自分に問いかけている人

TEDの動画

ネガティブ思考を直してくれる楽しい質問(TED)

月曜日は、週の始まり。気分がふさいでいる人も多いかもしれません。そんな人のために、久しぶりにポジティブ心理学系のTEDの動画を紹介します。

ポジティブ心理学とは、その人の悪いところ、うまくいっていないところではなく、強みやよいところに焦点をあてて、より充実した人生を導く心理学です。

動画のタイトルは Playful inquiry — try this anywhere (楽しい質問–いろいろな場面で試してください)。プレゼンターは、Robyn Stratton-Berkessel (ロビン・ストラトン・バーケッソル)さんです。

ロビンさんは、「ポジティブな気持ちがあれば、ものごとはうまくいく」という考え方をベースに、コンサルティングやコーチングをしている女性です。



「楽しい質問」TEDの説明

A simple, intentionally appreciative inquiry can result in a playful state that fosters creativity, openness and togetherness.

Grounded in the science of positive psychology, this interactive talk demonstrates how appreciative inquiry opens us up to experience even greater positivity.

The result: less fear and strong heartfelt connections and understanding between people, even strangers.

ごく簡単で意図的な質問を1つすれば、創造性に富み、心が開かれ、一体感のある楽しい状態が生まれます。

ポジティブ心理学の考え方に根ざした、やり取りがたくさんあるこの講演で、ものごとに感謝することをうながす質問が、よりポジティブな体験を導いてくれるとがわかります。

その結果、恐れが減って、人々の間に、他人同士でさえも、強い連帯感や、理解する気持ちが生まれるのです。

収録は2014年。長さは13分49秒。字幕はありませんが、抄訳を動画のあとに書きます。

私が一番好きな質問とは?

きょう起きた、最良のできごとってなんですか?(What’s the best thing that’s happened to you today?)

私の好きな質問です。

というのも、この質問は、自分が求めているものを見つける助けになるからです。

遊び心、うまくいく方法、喜び、生命力、生きるエネルギー、すべてにおいて。

前向きな態度でいると、お互いをより理解したり、寛容でいられたり、つながりを感じることができます。

このことを、いまから証明しますね。さらに、皆さんに、14のポジティブな気持ちを感じてもらいます。





最良のできごとをたずねる効果

私がこの質問とその効果に気づいたのは、ロン・フライ教授が大学で自身の体験談を話してくれたときです。

先生は息子さんに、いつも、「きょう学校で何があったんだい?」と聞いていました。息子さんは、「う~ん、特に何も。いつもと同じ」としか答えませんでした。

そこで教授は質問を変えました。

その日起きたベストなできごとについて聞くようにしたのです。

すると、息子さんの口からさまざまな話が出てきました。

この世界を形作っているのは、私たちの話す言葉です。

私はポジティブな変化を促したいと考えているので、こうした質問の持つ威力がよくわかりました。

うまくいっていることや、わくわくするようなことに意識を向けることは、私の仕事に大きなポテンシャルを与えてくれます。

私は、企業のトップの集まりやインターナショナルな会議、コミュニティのイベント、ローカルビジネスや子どもたちのために働いています。

この質問の可能性に気づき、自分のビジネスに取り入れることにしました。

タクシーの運転手にこの質問をしてみると効果的

おもしろいことに、私を元気づけてくれた会話の相手はタクシーの運転手でした。

ひらめきに満ちた話、びっくりするようなエピソード、気持ちをあげてくれる話、感動的な体験は、タクシーの中で行われたのです。

暑い日、寒い日、雨の日や暗い日など、状況はさまざまでしたが、1つ共通点があります。

それは、渋滞の中にいたこと。

渋滞中は、お互い黙っていることもできるし、スマホをさわることもできるし、文句を言うこともできますが、遊び心に満ちた質問を投げかけることもできるのです。

私がするのは質問です。

実際、もう何度も同じ質問をいろいろな人にしています。

次の本のタイトルを、「ニューヨーク市でただでタクシーに乗る方法(how to get a free cab ride in New York City)」にしようかな、と思うぐらいです。

ここでは2つのエピソードを紹介しますね。

やたらとポジティブなタクシーの運転手

ニューヨーク市で、ガーナ出身のドライバーのタクシーに乗っていました。

とてつもなく大きなドレッドヘアの持ち主で、にっこり笑う人です。

ものすごくポジティブな雰囲気の人で、のりがよかったので、トニー・ロビンスのセミナーを何回か受けてるんじゃないかしらと思ったほど。

彼に聞いてみました。

「きょう起きたもっともよかったことって何ですか?」

「きょう起きた、一番よかったことは、恋人に、大きなスクリーンのテレビは買わないよ、と言ったことですね」

それって、いったいどういうことなんだろう。好奇心にかられた私は、詳しく話を聞いてみました。

彼の答えはこれです。

「人生は、物じゃないからね」

私の仕事について聞かれたので、答えたら、彼はこう言いました。

「あなたは、この世界をよくする素晴らしい仕事をしてるね。きょうの代金はいらないよ」

すばらしい経歴をもつタクシーの運転手

2つめのエピソードです。

私はワシントンDCのユニオンステーションの外で、古いタクシーに向かって歩いていました。

本当にそのタクシーはオンボロでした。

車に乗り、コンスティチューションアヴェニューにいたとき、「きょう起こったできごとで、一番よかったことってなんですか?」と聞いてみました。

運転手はやせていて、皮膚はピンと張っており、彫りの深い顔をしていました。

髪は針金のようなグレーで刈り上げです。

彼はバックミラー越しに、真っ黒なぬれたような瞳で、私の目を見て、こう言いました。

「毎日が最良な日ですよ。私は91歳ですから」

この瞬間、私の見方が変わりました。

オンボロのタクシーだと思っていた私は、その後、40分間、彼の話を聞き、すばらしい体験をしました。

彼はタクシーの運転を65年していました。第二次世界大戦中は、ドイツで戦い、戦後は市民保全部隊に入って、ワシントンにあるたくさんの建物を建てる手伝いをしたのです。

この運転手のおかげで、私の世界は広がりました。この日、彼の素晴らしい経歴を聞かせてもらって、2人とも、心が豊かになりました。

こんなふうに、この質問をしたおかげで、うれしい体験をすることができました。

最良の体験を聞いてみる

今度は皆さんの番です。

人々の最良の体験を聞くたびに、驚きの気持ちでいっぱいになります。メグ・ウィートレイ(Meg Wheatley)の詩の一節が思い出されます。

You don’t fear people whose story you know.

(その人のストーリを知っていれば、相手を恐れたりしない)

そこで、皆さん、左に座っている人とペアになって、私の大好きな質問をお互いにしてみてください。

時間は1分間です。

— 質問タイム —

ありがとうございます。

充分、話す時間がとれなかったら、休憩時間にチャンスがあります。

質問すると生まれる14個の前向きな気持ち

この美しいシアターで、皆で質問しながら、ポジティブな気持ちに意識を向けたわけですが、ここで、最初にお約束した14個のポジティブな感情をお伝えします。

joy and delight  喜びと楽しみ

皆さんが楽しんでいるのがよくわかりました。笑い声も聞こえましたよ。

kindness  親切心

親切な気持ちになります。

curiosity  好奇心

もっと知りたいという好奇心が生まれます。

courage  勇気

勇気をもつ人もいるでしょう。ふつうなら、知らない人に話しかけたりしませんから。

relief  安心感

やり終えて、安心します。

respect  尊敬

相手を敬う気持ちは、もっとも美しいポジティブな感情の一つです。

sense of gratitude  感謝の気持ち

聞かせてもらったすべての話をありがたいと思います。

interest  興味

ほかの人に興味を持つのは素晴らしいことです。

connection、relatedness  つながり、関係をもつこと

すべては、つながりや、関係を持つことから起きます。

playfulness  陽気であること

ポジティブな気持ちは、陽気さをもたらします。前向きな気分じゃないときは、楽しく遊べません。

awe  畏敬(いけい)の気持ち

love  愛情

大きな意味で捉えると、愛情は自分が人間世界の一員であるという気持ちです。誰かに向かって手を伸ばし、さわれば、オキシトシンを得られるかもしれません。

なぜこの質問がポジティブな感情をもたらすのか?

どうして、こんな前向きな気持ちになるのでしょう?

私たちは全員で、この世界に参加しているからです。私たちは、世界の共同制作者なのです。

自分のよいところ、ほかの人のよいところ、この世界のよいところに目を向けると、自分自身と他人が重なり合い、「みんな一緒なんだ」という気持ちになります。

このシンプルな質問は、前向きな気持ちや思考、行動につながります。

もしメディアや政治家、教育者、ヘルスケアの専門家、ビジネスリーダーが、すぐれた点、よいところ、うまくいっているところに、時間を投資したらどうなるでしょうか?

こわれたものやうまく行っていないこと、悪いものに目を向けるかわりに。

どんな世界になるでしょうか?

私たちが、成長に目を向けたとしたら。

最後に、メグ・ウィートレイの詩の一節をもう少し紹介します。

Remember you don’t fear people whose story you know.

Real listening always brings people together.

Trust that meaningful conversation can change your world.

Rely on human goodness. Stay together.

その人の物語を知って入れば、怖くなんかありません。

ちゃんと聞けば、人は一緒になれます。

意味のある会話が、あなたの世界を変えうると信じてください。

人の善意をあてにしなさい。一緒にいなさい。

/// 抄訳ここまで ////

単語の意味など

gridlock   交通渋滞

dreadlocks   ドレッドヘア

Tony Robbins  トニー・ロビンズ
アメリカの有名な自己啓発のコーチ。

taut skin  ピンと張った皮膚

closely cropped hair  短く刈り上げた髪

conservation  保護、管理
 
Civilian Conservation Corps 市民保全部隊、市民資源保全団

Meg Wheatley  メグ・ウィートレイ
アメリカの著述家で、マネジメントのコンサルタント。

underpin  支持する

oxytocin  オキシトシン 
ストレスをやわらげ、幸せな気持ちにするホルモン。別名、愛情ホルモン、幸せホルモン。

ポジティブ心理学に関係のあるほかの動画

成功すると幸せになるのではなく、幸せだから成功する~ショーン・エイカー(TED)

幸せになる12の方法。お金や物では幸福になれません

人を幸せにするのはお金ではなくフロー状態。ミハイ・チクセントミハイ(TED)

ポジティブ思考は学習できる。前向きになる4つのポイント教えます。

幸せになるだけが人生じゃない。生きる意味が見つかる4つの柱(TED)

汚部屋脱出の鍵はポジティブ思考

何をするにも、前向きな気持ちや、ポジティブな考え方はとても重要ですが、特に、汚部屋を脱出したい人に、ぜひ、意識して、ポジティブなマインドセットを持ってほしいと思います。

汚部屋に悩んでいる人のメールは、とてつもなくネガティブか、投げやり(他人事と思っている)なものが多いのです。

まあ、問題のみに意識を向けているからこそ、悩みが生まれ、ネガティブメールになる、とも言えます。

もし、

– 私にはどうせ片付けられない

– こんなに物がいっぱいだから、きれいになるわけがない

– 片付けるなんてめんどくさい

– どこから手をつけたらいいかわからない

– 前も断捨離したけどリバウンドした

– きれいにしても、すぐに家族が散らかす

こんなマイナス感情がもやもやとわいてきたら、すかさず、ロビンさんの質問を自分にしてみてください。

きょう、この時点までに起きた最良のできごとって何だろう? と。

ベストなできごとを探そうとすると、ほかにも、いろいろといいことが浮かんでくるはずです。

「何もない」というのはNGです。少なくとも、自分は生きていて、ものごとを考えられているし、部屋中を埋めるほどたくさんの物を買うお金もあったのですから。

「何もない」という結論にいたってしまう人は、何も楽しいことのない人生を自分で選んでいる、と言えます。

「前向きになるといいですよ」と言われると、「無理にポジティブになるのはおかしい」「無理に感謝するのは変だ」という反応をする人がいます。

しかし、ポジティブ思考は、むりに笑ったり、明るくふるまうことではないのです。

自分の世界を作り上げているさまざまな要素の中で、よい光を放っているものに目を向けるのがポジティブ思考だと思います。

結局、人生は、自分の考え方や受けとり方で決まります。何に焦点を向けるかは、意識的にしろ、そうでないにしろ、自分で選んでいるのです。

ちっとも片付けをスタートしない、先延ばしばかりしている自分に目をむけるか、1つでも2つでも、ゴミを捨てられた自分に目をむけるかの違いです。

とくに、日本人はまじめな国民性ゆえか、「きっちり片付けない自分は敗北者」みたいに、完璧主義的思考にとらわれる人が多いです。

もっと肩の力を抜いて、楽しいことに目を向けてください。きっといろいろなことがうまく回り出します。





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