花をつむ少女

TEDの動画

幸せになりたいなら感謝しよう(TED)

幸せになるコツを教えてくれるTEDトークを紹介します。

タイトルは、Want to be happy? Be grateful (幸せになりたい? 感謝しなさい)

邦題は、幸せになりたいなら感謝しよう。

講演者は、Brother David Steindl-Rast(ブラザー、デヴィッド・スタインドル=ラスト)。

ブラザーは、修道士に対する呼びかけ、または敬称です。



幸せになりたいなら感謝しなさい:TEDの説明

The one thing all humans have in common is that each of us wants to be happy, says Brother David Steindl-Rast, a monk and interfaith scholar. And happiness, he suggests, is born from gratitude. An inspiring lesson in slowing down, looking where you’re going, and above all, being grateful.

すべての人間に共通なのは、幸せになりたいこと。こう、ブラザー、デヴィッド・スタインドル=ラストは言います。彼は修道士で、異宗教の関係の研究家です。

幸せは、感謝から生まれると彼は言います。スピードを落とし、目指す先を見なささい、そして、感謝の心を持ちなさい、という心に響くスピーチです。

収録は2013年の6月。長さは14分17秒。日本語字幕あり。

☆TEDの記事の説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

シンプルですが、パワフルなメッセージです。





誰もが幸せになりたい

世界のすべての人に共通すること。それは、幸せになりたいと思う気持ちです。

幸せの定義は違っても、そうなりたいというのは同じです。

私のトピックは、感謝ですが、幸せと感謝にはどんな関係があるのでしょうか?

多くの人は、言います。人は幸せなときに感謝する、と。

本当に幸せな人が、感謝するでしょうか?

幸せになれるであろうすべてを持っているのに、幸せを感じていない人が大勢います。別の何かが欲しいと思っていたり、同じものをいくつも欲しいと思っているから。

一方、誰も望まないような不運にたくさん見舞われた人でも、心の底から幸せを感じている人がいます。

なぜでしょう?

感謝しているからです。

感謝の気持ちが幸せをもたらす

幸せが感謝をもたらすのではなく、感謝が私たちを幸せにしてくれるのです。

もし、幸せだから感謝できると考えているのなら、考え直してください。

感謝が私たちを幸せにします。

では、感謝とはいったい何でしょうか?

感謝はどんなふうに起きるのでしょうか?

ご自身の体験を振り返ってください。わかると思います。

誰でも、貴重な体験をしています。とても貴重な体験で、しかも与えられたものです。

貴重でありながら、授かったものでなくてはなりません。

買ったわけではなく、勝ち取ったものでもない。取引や努力で得たものではなく、授けられたもの。

この2つが同時に起きたとき、とても貴重だと私は感じます。

貴重な物が無償で与えられたとき、ごく自然に感謝の気持ちや、そして幸せな気持ちがわいてきます。

このようにして感謝は起こるのです。

感謝しながら暮らす

ここで重要なのは、このような体験が、まれである必要はないし、感謝できる体験である必要もないことです。

私たちは、感謝しながら生活できます。

感謝しながら生きる。これが重要です。

どうすれば、感謝して生きられるのでしょうか?

一瞬、一瞬が授けられたものだと気づくことです。

それは贈り物です。勝ち取ったものではありません。

自分で呼び込んだものではありません。

次の瞬間がもたらされる保証はありません。だからこそ、その瞬間は私たちに授けられたもっとも貴重なものです。

その瞬間にはあらゆる機会が秘められています。

この瞬間がなかったら、私たちは何の機会もなく、何も経験できません。この瞬間は贈り物であり、与えられた瞬間です。

貴重な贈り物である「機会」

贈り物とは、実は、「機会」です。

私たちが感謝すべきなのは、その機会に対してです。

機会は、すべての贈り物の中にあります。

「好機は一度しか訪れない(Opportunity knocks only once)」ということわざがありますが、もう一度考えてみましょう。

それぞれの瞬間が新しい贈り物で、何度も繰り返されます。この瞬間の機会を逃しても、すぐに別の機会が与えられます。そして、また次の瞬間も。

その機会を生かすこともできるし、逃すこともできます。その機会を生かすことが、幸せへの鍵です。

自分の手で、幸せへの鍵をしっかりつかんでください。

どの瞬間も、与えられたことに、感謝できます。

つらい瞬間もあるけれど

とはいえ、すべての瞬間に感謝はできないでしょう。

暴力や戦争、迫害や搾取には感謝できません。

友人を失うことや、裏切り、死別にも感謝できません。

私は、すべてに感謝できるとは言いません。でも、すべての瞬間に機会があることに感謝できるのです。

たとえ、とても困難な状況に直面することになっても。その難局に立ち向かい、与えられたその機会に応えることはできます。

思ったほど悪くないものですよ。

実際に見て体験すれば、たいていの場合、与えられた機会を楽しめると思います。

機会を逃してしまう理由

その機会を逃してしまうのは、生き急いでいるからです。立ち止まらないから、その機会に気づきません。

ときには、難しい局面に向かわねばなりません。それは機会に立ち向かうチャレンジの時です。

痛みを伴うこともあるけれど、立ち向かえば学びがあります。

たとえば、忍耐を学ぶことができます。

平和への道は、短距離走ではなくマラソンだと言われてます。

忍耐力が必要なのです。難しいことですが。

それは、自分の意見や信念のために立ち向かうことかもしれません。

学ぶ、苦しむ、立ち上がる。そうした機会が与えられるのです。

機会を生かすには?

とは言え、機会は機会にすぎません。 私たちが称賛するのはその機会を生かす人です。

彼らは機会を生かして人生を意味のあるものにしています。

失敗しても、次の機会があります。

いつも、次のチャンスがあります。

これが、人生がとても豊かなところです。

では、どうしたらこのすばらしさを活用できるのか?

1度ではなく、瞬間、瞬間を感謝して暮らすことができるのか?

ごくシンプルなことをすればいいのです。

子供のときに教えてもらった簡単なことです。

通りを渡るときに言われたでしょう。

止まって、見て、進む、と。(Stop. Look. Go.)

これだけです。

立ち止まろう

でも、私たちは、めったに立ち止まりません。

人生を駆け抜けて止まらない。そのため、機会を逃します。

立ち止まらなくてはなりません。静かにしなければ。

人生に、「止まれ」という標識を立てるべきでしょう。

数年前、私はアフリカに滞在し、戻ってきてから、水のありがたみに気づきました。

アフリカで私のいたところには、飲める水がなかったから。

戻ってきて、蛇口をひねるたびに、胸がいっぱいになりました。

電気をつけるたびに、ありがたく、幸せを感じました。

でも、こうした感覚は薄れてしまいます。

そこで、電気のスイッチと蛇口に、小さなシールを貼りました。

電気をつけるたびに、そして、蛇口をひねるたびに、思い出したいと思ったから。

立ち止まる方法は自由です。

自分に合う方法を見つけてください。でも、「止まれ」という標識は必要ですよ。

ちゃんと見よう

止まったら、次にするのは見ること。

目を見開いてよく見てください。

耳もすまし、嗅覚もとぎすましましょう。

すべての感覚を開いて私たちに与えられた、すばらしい豊かさを感じましょう。

人生とは、与えられたものを楽しむことです。

すると心を開くことができます。

与えられた機会に心を開きます。

他人を助け、幸せにする機会に。

皆が幸せであることほど、私たちを幸せにするものはありません。

行動する

機会に対して、心を開けば、何かをすることができます。これが3つ目です。

止まる、見る、進む。つまり、行動するのです。

私たちにできることは、人生が、今この瞬間に与えてくれるものです。

たいてい、それは楽しむための機会ですが、苦しいときもあります。

それがなんであれ、機会をつかめば、生かすことができます。

人間には創造力がありますから。

止まる、見る、進むというちょっとしたことが、世界に革命をもたらすほどの威力を発揮します。

私たちは、今、意識改革の真っ最中です。

感謝という言葉を、とてもよく聞きます。

飛行機やレストラン、カフェやワインの名前になっています。

トイレットペーパーにも、「感謝」というブランドがあります。

感謝の意識が高まっています。私たちは、感謝することがいかに大切で、それがどんなふうに世界を変えるのか、気づきつつあるのです。

感謝の気持ちは世界を変える

感謝の気持ちは、世界を変える可能性があります。とても、重要な形で。

感謝しているときは、恐れていませんからね。恐れていなければ、暴力的にはなりません。

感謝しているときは、「充分ある」という気持ちから行動できます。「足りない」という気持ちではなく。

率先して、分かち合うことができます。

感謝しているなら、人々の違いを楽しむことができるでしょう。すべての人を尊重できます。この行動が、世の中の力関係のピラミッドを変えます。

平等になるわけではありません。ですが、同じように尊重できます。それが、重要です。

世界の未来はネットワークです。ピラミッドでも、ピラミッドを逆さまにすることでもありません。

私のお話ししている革命は、非暴力的な革命です。あまりに革命的なので、革命のコンセプトを大きく変えてしまいます。

ふつうの革命は、力関係のピラミッドが逆転するだけです。一番下にいた人が、一番上に行き、前の人と同じことをします。

必要なのは、小さなグループのネットワークです。それはとても小さなグループです。

お互いを知っていて、交流する。それこそが感謝の世界です。

広がりつつある感謝のネットワーク

感謝する人々は、喜びあふれる人々です。喜んでいる人が増えれば増えるほど、世界は喜びにあふれます。

私たちは、感謝する生き方のネットワークを運営していますが、このネットワークはどんどん大きくなっています。

どうしてここまで広がったのか、わかりませんでした。

私たちは、何かに感謝の気持ちをもったらキャンドルを灯すよう皆に呼びかけました。

すると、10年で、1500万本のキャンドルが灯されました。

人々は気づきつつあるのです。感謝する世界は幸せな世界だということに。

「止まる、見る、進む」を行うだけで、私たちはこの世界を幸せな場所にできるチャンスを得るのです。

これが私の望みです。

私の話が皆さんに、同じことをしてみたいと思うきっかけになったのなら、「止まる、進む、見る」をやってみてください。

//// 抄訳ここまで ////

幸せに関するほかのプレゼン

幸せはすぐそこにある:自然と美と感謝と~ルイ・シュワルツバーグに学ぶ(TED)

毎日幸せになる方法、それが世界を変えていく(TED)

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幸せになる秘訣は目の前のことに集中すること(TED)

ほかにもたくさんあります。

その瞬間を生かす

私たちは、瞬間、瞬間にチャンスを与えてもらっている。

このチャンスに感謝して、生かすことが幸せの鍵だ、という内容のプレゼンをお届けしました。

私たちを幸せにしてくれるのは物質的なものではないのです。

すごくたくさん物を持っているのに、余っている物、使っていない物を捨てることができない、次から次へと新しい物が欲しくなる、使っていない物をどんどんためこんでしまう。

こんな状況になってしまうのは、あまりにも、物に意識を向けすぎているからだと思います。

物があれば幸せになれると思い込んでいるのです。

まあ、物にいろいろな思い入れをもってしまうのは、わかります。

家の中が物だらけなのは、それだけ大事な物がいっぱいあるからでしょう。

しかし、どんなに思い入れがあったとしても、物は物でしかありません。

この瞬間という時間のほうが大事ですよね?

感謝する気持ちをもち、足りないマインドから抜け出せば、物偏重のライフスタイルから抜け出すことができます。

物はそんなになくても、充分豊かなことがわかるでしょう。

*****

時間や命って、確かにただでもらったものですよね。

ただでもらったから、あまりありがたみがないのかもしれません。

あって当然、という気持ちになるのでしょう。

しかし、ただでもらったとはいえ、とても貴重なものです。

ネットの無料サービスは、突然終了することがありますが、ただでもらった命も、突然なくなる可能性がありますので、いま、この一瞬を大事にするべきです。





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