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部屋が狭いから、物を収納する場所がない…。私の夫はこんな悩みを持っています。
まあ、夫は、とりたててスッキリ暮したいという欲望はないようですが。
限られた収納スペースしかないとき、どうしたらいいのでしょうか? カナダに来て20数年、ずっと狭い家に住んできた私の基本的な解決方法を4つ紹介します。
1.いらない物を捨てる
まっさきにすべきことは、いらない物を捨てることです。
自分や家族にとって本当に必要な物だけを、家の中に置いておくべきです。
本質的に不用なものまで収納しようとすると、大事な物も、必要な物もいっしょくたになって、すべてのガラクタ度合いがあがります。
スペースは限られていることを肝に銘じて、せっせと捨てましょう。
不用な物を捨てるだけで問題の80パーセントぐらいは解決する、と私は考えています。
夫の部屋がいつまでもごちゃごちゃなのは、この「不用品を捨てること」をしないからです。
物の捨て方のコツは過去記事にたくさん紹介しています。ここでは2つの方法を書いておきます。
同じものを複数持たない
用途が同じもの、似たようなものをいくつも持つ必要はありません。そんな余裕もありません。
「1つだと、どこかに置き忘れて、使いたいときにさっと見つからない」と思うかもしれません。ですが、物の数を減らし、だいたいの置き場所を決めてしまえば、ほしいときに見つかるようになります。
いま「見つからない!」と思うのは、すべての物が多すぎるからです。
洋服も、そんなに何着もいりません。
私は14着体制ですが⇒ミニマリストの服全14着公開~非おしゃれ系50代主婦の場合(写真あり)、勤めていて、スーツなど仕事用の服が必要なら、仕事用にもう14着プラスして、28着あれば生きていけると思います。
少ない服でもおしゃれをしたい、と思う人は、333プロジェクトをお試しください⇒ミニマリストらしいファッションの選び方。プロジェクト333のすすめ。
デジタル化する
子供の作品が捨てられない、という人が多いのですが、形がバラバラで、立体的なものをすべてとっておくなんて不可能です。
たとえ、大きな家に住んでいたとしても。
なぜ、自分は子供の作品をとっておきたいのか、作品をとっておくことで、叶えたい願いは何なのか、そこを考えてみると、「全部持っている必要はない」と気づくでしょう。
極端な話、作品を全部、捨てたところで、子供が元気で、毎日すくすく、楽しそうに成長していたら、それで充分ではないでしょうか?
どうしてもとっておきたい、と思うなら、スマホやデジカメで写真をとってデジタル化するとよいでしょう。
いま、フォトアルバムにするサービスがあります。アルバムにしておけば、好きなときに閲覧できます。
2.自分の生活環境に合った家具を導入する
狭い家で暮らしやすくなる家具に投資します。
「部屋が狭くて収納スペースがない」と感じたとき、多くの人は、「100均で収納グッズを買ってこよう」と思いがちです。
しかし、100円のケースやかごが、はたして根本的な解決につながるのでしょうか?
以下に、狭い部屋にあるといいかもしれない家具を3種類紹介します。
ただし、家具を導入するのは、徹底的に断捨離したあとにしてください。
中途半端に新しい家具や道具を導入すると、場所をふさぐものが増殖しただけ、という恐ろしい結果になります。
それなりにちゃんとした収納家具
私の夫の部屋がぐしゃぐしゃなのは、物が多いのに加え、まともな収納家具がないからです。
大昔、近所のプレイスクール(保育園みたいなもの)からもらった、複数の子供が向かう、長くて低い机の上に、自分のものを積み重ねています(一応畳んだり、ダンボール箱のふたをトレイ代わりにしたりという工夫のあとは見られます)。
実はこの机は、ここに引っ越しきてからしばらくは、リビングルームの角にあり、娘の本などがのっていました。それがどうにもこうにも見苦しいので、私は何ヶ月もかけて、必死になって、娘のものを片付け、ある日、ようやく、この机をゴミ捨て場までえっちらおっちらと運び出したのです。
我が家のゴミ捨て場は、物を拾う人が周回しているらしく、日本なら粗大ゴミになる、多少大きめの家具でも、私が運びだせる程度のものなら、出しておくとわりとすぐになくなります。
こわれたミニトランポリンもすぐに誰かが持っていきました⇒ミニトランポリン歴1年7ヶ月の私が伝える、7つの健康効果
ところが、この机を拾ったのは夫でした。「捨てる前に一言、言ってくれればいいのに」とかなんとか言いながら、夫は、自分の部屋に運びこみ、物置き場として使うようになりました。
確かに机を置くと、机の表面が棚代わりになります。机の上と下とに収納スペースを確保でき、収納力はあがるかもしれません。ですが、見た目は相変わらずごちゃごちゃです。
物は、ちゃんとした収納家具を買って、そこに入れたほうがいいのです。
そこまで高い家具を買う必要もありません。
スペースが狭い上に、家具もなくて困っている人にも、同じことを言いました⇒物の置き場所が決まらず部屋がカオスです。どうしたらいいですか?
本来の用途に収納力がプラスされた家具
テーブルだけど、下に収納できる小さな引き出しがついている、とか、ベンチだけど、座るところをぱかっと開けると、中が物入れになっている、といった家具を導入します。
マルチな用途のある家具です。
その究極の形は、こちらで動画で紹介しているグラハム・ビルのアパートをごらんください⇒小さな暮らしの始め方~グラハム・ヒルに学ぶ(TED)
折りたたみできる家具
「置き場所が決まらず部屋がカオス」という記事で、私が自室で使っている折りたたみできる座り机を紹介しています。
使うときだけひっぱりだして、ふだんは畳んで、クローゼットの壁に立てかけていますので、場所ふさぎになりません。
昔、日本で多くの人が使っていたちゃぶ台も、こんな感じでしたね。
端を折り曲げて、広さを調節できるダイニングテーブルもあります。
必要に応じて、こういう家具を使ってください。折りたたみテーブルなら、絶対、テーブルの上に物を置きっぱなしにできないのも、メリットです。
しまい方を工夫する
物をコンパクトに収納するために、しまい方を工夫します。
ただし、くれぐれもしまいすぎには注意してください。
その理由⇒片付かない理由は、収納という名の「決断の先延ばし」をするから
1番の徹底的な断捨離、2番の最適な家具の導入をしたあとで、さらに収納力をアップさせたいときに、しまい方を考えるといいでしょう。
立てる
たいていの物は平置きするより、立てたほうが、少ないスペースによりたくさんしまいこめます。
ふだんはべたっと横置きしているものでも、「これって、立たせることできないかな?」と考えてみると、うまい収納法が見つかるかもしれません。
扉の裏にかける(ふだんは見えないところ)
冷蔵庫やフリーザーの扉の裏は、小さなものがおける棚になっています。この要領で、ふだんは、目に見えない扉の裏に、フックや棚をとりつけて、収納スペースにします。
クローゼット、パントリー、シンク下の扉など、隠されている扉の裏はわりとたくさんあります。
いわゆるデッドスペースです。こうした場所を利用します。
あくまでお手本は冷蔵庫の扉の裏です。冷蔵庫の扉の裏に置いてあるものは、冷蔵庫本体の中にあるものと干渉しあわないし(詰め込みすぎている人は別です)、冷蔵庫の扉は、冷蔵庫本来の仕事の邪魔もしていません。
吊り下げすぎにご注意ください⇒吊り下げ収納?何でもぶらさげる母に資本主義社会の構図を見た~実録・親の家を片付ける(15)
立てるにしても、吊り下げるにしても、壁やドアを使う垂直面を利用した収納です。
水平面を使い尽くしてしまったから、垂直面に移行するわけです。
ただし、すべての垂直面を物で覆い尽くさないでください。スキマというスキマを収納スペースに使ってはいけません。
心が休まらない部屋になります。
余白をとるすすめ⇒シンプルに暮らすために余白を取ることを意識したい7つのもの。
4.何かを導入するときはシンプルなほうを選ぶ
家具や衣類、雑貨を買う時はできるだけシンプルなものにします。
色や形がシンプルなもの、さらには、手入れや管理が簡単なものにしてください。
突飛な形をしている食器は、重ねられないから収納スペースで場所をとります。特殊な料理だけのための食器や調理器具も、物の数が増えるから、慎重に導入するべきです。
小さい子供がいる家で、しみがつきやすい色かつ汚れが取りにくい素材のソファを選ぶと、あとが面倒なことになります。
「ミニマリストなら白いシャツ」なんて言われますが、白いシャツは汚れやすいし、アイロンがけがいるしで私は1枚も持っていません。
綿ジャージー製のTシャツやレギンスのほうが、ウエスにして使い切りやすいです⇒ウエスの作り方と使い方~拭き掃除だけが好きな主婦のおすすめの掃除道具
ふだんの生活態度も、シンプルライフよりにしたほうがいいです。
不用なものは断り、たとえ贈り物でも、きれいでも、素敵でも、かわいくても、自分の狭い部屋では邪魔になるなら、さっさとよそにまわします。
心身ともに、よけいなものが増えにくい生活をおすすめします。
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今回は、狭い部屋で住む工夫を4つお伝えしました。
「収納スペースが足りない~~~っ!」と感情的になって、収納グッズを買いに走ってはいけません。
自分はどんな生活をしたいのか?
そこをじっくり考えてください。
収納スペースが多いと、よほど、しっかりしていないと、よけいな物を抱え込むことになります。そういう意味では、狭い部屋に住めてラッキーなのです。