恐怖

断捨離テクニック

不安や恐怖のせいで物が捨てられない。恐れる心とうまくつきあう方法

自分が感じている恐怖心とうまくつきあい、物をためこまず、断捨離できる人になる方法をお伝えします。



恐怖が人を動かす

フランスの皇帝、ナポレオンは『人を動かす2つのてこは、恐怖と利益である』と言いました。

その通りだと思います。人は自分にとってメリットがあると思わないと動きません。メリットがなくても動いてしまう時があるとしたら、それは恐怖を感じている時です。

恐怖ほど人をつき動かす強い感情はありません。

物を捨てずにためこんでしまうのも、恐怖のせいです。

もちろん、単になまけものだから、捨てる気になれない、とか、何でも先延ばしにするから、捨てる行動に移れない、という理由もあります。

しかし、捨てる気にならなくても、そもそもたくさんの物をためこまなければ、別に捨てる必要もないのです。

持たない暮らし」をするためには、自分の感じている恐怖心とうまくつきあうことが肝心です。

恐怖のせいで物をためこんでいる実例

たくさんの物を買ってしまうのは、恐怖心のなせるワザです。

自分の家(マイホーム)がないと将来不安だから多くの人は家を買います。そこに必要以上にいろいろな家具調度を詰め込んでしまうのも、そういうのがないと、安心感が得られないからです。

人によっては、「ほかの人と同じものを揃えておかないと、笑われそうでいやだ」と思って買うのかもしれません。笑われるのが恐いのです。

毎シーズン、流行の服を買ってしまうのも、ほかの人と同じようにしていないと、なんだか心配だからです。安心できないのです。

災害時の非常時持ち出し袋に、持ち出せないほどいろいろ詰め込むのも、「これがないと困るかもしれない」という恐怖があるからです。

旅行の荷物やふだん持つバッグの中身がどんどんふくれあがるのも、「これはあったほうがいい。これは持っているべきだ。だってこれがないときっと困る」という恐怖心があるからです。

なりたい自分になれそうな野望ガラクタを捨てられないのも、それを捨ててしまうと、自分は冴えないままで、理想の自分に変わることができない、そんなのいやだ、という恐れがあるからです。

野望ガラクタとは?⇒なかなか捨てられない「なりたい自分になるために買った物」を断捨離する方法

思い出の品が捨てられないのも、「大切な思い出を忘れたくない、忘れるのが恐い」という気持ちがあるからです。

このように物をため込み続ける理由をどんどん掘り下げていくと、「だって恐いから」になるのではないでしょうか?

この恐怖心を取り除けば、もうそんなにためこまない人になれそうです。

恐怖心を感じるのは、脳が自分を守るためにやっていることです。恐怖がなかったら、人はどんどん危険に身を投じ、いともあっさり命をなくしてしまうでしょう。

しかし、そんなにたくさんの物を持たなくても命の危険はありません。物を捨ててもそこまでリスクはないのです。むしろ捨てずに持っているほうが危険です。

地震などあったらひとたまりもありません。

恐怖は当然あってしかるべきです。ここで問題なのは、リーズナブルな時に恐怖を感じるべきだということ。

ではどうやったら、必要以上の恐怖を感じずに、ものをためこまず、ためてしまったものを、さくさくと捨てることができるようになるのでしょうか?



以下のようにして、物を捨てる練習をしながら、恐怖とうまくつきあうようにしてみてはどうでしょうか?

1.恐怖のせいで物をためこんでいることを認める

まず「私は恐怖を感じている」というその事実を受け入れる、知ることから始まります。恐怖から目をそらしていると、うまくつきあうことができません。

安心したくて、たくさん買ってしまう、人に笑われたくないからどんどん買ってしまう、失うのが恐いから捨てられない、そういう気持ちがあることを認めてください。

2.恐怖から逃げない

恐怖から逃げても何の解決にもなりません。

物が捨てられない恐怖から逃げようとする人は何をするでしょうか?断捨離なんてやめてしまうでしょう。

すると物はちっとも減りません。恐怖に向き合わない人は、物を捨てないことを選び、収納しようとします。もう収納スペースはいっぱいですから、もっと大きな家に引っ越そうとか、収納家具を買おうと思うかもしれません。

恐怖に向き合わないと、問題は解決せず、拡大方向に向かいます。

ここでは断捨離を例にあげましたが、ほかのことでも同じです。何かストレスを感じることがあり、それに向き合わず、逃避行動に出ると、人は、衝動買いをしたり、甘いものを食べて不安を紛らわそうとします。

こういう行動は一時的ななぐさめしかもたらさず、問題は何も解決しません。もちろん、森でライオンやクマに出会ったら、逃げるのが一番いいですけどね。

3.それは本当に恐いことなのか見極める

しばしば恐怖は、誤解のもとに成り立っています。本当にそれは恐いことなのか、冷静に考えてみてください。

先に書いたように、不用品を捨てたぐらいで、何か最悪なことが起こるのか、といったらそんなことはありません。

読まないまま半年以上置いていた本を捨てても、特に自分が知的後退をするわけでもありません。生活の質が落ちるわけでもありません。

捨てた後、人間的にレベルアップしないかもしれませんが、レベルダウンだってしないでしょう。むしろ現状維持から一歩抜けだしたので、生活はよくなると思います。

いらない物はどんどん捨てたほうが、思考がクリアになるし、生活もしやすくなりますから。

自分が感じている危険は、本当の危険なのか冷静に考えてください。

リスクを見極める例をあげます。

ここに、高校生になった息子が子供のころ使っていたランドセルを捨てられない母親がいるとします。

その理由は「このランドセルはまだピカピカだから、息子の子供が使うかもしれない」というものです。しかし、この理由は道理をわきまえているでしょうか?

息子はいつ結婚するかわかりません。まあ、結婚しなくても子供ができるかもしれませんが。しかし、結婚しても子供ができない可能性もあります。子供ができても女の子だったら、黒いランドセルなんて背負いません。

息子さんは結婚するかもしれませんが、もしかしたら私のように海外で家庭を作るかもしれません。その場合ランドセルなんて不用です。

私の母は、私の娘が小学校に入るとき、ランドセルの心配をしていました。ですが、ランドセルを背負った小学生がひょこひょこ歩いているのは、私の知る限り日本だけです。

このように冷静に考えると、「息子の子供が使うかもしれないから、このランドセルを取っておく」というのはきわめて非現実的な理由です。

捨てても何ら危険はありません。

恐怖を感じたら、自分が頭の中でもくもくと作り上げてしまう不安と、客観的な考えのもとに引き出したリスクを冷静に比べてください。

ほとんどの場合、その恐怖は自分の思いこみにすぎないのです。

捨てる話を例に出しましたが、非常持ち出し袋や旅行の荷物を詰め込んでしまうときも、同じように考えれば、適切な量だけバッグに入れることができます。

非常持ち出し袋に入れる適正な量は?⇒防災用品や非常時持ち出し袋のミニマリスト基準はどれぐらい?質問にお答えしました

4.少しずつ恐怖を取り除く

「ランドセルを捨てたってどうってことない」と私が書いても、捨てられない人はやはり捨てられません。

私が「捨てても大丈夫です」と言えるのは、実際にいろいろ捨てた後、「大丈夫だった」という経験の裏付けがあるからです。

そこで、ランドセルは捨てられなくても、もう少し捨てやすいものから、捨てる練習をしてください。

捨てられない人は、何を捨てるにも恐怖を感じますが、すごく捨てるのが恐いものと、さほどでもない物があるはずです。

たとえば、同じ息子の所持品でも、上履きを入れていた袋は捨てられるかもしれません。なぜなら、真っ黒に汚れているからです。

このような、捨てる抵抗がそんなに大きくないものをまず捨ててください。すると、捨てた後、何ごとも起きないのがわかります。汚い上履き入れがなくなって、押入れの中が少しすっきりするでしょう。

こういう「捨てても大丈夫だ」という体験を少しずつ積み重ねてください。上履き入れ⇒お道具箱⇒サブバッグと捨てる行動に少しずつ負荷をかけていき、「自分が感じていた恐怖はにせの恐怖だった」という確信を深めていくのです。

5.リラックスする方法を見つける

あまりに強い恐怖を感じていると、からだが硬直してしまいます。捨てる手が止まるのです。

そういうときは、無理に捨てようとせず、ちょっと休憩しましょう。人が恐怖を感じているとき、「戦うか逃げるか反応」をしています。

「戦うか逃げるか反応」についてはこちら⇒運動をしないとどんなことになるのか。運動不足の6つの弊害 「5.ストレスを感じやすく、免疫機能が落ちる」のところです。

要するにからだは緊張しています。

そこでできるだけゆっくり呼吸をしてリラックスするように努めてください。そして、落ち着いて捨てましょう。

捨てるとき、目をつぶって「えいやっ」と捨てる人がいますが、これは失敗のもとです。自分が何を捨てているのか、ちゃんと確認しながら捨てたほうがいいです。

捨てることはそんなに恐いことではないのです。
* * * *
今回は、おもに捨てるときに感じる恐怖とつきあう方法を書きました。

どんな恐怖を感じているときも、落ち着いてその恐怖に向き合うのが恐怖と友だちになるコツだと思います。

なぜ、自分はそんな恐れを感じてしまうのか、なぜ自分は、これが捨てられないのか、冷静に考えてみると、捨てる糸口が見えてきます。





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