ページに広告が含まれる場合があります。
暮れに、お母さんが仏壇と位牌を捨てたことを報告してくれたお便りをいただきました。
このお便りを紹介し、親にものを捨ててもらいたいときどうすればいいか、いくつかアドバイスします。
まずお便りをシェアしますね。Nさんからいただきました。
母が仏壇と位牌を処分した
件名:仏壇とお位牌
いつも励みになっています。
今回は母がお仏壇とお位牌を処分した話です。
私は52歳です。
親の世代は次々と亡くなったという話ばかり聞こえるようになりました。
母には自分で勝手に作った自分だけのお仏壇とお位牌がありました。
父と弟は若くして自死したので無理もないなと見過ごしてきました。
ですがこの頃お位牌が気になって「処分してくれ」と母に言いました。
私は嫁に行っており、引き継ぐこともできないからです。
母が立腹するのは分かっていて言ったのですが、ここは言う権利はあるのではと思い、半月くらい言ってみました。(メッセージ機能を使ってです。)
もうだめだな、その時に自分でなんとかするしかない、と腹をくくってあきらめた頃、突然にお仏壇とお位牌は処分したと連絡がありました。
なぜか仏像は置いたままです。
それは母の頑固さからかと思いますが。
屋根付きの大きなお位牌だったため本当に安堵しています。
捨てにくいものは早く処分してほしいものです。
今朝のパラダムシフトで片づけが進んでくれたらいいなと思いました。
私も定期的に処分を心がけています。
本年もありがとうございました。
Nさん、こんにちは。お便り、ありがとうございます。
いつもブログを読んでいただき、とてもうれしいです。
お母さんが仏壇と位牌を処分してくれたのですね。
位牌は故人の戒名や享年などが書かれたプレートですよね。
ふつうはそんなに大きくないと思いますが、Nさんのお母さんが持っていたのは屋根がついていたのですね。
仏壇や位牌は捨てにくいので、お母さんは大きな決断をしましたね。
Nさんの気持ちを理解してくれたのでしょう。
私自身は仏壇などは欲しいと思いません。
大きな仏壇がなくても、また、仏壇そのものが全くなくても、故人を偲ぶことはできますから。
形や物にこだわるより、気持ちや行動を重要視したいと思っています。
大きなものは、気持ちの負担になるので、手放せば気分が楽になり、本来の自分のしたい行動ができるんじゃないでしょうか?
もし、お母さんが、故人を偲びたいと思うなら、仏壇がなくても、いつでもできます。
さて、Nさんも、日々、不用品を処分しているのですね。
今年もシンプルライフを続けて、楽しくお暮らしください。
どうぞ、お元気で。
親にものを捨ててもらいたいときどうするか?
ここから、Nさんのように、親が、自分の気持ちの負担になっているものを持っている場合、どうやって捨ててもらうか、いくつかアドバイスします。
自分の意見を率直に伝える
私は、人にものを捨てることを強要するべきではないと考えています。ものを手放すとき重要なのは。持ち主自身の気持ちやタイミングですから。
ですが、Nさんの場合、問題の位牌や仏壇は、お母さんだけのものというより、家族全体の記憶や供養を象徴するものなので、自分の意見を述べることは妥当です。
親の気持ちを理解する
親に自分の気持ちを伝えるとき、まず、相手の気持ちになって考えてみてください。
今、50歳や60歳の人の親の世代は、ものを大切にすることが美徳とされてきた時代に生きてきたし、戦後、もののない時代を体験しているので、私たちよりも、捨てることに対して心理的ハードルが高いと思います。
私の母もそうでした。
時々使うものはもちろん、使わなくても、思い出や将来のために保管しておきたいと考えることは十分考えられます。
捨ててほしい理由を丁寧に伝える
相手の立場や気持ちを尊重したうえで、それでも捨ててほしい理由を丁寧に伝えましょう。
Nさんのように、「引き継ぐことができない」という現実を説明するのもひとつの方法です。
強要しない
自分の気持ちを伝えるとき、決して強要しないでください。
無理に捨てさせようとすると、相手が反発し、逆の結果になり、感情的な溝ができてしまうこともあります。
親のほうで、うすうす「もう、これは手放したほうがいいかも」と思っているときに、「捨てなさい!」と外から言われると、意地になって捨てないかもしれません。
このあたりはその状況によって違うので、親の性格や自分との関係性を客観的に考えた上で話をしてみましょう。
お願いするときは、「お母さんはそれを捨てるべきだ、そのほうがお母さんのためだ、なぜなら~」という言い方より、「私はお母さんにそれを捨ててほしい、なぜなら~」と、自分主体で説明したほうがうまくいきます。
「捨ててもらいたいというのは、あくまで私の要望である、最終的決断はあなたに任せる」という形にすれば、親は、「強要された」とは思いません。
私も、実家で母親のものを一緒に捨てたとき、「ブログのネタにするから協力してください」と頼みました。
穏やかに話し合いましょう。
時間をかけて説得する
Nさんの例にもあるように、1回で理解してもらえなくても、何度か話題にしましょう。
早急に結果を出そうとせず、相手に考える時間を十分与えるのがコツです。
Nさんは、半月かけて話したそうですが、そのようなプロセスがあったからこそ、お母さんが、捨てる決断をしたのではないでしょうか?
正直、半月はかなり早いほうで、半年~1年、場合によっては数年かかることもあるでしょう。
相手に決断させる
最終的には、捨てるかどうかは親自身の判断に委ねます。どれだけ説得力のある理由を伝えたとしても、親が自ら納得して決断しない限り、手放す行動にはつながりません。
捨てたとしても、「娘に捨てさせられた」という気持ちが残るかもしれません。
相手に決断させるために、気持ちを伝えたら一歩引くのもいい方法です。「私はこう思うけど、どうするかはお母さん(お父さん)の自由だよ」と言っていったん引きましょう。
さらに、捨てない選択肢も与えてください。
たとえば、「しばらく別の場所に保管しておいて、また考えてみるのもいいんじゃない?」と言ってみたり、寄付や譲渡、リサイクルを提案してみます。
このあたりは、自分が断捨離するときと同じ要領です。
全部ではなく、一部を捨てることを提案する
Nさんのお母さんは、今回、仏壇と位牌を手放しましたが、仏像は残されました。このように、まず一部を手放してもらう提案をすると、相手の「捨てることに対する抵抗」が軽くなるかもしれません。
どれかひとつだけ手放してもらって、様子を見てもらうのもいいでしょう。
捨てない場合の代替案を考える
親が希望どおり捨ててくれなかったとしても、別にこの世の終わりが来るわけではありません。Nさんが、「あとで自分でなんとかするしかない」と途中で考えたように、代替案も用意しましょう。
遺品整理の負担が大きくなりそうなら、今から、遺品整理に当てるお金を貯金しておくといいですね。
自分ひとりで片付ける必要もありませんから、親族や信頼できる友人に相談しておくのもいいと思います。
まとめ:親が納得してこそ片付けは成功する
片付けは物理的な整理だけでなく、精神的な満足感をもたらす体験です。
親に決断を任せれば、それを捨てたとき、親自身の気持ちも開放されます。
親が自ら納得して何かを手放したときに生まれる気持ちの余裕は、新しい価値観の創造につながるでしょう。
「決めるのは、親」。この点を意識しながら、柔軟に対応すれば、親子間の絆を深めながら片付けを進めることができます。
今週のnoteの更新
今週noteにアップした記事をリンクします。
顔出しをせず、本名を公開しない理由|筆子が考えるプライバシーと発信
エッセオンラインにも新しい記事がアップされました。
「食事は毎日ほぼ同じ、家事は週1で問題ない」60代ひとり暮らし、新ルーティンで毎日が快適に | ESSEonline(エッセ オンライン)
ぜひ読んでください。
******
読者のお便りを紹介しました。
捨てにくいものは、決断に時間を要しますが、そういうものほど手放すと開放感があります。
気になるなら、この機会に、自分がそれを持っている理由を考えてみるといいでしょう。
いきなり捨てる必要はありませんので。
それではあなたも、伝えたいことがありましたら、お気軽にメールください。
こちらからどうぞ⇒お問い合わせフォーム | 筆子ジャーナル
お待ちしています。