カビ

健康・アンチエイジング

最終更新日: 2017.09.13

カビはなぜ生える?対策する前に知りたいカビの基礎知識

ページに広告が含まれる場合があります。

 

6月になり、湿度が増してくるとカビに悩む人が増えます。カビは見た目もかなりいやですが、健康によくないですし、場合によっては、重い病気を引き起こします。

今回は、カビを防止するために、カビに関する基礎的な知識をまとめました。



そもそもカビとは?

カビを知らない人はいないと思います。

みかんに生えた緑色のカビを見たことがない人はいないでしょう。

カビは、自然の中にいる菌類です。

昔は「カビは植物」と習いました。まあ、動物ではありません。今は、植物には分類しないようです。

カビは、一般の植物とは違って、花も葉緑素も持ちません。ふつうの植物は太陽からエネルギーを得ていますが、カビは他のものに寄生したり、腐生したり、共生して生きながらえています。

腐生とは、死んだものから栄養をとって生きること。共生はともに生きることです。

カビは菌の中でも、きのこと同じ真菌(しんきん)というカテゴリーに入ります。

菌糸(きんし)と呼ばれる糸のようなからだをしていますが、ほかの菌類と同じで、ものすごく小さいので目に見えません。カビの細胞は胞子(ほうし)と呼ばれます。

カビがほかのカビとくっついて大量に繁殖すると、みかんのカビみたいに、人の目で持てわかるようになります。

カビの種類は7万ぐらいあるそうです。カビはカラフルですが、それぞれ胞子に色があるからです。

カビが繁殖する3つの条件

カビは空中にただよっていますが、以下の3つの生育条件が揃ったところがあれば、仲間が集まって繁殖します。

1.湿度が高いところ

カビが繁殖するためには、湿気が必要です。じめじめした場所ですね。

床上浸水した部屋とか、水漏れしているパイプ、結露のつく窓のあたりに集まって暮らしています。

ドライで風通しのよいところでは、繁殖しません。

ほかの2つの条件が揃っているお風呂場では、ほぼ通年でカビが繁殖しています。

梅雨時は湿度があがるので、ふだんはあまりカビが集まっていない、押入れやクローゼット、下駄箱、その他ガラクタを詰め込んでいる場所でカビの活動が活発になります。

そこで、梅雨が来る前に服を断捨離することをおすすめしています⇒梅雨時に入るまえに片付けを。汚部屋解消に役立つ5つのシンプルな習慣。

余談ですが、ほこりを減らす記事でも書きましたが、汚部屋は心身ともに実によくない環境です。

ガラクタが多いと、ストレスが増大するし、ほこりも増えるし、カビも繁殖。さらに部屋に出ている物にけつまずく危険性もアップします。

暮らしの質をあげたい人は、早急に汚部屋解消に乗り出すことを強くおすすめします。

ほこりを減らす方法⇒部屋のほこりを簡単に減らす9つの方法。まずほこりの元を断て。

2.養分(栄養源)があるところ

カビは有機物(動物と植物)をエサとしています。つまり、タンパク質、炭水化物、油脂などです。

金属やプラスチックなど、生き物でないものにカビが生えることがありますが、それは人の体から出た油脂など(汚れとも言う)が、そのような無機質に付着しているからです。有機的な汚れをカビはエサにしています。

布団、ベッド、布製のソファ、カーテンなどにも生えています。ファブリックについたカビは取りにくいです。

古いタオルに黒い点々がつきますが、あれはカビです。これはまず取れないので、私ならば早々に、断捨離します。





3.温度が高いところ

カビは摂氏20度~30度を好んでいます。カビの生育に最適な温度は、25度~28度です。しかし、0度から40度のあいだならカビは生きていられます。

温度が低くても死ぬわけではないので、冷蔵庫でも他の条件が揃っていれば、ほそぼそと活動しています。

温度が低いところでは、大人しくしていますが、温かいものが入ってきたりすると、その上で繁殖するかもしれません。

人間が生活している場所で、温度と湿度の条件が揃えば、どんな場所でも、カビは繁殖すると考えてさしつかえありません。ごみやほこりも、カビのエサになります。しつこいですが、カビが嫌なら、汚部屋脱却をはかってください。

特にカビが繁殖しやすい3つの場所

特にカビが好んで繁殖する場所は以下の3つです。

土の表面

観葉植物を置いている土の上に、白い綿のようなものができることがあります。これがカビです。

私がこのカビの存在に気づいたのは、カナダに来てからです。冬が終わって雪がとけ、地面が見えてくると、山、森など樹木が多いエリアに白いカビが大量発生します。

最初はたんぽぽの綿毛なのかと思っていましたが、よく見ると違います。

栄養源は草木の葉っぱです。

私の住んでいるところでは、秋、しっかり庭の落ち葉かきをしておかないと、雪がとけたあと、葉っぱを栄養源にして、カビが大量発生します。このカビのせいで、花粉症のような症状になる人がいます。

食べ物の表面

身近なところでは、パン、お餅、みかんなどに生える青カビ。チーズにも生えてます。栄養源はカビがくっついている食べ物そのものです。

建物の壁

お風呂場に生える黒カビなど。バスルームに繁殖するカビの栄養源は、人間の体から出る皮脂や垢です。

カビのメリット、人の生活に役立っている部分

カビは人間にとって、全く迷惑な存在か、というとそういうわけではありません。最低でも2つの点で、文明に恩恵を与えています。

ペニシリンの原料

細菌学者のフレミング(1881-1955)がカビから、抗生物質であるペニシリンを発見したのは有名です。

実はこれは偶然なんです。

1928年、フレミングは細菌を殺すにはどうしたらいいのか、研究していました。そこでバクテリアを培養していたのですが、彼はあまりきれい好きではなかったらしく、散らかった実験室を片付けずに、休暇に出てしまいました。

実験に使ったシャーレをきっちり殺菌しなかったし、おまけに窓を開けてお出かけしてしまったそうです。

休暇から戻ったフレミングは、シャーレに青カビがいっぱい付いているのを発見しました。

「やれやれ」とフレミングがシャーレを洗う前に、あることに気づきました。なぜかカビのそばには、バクテリアが繁殖していなかったのです。

「これはいったい?」

研究者の勘でしょうか?その日から彼はカビの研究に入りました。抗生物質のペニシリンはこれがきっかけで、生まれたのです。

食品を作ったり、味を向上させる

コウジカビは、お酒、味噌、醤油、鰹節などを作るのに使われています。

青カビは、チーズに、酵母というカビは、パン、ビール、ワインなどを作るのに使われていますね。カビは食品を塾生させ、おいしくしてくれます。

味噌も醤油も日本人の生活にとってなくてはならないものですから、カビには大変お世話になっているのです。

また、自然界においては、カビは、落ち葉や、倒れた木などを分解し豊かな土壌を作る役割を担っています。

カビのデメリット、人にとって害になる部分

カビの種類によっては、人の健康に害があります。

アレルギー反応をおこす

人によっては、くしゃみ、咳、鼻づまりなど鼻炎や花粉症のような症状、喉の痛み、肌のかゆみ、かぶれなどの症状が出ます。

感染症を引き起こす

ほかの菌類である、ウイルス、細菌と同じで、カビは感染症を引き起こします。たとえば、水虫、カンジタ、アスペルギルス症、カビ肺炎(夏型過敏性肺炎)。

アスペルギルスはコウジカビの学名です。このカビの胞子を吸ったところで、通常ならば病気にはなりません。

しかし、免疫が落ちていたりして、肺にこのカビが住み着き繁殖すると、咳、たん、呼吸困難、喀血など、一般の呼吸器系の病気と同じような症状が出ます。

また、夏型過敏性肺炎と呼ばれる、夏風邪のような病気もカビが原因です。

カビは暗いところが好きですが、肺の中は暗いし、温かいし、湿気もあるし、人の細胞もあってエサもあるので、カビにとっては生育条件のいい場所です。

すべてのカビが、病気を引き起こすわけではありませんが、毒性の強いものは人の命を奪ってしまうこともあります。

とはいえ、これまで人間はずっとカビと共存してきたので、そんなに簡単には病気になりません。ただ、体調は悪くなりうるので、ふだんから免疫が落ちないようにしつつ、よけいなカビが発生しないようにし、また繁殖したら、取り去る努力をすべきです。

次回は、カビ対策を提案します。





机机の上からすぐに断捨離できる11のもの(プチ断捨離10)前のページ

あなたがその服を着ないワケ。着ない理由がわかれば断捨離できる。次のページcloset

ピックアップ記事

  1. いつか使うかもしれない、と思うものを本当に使う方法、あるいは見切りをつける方法。…
  2. ムック本・第2弾『8割捨てれば、お金が貯まる』発売のお知らせ:11月15日です。…
  3. ムック・8割捨てて二度と散らからない部屋を手に入れる、発売しました。
  4. 新刊『本当に心地いい部屋』4月14日発売のお知らせ:現在予約受付中。
  5. 筆子の新刊『書いて、捨てる! 』3月11日発売。著者による内容紹介。

関連記事

  1. シード

    健康・アンチエイジング

    チア、それともヘンプ?健康にいい6つのシード(たね類)とその効用

    特にからだにいいシード(たね)6つと、どんなメリットがあるのか、かいつ…

  2. 卵かけご飯

    健康・アンチエイジング

    西式甲田療法で健康とダイエットのために朝食を抜くはずが夕食を抜く日々

    昨年の秋ぐらいから、朝ごはんを食べない、西式甲田療法という健康法をやり…

  3. 夏の少女

    ファッションをミニマルに

    紫外線対策入門~SPF、PA、UPFの違いを徹底解説。

    効果的な紫外線対策をするために知っておいたほうがいいSPF、PA、UP…

  4. トウモロコシ畑

    健康・アンチエイジング

    遺伝子組み換え食品(GMO)の何が問題なのか?

    食と安全シリーズ。今回は遺伝子組み換え食品です。遺伝子組み換え食品は以…

  5. 暑い夏

    健康・アンチエイジング

    夏を元気で健康に過ごすための、シンプルな4つの生活習慣

    日本の夏は高温多湿で大変過ごしにくいです。しかも最近は熱中症で倒れる人…

  6. コーヒーを飲む女性

    健康・アンチエイジング

    コーヒー中毒になっていませんか?カフェインの依存性をわかりやすく解説

    日本は世界でも有数のコーヒー消費国です。忙しくて、ストレスがいっぱいの…

新刊「50歳からのミニマリスト宣言!」

ムック:8割り捨てて二度と散らからない

ムック・8割捨てればお金が貯まる

書店かセブンイレブンで買ってね。

 

8割捨てればお金が貯まる・バナー

ムック本・8割捨てればお金が貯まる、発売のお知らせ

「本当に心地いい部屋」

「買わない暮らし。」売れてます(第7刷)

筆子のムック(第5刷)

筆子の本、『書いて、捨てる!』

更新をメールで受け取る

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,822人の購読者に加わりましょう

新しく書いた記事を読む

  1. のんびりしている女性
  2. 考え事をしている女性
  3. 思い出品を捨てられない女性
  4. 顔にクリームを塗る女性
  5. 収納しすぎてかえって片付かなくて困っている女性
  6. 自分を許す女性
  7. Tシャツにジーンズ姿の女性。
  8. 買い物日記をつけている人
  9. 贈り物をいっぱいもらって困っている女性
  10. 服を買っている女性

筆子の本・10刷決定です

オーディオブック(Audible版)も出ました♪ 捨てられない人は要チェック

 

1週間で8割捨てる技術
 
⇒筆子の本が出ます!「1週間で8割捨てる技術」本日より予約開始

 

実物の写真つき紹介はこちら⇒「1週間で8割捨てる技術」筆子著、本日発売です(写真あり)

大好評・特集記事

小舟バナー

 

お金を貯める・バナー

 

実家の片付けバナー

 

ファッションバナー

 

フライレディバナー

 

湯シャンバナー

 

ブックレビューバナー

 

TEDバナー

 

歯の治療バナー

今日のおすすめ記事

  1. 花輪
  2. 古い服を箱に入れている女性
  3. 海岸にて
  4. 掃除している女性
  5. あじさい
  6. 公園にいる女性。
  7. 埠頭に座る女性
  8. 雑巾がけ
  9. 悲しい時
  10. ハンドメイド

過去記事、たくさんあります♪

PAGE TOP