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トイレットペーパーや調味料、はたまた下着など、ストックをためこみすぎているのに、それに気づかず、大損をしている人がいます。
こういう物はただちに断捨離すべきですが、皆、「もったいない」と言って捨てようとしません。
今回は、なぜ多すぎるストックはすぐに捨てるべきなのか、その理由をお伝えします。
「多すぎる物」は実は、典型的なガラクタですが、多くの人はこれに気づいていません。なぜなら、それらの多くは消耗品であり、いつか時が来れば、「ちゃんと使える」と思っているからです。
確かにそういう物は、ちゃんと使えます。しかし、ちゃんと使うには1つの決定的な条件があります。それは「使う時が来る」ということです。
こんな人は、ストックを持ちすぎている
もしこんな傾向があったら、あなたは「多すぎる物」をかかえているかもしれません。
●新しい趣味を始める前は、先に道具をきっちり揃えるほうだ。
関連⇒こんな人の家にはガラクタがいっぱい。物をためこんでしまう5つの性格
●タオルがざっと2年分ぐらいある。
●石鹸がざっと3年分ぐらいある。
●使っていない化粧水が3本以上ある。
●使っていないシャンプーが3本以上ある。しかもビッグサイズ。
●新品のパジャマが4着以上ある。
●新品のソックスが1ダース以上ある。
●1度も作ったことのないレシピがのっている料理本がごろごろある。
●買った日に1度だけ使った調理雑貨が台所の引き出しに半分以上ある。
●新品のお箸がざっと30人分ぐらいある
●使ってない調味料が、パントリーの中に30個ぐらいある。
●むこう3年分ぐらいの洗剤のストックがある。
●新品のノートが6冊以上ある。
●新品や新古品、未使用品がやけに多い。
●押入れの中に、ここ数年全く物の動きのないスペースがある。最後の動きは、自分がひっぱり出して中身を確認し、並べ直したときである。
●一人暮らしなのに、ホームパーティが開けそうなほどの食品が、冷蔵庫や、パントリーに入っている。
●ちょっとしたよろず屋さんを今すぐ開店できそうなほど、生活雑貨のストックを持っている。
「多すぎる物」を持っている人は、一応、使うつもりで買っています。セールで安くなっているタイミングで大量買いをしているので、自分では、「私は買い物上手だ」とひそかに思っているかもしれません。
しかし、ストックが多すぎると、いつまでたっても出番が来ません。このような人の家庭にある物は、新しいまま古くなってしまうという、物としては最悪の運命をたどってしまいます。
収納が「多すぎる物」をエスカレートさせる
さらに「多すぎる物」を持っている人は、収納好きな傾向にあります。
タオルや石鹸がたまってしまって、洗面所の引き出しに入りきらなくなるため、分類して収納ケースに入れ、ラベルに「タオル」と書いて貼り、そのまま押入れにしまいこんでしまうのです。
「収納」というと聞こえはいいですが、実はこれは問題の先送りにすぎません。
目の前にあるAというスペースで物があふれてしまったので、取りあえず箱に入れ、自分の視界に入らないBというスペースに移動させて、「一件落着した」と思っているのです。
実はそういう箱に入っているものは「適正なストック」ではなく「多すぎる物」です。今すぐ、家の外に出さなければならない物なのです。
過剰在庫のデメリット(企業の場合)
企業では、在庫を持ちすぎるのは経営戦略上、あまり好ましくないと言われています。
コストがかかるからです。
ある企業が、過剰在庫を持つとこんな問題が生じます。
●在庫を管理する人の人件費がいる。
●在庫を置いておくスペースが必要なので倉庫代が発生する。
●在庫を管理するコストとして光熱費や保険料が発生。
●在庫になっているあいだに、商品の品質が劣化する。
●運搬費用が発生する。
企業の場合、物を持つと、必ず運搬しなければなりません。通常、工場⇒倉庫⇒販売店に運搬しますが、在庫になると、返品されるので、販売店から倉庫という逆方向への運搬が生じます。
売れない在庫を運搬することは、全く価値を生まないことに費用を投じるようなものです。
また在庫を出したり入れたり数えたりといったよけいな作業が発生します。
●余った在庫は、いずれ破棄しなければならないので、破棄するための費用が発生。
●あるいは余った在庫を安く売りさばくので、利益率が落ちる。
●キャッシュフローが滞る。これは売るべき商品を売らないから、お金が入ってこないということです。
在庫の別名は「棚卸資産(たなおろししさん)」です。
資産は財産ですが、いつまでたっても出番のない在庫を大量にかかえると、場合によっては黒字倒産してしまいます。
多すぎるストックを持つデメリット(家庭の場合)
私たちの家でも、多すぎるストックを持てば、企業と全く同じことが起きます。
在庫を管理している人は自分です。在庫を入れておくスペースは自分の部屋のはしっこや、押入れの中、物置、ガレージ、人によっては貸し倉庫。
光熱費だって発生しています。いらない物を部屋にいっぱい積んでおくと、風通しが悪くなるので、夏場、余計にエアコンかけることになります。
もちろん、年月がたつにつれて、ストックのタオルのはしっこは、なんとなく茶色くなってきます。物によってはかびくさくなるし、虫が食ってしまうものもあります。
ストックの運搬も小規模なレベルで発生しています。上に書いた、AからBに移動させるのもそうですし、掃除や片付けのたびに、物を動かしているのは運搬にほかなりません。
収納好きな人ほど、持ちすぎているストックをきれいに並べ直したり、大きさや種類で分類して整理整頓し、小さなスペースにできるだけたくさん詰め込もうとします。
収納とは、在庫管理にほかなりません。入れ物を用意して、中身を出したり入れたり数えたり、並べ替えたり、ラベルを貼ったり。
しかし、こういう収納は、それを使う時が来なかったら、すべてムダな作業なのです。
本人は、いくばくかの満足感を得るかもしれませんが、実のところ何の付加価値も産んでいません。
そして、ストックが多すぎれば多すぎるほど、使う時が来るのが遠ざかります。
自分が生きている間には使う時は来ないかもしれません。運良く、そういうストックがガラクタだと気づいたとしても、ふくれあがったストックを捨てることや、人に譲るのは手間がかかります。
自分は何もせず、あの世に旅立ってしまったら、遺族がそのストックを処分することになります。
家庭の場合、石けんをためこんだところで、「キャッシュが滞ったわね」とは思いません。
しかし、買った石けんをいつまでも使わないことは、自分が払ったお金に対する対価をいつまでたっても得ることができないということです。
つまり、ドブにお金を捨てた上に、さらにそのストックを管理、維持するために、自分のリソースを使っているのです。
多くの人は、押入れにためこんだものは資産だと思っています。だから、「捨てるなんてもったいない」と言います。
しかし、使わないものは管理しなければならず、企業と同じように黒字倒産みたいなことが起きてしまうのです。
黒字倒産にならないためにできること
多すぎるストックを持っている人は、一刻も早く断捨離すべきでしょう。持っていれば持っているほど、自分のリソースを奪われてしまいます。
そして、今後はよけいなストックを買わないようにすることが大切です。
こんな工夫が考えられます。
●どんなにセールで安くなっていても、必要な分しか買わないようにする。
●料理本は買わずにレシピはインターネットで調べるか、図書館で本を借りる。
●大きなサイズは得だという幻想を捨てる。特に自分が初めて使う商品は、トラベルサイズでお試しをしてから、大きなサイズに手をだす。
●何でも自分が使う分だけ買う。まとめ買いはやめる。
まとめ買いは一見お得にみえます。しかし、まとめ買いがお得なのは、買った分を比較的短期間にすべて使い切れるときだけです。
トイレットペーパーやキッチンペーパーや洗剤、食品などは、家にたっぷりあると思うと、人はどんどん使ってしまいます。
1つしかなければ、節約して使うのに。
まとめて買うことが本当に得なのか、自分の消費状況を冷静に分析する必要があります。
過剰在庫をすぐに断捨離して、これからは使う分だけ、買い物することが、黒字倒産を避ける唯一の方法なのです。