手書きしている人

TEDの動画

手書きのメリット(TED)~手書きは人生を変えるパワーがある。

手書きの恩恵を教えてくれるTEDトークを紹介します。

タイトルは、The benefits of writing by hand(手で書くことの恩恵)

パブリックスピーカーで、リーダーシップの教授である、 Katie McCleary(ケイティ・マックリアリー)さんの講演です。



手書きの威力:TEDの説明

Leadership professor and writing and consciousness expert, Katie McCleary, MFA, offers the benefits of writing by hand for all ages. Based on more than 25 years of writing with thousands of people, McCleary offers insights into the science of handwriting and how it can easily improve your focus, elevate your thinking, deliver the “sticky factor” to retain new learning, and create more meaningful, resonate connections.

リーダーシップの教授で、ライティングと気付きの専門家であるケイティー・マックリアリー(芸術修士)は、手書きが、どんな年代の人にももたらすメリットをシェアします。

25年以上、数千人の人々と書いてきた経験から、マックリアリーは、手書きの科学や、手書きが、集中、思考、新しい学びの定着を向上させ、より意味のある、記憶に残るつながりを生み出すことを説明します。

動画の長さは17分。字幕はありませんので、抄訳を参考にしてください。

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

少々長いですが、内容は具体的なので、わかりやすいと思います。





思いついたことを何でも書く

騒がしい世界や心の中で、思考の質を高め、本当に大事なことに集中する助けになるシンプルな活動を紹介します。

過去25年、私は、何千という人々と一緒に、書いてきました。

子どもたち、あらゆる年齢の学生、里子に出された子どもたちから、受刑者、議員、CEO、暴力から逃れてきた女性、PTSDに苦しむ退役軍人、あらゆる仕事の人々、スポーツ選手、そしてみなさんのようなふつうの人たちと。

クリエイティブな手順を使います。ノートとペンを手渡し、このオレンジ色のスーツケースの中から、お題になるものを取り出します。

ケースの中には、貝殻、砂、スパイス、外国の絵葉書、よくある日用品が入っています。

たとえば、この赤いスパチュラ(へら)。

私は、思いついたことを何でも書くように言うのです。

自分の母語で、考えすぎず、頭に浮かんだことをなんでも書いて、と頼みます。

何かにジャッジされ、添削され、文法の間違いを指摘される感覚を手放すように言います。

タイマーをセットして、指示を繰り返します。

手放して、ゆっくりと、今この瞬間にいて、思いついたことを何でも書け、と。

書くことの威力

人が集まって、何かを書き、そのストーリーを互いにシェアすることにはすばらしい威力があります。

その威力については、TEDXにたくさんのスピーチがあるでしょう。

文章を書くことは、自分を理解すること、自分の声を見つけること、自分が誰であるのか、勇気を出してシェアすること。そして、真の意味で自分自身の人生の著者になることです。

書くことには人生に本当にたくさんのメリットがあります。

このすばらしいパワーを、さらに強力にする魔法があります。それは、私たちが、過小評価していることです。

その魔法とは、手書きです。

おすすめは手書き

タイピングやテキスティング、キーボードを使うことや、デバイスに向かって話かけることではありません。

どの世代も、自分よりあとの世代が選択するコミュニケーションツールについてぼやきますよね。

でも、このトークは、モニターを見すぎている、古き良き時代に戻れ、現在、多くの子供が筆記体を書けないという話ではありません。

デジタルで書くことがデフォルトになっていると、手書きに比べて、認知において、失うものがあると言いたいのです。

手書きをしているときは、デジタルで書いているときとは違う認知プロセスを取ります。

そもそも書くこと自体が、とても複雑な脳の働きを要求します。

細かい運動をするスキルを使って、異なる神経感覚の体験を交差させるのですから。

タイピングと手書きの違い

「テキストやタイプをしているときも、手を使っているけど、何が違うの?」

そんな疑問を感じるかもしれません。

モニターやキーボードといったデバイスは、スピード、効率性、均一性を実現するための道具です。

手書きにはそんなものは1つもありません。

手書きは、遅くて、汚くて、自分の筆跡はこの世に1つだけです。

手で書いているとき、自分だけのフォントを作っています。

そして、そのフォントはとても美しいのです。たとえ震えた手で書いたとしても。自分の筆跡が嫌いだったとしても。

署名の威力を考えてください。

「その契約を果たすのだ」という気持ちでサインしますよね?

手書きは神聖で、あなたの一部分で、意味のあるものなのです。

書くことに抵抗を示したデレク

デレクの話をします。

彼はは40代後半で、小規模事業のオーナーが集まるマスターマインドグループの一員です。

忙しい合間をぬって、経営に関する戦略について話し合うため、このグループに参加しています。

彼は、ビジネスに真剣に取り組んでいます。

そしてある日、私は、オレンジ色のスーツケースを持って、彼の目の前に現れたのです。

意識的に、または無意識に、より意図的で影響力のあるリーダーになる方法を伝えるために。

デレクは不満げでした。クリエイティブ・ライティングは、自分のビジネスやリーダーシップに何の関係もないと言ったのです。

こういう反応は珍しくありません。「スパチュラについて書いている時間なんてない」と言うわけです。

7分間だけ時間を作ってくれたら、書くことが、彼のビジネスやリーダーシップに関係があることがわかるはずだ、と私は言いました。

嫌々ながら彼は承諾しました。

私自身も、自分のビジネスに真剣に取り組んでいることを彼は知りませんでした。

いつもの指示を出しました。

手放す、その場にいる、ケースから物を取り出す、考えすぎない、思いついたことを何でも書く。

手書きに抵抗を示したデレク

デレクは赤いスパチュラを選びました。彼が席に戻り、スマホを取り出して書こうとしたとき、私は言いました。

「ああ、もう1つ言うことがありました。きょうは手で書きます」。

デレクはものすごく不満そうでした。

7分間、スパチュラについて手書きをしろと言われたのですから。しかも、スマホは使えません。

そして、きっと彼のスマホには、チェックしなければならないメッセージが山のように届いていたはずです。

「手が震えるから僕の筆跡は読めないよ」、こう彼は言いました。

「いいのよ、私が読むわけじゃないから。きょう、あなたは自分1人のために書くんです。7分時間をさいてくれると言ったでしょ?」

そして、グループ全員が紙にむかって書き始めました。

書くとき自分のすべてが集約される

手書きをしているとき、私たちはその体験に、自分のすべてを統合しています。

脳もこころも体も。

それは、オーケストラの指揮者が、オーケストラから音楽を引き出すのに似ています。

リサーチによれば、手書きをしているときは、自分の思考をよりうまくまとめることができます。

外的世界と内的世界のつながりを、より深くて質のいいものにできるのです。

刺激が多すぎる世界

ここで外的世界について話をします。

毎日、私たちに、1秒に1100万ビットの情報が入ってきます。

脳は1100万ビットのうちの、40~50ビットしか処理できません。

私たちが生きている目まぐるしい世界を考えてください。

私たちの意識を捉えようとしているものが多すぎるので、私たちは集中を失いつつあります。

どれが大事なのかわからなくなるからです。

たくさんの情報が入ってきて、頭の中でうねっています。

思考のうじ虫

脳は、1日に6200の思考のうじ虫(thought worms)を生み出しています。

1秒に4つです。

thought wormは、研究者が作った専門用語です。

人は、たった1つのことを考えることはありません。

関連する思考に取り囲まれた思考をし、1つの関連は、次の関連、その次の関連と次々とつながり、どんどん思考のうじ虫を作ります。

赤いスパチュラを例にとりましょう。

これは台所用品ですが、人によってさまざまなものを意味します。

私たちは、意味づけをする生き物ですから。

スパチュラを見ると、ああ、私はお菓子を作るのが好き⇒赤は愛の色⇒去年食べたハート形のクッキー、こんなふうに、思考はどんどん展開します。

手書きは、増殖しようとする思考の虫を止める作業なのです。

無意識のうちに、思考の関連の中を行き、大事なことに、意識を向けます。

手書きをしているとき、思考をフィルタリングしますが、それは自然で、ゆっくりしており、クリティカルシンキングを深めます。

手書きは集中を助ける

デバイスを使って書くより、手書きをするほうが、ガラクタや雑音をくぐり抜け、よいものを取り出し、それをより定着させることができます。

教育に関する研究で、どんな年齢の生徒も、手書きをしたほうが、学びや理解が進むと何度も証明されています。

デジタル機器を使って書くと、筋肉の記憶が進みますが、記憶のうじ虫や、その他の情報もいっしょに捉えてしまい、結局、すべてを取り込むことはできません。

しかも、デバイスを使っていると、マルチタスクやSNS、別の仕事のことを考えてしまい、集中が途切れるのです。

手書きは集中を助けます。

学校ではタイピングを教えます。デジタルの世界で通用する準備をしなければなりませんから。これは素晴らしいことです。

でも、クリティカルシンキングができるスキルも教えなければなりませんし、大事なことを覚え、うまく連携させる必要もあります。

それができないと、将来、問題解決をできませんからね。

両方持てばいいのです。デバイスはすばらしいツールですが、手書きのパワーを忘れないようにしましょう。

手書きが向上させるもの

2010年、私は、916 Incという読み書きに関する非営利団体を作りました。

そして、今日説明した方法で、人々が変わる方法として、手書きを中心にすえています。この方法は、アムハースト・ライターズ・アンド・アーティスト・メソッド(Amherst
writers and artists method)をもとにしたライティングのやり方をベースにしています。

外部の研究機関を使って、効果を測定しました。

子どもたちが、安全な環境で、あるトピックに関して手書きをすると、92パーセントの子どもたちの行動が向上し、77パーセントの子どもたちの成績がよくなり、83パーセントの子どもたちは、社会的な感情のスキルが向上しました。

デレクが見つけたもの

デレクはどうだったでしょうか?

彼は自分が書いたものを皆にシェアしてくれました。

それは彼の母親が、コンロの前で、鍋に入ったスープをスパチュラでかき混ぜていたという7分の物語です。

発表している途中で彼は涙を流しました。

リーダーシップや、世界とのかかわり方と、今書いたものはどんなつながりがあるのか彼に聞きました。

はじめ、抵抗していたことをわびてから、彼はこう言いました。

「私は、価値をもたらしたいと思います。家族、コミュニティ、スタッフ、クライアントに。それが、ずっと私がやりたいと思っていたことでした。

謙虚になって役に立ちたい。このように母を覚えていることは、自分が毎日、この世界とどんなふうに関わっていくべきなのか、考えさせられます」。

デレクとは友人になり、さらにいろいろな話をしました。

手書きをしながら、デレクはとても感動的な体験をしたのです。過去と深くつながり、忘れていたことを思い出し、自分のリーダーシップと自分の背景にある物語に新しいつながりを見出しました。

そして、今後は、これまでとは違った形で、世界と関わっていく気になったのです。

スパチュラは、彼にとって謙虚さや役立つ人になること、人々にサービスをする象徴となりました。

現在、デレクは毎朝7分、何かを書いています。

書くことが、しっかり地に足をつけることに役立っています。

書き始めよう

彼はこう言うでしょう。書くことを始める前は、自分はゆだったカエルだったと。

忙しい毎日の中で、自分がストレスいっぱいで、気が散っていて、皮肉っぽくて、寛容じゃなかったことに気づいていませんでした。

書くことを始めたあとも、彼の多忙な生活は変わっていません。でも、世界との関わり方は変わりました。

大事なことがわかっている今、彼はより親切で、人の話をよく聞きます。つまり、前よりいいリーダーです。

だから皆さんにお願いします。

人生という圧力鍋の中で、ゆだったカエルのような気分なら、ペンを取り、ジャッジされると思わず、流れにのって、今、この瞬間にいて、思いついたことを書いてください。

//// 抄訳ここまで ////

補足

mastermind group マスターマインドグループ。仲間(共通の目的を持つ人)のグループで、目標達成のためにいろいろなことをする。

Amherst writers and artists method 誰でも深くて、重要で芸術的な強みのあるものを書くことができるという考え方から生まれたライティングのメソッド。アメリカでよく使われている。

このメソッドの関連本です⇒

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すると、多くの人が、「モーニングページを書いている時間がない」と言いいます。

時間がないから、始めても途中でやめてしまい、その後は全く書くことをしない。1日に1分も書こうとしない。

そして、相変わらず、似たようなことを悩み続けます。

そこで、ケイティさんの方法を紹介しました。

ケイティさんのメソッドは7分間のクリエイティブ・ライティング(創作)です。

といっても作文みたいなものです。頭に思い浮かんだことを自由に書きます。

お題は自分で選んでください。

日本では、赤いスパチュラはなじみがないでしょうから、しゃもじをテーマに書いてもいいかもしれません。

そのへんに転がっている日用品について書くといいでしょう。

ポイントは、ケイティさんも言っているのように、「誰かに採点される、ジャッジされる、評価される」という気持ちを捨て去ることです。

これはモーニングページも同じです。

うまく書こうと思わないのが最大のコツです。

文章が書けないのは、無意識のうちに、他人の目や、自分の中にいる自分をジャッジする者の目を意識してしまうからです。

そんなものは、実は存在しないのに、いると思ってしまいます。

子供のとき、作文や絵日記を学校で採点されるばかりで、プライベートで自由に文章を書く機会があまりなかった人は、文章を書くイコール採点されると思いがちです。

でも、誰もジャッジしませんから、自由に書いてください。

プレゼンの中に登場したデレクみたいな、すばらしい洞察を得られなくてもかまいません。

私がモーニングページに書いているのは、くだらないことばかりです。

とにかく書き始めて、そして書き続けましょう。





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