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実家には、大きな家具がたくさんあって危ないので、少しお母さんに捨ててもらいたい。どういえば、捨ててくれるでしょうか?
こんな質問をいただきました。この記事で回答します。
まずメールをシェアします。Y子さんからです。
母に家具を処分してもらいたい
件名: 実家の片付け。家具を捨てたいのですが。。。
いつも楽しく拝読しています。母もかかさず読んでいるようです。
両親の家の片付けについてです。
両親も70を越えたので、モノにつまづくことなく安全に暮らして欲しいと思い始めました。
母がウォークインクローゼットのように使っている、8畳ほどの細長い部屋があるのですが、見事に家具でギッチギチです。
サイドボードや、婚礼家具、ライティングデスクなど、8個も大型家具があるのです。
出入り口にも飛び出していて、さらに外にはベッドもあり、30cmもないような幅を、気をつけて通っている始末なのです。
いつか転んで大ケガしそうで心配です。
母はこちらのブログを愛読しているだけあって、私が片付けを手伝おうとすると、「家を出た人は、片付けなくていい」と言います。
さらに、母の姉は認知症で、物を溜め込む人なので、週1回通って、物を処分し、使えそうな物を家に大量に持って帰ってきます。
ジワジワと物が増えている状態です。
せっかくの休みを片付けに費やしている母。
思い切って捨てて、旅行など好きなことをしたらいいと思うのですが。。。
私が使っていたタンスなど、中身がカラなものは処分したいのですが、嫌がります。
どのように言えば、処分する気になってくれるでしょうか?
どうぞよろしくお願いします。
Y子さん、お便りありがとうございます。親子でブログを愛読いただき、とてもうれしく思います。
親に対して、「少しは片付けてスッキリしてもらいたい」と思う子供って多いですね。私もその1人です。
ただ、一口に母と娘といっても、いろいろな関係があります。こんなふうに言ったら、お母さんが必ず、物を捨てる、というユニバーサルな言葉はありません。
性格、いま考えていること、大事に思っていること(優先順位の高いこと)は人それぞれです。親子関係もさまざまなので、以下に書くことは参考程度にとどめ、様子を見ながら取り入れてください
1.自分の要求を押し付けない
もっとも大事なのは、自分の要求を一方的に押し付けないことです。
理想は、お母さん自身が、「こんなに家具がたくさんあると、暮しにくいし、危ないわ」と気づき、「よし、捨てよう」と思って捨てることです。
人から言われてそうするのではなく。
お母さんにその気になってもらうには、「捨てたほうがいいよ」「ねえ、ちょっと捨てたら?」と言うのは逆効果です。
Y子さんのお母さんは、「家を出た人は片付けなくていい」とY子さんに言っています。
つまり、「自分の家にある物は自分で管理したい、あんたはあんたの物を管理しなさい」ということですよね?
ちなみに、私はこのブログに、「家を出た人は片付けなくていい」などとは書いておりません。実家に置いてきたものは、きれいさっぱり片付けたほうがいい、と書いています。
家を出たら、実家はもう他人の家だからです。
Y子さんが昔使っていたタンスも、ご両親の家の物なので、お母さんが好きに使いたいのです。
逆の立場になってみればわかるでしょう。Y子さんだって、お母さんに、自分の家の物のことをあれこれ指図されると不愉快になるはずです。
2.お願いするのはあり
一方的に要求するのはよくありませんが、「私のために少し家具を捨ててくれるとうれしいんだけど」とお願いするのはよいと思います。
Y子さんは、お母さんが転んで怪我をすると心配しているのですよね? お母さんに断捨離をしてほしい、一番の理由は、怪我をしてほしくないからです。
その気持ちを率直に伝えて、「できたら、でいいけど、捨ててくれると私が安心できるから、1つか2つ、捨てるってのはどうかしら? 私も手伝うから」とあくまで、お願いする形で交渉してください。
捨てるのはあくまでY子さんのため、という形をとります。実際、そうですよね?
「いやだよ。捨てたくない」と言われたら、しつこく食い下がらず、数ヶ月、時間を置いてから、また頼んでください。
「このままじゃ危ないし、捨てたほうがお母さんのためになるよ」とは言いません。Y子さんのお母さんは、自分のことは、自分で考えたいからです。
「休みの日は片付けなんてしないで、旅行にでもいったほうがいい」、と思うのはあくまでもY子さんの考えです。お母さんは、もしかしたら、外を出歩くより、家で片付け物をするのが好きなのかもしれません。
くりかえしますが、お母さんの気持ちを尊重するようにしてください。
交渉の仕方⇒人を説得する方法はあるか?断捨離を邪魔する家族との対話の進め方。
それと、おばさんの家の片付けをY子さんも手伝えば、少しは家に持ち帰る量が減るかも知れません。
3.自分の断捨離にフォーカスする
物が少ないと管理が楽だし、安全だし、いいことがたくさんある、という断捨離のメリットを身をもって示せば、お母さんも、その気になる可能性があがります。
人は周囲の人の影響を受けますから。
そこで、もしまだ、Y子さん自身の家に、ガラクタが残っているようなら、引き続き、断捨離をしてください。
「もうあらかた捨ててしまった。だから、実家にあるものが気になる」という場合は、よい親子関係を築けるように、心の断捨離にフォーカスするとよいでしょう。
じっさい、物をたくさん捨てても、心のなかにネガティブな思考が残っている人はたくさんいます。
ささいなことを心配したり、自分と他人を比べて嫉妬したり、ちょっとしたことでイライラしたり、足りないマインドのせいで、不安を感じたり、完璧主義すぎたり。
心の中にあるゴミについて⇒もっと幸せになるために今すぐ捨てたい5つのもの(心の断捨離)。
「親や家族に、物を片付けてほしい」と思う人の中には、周囲の人を自分の思い通りにコントロールしたい、支配したい、という気持ちが強い人がいます。
周囲のできごとを自分の思い通りにしたい、と過剰に思ってしまうのも、望ましくない思考の1つです。
私だって、自分にマイナスになる発想をすることはしょっちゅうあります。
そうした、ネガティブな思考にふりまわされず、明るい日々を過ごし、その状態でお母さんに接していれば、お母さんにも、シンプルライフの良さが伝わります。
4.お母さんに自分をもっと好きになってもらう
人は、好きな人のいうことは、わりと素直に聞きます。
たいていの親は子供の頼みごとはきくものですが、もっと好きになってもらえば、お願いごとを聞き入れてもらいやすくなります。
「親子だから、母は私の言うことを聞くに決まってる」と思い込まず、新たによい関係を築けるよう努めてください。
人に好きになってもらう方法は、過去記事でも紹介したデール・カーネギーの「人を動かす」という本のパート2に書いてあります。
Six Ways to Make People Like You (あなたを好きになってもらう6つの方法)
1.Become genuinely interested in other people.
2.Smile
3.Remember that a person’s name is to that person the sweetest and most important sound in any language.
4.Be a good listener. Encourage others to talk about themselves.
5.Talk in terms of the other person’s interests.
6.Make the other person feel important – and do it sincerely.
簡単に訳すとこうなります。
1.心から他人に興味を持つ
2.笑顔で接する
3.相手の名前はとても大事なことを忘れない(ちゃんと名前を覚えて使う)
4.よい聞き手となり、相手に自分の話をしてくれるよう、うながす
5.相手の興味のある話題を選ぶ
6.相手に、「自分は尊重されている」と感じさせる。うわべではなく、心からそうする。
要するに、自分ではなく、相手に焦点をあて、相手が興味を持っていることを話題にし、相手をよい気持ちにさせれば、自分のことを好きになってくれるのです。
この本には、人を説得したり、人を変える方法も書かれているので、よかったら参考にしてください。
内容を一言でまとめると、人を動かしたかったら、相手の自己重要感を満たしましょう、となります。相手を否定するのは一番まずいやり方です。否定しているととられてしまう言い方はしないほうがいいです。
自分にとって、その人は、いつも、とても大事な存在なのだと伝えることがポイントです。もちろん、本気でそう思っている必要があります。
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以前も似たような質問に答えているので、よかったら読んでください。読んでお母さんと感想を言い合ったりするといいですね。
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今回は、お母さんに物を捨ててもらう方法をお伝えしました。
自分の暮らしをシンプルにして、ハッピーになっていくと、たいてい周囲に伝染していきます。
まずは自分の家を片付けることから始めるといいでしょう。