鏡を見ている女性

TEDの動画

職場に自分をまるごと持ち込もう(TED)

職場などで、本当の自分を出せずにストレスをためている人におすすめのTEDトークを紹介します。

タイトルは、Why You Should Bring Your Whole Self To Work  なぜ、職場に自分自身をすべてを持ち込むべきなのか?

コンサルタントの Dan Clay (ダン・クレー)さんです。彼は、ゲイで、ドラッグクイーンのように女装して楽しむのが好きですが、職場では、このもう1つの顔を見せないようにしていました。

邦題は、「職場に丸ごとの自分を持ち込むべき理由」です。



自分のすべて:TEDの説明

Dan Clay was worried about being dismissed as “too gay” at work, so he dialed down his personality. But then his alter ego, Carrie Dragshaw, went viral online. Here’s what happened next.

彼は職場で、「ゲイすぎる」と、解雇されることを恐れて、自分のキャラクターを隠していました。でも、彼のオルターエゴである、キャリー・ドラッグショーが、インターネットで拡散されたのです。そのあと起きたことがこれです。

収録は2019年、長さは4分37秒。日本語字幕あり。動画のあとに抄訳を書きます。

☆トランスクリプトはこちら⇒Dan Clay: Why you should bring your whole self to work | TED Talk

☆TEDの記事の説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

The Way We Work(私たちの働き方)というシリーズの1本で、ステージでしゃべっているのではなく、カメラに向かって話しています。

短いし、日本語字幕もあるので、いつもTEDの動画を見ない人にもおすすめです。





リーダーらしく振る舞っていた

私の名前はダンです。グローバルなクリエイティブ・コンサルティング会社のパートナーです。

でも私にはもう1つの顔があります。インスタグラムで私が作り上げた、キャリー・ドラッグショーという顔です。

自分の二重生活について、こう考えずにはいられませんでした。

自分の本当の姿が、慣習的なものから少しはずれているとき、オフィスで、どこまでそれを見せるべきか? 人によっては、自分を見せるわけにはいかないんじゃないかな、と。

キャリアの最初の10年間、リーダーになる方法は1つしかないと思っていました。

断固としていて真剣であること。でも、それは私ではありません。

だから、職場ではその役割にふさわしい自分でいました。低い声で話し、手の動きも抑えていました。

私はすぐ興奮するたちですが、それを見せませんでした。

頭の中で小さな声がささやいていたんです。「おまえはゲイすぎる。女っぽすぎるし、チャラチャラしすぎている」。

「きみがゲイであることは、皆、知っている。それはすばらしいことだよ。でも、それをことさら強調することもないよ」と善意から助言してくれる人もいました。

もう1つの顔がネットで拡散された

これは2016年のハロウインで、チュチュを着た私です。好きなテレビ番組の登場自分である、キャリー・ブラッドショーに扮しました。友達に受けるんじゃないかと思って。

でも、すごいことになったんです。私の投稿が拡散されて、びっくりするようなメッセージをいくつももらいました。

私の姿を見て、いかにうれしいか、自分自身でいてもいいと、どれだけ元気づけられたかという内容です。

それで思ったんです。今こそ、頭の中でささやいている声をだまらせて、自分自身になる時ではないかと。

その後、事態はもっと大きくなりました。

キャリー・ドラッグショーの写真があちこちにのりました。ニューヨーク・ポストやUSウィークリーまで。

職場の皆の反応が心配になった

それで、怖くなりました。上司はどう思うだろう? 同僚はこれからも、私のことをリーダーとして尊敬してくれるだろうか? クライアントはどう思うだろう?

新しい仕事を見つけなければならないと思いました。

でも、テキストメッセージをもらったんです。すごく短いメッセージです。

Wow, Cosmo!(わー、コスモポリタンに載ってる!)という言葉と、その記事へのリンクがついていました。

その時私は、頭の中にある小さな、恐れている声は無視して、この新しい世界を楽しもうと決めました。

時には、たったひとりの力が、人の気分を楽にしてくれるきっかけになります。

その後、同僚の態度も変わりました。前よりオープンになって、私に気軽に接するようになったんです。

私の別の面を知って、彼らは、「もっと自分自分でいてもいいんだ」という許可を得たかのようでした。

こんなふうにオープンに、不安になると、チームのパフォーマンスが損なわれるかもしれないと思いましたが、結果は全く逆でした。

自分をまるごと持ち込もう

2年たちました。自分のもう1つの顔が、こんなふうに歓迎されることも、キャリアを助けることも、全く想像していませんでした。

確かに、私はラッキーでした。ニューヨーク市で仕事をしているし、職場では創造性が大事にされています。しかも、もう1つの顔が公になったとき、すでに私はキャリアをしっかり築いていました。

そういう人もいれば、そうではない人もいます。

でも、このできごとが、職場に自分をまるごと持ち込むことがすごく重要なんだと教えてくれたんです。

成功するために必要なことに対する私の誤解を見事にゆさぶってくれました。

リーダーになるルートは1つではありません。それは、自分の強みを見つけて、強化していくことです。

以前は、難しいミーティングのときは、完璧なリーダーのマスクをつけていました。

今は、「まあ、イライラしちゃうわね」と言ってます。

皆、課題や困難なことについてフランクに話し合うことができています。手遅れになるまで、大丈夫な振りをするのではなく。

自分のアイデンティティを隠すのは大変です。自分が自分じゃない人間だといいのに、と思いながら、他人のふりをすることに無駄に使うエネルギーについて考えてください。

興味深いのは、大きなリサーチで、他人のふりをしている人の93%が、職場では、インクルージョンに価値が置かれていると答えていることです。

職場も、皆の心の中の声も、違いを受け入れるには時間がかかりそうです。

順応する(adapting)ことと、偽ること(disguising)には大きな違いがあります。この点に気づくまで、私はずいぶん時間がかかりました。

今は、上司が私にしてくれたように、誰かの力になりたいと思っています。

地の自分を見せても大丈夫なんだよと伝えたい。

あなたがゲイでも、自分の民族を誇りに思っていても、障害を持っていても、すごく宗教心が強くても、職場で、100%の自分でいたら、どんなふうになるか見てください。

よい意味で、驚くと思いますよ。

////抄訳ここまで////

単語の意味など

off-limits  ~に適さない

beat … over the head with  ~のことで…をいじめる

inclusion  インクルージョン 多様な人々や価値観を受け入れ、その個性を活かすこと(特に企業活動において)。

long way to go まだまだ遠い

自分自身でいる・関連動画

不安な心(ヴァルネラビリティ)に秘められたパワー:ブレネー・ブラウン(TED)

自分にとって毒になる家族関係にどう対処するか?(TED )

自分をブスだと思うことがなぜ悪いのか? ありのままの自分を認めるために(TED)

異論を言うことを恐れない~心地悪いことを心地よいと思いなさい(TED)

女の子に勇気を持つことを教えよう。完璧であることではなく(TED)

情熱的に生きる方法、年齢は関係ありません(TED)

内向的な人が秘めている力(TED)

地を出す

職場と家では、どんな人も、顔(見せている自分)が変わるものですが、他人に見せている自分と本当の自分の間にギャップがありすぎると、ものすごくストレスがたまります。

ストレスがたまると、心身ともによくありませんが、シンプルライフの観点から見ると、無駄に物が増えます。

本当の自分でいられない不満や、他人のふりをして、ずっとがまんしている不満を解消するために、人は買い物をすることが多いと私は考えています。

自分の人生をフルに生きることができないから、とりあえず、かっこい車や最新のガジェット、素敵な服を買って、自分をなぐさめているということはないでしょうか?

地の自分を出せないのは、職場だけではありません。義理の家族と一緒にいるとき、自分自身でいないことを選んでいる人もいます。

実の親や、毎日共に生活をしている配偶者やパートナーにも、自分を偽ることがあるかもしれません。

ずっと自分を偽ってきた人は、それが普通になっているから、気づかないかもしれませんが、嘘をつくことは、ものすごくストレスになるます。

心の中にゴミをためない方法(後編)。正直は最善の策。

買い物が止まらない人や、人をいじめることが多い人は、そのままの自分を出さないよう、がまんしていることが多いかどうか考えてみてください。

できるところから、少しずつ自分を出していくと、不毛な代償行為が止まると思います。

クレーさんのように、もっと楽しい毎日になりますよ。





ガラクタを捨てるいらない物だらけだった夫の事務所を、1日30分使って1年間ひとりで片付けた話。前のページ

日々の買い物をもっと便利に快適に~この気持ちが無駄な物を増やすときがある。次のページブティックで買い物している女性

ピックアップ記事

  1. ムック・8割捨てて二度と散らからない部屋を手に入れる、発売しました。
  2. 筆子の新刊『書いて、捨てる! 』3月11日発売。著者による内容紹介。
  3. 新刊『本当に心地いい部屋』4月14日発売のお知らせ:現在予約受付中。
  4. いつか使うかもしれない、と思うものを本当に使う方法、あるいは見切りをつける方法。…
  5. ムック本・第2弾『8割捨てれば、お金が貯まる』発売のお知らせ:11月15日です。…

関連記事

  1. 高いバッグ

    TEDの動画

    中国の出稼ぎ労働者の考えていることを知って買い物グセを改める(TED)

    今週のTEDは、ジャーナリストのLeslie T. Chang(レスリ…

  2. 話し合い

    TEDの動画

    あえて異議を唱えることが問題解決につながる(TED)

    違う意見をもつことや、対立することの重要性を伝えるTEDの動画を紹介し…

  3. 舗道に立っている足

    TEDの動画

    ゴールに向かって進むヒント:TEDの記事のまとめ(14)

    1週間に1度書いているTEDトークを紹介する記事のまとめ、その14です…

  4. スケジュールを考える

    TEDの動画

    仕事の失敗でいちいち落ち込まない方法。親切で、優しい成功哲学(TED)

    ちょっと仕事に失敗しただけでどーんと落ち込む。ついつい自分と他人を比較…

  5. 何かを書いている人

    TEDの動画

    成功と失敗、そして創り続ける力:エリザベス・ギルバート(TED)

    失敗して落ち込んでいる人を勇気づけてくれるTEDトークを紹介します。…

  6. 発言している人

    TEDの動画

    説得力を増すための意外な方法(TED)

    人を説得するスキルを身につけたい人におすすめのTEDトークを紹介します…

新刊「50歳からのミニマリスト宣言!」

ムック:8割り捨てて二度と散らからない

ムック・8割捨てればお金が貯まる

書店かセブンイレブンで買ってね。

 

8割捨てればお金が貯まる・バナー

ムック本・8割捨てればお金が貯まる、発売のお知らせ

「本当に心地いい部屋」

「買わない暮らし。」売れてます(第7刷)

筆子のムック(第5刷)

筆子の本、『書いて、捨てる!』

更新をメールで受け取る

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,810人の購読者に加わりましょう

新しく書いた記事を読む

  1. 電子書籍を読む女性
  2. 1つ
  3. ガラクタの中にいる女性
  4. 通帳を見ている女性。
  5. 片付けている人
  6. 引っ越し荷物の梱包
  7. 服のチェックをしている人
  8. 車のハンドルを握る手
  9. 田舎を歩く女性

筆子の本・10刷決定です

オーディオブック(Audible版)も出ました♪ 捨てられない人は要チェック

 

1週間で8割捨てる技術
 
⇒筆子の本が出ます!「1週間で8割捨てる技術」本日より予約開始

 

実物の写真つき紹介はこちら⇒「1週間で8割捨てる技術」筆子著、本日発売です(写真あり)

大好評・特集記事

小舟バナー

 

お金を貯める・バナー

 

実家の片付けバナー

 

ファッションバナー

 

フライレディバナー

 

湯シャンバナー

 

ブックレビューバナー

 

TEDバナー

 

歯の治療バナー

今日のおすすめ記事

  1. ウエス
  2. サランラップ
  3. 絵葉書
  4. ノーと言う女性
  5. 歯
  6. おばあさん
  7. 床を拭いている人
  8. 皿
  9. 宿題している人
  10. スマートフォン

過去記事、たくさんあります♪

PAGE TOP