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部屋の中にいらない物がたくさんあると、暮らしにくいだけではすみません。心がむしばまれます。どんな悪影響があるのか4つに分けて説明しますね。
物がありすぎると、明らかに家事の手間が増えます。片付けや掃除が大変になるし、しょっちゅう探しものをするはめに。
ところが、物を所有しすぎることは、家事だけの問題にとどまりません。私たちの気持ちにも大きな影響があるのです。
端的に言って、物が多ければ多いほど人は不幸になります。
こんな経験、あなたもありませんか?
1.ストレスがたまる
物がいっぱいの部屋にいても、心が休まりません。これは、多くの人が知っていることですね。
恐ろしいのは、物がたくさんある部屋に住んでいると、そのごちゃごちゃに慣れてしまうこと。自分の心が疲れているのに気づくことができないのです。
きょう、私自身が、改めてそんな体験をしました。
1週間前に、うちのアパートの洗濯機がこわれました。たまたま今、反対側のアパートを改装しています。家のオーナーが、週末にその家にある洗濯機を使ってもいい、と言ったので、本日、洗濯しに行きました。
家はフォープレックスの地下です。
フォープレックスの説明はこちらの記事をどうぞ⇒その日から効果を実感、電話機を断捨離したら生活が3倍シンプルに
反対側の部屋は、間取りは我が家と同じ。改装中なので、ペンキや掃除機が出ているものの、家財道具が入っていないので、とてもひろびろとしていました。
窓から差し込む光もなんだかキラキラしています。
洗濯を終えて、自分の家に戻ってくると、そこら中に物がいっぱい。しかも、みんな「ガラクタの雰囲気」をどんよりと漂わせていたのです。
どちらが居心地いいか、と聞かれたら、断然、改装中のほうです。
物が少ないほうがいい、と思っている私なのに、家の中はいつのまにか雑然としており、それに気づいていませんでした。
人は、何もない空間に入って初めて、自分の部屋のごちゃごちゃに気づくのです。
ガラクタのせいで、心が疲れている人が、必ずしも汚部屋や散らかった部屋に住んでいるとは限りません。
押入れや、棚の中に物をきっちり収納していても、知らず知らずのうちにストレスを感じています。
2.集中できない
部屋にガラクタがいっぱいあると、脳がうまく情報を処理できません。視覚的刺激が多すぎて、今やるべきことに脳が集中できないのです。
要するに、気が散ります。
そもそも脳は、シングルタスクしかできません⇒マルチタスクが脳に負担をかけ仕事の効率を落とす理由。1つのことに集中しよう
よけいな物がないほうが、脳の機能はアップするのです。
目の前によけいな物が出ていると、それがきっかけになって、全然関係ないことを考え始めてしまいますよね。
仕事中や勉強中に気が散るのは、あきらかに困ったこと。気が散ると、失敗が多くなりよけいな仕事が増えます。
のんびりしている時や、何か楽しいことをやっている時も、気を散らせないほうが、いろいろと好都合です。
今やっていることに集中できないと、心ここにあらずで、何をやるにしても楽しむことができません。
人は今やっていることに集中している時が幸せなのです⇒幸せになる秘訣は目の前のことに集中すること(TED)
心がざわざわしてしまうのも、一度にいろいろなことを考えすぎて、集中できないからです。
子供机には、目の前のすぐ手に取れるところに、本や雑貨を並べられる仕様のものが多いですね。こういう机はかえって気が散るのではないでしょうか?すぐ手に取れる「便利さ」を優先すると、周囲の視覚的ノイズが増えてしまいます。
物が多いと集中できない理由はこちらに詳しく書いています⇒集中できないのはぐしゃぐしゃの部屋にいるから。ガラクタは脳にも悪影響を与えています
3.自由を奪われる
よく物を持ちすぎると、自分が物を所有しているはずが、物に所有されてしまう、と聞きます。
これはどういうことでしょうか?
まず、物理的に物のほうが、その家で大事にされてしまう、ということがありますね。自分や家族が暮らすために、家を建てたり、部屋を借りているのに、どちらかというと物が、その空間でいばっています。
人は、物と物のあいだのせまい空間に、かろうじて住まわせてもらっています。
そこは、基本的に、物のためのスペース(つまり倉庫)であり、空いた場所に、人間が間借りしている、という風情です。
ゆったり暮らすためには、家具を置く割合は床面積の3割ほどがいいそうです。
家具が取っているスペースはそのぐらいだったとしても、人は平気で、家具以外の何かよくわからない生活用品を床にたくさん置きます。物を家具の上にどんどん積み上げたり、あげくは天井からぶらさげたりも。
こんな状態では、人間らしい自由な生活はできないのです。
心理的にも、人は、物に自由を奪われてしまいます。たくさん物があると、それを失うのを恐れるからです。
多くの人は、明らかにいらない物なのに、もったいなくて捨てられません。いったん物を所有してしまうと、使っていようが、使っていまいが、手放したくないのです。
人が物を捨てたくない心理はこちら⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる
家の中にあるすべての物に、失う恐怖を感じていたり、ずっと手元に置きたい執着を感じているのは、ずいぶん不自由な状態ではないでしょうか?
物がたくさんあると、心が重くなってしまうのはこのせいでしょうね。
ジャニス・ジョプリンの代表曲、Me and Bobby McGee(ミー・アンド・ボビー・マギー)にこんな一節があります。
Freedom’s just another word for nothin’ left to lose
Nothin’ don’t mean nothin’, honey, feelin’ free
自由とは、失うものが何もないってことよ。
何もないって、何もないってことじゃないのよ。自由なんだもの。
失うものがありすぎる時、人はとても不自由なのです。
4.前に進むことができない
家の中にたまっている不用品の多くは、先送りの結果生じたものです。
物を片付けるべき時に片付けず、使うべき時に使わず、なんとなくその場の流れのまま、物をためこんでしまった結果が、ガラクタでいっぱいの部屋や汚部屋なのです。
ガラクタとは、決断の先延ばし、行動の先延ばしの結果にほかなりません。
床にいろいろな物が散らばっているのなら、散らかっている物の数だけ、意思決定をしてこなかった、ということです。
人間は習慣の生き物。先送りばかりしている人は、すっかり、物事にすぐにとりかからない思考のクセがついています。きっと、ほかのことも後回しにしているはずです。
そうなると、先延ばしにした結果に囲まれたまま、ずっとそこに囚われてしまいます。つまり、未来に向かって前進できないのです。
前進できないどころか、今を生きることもできません。
多くのガラクタは過去の遺物です。たとえば、なんとなく段ボール箱に突っ込んでそのままになっている思い出の品なんかがそうですね。
思い出の品が、今の暮らしに何の貢献もしていないのなら、思い切って手放したほうがいいでしょう。
そうしないと、部屋の中のエネルギーはいつまでも淀んだまま。そこに新しい物が入り込む余地はありません。
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こんなふうに、多すぎる物は心にも作用します。毎日、息苦しさや、疲れ、うつうつとした気持ちを感じているのなら、部屋の中を見渡してください。
たぶん、物がたくさんあふれています。
少し捨てて、自由になってみませんか?