか、その理由と、静電気を防止する方法をお伝えします。
なぜ静電気が起きるのか、その仕組みを知れば、対策もたてやすいです。100%防ぐことはできませんが、ちょっと日常生活で気をつければ、特に静電気除去グッズなどを買う必要はありません。
静電気が発生する理由
静電気は物質の表面にたまっている電気です。詳しく説明すると難しくなる、というか私には説明できないので、ごく簡単に、できるだけわかりやすく解説します。
原子は通常プラスマイナスゼロの電気
すべての物質は原子からできています。原子は物質の最小単位です。
原子のまわりは陽子と中性子という素粒子がまわっていて、その周りを電子という物質がまわっています。もちろんみんなすごく小さいです。
それぞれの粒子は電荷を持っています。電荷というのは、さまざまな電気現象を起こすもので、電気量であり、ここでは簡単に電気と呼びます。
陽子は陽子というぐらいなので、プラスの電気。中性子は名前からわかるようにゼロの電気。電子はマイナスの電気を持っています。
ふつう、物質は陽子と電子の数が同じで、プラス、マイナスゼロで、電気的にバランスがとれています。ぬいぐるみもマグカップもあられも、電気を持っていますが、ふだんはバランスが取れているため、光線を出したりはしません。
物がこすりあうと電子が移動する
原子と原子、つまりある物と物がこすりあうと、原子の1番外側を回っている、わりと不安定な電子が、片方の物質に移動します。
すると、電子が足りなくなったほうの物質はプラス、電子が増えたほうの物質はマイナスの電気になり、バランスがくずれ、それぞれの物質は電気を帯びます。これを帯電といいます。
ふだんは釣り合いが取れているから何事もおこらないけれど、電気的バランスがくずれると、電気というものが表に出てくる、と言えばいいでしょうか。
プラスとマイナスの原子は強く引き合う
原子は、常に電気的につりあいを取る性質があり、プラスとマイナスの原子はお互いに強く引き合います。
たとえば、帯電した身体で、ドアノブを触ると、体内にある電気と、ドアノブにある電気が引き寄せられる、つまり電流が流れるのです。ドアノブは金属なので、電気が通りやすいためスパークして火の粉が飛びます。
ふだんは帯電しても、空気中にある水などを通ってすぐに電子が移動するのでバランスが取れ、火花は飛びません。しかし、電気の流れにくいもの(絶縁体)を身につけていたり、空気が乾燥している(空気中の水分が少ない)と帯電しやすいです。
水も電気を流しており、乾燥した空気は絶縁体になるからです。
こうした自分の身体などにたまっている電気が静電気です。動かず静かにしているのですが、ひとたび、電流が流れるチャンスを見つけると、どどっと流れるため、スパークするのです。
静電気の仕組みがよくわかる動画
以上の説明をわらにわかりやすく解説している動画を紹介します。英語ですが、ビジュアルがあるので大丈夫です。
※YouTubeで見る方はこちらから⇒The science of static electricity – Anuradha Bhagwat
静電気を防ぐ方法
「私って静電気体質?」と思っていたら、こんなことに気をつけて防いで下さい。以前書きましたが、静電気はあまり健康によくないです。
静電気が健康によくない話⇒私が天然素材を選ぶ5つの理由~静電気が健康に及ぼす害はあなどれない
静電気を防ぐには
●できるだけ静電気を起こさない
●たまった電気を逃がす
この2つをやればいいのです。
具体的にはこんな対策があります。
ゴム底の靴より、布や革靴をはく
ゴムは電気を通さない(といっても少しは通します)ので、もしカーペットがひいてある職場でスニーカーをはいていたら、底がゴムではない靴に変えます。
できるだけ重ね着をしない
静電気は、ウールと化学繊維など、さまざまなファブリックがこすれると起きます。同じような材質を着ていても静電気が起きるので、重ね着はしないほうがいいです。
重ね着すればするほど摩擦の機会が増えるわけですから。
冬はどうしても重ね着をしがちですが、ファッションのためだけの重ね着はやめておきましょう。
なるべく化学繊維は身につけない
化学的に合成された繊維は、天然繊維に比べて、摩擦による静電気が起きやすいです。
同じ材質の化学繊維より、違い材質を重ねるとより静電気が起きます。
ウールよりコットンを着る
ウールは天然繊維ですが、静電気を起こしやすいので、ウールではなく綿の使用をおすすめ。
ストッキングは、はかない
ナイロンやポリエステル製のストッキングや、下着はなるべく身につけないほうがいいです。
タイツの素材にも注意したほうがいいでしょう。
綿の多い5本指ソックスをおすすめします⇒知らないと損する5本指靴下の健康効果~履き心地の良さには理由あり
また、ウールより綿の靴下をはいたほうがいいです。
室内の空気が乾燥しないようにする
先に説明したように、空気が乾燥していると静電気が起きやすいので、加湿します。
加湿の方法は、
- 加湿器を使用
- 部屋に洗濯物を干す(大々的に干さなくても、タオル1枚でだいぶ違います)
- アロマテラピーで部屋焚きをする
- ストーブにやかんをのせる
- 観葉植物を置く
など。
加湿すると風邪の予防にもいいです。
カーペットを使っているなら取る
フローリングのままのほうが静電気が起きません。私の家はカーペット敷きで取ることはできませんが、いつもコットン90%の5本指ソックスをはいているせいか、そこまでバチバチしません。
カーペットが取れないなら、上に綿のマットみたいなものをひいてもいいかもしれません。ですが、そうすると見た目が変だし(たぶん)、よけいなマットは増やしたくないので、カーペットを取ってしまうほうがいいです。
よければこの機会にミニマリストになってください。
コットンのシーツを使う
衣類と同じで、ふとんもあまりいろいろ重ねないほうがいいですし、枕カバーやシーツは化学繊維よりコットンを選びましょう。
もちろん、フリースのパジャマはやめましょう。
乾燥肌にならないようにする
水分が少ないと絶縁されるわけですから、乾燥肌(特に手や指先)にならないようにします。
肌断食がおすすめですが、静電気防止のためにそこまでしたくない人は、ふつうにハンドクリームとかローションなど、お肌に潤いを与えるものをぬると、バチバチ火花は飛ばなくなると思います。
壁をさわって電気を逃す
毎晩、家のドアをあけようとノブをさわるたびに静電気が起きる人は、ノブをつかむ前に壁をさわって電気を逃がしてください。
鍵を握る
コストコでカートを押しているときに、バチバチくる人は、片手で、鍵を握っておくと、電気を逃がすことができます。
鍵を握るのは、車からおりるときにも使えます。車は道路と摩擦しあって動いていますから、乗っているうちに、だんだんからだに電気がたまってしまいます。
車から降りる時、いつもバチバチくる人は、まず鍵を握ってそれから降りると軽減できるはずです。
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以前の私は、静電気のバチバチがよく起こっていたのですが、肌にあたる衣類を全部天然繊維にしたら、ずいぶん軽減されました。
それでもたまにバチっと着ますが。天然繊維を身につけることは健康にもいいのでぜひお試しください。