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TEDの動画

本当のことを話せば、ほかの人の本当の姿にふれることができる(TED)

心の整理や、人間関係の改善に役立つTEDの講演を紹介します。

タイトルは Say your truths and seek them in others(真実を語り、ほかの人の真実を探し求めよ)。プレゼンターは、ウエルネスの専門家、エリザベス・レッサー(Elizabeth Lesser)さんです。

邦題は、『真の自分を語り真の他者を見出すとは』。

本当の自分を見せれば、相手も本当の姿で接してくれるので、よりよい関係を持てる、という内容です。自分の本当の気持ちを言うのは勇気がいりますが、それが、深い人間関係を築くことに役立ちます。



真実を語り、真実を見出す:TEDの說明

In a lyrical, unexpectedly funny talk about heavy topics such as frayed relationships and the death of a loved one, Elizabeth Lesser describes the healing process of putting aside pride and defensiveness to make way for soul-baring and truth-telling.

“You don’t have to wait for a life-or-death situation to clean up the relationships that matter to you,” she says. “Be like a new kind of first responder … the one to take the first courageous step toward the other.”

叙情的で、思いがけずユーモラスなこの講演は、こじれた人間関係や、愛する人の死といった重いトピックを扱っています。

エリザベス・レッサーは、プライドや自己防衛する気持ちをわきによけ、魂をむきだしにして、真実を語る癒やしのプロセスを說明します。

「大事な人間関係を正すのに、生死がかかわる状況を待つ必要はありません。新しいタイプの救急隊員のように、相手に対して、勇気ある最初のステップを踏み出してください」。こう彼女は言います。

収録は2016年の6月。長さは15分44秒。日本語字幕もあります。動画のあとに抄訳を書きます。

☆トランスクリプトはこちら⇒Elizabeth Lesser: Say your truths and seek them in others | TED Talk

☆TEDの說明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

胸にぐっとくるプレゼンです。





最初の仕事が生き方を決めた

これまでさまざまな仕事をしてきましたが、最初にした仕事が、その後の仕事の基礎となりました。

20代のとき、自宅出産の助産師をやっていました。赤ちゃんをとりあげる体験は私に数々のことを教えてくれました。

寒い真夜中にいかに車にエンジンをかけるか、血を見て気絶したお父さんの手当、へその緒の切り方。

しかし、こうしたことが後の人生を導いてくれたわけではありません。

誰もが自分の魂を持っている

私の中にいつまでも残ったのは、人は、唯一無二の価値をもって、この世に生まれるという信念です。

生まれたばかりの赤ちゃんの顔を見ては、その子供だけの輝きを感じました。

その輝きは『魂』と言えるでしょう。

生まれたばかりの赤ちゃんは、雪の結晶のように、誰もが違っています。生命と祖先と神秘が融合してできた唯一無二のもの。

赤ちゃんは成長し、居場所を作っていきます。家族、文化、コミュニティ、性別に従うために、魂の上に少しずつ層を作り、覆い隠していきます。

生まれたときは自分自身なのに、成長するにつれて、いろいろなことが起こり、少しずつ魂や、本当の自分を隠すようになるのです。

誰もがそうです。

皆さんも、昔は赤ちゃんで、それぞれが違っていたのです。けれども、大人になると、自分自身であることに居心地悪さを感じるものです。

赤ちゃんは違います。

私が赤ちゃんから受け取ったメッセージは、自分の魂を隠さず、ほかの人にも、その人の魂の輝きを見つけることです。

それはそこにあるのですから。

いつも心を開いていたい

出産中の女性たちからは、オープンでいることを学びました。たとえ痛みを伴うとしても。

子宮頸部(けいぶ)は、ふだんはこんなふうに固く閉じています。子宮の下にある小さくて固い筋肉です。

出産するときは、こんなふうに広がります。痛いです。

この痛みに逆らおうとすると、さらに痛くなりますし、生まれてくる赤ちゃんを妨げることになります。

抵抗することをやめ、心を開くと魔法が起きます。宇宙のフォースが、それに気づいて、助けてくれるかのように。

私はこのことを忘れたことはありません。

困難なことやつらい状況になったとき、最初は、抵抗しますが、お母さんたちから学んだことを思い出しています。

心を開き、好奇心を持ち続けること。

その痛みが何をもたらしてくれるのか自分に問うこと。

新しいものが誕生しようとしているのです。

自分がただそこに存在する深い時間

もう1つ、魂あふれる教訓をアインシュタインから学びました。

出産とは関係ありませんけど。

時間に関する学びです。晩年のアインシュタインは、ハムスターの回し車のような日常は、幻想だと言いました。

どこかに行き着こうと思って、くるくる回っているその時、表面的な時間の下に、全く違う次元があります。

過去、現在、未来が融合して、深い時間を作っています。到達する場所などありません。

この次元を、アインシュタインは「ただ存在すること(only being)」と呼びました。

この状態を体験して、聖なる畏れを感じたときに、彼はこう言ったのです。

私が赤ちゃんを取り上げたときは、回し車から、降りざるを得ませんでした。ときには、何日も、何時間も親たちとひたすら呼吸をしていました。

ただ、そこに存在していただけです。そして、何度も聖なる畏れを感じました。

つまり、助産師をしたとき私が学んだことは

1.魂を見せる
2.困難や苦痛を感じたら、心を開く
3.ときどき、回し車から降りて、深い時間の中に入る

この3つは、私の人生をいろいろな面でサポートしてくれましたが、つい最近、本当に助けられました。

自分の人生でもっとも大切な仕事をしたときのことです。

妹に骨髄移植をすることになった

2年前、妹が、めずらしい血液のがんにかかり、唯一残された治療法は骨髄移植でした。

型の合うドナーを見つけるのは難しいのですが、適合している人を見つけることができました。

私です。

私は4人姉妹の1人です。私の型が合うことがわかったとき、姉妹たちは、

「本当? あなたが? あの子にぴったり合うっていうの?」

と言いました。

姉妹同士ではよくあることです。姉妹の間には、愛情、友情、庇護する気持ちがあります。同時に、嫉妬や競争、拒絶、攻撃もあります。

姉妹とやりとりすることで、人は、自分の魂にいくつも、覆いをします。

自分がドナーになったので、治療についていろいろ調べました。

まず化学療法で、患者の骨髄を破壊し、次に、ドナーから、何百万もの健康な骨髄を移植します。

その後、その細胞がうまく定着するよう、あらゆることをします。

骨髄移植には危険も伴います。私の細胞が妹を攻撃する可能性があるのです。これは、拒絶反応、または攻撃と呼ばれます。どちらが起きても、妹は死んでしまいます。

拒絶と攻撃、ともに、姉妹のあいだではよくあることです。

妹とは本当の意味では仲がよくなかった

私と妹の間には、長い愛情の歴史がありましたが、同時に、長い拒絶と攻撃の歴史もありました。小さな誤解から、大きな裏切りまで。

私たちは、深いところで話し合う間柄ではありませんでした。

姉妹やほかの人間関係によくあるように、私たちは、本当のことを言うこと、自分の傷を見せること、過ちを認めることをためらっていました。

拒絶反応や攻撃の危険性を知った私は、そんな関係を変える時が来たと思いました。

医師に、骨髄移植を任せきりにせず、私と妹が、後に、「魂の骨髄移植」と呼ぶものを行ったらどうなるだろう?

お互いのせいで生じた痛みに向き合って、拒絶や攻撃をする代わりに、相手の話に耳を傾けたらどうなるだろう?

お互いを許しあい、融合できるだろうか?

そうすれば、細胞も同じことをしてくれるのではないか?

移植する前に2人でセラピーを受けた

疑っている妹を説得するために、両親の聖典である、雑誌『ニューヨーカー』を使いました。

雑誌の漫画の切り抜きを送り、移植を受ける前に、お互い、セラピーを受けることを提案しました。

漫画のセリフはこうです。

「私の頭の中で彼がしたこと、絶対許さないわ」。

雑誌の漫画

自分たちも、この漫画の登場人物と同じことをしていると妹に言いました。お互いが頭の中で作り上げた話をこねくりまわし、互いを避けているのです。

「移植すれば、あなたの血管に流れる血は私の血でもある。細胞の核のなかには、私のDNAが入っている。あなたが生きている限り、私はあなたの体内を泳ぎ続けるのよ」。

少し怯えている妹にこう言いました。

「これまでの関係を精算したほうがいいと思うの」。

健康の危機が訪れると、人は、いろいろな危険をおかします。仕事をやめたり、飛行機から飛び降りたり。

妹の場合は、セラピーを受ける決断でした。

セラピーで、長年、作り上げてきた物語や憶測、非難や恥を手放したら、愛が残りました。

骨髄移植をしたなんて、勇気があるね、と人に言われましたが、私はそうは思いません。もっと勇気が必要だったのは、べつの種類の採取と移植でした。

魂の真髄の移植です。

他人にたいして、感情を率直に見せ、プライドや、自分を守ろうとすることを手放しました。

助産師時代に学んだ3つのことを思い起こしました。

魂を見せ、恐怖を感じるものや、痛みのあるものに、心を開き、聖なる畏れを求めること。

移植後、仲のよい姉妹になれた

移植のあと、私たちは、これまでより、多くの時間を、一緒に過ごすようになりました。幼い頃に戻ったように。

過去と現在が溶け合ったのです。

仕事や生活の回し車から降りて、私は、病気と治療という名の孤島にいた妹と共に過ごしました。

病院や妹の家に設置した隔離ユニットで時間を共にしたのです。

ペースの速い世の中では、こんな行動をサポートすることも、価値あることだとみなすこともありません。

実生活や、大切な仕事を邪魔をするものだと考えます。 心が疲れたり、お金がかかることを心配します。

確かに、お金はかかりましたが、私は逆に支払ってもらったのです。

私たちの文化が忘れてしまったように思える通貨で。愛情、魂、妹という形で報いられました。

移植したあとの1年が、人生で最良の年だったと、妹は言いました。

彼女はとても苦しんだので、これを聞いて驚きました。しかし、妹は、この1年はとてもやさしい1年だったと語りました。

私たちが、魂をあらわにし、真実を話したからです。妹は、以前より、自分を主張するようになりました。

言うべきだと思ったことをちゃんと口にするようになり、ずっとやりたいと思っていたことをやるようになったのです。

自分の真実を語り相手にもそれを求める

私も同じです。

前より、勇敢になり、人々に対して、本当の自分を見せるようになりました。

真実を語りました。それより重要だったのは、相手にも真実を語ってもらおうとしたことです。

この物語の最終章になってはじめて、助産師時代の体験が、いかにプラスになっていたか気づきました。

妹が、人生で最良の年を過ごしたあと、がんが再発しました。もう手のつくしようがなく、余命数ヶ月だと医師に宣告されました。

妹はとても小さく、やせていて、首元で脈打っているのが見えました。

それは私の血であり、妹の血。私たちの血です。

妹が死んだとき、私の一部も死んだのです。

私が求めていたのは、お互いが1つになること、私たちがより自分らしくなること。過去の痛みに向き合って、心を開いたら、それができました。

時を越え、私たちは、永遠につながりました。

妹は私にたくさんのことを残してくれました。最後に1つだけお伝えします。

大切な人間関係をきれいにするのに、生きるか死ぬかの瀬戸際が訪れるのを待つことはありません。

魂の真髄を相手に手渡し、相手の中にも同じものを見つけるのです。誰でもできます。

新しいタイプの救急隊員のように、他人に対して、自分が勇気ある最初の一歩を踏み出せばいいのです。拒絶や攻撃をするのではなく、何か行動すればいいのです。

兄弟姉妹、配偶者、友人、同僚、どんな人が相手でも同じです。

周囲にある断絶や、不協和音のもとになっているものに対しても。世界中の魂に対しても。

//// 抄訳ここまで ////

自分らしく生きるのに参考になるほかのプレゼン

不安な心(ヴァルネラビリティ)に秘められたパワー:ブレネー・ブラウン(TED)

大事なものにイエスというために、ノーと言いなさい(TED)

自分を知り、自分を大事にするすすめ(TED)

自分の気持ちをそのまま受け入れる勇気のパワーとその素晴らしさ(TED)

他人を大事にすることは、自分を大事にすること(TED)

もう完璧を追い求めるのはやめよう:イスクラ・ローレンス(TED)

他人と比較する文化を超越して生きろ(TED)

エリザベス・レッサーさんの著書。

翻訳版はこちら。中古本を入手できます。

自分の魂を大事にする

人間関係の悩みの相談メールをもらうことがあります。

いろいろな原因が重なり合って、悩みに結晶化されるのでしょうが、自分の本心を相手にはっきり言わないから、問題が大きくなることが多いと思います。

プレゼンでも話されていたように、相手はこう思ってるんじゃないだろうか、自分がこんなことを言っても、こんな反応がかえってくるんじゃないか、などなど、すべて自分で勝手に憶測し、そう決めつけているから、悩みが深くなるのではないでしょうか?

本心を話せば、解決できるのに。

ただ、みんななかなか本心を言いません。

自分は、こうすべきだ、ああすべきだ、などなど、いろいろな「べき」にとらわれてしまっているのです。

社会的にも、「空気を読みなさい」とプレッシャーをかけられていますし、雑誌を見れば、「男ウケ抜群、愛されコーデ」なんて書いてあります。

人に好かれようとやっきになるより、自分の魂を大事にしたほうがいいと思います。

誰もがもって生まれる、かけがえのないたった1つのものですから。

*******

先日、増税に関する質問に回答しましたが⇒キャッシュレス決済を使うべきか否か

人生の価値をお金だけで測っていると、2%消費税があがるだけなのに、「損したくない」と気持ちが焦るんじゃないでしょうか?

確かに生活するためには、お金が必要ですが、日本に住んでいる大半の人は、生活に必要なものはもう持っています。

これ以上、買い集めようとせず、お金ではない価値に目を向けたほうがいいと思います。

エリザベス・レッサーさんは、自分の魂を隠すのをやめたら、愛情、魂、妹という価値を手にすることができました。

ほかにも、価値あるものは、たくさんあります。





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