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暮らしの質を向上させる参考になるTEDの動画を紹介しています。今回は健康に関するプレゼンです。3分足らずの短い動画ですが、ここで言われていることをちゃんと実行すれば、大げさではなく、人生が変わります。
ニロファー・マーチャント(Nilofer Merchant)さんの “Got a meeting? Take a walk” 「ミーティングがあるの?歩きながらやってみて」というタイトルです。
「ミーティングがあるの?歩きながらやってみて」TEDの説明
Nilofer Merchant suggests a small idea that just might have a big impact on your life and health: Next time you have a one-on-one meeting, make it into a “walking meeting” — and let ideas flow while you walk and talk.
ニロファー・マーチャントは人生と健康に大きなインパクトがあるかもしれない小さなアイデアを提案します。
今度、1対1のミーティングがあったら、「ウォーキング・ミーティング(歩きながらするミーティング)」にしてください。歩きながら話しているあいだに、たくさんのアイデアが生まれるでしょう。
動画は3分28秒です。日本語字幕が出ます。英語や字幕なしにしたいときはプレイヤーで調節してください。動画のあとに抄訳を書きます。
※スクリプトはこちら⇒Nilofer Merchant: Got a meeting? Take a walk | TED Talk | TED.com
※TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
座りっぱなしの恐ろしい結末
今、この瞬間に皆さんがやっていることが、皆さんの寿命を縮めています。車、インターネット、スマホより頻繁に、私たちがほぼ毎日使っているテクノロジーは、みなさんのお尻(tush)です。
現代人は、1日9時間30分座っていて、これは睡眠時間より長いんです。睡眠は7.7時間ですから。
座ることはあまりに当たり前なので、どのぐらい座っているんだろうなんて、誰も疑問に思いません。みんな座ってるし、座るのが悪いなんて夢にも思っていません。
この意味で、座ることは、昔の「喫煙」に匹敵します。
座ってばかりいると健康によくありません。太るだけじゃないですよ。乳がん、結腸がんの原因は運動不足に直結しています。これらの病気の要因の10%は運動不足のせい。
心臓病は6%、2型糖尿病は7%です。父は糖尿病で亡くなりました。こういう統計を聞いて、みんな動き出すかと言ったら、私のような人は誰も動かないですね。
ウォーキング・ミーティングとの出会い
私を動かしたものは、人と交流することでした。ある人がミーティングに招いてくれたけれど、ふつうのミーティングが実現しなかった時です。その人は、「あした犬の散歩に行くから、その時来てくれませんか?」と言いました。
最初は、変なミーティングだと思いました。息が切れるだろうから、早めに質問しなきゃ、なんて考えたことを覚えています。
ところが、今はこのミーティングのアイデアが気に入って、自分もそうしています。会議室の中でコーヒーを飲みながら会議をするのではなく、歩きながらのミーティング(walking meeting)を週に20マイルから30マイル(32キロ~48キロ)やっています。人生が変わりました。
ウォーキング・ミーティングから学んだこと
以前は、健康を気遣うことと、義務を果たすことは同時にはできないと思っていたんです。ウォーキング・ミーティングを何百回とやってみて、学びがいくつかありました。
第1に、まず、室内から出て外に行くと、自然や運動のおかげで、すごくいいアイデア(out-of-the-box thinking)が浮かびます。
第2に、ふつうのミーティングとは、真逆の考え方ができること。政治、ビジネス、環境問題にかかわらず、世界をまったく違った視点で見られるのです。異なる意見を両立させるように問題の枠組みを捉え直すことができます。
そもそも、歩きながら話すというアイデアはそういう考え方があったからできたわけですし。歩きながら話すといろいろなことが、実現可能、継続可能、そして、成功をもたらすものになります。
今回、「お尻(tush)」の話から始めましたので、「お尻」の話( bottom line)で終わりましょう。つまり、このプレゼンのポイントは歩きながら話すこと。
外の新鮮な空気を吸うと、新しいアイデアが生まれてくるのにびっくりすると思います。歩くと、人生に思いもよらなかったアイデアが湧いてきます。—– 抄訳ここまで —–
ウォーキング・ミーティングのメリット
ウォーキング・ミーティングにはいくつかの効果があります。
1.クリエイティブなアイデアがでる
人は歩きながら考えているほうが、ふだんより60%、独創的なアイデアを出せるという統計があります。
実際、歩くといろいろ思いつきますよね。受験の記事でも、断捨離のやる気を出す記事でも書きましたが、ちょっと運動したほうが脳が活性化されます。室内で歩いても同じ効果が得られます。
ドイツの哲学者のカント(1724-1804)は、散歩が大好きで、毎日決まった時間に決まったルートを散歩していたそうです。散歩が好きというより、思考を整理する仕事の一環だったのかもしれません。2時間半歩いていたそうです。
またカントは1日1食でした。これは人を招いての会食です。このときは哲学や仕事の話は厳禁で世間話のみ。
朝5時に起きて、夜10時就寝というのも決まっていました。規則正しい生活をしつつ、脳をうまく刺激したり、脳内を掃除したりして哲学を極めたのでしょうね。
私も考えごとをしているときは、部屋の中をぐるぐる歩くほうで(そういう人多いですよね?)、子供のころ、母に嫌がられていました。「クマのようにのそのそ歩くな」と言われてました。
2.健康にいい
プレゼンで言われたとおり、現代人は運動不足なので、もっと歩くべきです。睡眠時間より座っている時間が多いのはショックですね。
3.部下と上司の壁が低くなる
面と向かってしゃべるわけではないので、なんとなく対等な雰囲気になります。すると、部下から率直な意見が出やすいです。言いたいことも言えない会議ならやる意味ないですから。
外に出ると誰でも開放的な気分になるし、歩くと気分がいいし、あまり否定的な意見は出ず、ポジティブにものごとに当たることができます。
歩くことのメリット
ウォーキングは健康の底上げをします⇒ウォーキングはダイエットと健康に不可欠、暮しの質も高くなる
具体的なメリットは、
心臓を鍛える
歩くことは有酸素運動なので、心臓病のリスクが減ります。1日30分の運動で、高血圧などを防止できます。
病気のリスクが減る
動画でも言っていましたが、糖尿病、結腸がん、乳がん、子宮がん、その他の病気のリスクを減らします。
体重が減る
ダイエットが目的の場合は短い距離を早歩きするほうがいいです。
認知症を防ぐ
ボケ防止に1番効果的なのは運動です⇒脳の若さを保つ7つの方法~アンチエイジングは頭から
65歳になる前から歩く習慣をつけておくといいでしょう。
ビタミンDの生成ができる
ビタミンDはカルシウムの吸収や、免疫機能を維持するために不可欠な栄養素。これは太陽の光をあびて体内で合成しますから、もっと外に出るべきです。
骨粗しょう症が心配な人はできるだけ外を歩いてください。
足腰を鍛えることができる
歩行はすごくゆるい運動のように思えますが、歩くと歩かないのでは大違い。坂道を歩くとさらに効果的。人は足腰から老化すると言われます。
エネルギーがわいて明るい気分になる
歩けば血行がよくなるので、身体中に酸素が行き渡り、活力がわいてきます。また運動するとベータエンドルフィンやセロトニンというホルモンが出て、気分が明るくなります。
確かに運動しながら落ち込むのは難しいです。
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外に出て歩くのは数々のメリットがあります。前も書きましたが、人間は動物なので、引きこもっているとますます調子が悪くなります。
今、寒いかもしれませんが、首、手首、足首をカバーして、できるだけ外に散歩に行くことをおすすめします。コストもかかりません。