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ミニマリスト暮らしを始めたけど、なんだか楽しくない。そんな人は、ミニマリズムの実践に関して、誤解があるかもしれません。
きょうは、ミニマルライフが楽しくない理由を4つ紹介します。思い当たるふしがあったら、軌道修正してください。
ミニマリストだと言うと、周囲の目が冷たい?
ブログや本、テレビでミニマリストのことを知り、自分もやってみよう、と物を捨て始めた人も多いでしょう。
ところが、いざ断捨離を開始したら、想像していたのとは違って、あまり楽しくない、ということがあるようです。
そもそも、たくさんある持ち物を捨てるのが大仕事です。また、人からは貧乏人とか、宗教みたい、と言われることがあります。
インターネットや雑誌では、「災害に弱いライフスタイルだ」「一過性の流行だ」「何でも捨てればいいってもんじゃない」というバッシング気味の記事を目にします。
日本では、ちょっと人と違うことをしようとすると、周囲の目が必要以上に冷たくなります。物が売れないと困るので、メディアがミニマルな生き方を大絶賛することもありません。
たとえ周囲の目が冷たくても自信を持ってください。
「持たない暮らし」は、世間の主流派である「持ちすぎる暮らし」より、ずっと精神衛生にいいのですから。
つらかったら、以下の点をチェックしてください。
1.ミニマリストになる理由を忘れていないか?
何のためにミニマリストになろうと思ったのか?どうしてミニマリズムというライフスタイルを選択したのか、その理由を思い出してください。
多くのミニマリストは、物の管理に時間、お金、気力、体力を使うより、もっと自分の大事にしたい何かに、自分のリソースを使いたい、と思ってミニマリズムを始めます。
人によって大事にしたいものは違います。
家族、教育、仕事、芸術、生活の安定、心が穏やかなこと、自由、マイペースで生きること、平和、自然と調和して生きること、消費を減らすこと、あまりお金を使わないこと、ゆったりとしたスペースなど。
自分のほしいものは何か?
自分にとって大事なものは何か?
自分はどんな暮らしをしたいのか?
たまにはこんなことを考えてください。
大切なことがよくわからない時は、こちらの記事にある方法で見えてきます⇒なんとなく買ってしまうのをやめる。買わない思考を手に入れる3つの方法。 「1.価値観の洗い出し」に書いています。
大切なものがわかれば、もっと自信をもってミニマルな暮らしを追求できるでしょう。
節約して、小さな暮らしをすることが大事だとわかれば、余計な買物という行動を捨てられます。
もっと1人の時間がほしいんだ、と思えば、SNSに使う時間を手放せます。
心穏やかに暮らすことが大切なら、完璧主義的傾向を捨てよう、という気になるでしょう。
ミニマリズムで何を実現したいのか。それを忘れるべきではありません。
私は、たくさんの物を持っていたのに、まったく幸せではなかった時代を体験し、物が多すぎることは不幸だと確信しました。
自分が使うものだけを持ち、管理を楽にして、もっと自由になるためにミニマリストになることを決意。
物の管理に使わなくてもすむ時間、体力、脳内リソースを、家族のためと、自分の好きなこと(語学、読書、ブログを書くこと)に使っています。
2.物を捨てることにフォーカスしすぎていないか?
ミニマリストというとまず物を捨てるんだ、とイメージする人は多いです。確かに、ミニマリストは最小限主義者なので、物が多いミニマリストってちょっと考えられません。
しかし、ミニマリズムは物を捨てることだけではないのです。
ミニマリズムと「物を捨てる行為」の関係は、健康とダイエットの関係に似ています。
ダイエットと健康は結びついているようにみえるものの、その実、ダイエットをすることで健康を損なうことがあります。
人々が本当に求めていることは、健康になることなのに、なぜか健康状態を無視してダイエットに血道をあげる人がたくさんいます。
かくいう私も20代のとき無茶なダイエットをして、激ヤセし、リバウンドして激太りを体験しました。
ミニマリズムと「物を捨てること」も、イコールで結ぶことはできません。
もちろん物を捨てないとミニマリストにはなれませんが、そこで終わってしまってはだめなのです。
物を必要以上に持ちすぎているということは、何か別の問題がある、ということ。
だから、物を捨てつつも、本質的な問題の解決に向かう必要があります。
なぜ自分はこんなにたくさんいらない物を持っているのか?
自分はいったい何をしたかったのか?これからはどうなりたいのか?
こんなことを考えながら物を捨ててはどうでしょうか?
そうしないと、たとえ目の前から物がなくなっても、本質的な問題が解決していないので、心は満たされないという結果に終わります。
いったん大量に捨てても、すぐにまたリバウンドするかもしれません。
3.一晩で世界が変わると思っていないか?
ミニマリストになったからといって、いきなり世界が変わったりはしません。
それは、ここまで書いたことを読んでいただけばわかるでしょう。
たとえ、自分にとって大事な物がわかり、それを得るために、暮らしをシンプルにしているつもりでも、「持たない暮らし」をするのはなかなか大変です。
社会の規範は、「たくさん物を持つことが幸せにつながる」「もっと買いなさい」というものなので、普通にしていたら、やはり物が増えてしまいます。
そもそも私たちは、小さなときからずっと「物があれば、今よりもっと幸せになれる」という考え方をしてきました。
何か困ったことや問題が起きた時、物を買って解決する思考の癖がついています。
そこをあえて、持たない暮らしをするのですから、そんなに簡単ではありません。
ミニマリストが流行っているとはいっても、「ミニマリストなら、こういう物は持っていたほうがいいです」という宣伝もたくさんあります。
私自身、2009年ごろ、ミニマリストになろうと思ったのですが、その後、プチなリバウンドをしているのは、ミニマリストへの道で、書いているとおりです。
詳しくはこちら⇒何度も失敗したけど、今も前を見て進んでいます~「ミニマリストへの道」のまとめ(1)
たとえ、奇跡的に一晩で、所持品の99%ぐらい捨てることができても、それは物が目の前からなくなっただけ。
自分自身は何も変わっておらず、きのうと同じです。
ミニマリズムは旅のようなものであり、その時その時に、自分はこっちの方向に行きたいから、これは持たない選択をする、と考えながら進むことです。
ミニマリズムは、より人生を楽しいものにするためのツールでありライフスタイル。それは生きている限り、ずっと続きます。
4.今この時を楽しむことを忘れていないか?
ミニマリズムにはルールがあるんだ、という考えに縛られて、今この時を生きることを忘れてしまうことがあります。
持ち物を100個だけにした人、所持品をスーツケース1個に詰めていつも旅をしている人、タイニーハウス(ものすごく小さな家)に住んでいる人、何もない部屋に住んでいる人など、世界にはいろいろなミニマリストがいます。
そういう人たちをみると、ミニマリストになるためには、自分もそうしなければいけないのだろうか、と思ってしまうかもしれません。
ですが、ミニマリストになるのに、所持品は100個とか、極限まで減らすというルールはありません。
もしルールがあるとすれば、「自分らしく生きるためにより意識的になること」だと思います。
別の言葉で言うと、マインドフルになることです。
マインドフルネスの説明はこちら⇒マインドフルネスで実現する。今この瞬間を生きて幸せになる4つの方法。
いらない物をたくさん買って、どんどんためこむのは、無自覚でマインドレスな状態です。
そんなふうに暮らしてきたのをあえて、「いや、もっと物を減らして、自分の大事なことに、自分の時間を使おう」「余計な物を買うのをやめよう」と考えるのがミニマリズムです。
1番に書いたように、人によって大事なものは違いますから、ミニマリズムにもいろいろな形があります。
もし、「ミニマリストになりさえすれば、もっと幸せになる」と単純に考えているなら、それは従来どおりの考え方です。
「この服を買えば、もっと幸せになれる」
「このガジェットを買いさえすれば、人生がよくなる」
こんな考え方と同じです。
ミニマリズムを実践することは、そういう不確定な未来より、今この時にフォーカスすることです。
すでに持っているものに気づいて、感謝する生き方がミニマリズムではないでしょうか?
今、自分はどう感じたいのか、今、自分は何をしたいのか、自分の今に意識をむける、つまりマインドフルネスを実践すると、もっと楽しくなります。
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「物をためこむ暮らし」をしている人の中には、不幸な人がたくさんいるのに、人々はそのことを責めたりはしません。
ところが、ミニマリズムを実践していると、「こんな弊害がある」とか「家族がミニマリストで迷惑する」と、かまびすしいです。
「私はミニマリストです」とわざわざ宣言することでもないのです。
私は宣言していますが、そうすると、かえって風当たりが強いです。人は人なので、マイペースでミニマリズムを楽しんでください。