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ファッションに関する相談メールをいただきました。
この記事で回答しますね。
年齢とともに、若いころ好きだった服が似合わなくなって、着たい服を着るのがためらわれる、という悩みです。
まずメールをシェアします。ちょっと長いのですが、全文のせます。私の方で小見出しを入れました。
送り主はクロペンギンさんです。
年齢を重ね、おしゃれについて悩んでいます
件名:お洒落とセンスとネット社会
クロペンギンと申します。いつもブログを楽しく読んでいます。
筆子さんの、簡潔で論理的な文章が、とても自分には合ってると思います。
最近、お洒落について悩んでいるので、長いですが読んでいただけると嬉しいです。
ガーリーな服が似合わなくなってきた
私は40代の子持ち既婚者です。外見は、年齢相応だと思います。
お洒落の好みが、フリルやレースのついた、いわゆるガーリーな物が好きです。
ロリィタ、と呼ばれるほどフリフリではないですが、やはり年齢を重ねるにつれ、可愛い服が似合わなくなってきました。
可愛い服は、元々の容姿に左右されると思うので、可愛い顔や綺麗な顔だと、とても似合うと思います。
私の顔は平凡だと思いますが、普通にお化粧をすれば、それなりに似合っていると若い頃は思っていました。
しかし歳を重ねるにつれて、可愛い服が似合わなくなってきたように思います。
可愛い服が好きだけど、似合わないと思ってしまい、自信を持って着こなせません。
自分が好きで、着たいと思っても、「似合っていない」と思うならあきらめた方が良いのでしょうか?
かわいい服は目立つから着づらい
もう一つ、より深刻なのが、「好きだし似合ってる」と思っていても、可愛い服が周囲より目立つため、好きな服を着づらいというのがあります。
お洒落:身なりを装う事
センス:(美的)感覚や感性
だと思っています。
自分が好きなお洒落をしていれば、センスが悪いと思われても全く構わないのですが、悪目立ちというか、自分が似合ってると思っても「おばさんなのに、あんな可愛い服着てる」と思われるかと思うと、好きな服を着るのをためらってしまいます。
別に、少しジロジロ見られたり、内心でどう思っても、面と向かって悪口云われなければ平気なのですが、近年ではTwitterなどのSNSが怖いです。
ロリィタ服ほど派手ではないですが、一般的には年齢にそぐわない服を着ているとは思います。
知らないうちに撮影され、画像を「オバサンがフリフリ」等のタイトルでアップされたら、怖いと思ってしまいます。
考えすぎでしょうか?
でも日本では今、Twitterによる浅慮な使い方が問題になっています。
少しでも目立つと、自分が標的になる可能性はあると思っています。
日本人は無難な格好しかしなくなった
以前(15~20年位前)は、もっとロリィタや個性的なファッションが流行っていたと思います。
オタクと言われても、ゴシック、サイバー、パンク等派手な服で都心を歩く若者が沢山いました。
オバサンでも、ローラアシュレイやコシノヒロコといった、フェミニンで特徴的な服を着ている方が多かったと思います。
いつからか、皆ユニクロやしまむらといった、ファストファッションで、無難な格好になってきたように思います。
Twitterによる国民総監視カメラ状態によるものか、ファストファッションの台頭によるものか分かりませんが、日本のファッション状況に、とても息苦しさを感じています。
他人はそこまで見ていないから、自分の好きな服を着れば良い、と思いこれまで過ごしてきました。
しかし、自分の好きなブランド服の画像が、Twitterやネットで叩かれるのを見ると同じ服を着るのが怖くなってきます。
私の考えすぎなのかとも思います。Twitterやネットを見なければ良いとも思います。
Twitterで画像や悪口が拡散されるのが怖い
しかし、かげで自分の画像や悪口が拡散される可能性と、自分の好きなお洒落をする楽しさと、どちらが自分にとって重要なのか分からなくなってきました。
自分の好きな服を、自分が似合ってると思って堂々と着るなら、私は(TPOを考えれば)好きな格好をして良いと思います。
女装でも、男装でも、個人が好きな格好で外出して良いと思います。(公序良俗に反しない限り)
しかし、そう思わず少しでも悪目立ちをすると、ネットで袋叩きにされる現状が、とても怖いです。
長々とすみません。読んで頂ければ嬉しいです。ありがとうございました。
クロペンギンさん、はじめまして。
メール、ありがとうございます。ブログを愛読してくださり、うれしいです。
好きな服を着ればよい
ガーリーな服がお好きなのですね。好きな服を着ればいいと、私は思います。
似合わないから抵抗がある、と思うなら、そこまで抵抗のないガーリーな服を着ればいいでしょう。
>自分が好きで、着たいと思っても、「似合っていない」と思うならあきらめた方が良いのでしょうか?
私なら着たいと思う服を着ます。
雑誌などには、「『着たい服』と『似合う服』は違う、こういう人には、こんな服が似合うから、こちらをおすすめ」なんて書いてあるかもしれません。
「40代は、こういう服を着るべき」という企画もあるでしょう。
ですが、こういう発信の半分ぐらいは、メーカーの都合から来ているんじゃないでしょうか?
共通の属性を持っている人をグループに分け、それぞれのグループに向けて、商品を販売しようとしているのです(これを、セグメントマーケティングといいます)。
もう、みんな服はたくさん持っているから、年齢別に好ましい服を提示したり、
顔の形、肌の色、体型などによって、ふさわしい服を紹介し、さらに買ってもらおうとしている、と私は考えています。
そもそも、似合っているかどうかなんて、主観的な判断にすぎません。
自分が似合っていると思えば似合っています。
他人は別のことを言うかもしれませんが、たとえ、誰かが「全然似合ってないよ」と言っても、それは、そう解釈する、その人自身の問題です。
自分の着たい服と、何億人という他人が、自分に着てほしいと思っている服(そんなものがあるとも思いませんが)とどっちが大事かって話です。
クロペンギンさん、他人の趣味嗜好を最優先事項にして、おしゃれしてるわけじゃないですよね?
自信がなくなったら、こちらのTEDのプレゼンを見てください⇒不安な心(ヴァルネラビリティ)に秘められたパワー:ブレネー・ブラウン(TED)
好きな服を着たほうがいい話⇒30代とか40代とか関係なし。自分が本当に好きな服を着るすすめ。
好みのブランドの服がSNSで叩かれることについて
クロペンギンさんの好きなブランドの服がネットで叩かれている、ということですが、そんなの別に驚くことではありません。
服の好みは人それぞれですから。
フリフリが好きな人もいれば、コンサバティブな服が好きな人もいます。
人により好みが違うため、自分の好きなブランドを嫌いだという思う人がいるのは当然のことです。
たまたま、今は、SNSがヘイトクライムを助長している背景があるから、心ない投稿が増えているだけです。
ヘイトクライムとは、人種、宗教、性的嗜好など、個人の特定の属性が気に入らないから、という憎悪から引き起こされる犯罪です。
クロペンギンさんの好きなブランドを叩いている人も、何らかの理由でそのブランドを憎んでいるのでしょう。
ですが、それは、さっきも書きましたが、その人自身の問題の発露です。
そういうことをしないと生きられない、大きな不安や不満をかかえているから、やっているにすぎません。
自分の好みじゃないからといって、いきなり憎むのは短絡的すぎますから。
一方、表現の自由もあるので、嫌いなブランドのことを嫌いだ、ということをむやみに規制すべきではないとも思います。もちろん、営業妨害や名誉毀損にあたるほど、ひどいことをしていたら別ですが。
なので、そういう投稿を見たときは、「ああ、嫌いな人もいるんだなあ。私は、かわいいと思うけど」とか「好みじゃないからといって、私は、こんな叩き方は絶対しないぞ」ぐらいに考えておけばいいでしょう。
自分の画像が拡散される恐怖について
クロペンギンさんは、SNSを恐れているそうですが、これまで実際にSNSで自分の画像を拡散されたり、ひどいことを言われて傷ついた経験があるのでしょうか?
どうしてそこまで恐怖を感じるのか、私にはよくわかりません。
私に言わせれば、完全に気にしすぎです。
確かに、犯罪の被害者、加害者、有名人は、写真や個人情報をネットで拡散されることがよくあります。
ですが、ごくふつうのおばさんが、ちょっと派手な服を着ていたからといって、そこまでニュース性があるでしょうか?
日本にお住まいの方は、皆、そんなに暇なんですか?
それに、仮に拡散されたからといって、自分にどんな影響がありますか?
イメージが大事な商売をしている芸能人なら、イメージダウンして、CMをおろされたり、ドラマの役がまわってこなくなったりするかもしれません。
ですが、クロペンギンさんの写真が、いろいろな人のTwitterのタイムラインにのったからといって、何か困ること、クロペンギンさんに起きますか?
確かに、愉快な体験ではないでしょう。けれども、気にしなければ、それはなかったことと同じですよ。
「Twitterによる国民総監視カメラ」は、クロペンギンさんが頭の中で作り上げているカメラです。
私の頭の中にはそんなカメラはありません。
Twitterの利用者のほとんどは、楽しむためにこのツールを使っています。
「つねに他人を監視し、自分とちょっとでも違う人を見つけたら、写真をとって皆にさらし、悪口を言って、おとしめて、さげすんで、憂さ晴らしをしたい。
拡散して、相手を不幸のどん底に突き落としたい。そのために私は、Twitterを利用しているのだ」、
なんて思っている人はそんなにいないと思います。
ネガティブなほうにばかり意識を向けない
最後にクロペンギンさんにおすすめしたいことをいくつか書いておきます。
クロペンギンさんだけでなく、ネガティブな悩み相談メールを書いてくる方、全員におすすめしたいことです。
1.悪い方にばかり考えない
何かに悩んでいる人は、視野がとても狭くなり、悪いことにしか意識が向いていません。
実は、この世界には、美しいこと、楽しいこと、おもしろいこと、味わい深いこと、こころがあたたかくなることなど、いいこともたくさんあるのです。
しかし、視野が狭くなっていると、そういうものの存在をシャットアウトしてしまいます。しかも、自分でそうしていることに気づいていません。
参考記事⇒ポジティブ思考は学習できる。前向きになる4つのポイント教えます。
2.ポジティブな人たちとつきあう
できるだけ前向きな人、人生を楽しんでいることが多い人、ほがらかな人、真摯に生きている人、正直な人、誠実な人たちと時間を過ごしてください。
不満、ぐち、人の悪口、うわさ話、将来にたいする悲観的な予測ばかりをしている人たちとは距離を置きます。
3.感謝日記を書く
毎日、感謝できることを3つぐらい書いてください。
4.楽しいと思うことをする
楽しいと思えることを見つけて、やってください。
なんでもいいです。
参考記事⇒嫌な気分や落ち込みを2分で解消できる7つの簡単な方法
5.セルフエスティームをあげる
自分のいいところを見つけて、「私って、こういうところ、いいよね」「私ってすごいなあ」と自分で自分をほめてください。
他人の承認を追い求めるのではなく、自分で自分を認めます。
参考記事⇒セルフエスティームを高めて自信を取り戻す10の方法
6.人に親切にする
悩んでいる人は、自分のことにばかり意識が向いています。この状態をこわすために、他人のために何かできることはないか考えて、実際にその何かをしてください。
参考記事⇒成功すると幸せになるのではなく、幸せだから成功する~ショーン・エイカー(TED)
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今回は、おしゃれに関する質問に答えました。
クロペンギンさん、できたら、少しSNSから距離を置いてください。
SNSの世界にどっぷり入りこんでいるから、「Twitterによる国民総監視カメラ」なんて考えてしまうんじゃないでしょうか?
インターネットをやっていない人もいますし(私の母とか)、Twitterをやっていない人もいます。
私も、実質、SNSをやっていないせいか、毎日平和ですよ。