押し込まれた物

断捨離テクニック

処分を先延ばししていた物を捨てるコツ。すぐに決断しよう。

「もうこれは捨てる!」という決断をすることを、ずるずると先延ばししていると、どんどんガラクタが増えます。

ガラクタが増えすぎると、心身ともに疲れて、余裕がなくなるので、ますます決断できなくなります。

そんな状態になる前に、きょう、思い切って決断してしまいましょう。

この記事では、決断の先延ばしがガラクタを増やすことと、決断しやすくする工夫を紹介します。



決断しないからガラクタが増殖する

家にある不用品の大半は、捨てると決めて、アクションを取らなかったから、ガラクタ状態のまま居座っている物たちです。

私たちは、頭では、「もうこれいらないよね。使わないよね。あっても仕方ないよね」とうすうすわかっています。

しかし、肝心の「じゃあ、捨てよう!」と決断することを先延ばししているため、それは、今もそこにあります。去年の今頃も、一昨年の今頃もあったんじゃないですか?

決めたくないので、とりあえず、そのへんに押し込んだり、テーブルの上に置いたりします。

中には、きれいに整えて収納する人もいます。

片付かない理由は、収納という名の「決断の先延ばし」をするから

ガラクタは、嫌でも、いずれ、捨てなければなりません。

もう用が済んだもの、買ったけれど使いこなせず放置しているもの、買ったけれど、他に似たような品物があるので出番がないもの。

こうしたものを、できるだけ早く、「もう捨てよう」と決めて、処分してしまえば、もっと家はきれいになるし、よけいなリスクをかかえこまなくてすみます。





決断しないゆえのガラクタの例

こんな物は、決めることを先延ばししているせいで、ガラクタになっています。

・まだ読んでいない本/いつか読もうと思っているけれど、その『いつか』がまだ来ていない本

・そのうち読もうと思っている新聞紙の山

・いつか勉強するつもりの資格取得参考書

・整理しようと思っている新聞や雑誌の切り抜き

・整理しようと思っている写真や手紙の山

・編もうと思っている毛糸、何かを作ろうと思っている端切れ

収納ボックスにいっぱいあったはぎれを処分して気づいたこと。

・いつかやせたら着る服

・いつか就職したら着る服

・いつか子どもや孫が使うかもしれないランドセルやおもちゃ

・いつか使ってみるつもりの調理ツール

・いつか使ってみるつもりのスパイス

・いつか使うときが来ると思う趣味の合わないもらいもの(食器、衣類、バッグ、雑貨など)。

・もう使っていないPC、スマホ、その他のガジェット。

・ショップの袋や、もらい物に使われていた包装資材。

なぜさっさと決めないのか?

物が用済みになったそのタイミングで、「捨てる!」と決めれば、不用品は増えません。それなのに、なぜ、すぐに決めないのでしょうか?

ガラクタがたくさんあると、生活しにくくなるし、コストがかかる一方だし、精神的にも負担になるというのに。

人によって、すぐに決断しない理由はいろいろあるでしょう。

決めない代表的な理由を3つ、紹介します。

1)気持ちに余裕がない

気持ちに余裕がないと、わざわざ何かを決断したい、とは思いません。

何も考えず、何も行動をおこさず、現状維持が一番楽。「これ、もう使ってないけど、とりあえず、ここに入れとこう」と、使っていない物をそのへんに押し込みます。

毎日忙しくて、目の前のことをこなすのにせいいっぱい。用が終わった物のことなんて、いちいち考えたくない。

そのへんに入れておいても、さしあたり困ることはないし、日々はふつうに過ぎていく。

こういう人、多いと思います。

このように、「決めない選択」を積み重ねていると、実は現状を維持することはできません。自分では気づいていませんが、ガラクタがどんどん増えていくので、負の遺産がたまっていきます。

いつか、大きな代償を払うときがきます。

2)恐怖

所持品を捨てると、変化が起きるから、怖くて決めるのを避ける。

これもよくある理由です。

きのう、「ネガティブな人は物をためこむ」、と書きましたが⇒他人の不機嫌やイライラに感染しない方法(TED)

「いつか使うかもしれない物を、捨ててしまうと、あとで困ることになる」と恐れていると、捨てる決断を先延ばしします。

値段が高かったものを捨てると、元をとる可能性が永遠に失われるため、それが恐ろしくて決めないこともあります。

失ったものを取り戻したいと思うな:部屋が物だらけになる理由(その7)

こういう恐怖を感じるのは、自信がなかったり(自分ならなんとかできる、という可能性が全く見えない)、足りないマインドであったりするせいです。

足りないマインドとは?⇒足りないマインドがあると、物が増え、片付けもできない理由。

3)自分と物の一体化

自分の所持品が、自分であるかのように感じていると、何かを捨てることは、自分を捨てることになるので、つらくてできません。

そんなつらいことはしたくないから、無意識に、捨てる決断を先延ばしします。

昔からずっと集めてきたコレクションや、学校で使ったノートや教科書、子どものころから持っているオルゴール。

このような物を捨てると、自分がなくなる気がする、という人はわりといます。

昔の物を捨てると自分の人生が消えてしまいそうで捨てられない←質問の回答。

思い出の品が入っているほこりだらけの箱(いくつもある)を捨てないのも、その箱を捨てると、自分が消えてしまう気がするからです。

人間は、みなそういうところはあるでしょう。

しかし、実際は、物がみんななくなっても、自分はなくなりません。

災害で、すべてをなくしてしまう人がいますが、物が燃えてしまったあと、自分も消えるか、というと消えません。

確かに喪失感はあります。しかし、喪失感を感じるとうことは、自分はしっかり残っている、ということです。

それに、家にある何もかもが、自分を象徴する大事なものであるはずも、ありません。

捨てる決断をしやすくする工夫

決めることを先延ばしすることが多いなら、決めやすくする工夫をしてみると、今よりは決められるようになります。

3つ、方法を紹介します。

1)自覚する

先延ばしをすると、どんなことになるか、なぜ、さっさと捨てる決断をしたほうがいいのか、自覚します。

早め早めに決めて、どんどん捨てていかないと、ガラクタはたまる一方です。

ガラクタがありすぎると、生活の質が落ちることは、もう何度も書いています。

なぜ、生活の質が落ちるのか?

1つは、物の管理に時間とお金がかかること。

「え、そうなの?」と思う人は、過去記事を読んでください。

もったいないから捨てない。この決断のせいであなたが失っているたくさんのもの。

もう1つは、精神的にきついこと。

たとえば、片付け、掃除、整理整頓、その他の家事に追われて、知力、体力を奪われます。使っていない物を見て罪悪感を感じます。失う心配をします。「高いお金払ったのに使ってないなんて」とくやしい思いをします。

そして、同じ物を引っ張り出しては、これから何度も、「捨てる? 捨てない?」と迷います。

逆に言うと、さっさと決めて、捨ててしまえば、こうした負担から解放されます。

物が少ない生活の具体的なメリットとは?(前編)

不用な物を持たない生活の具体的なメリット(後編)

この事実を自覚していれば、もっとさっさと決められます。

2)決断疲れを回避する

決めることは思いのほかエネルギーを要します(だから、決めずに、そのへんに押し込む)。

精神的に疲れていると、うまく決められません。

「生きることは選択の連続だ」と言われますが、生活するために、私たちは、毎日、たくさんのことを決めています。

重要な決めごともあれば、どうでもいい決めごと(考えたり、迷ったりする価値のないこと)もあります。

「捨てる!」とさっと決められるエネルギーが残るように、ふだんから決断疲れを回避しておきましょう。

決断疲れとは、意思決定をやりすぎて、頭が疲れることです。この状態になると、うまく決められません。

詳しくはこちら⇒決断疲れを回避する方法。ミニマリストになるのが1番です

片付けの最中に、決断疲れのせいで、エネルギー切れにならないように、次のことを心がけるといいでしょう。

できるだけ頭が疲れていないときに決める

朝の早いうちがいいと思いますが、夜のほうが決めやすい人もいるかもしれません。

断捨離するなら、短い時間で

えんえんとやっていると、頭が疲れて、うまく決められません。

筋力トレーニングするとき、同じメニューを何セットか、休憩をはさみながら行いますが、片付けも、このようにメリハリをもたせましょう。

迷ったときの指針となる自分ルールを作っておく

断捨離する物にやたらと迷う人向け、捨てる物チェックリスト。

これって、捨てていいのかな? 迷ったときのための5つの捨て基準。

3)押し込む場所を撤去する

決断を先延ばしして、とりあえず、押し込む、突っ込む、しまいこむ。

そういう場所が豊富にあると、物はどんどんたまります。

大きな家に住んでいる人や、収納スペースがたっぷりある人のほうが、ガラクタをたくさん持っていますが、それは、しまいこむ場所があるからです。

私の夫は、以前の家に住んでいたときは、今の倍以上の物を持っていました。

前の家も今の家も、間取りはともに2ベッドルーム(寝室が2つに、キッチン、居間、バスルーム)で、同じですが、前の家は、これにベースメント(半地下)もついていました。

今の家は、私たちの住居全体がベースメントですから、前の家の半分以下です。

キッチンもリビングルームもかなり狭く、収納スペースもたいしてありません。

以前の家では、夫は、寝室のほかに、ベースメントに、自分の部屋(書斎みたいな感じ)を持っていました。

今は、マスターベッドルーム(大きいほうの寝室)だけが夫の自室です。

だからこそ、夫は、夜な夜な、古い書類をシュレッダーにかけています。もし、今も前の家に住んでいたら、夫の物はここまで減っていなかったでしょう。

このように、物をしまい込む場所があると、ガラクタが増えます。

「いつも、とりあえずしまい込んでしまう場所」を撤廃すると、その場で決めるしかなくなるので、効果的です。

押し込む場所が、収納家具や収納ケースなら、先にこちらを捨ててください。

しまい込む場所が、押入れなど、取り外しできないスペースなら、スッキリきれいにして、写真立てや花を飾るディスプレイスペースにすると、押し込まなくなるでしょう。

間違っても、すきま収納を可能にする家具や便利雑貨を買わないでくださいね。

しまい込むな。なんでもかんでも収納するクセを直す5つのステップ。

****

捨てる決断を先延ばしするから、ガラクタが増えることをお伝えしました。

これまで、ずっと先延ばししていた人が、いきなりサクサク決断できるようにはなりません。

少しずつ練習してください。

とりあえず、今日から、物が不用になったとき、どこかに押し込むのをやめましょう。





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