悲しい時

ミニマム思考

最終更新日: 2018.09.29

何もかもうまくいかない時期を乗り越える3つの方法。

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生きていると、何をやってもうまくいかない時期にぶつかることがあります。自分はそれなりにまじめにやっているのに、なぜか運の悪いことが重なってしまう時期が。

突然リストラされたり、家族が重病になったり、災害にあったり、予期せぬ事がおこって、がーんとショックを受けることってありますよね?

まあ、なかには、ずーっと幸せのまま、すぎていく人もいるかもしれませんが。

うまくいかないとき、あまり落ち込まず、できるだけ元気に過ごす考え方を3つ紹介します。ショックなとき、私はこんなふうに考えていますよ。



1.とりあえず現実を受け入れる

人生は自分の思い通りにいかないのが普通なので、「ああ、これは普通のことなんだ、誰にでもあるんだ」と考え、そのまま現実を受け入れるのがいいと思います。

見て見ぬふりをする、自分の人生から目をそらす、逃げる、というのはあまり得策ではありません。

現実から逃げたり、心をまひさせるために、買い物しすぎるぐらいなら、お金がなくなって、ガラクタが増える程度ですみます。けれども、お酒なんかに逃げると、健康まで損なわれて、事態はますます悪くなります。

何かショックなできごとがあったとき、私は、「自分の人生は映画なんだ」と考えるようにしています。

自分はその映画に主演しているだけでなく、監督やプロデューサーでもあります。

プロデューサーの視点に立てば、「波風のない、なんのドラマもない映画なんておもしろくない。いろいろなできごとがあったほうが、興行成績があがる」と思えます。

主人公がとんでもないめにあう映画のほうがたいていおもしろいし、役者も演じがいがあります。

嵐のようなできごとに見舞われても、エンディングで、「いろいろあったけど、自分はよくがんばったな。おもしろい人生だった」と思うことができればいいんじゃないでしょうか?

私は、死ぬ時、「ああ、おもしろかった。みんなありがとう」と笑顔で旅立てればそれでよし、と考えています(死ぬ自覚がないまま死ぬのも、わずらいがなくてよい、とも思いますが)。





デヴィッド・キャシディの最後の言葉

去年(2017年)の11月21日、アメリカの歌手、デヴィッド・キャシディが67歳で亡くなりました。

彼は、「ゆかいな音楽一家・パートリッジ・ファミリー」というシットコムで、長男、キースを演じた人です(当時、20歳)。1970年代のはじめ、アイドルとしてとても人気がありました。

私も彼のファンで、ブロマイドを買ったことは、以前記事にしています⇒何度も通販で失敗したのになぜやめられないのか?:ミニマリストへの道、番外編2

デヴィッドはまだ年若いときに、あまりにも急激にスターになりすぎたせいか、その後、伸び悩み、私生活ではアルコール依存症になったり、自己破産したり、晩年は5年間に3回も飲酒運転で逮捕されたりとトラブル続きでした。

歌手やミュージシャンとして、とても才能があったのですが、たまたま顔が可愛すぎて、アイドルになってしまったため、その後、自分の好きな音楽を追求できなかったと思います。

死因は肝不全です。アルコール依存症だったのだから、そういう病気になっても不思議はありません。

デヴィッドの辞世の句というか、最後の言葉は、娘さんによると、”So much wasted time” だったそうです。意味は、「あまりにも時間を無駄にしてしまった」。

これを聞いて、私は泣けてきました。「いやいや、デヴィッド、きみは、あんなにたくさんの女の子を楽しませたじゃないの。無駄なんかじゃないよ」と言いたい気持ちでした。

けれども、その一方で、お酒に逃げなければ、もっと違った人生があったのに、と感じたのも事実です。

彼に現実を受け入れる強さがあったのなら、ささえてくれる人がそばにいたのなら、日本語ができて、私のブログを読んでいてくれていたのなら、もっと違った展開があったのに、と考えています。

まずは現実を受け入れる。シンプルだけど、とても大事なことだと思います。

2.これは一時的な状況だということを忘れない

今は何をやってもうまくいかないかもしれません。けれどもこれは一時的なことにすぎない、ということは忘れないでください。

自分も自分の周囲の状況も、どんどん変わっていきます。ずっと死ぬまでこのまま、ということはありません。

人は変わる話⇒人は変わり続ける。未来の自分に対する心理:ダン・ギルバート(TED)

たとえ、無期懲役を言い渡されて、刑務所で暮らさなければならないとしても、何年か後、仮出所できる可能性があります。

このブログを読んでいる人は、刑務所暮らしではないでしょうから、いまの状況と、1年後の状況が大きく違うことだってじゅうぶんありえます。

いまはどん底だと思っても、ずっとそのままでいることは、むしろ難しいことなのです。

たまたま、いま調子がよくて、幸せいっぱいの人も、来年の今頃は、つらいできごとに涙しているかもしれません。けれども、またいいことが巡ってきます。

ほかの人は、みんな幸せそうに見えるかもしれませんが、どの人の人生にも、いいこと・悪いことの両方が、めぐってくるようにできています。

そのうち、調子があがってくるので、「たまたま、いまはちょっと調子が悪い時期なのだ」と思っていてください。

ずっとどん底のままだとしたら、自分の発想があまりにもネガティブだからです。その場合は、少し考え方を変えれば、元気になれます。

こちらの動画がおすすめです⇒幸せは自分の心の中にある、幸せをアウトソーシングしてはいけない(TED)

ギャン泣きしていた娘も二十歳になった

今から20年ほどまえ、私が娘を出産したとき、夫は失業していたし、自分は子供を生んだばかりで働けないし、おまけに、まだカナダの永住権をとっていなかったので(観光ビザで滞在)、かなり最悪な状態でした。

ベビーベッドを買うお金がなかったので、家の中に乳母車を起き、そこに娘を寝かせていました。

その家にしたって、賃貸で、もうすぐ出なければならないことになっていました。

出産前は、私が一人で、家探しをしていました(夫は、自分の車や家財道具を売りに、別の街にいることが多かった)。

娘は、コリックだったのか、やたら泣き叫ぶ赤ちゃんでした。夜、なかなか寝ないため、私は睡眠不足になり、かなり、気持ちがふさいでいました(睡眠不足になると、ネガティブ思考になるのは本当です)。

なかなか泣き止まない娘を抱いて、夜な夜な「月の沙漠」を歌いながら、部屋の中をよたよたと歩き回っていました。あやしていたわけです。

部屋には、出産前に荷造りしておいたダンボール箱がたくさん積んでありました。

もうすぐ家を出なければならないのに、まだ行き先が見つかっていない、というパターンはこのあとも繰り返されます⇒ゼロになって引っ越したいと思ったけれど叶わず:ミニマリストへの道(94)

自分でも、なぜ、こんな暗い短調の歌を歌っているのか、よくわからなかったのですが、この歌しか頭に浮かんでこなかったので、いつも「月の沙漠」を歌っていました。

この頃は、ほかにも、ものすごく暗くなる瞬間が何度か訪れました。

「いまはかなり最悪かもしれん」と思っていましたが、どんなに最悪でも、時は確実に流れるのです。

この9月、娘は二十歳になり、自分が毎晩ギャン泣きしていたことも、私が「月の沙漠」を歌ってあやしていたことも、まったく知りません。

3.これは学びのチャンスだと考える

何かうまくいかないことがあると、私は、「これは神様が私に何かを教えてくださろうとしているからだ」と考えるようにしています。

私は、キリスト教やユダヤ教の神さまは信じていません。けれども、なんとなく、空の向こうのほうにいるらしい、自分よりもずっと大きくて、パワフルな存在を「神様」と見立てています。

本当にそんなものがいるかどうかは別にして(たぶんいないと思うけど)、そのようなものの存在があることにして、「これは神様の思し召し」と考えておくほうが、気楽に生きられます。

ブログには「もっと自主的に生きよ!」などと書いてはいますが、自分でいくらがんばってもどうにもならないことにぶちあたったら、「神様が学びのチャンスを与えてくださっているのだ」と考えたほうが、前向きになれます。

神様がいなかったら、全部自分で正面突破しなければなりませんからね。

実際、うまくいかない体験から、人はいろいろなことを学びます。うまくいってるときは、学びの余地はありません。

物を捨てられなかったから、捨て方を学んだ

何年も、私は物の捨て方を試行錯誤してきましたが、最初から、するっと、いきなり捨てることができたら、私は何も学ばなかったでしょう。

親がミニマリストで、自分も持たない暮らしがデフォルトの生活をしていたら、「なぜ、シンプルに生きるべきか」「どうしたらシンプルに生きられるか」という問題意識は、持たなかったでしょう。

夫がミニマリストだったら、「タメコミアンの家族と暮らすコツ」を会得することもなかったでしょう。

問題があったからこそ、学びが得られたのです。

「何もかもうまくいかない」と思ったら、「うまくいかない」と大雑把に表現するのではなく、「どこがどんなふうにうまくいかないのか?」「なぜうまくいかないのか?」「どうしたら、もっとうまくいくようになるんだろう?」と考えたほうがいいです。

そうすれば、「もっとこうしたほうがいいかもしれない」という案が浮かび、それを実際にやることで、「ああ、やっぱり、これはこんなふうにやればうまくいんだな」と小さな学びを得られます。

どんより暗い日々を過ごすより、その学びを大事にするほうが、精神衛生にいいです。

何もかもうまくいかない、と思う時期は、神様がくれた学びのチャンスだと考えて、日々の小さなことに感謝しながら、前向きに生きるのがベストだと思います。

前向きに慣れない人はこちらの記事をどうぞ⇒いやな気分よ、さようなら(認知行動療法入門):TED

こちらの記事も読んでください⇒人生が思い通りにいかない、と思ったときにやってみるといい4つのこと。

******

今回は、何をやってもうまくいかない、とめげるときの気持ちの持ち方を書きました。

今度、八方ふさがりな気分になったら、この記事のことを思い出してください。

最後に徳川家康の言葉を紹介します。

「人の一生は重荷を負て遠き道をゆくがごとし、いそぐべからず。不自由を常とおもへば不足なし、 こころに望おこらば困窮したる時を思ひ出すべし。堪忍は無事長久の基、いかりは敵とおもへ」。





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