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デスクワーク中の姿勢の良し悪しが、いかに、心身の健康や、ふだんの生活に悪影響を及ぼすかご存知ですか?
私はパソコンに向かっていると知らず知らずのうちに前かがみになっています。またなぜか両足を足首のところで交差させるクセもあります。
こんな悪い姿勢で椅子に座っていると、首や肩がこるのは誰でも想像つくでしょう。このほかにも思いがけない影響があります。4つお伝えしますね。
1.気分が落ち込む、うつがひどくなる
「姿勢とうつと何の関係があるのか?」と思うかもしれません。ですが実際に、姿勢が悪いと、落ち込んでしまう、という研究があります。
考えてみれば、パワーポーズが人に自信やエネルギーを与えるのですから、その逆をすればうつになるのは当然かもしれません。
パワーポーズとは⇒2分で人生を変える方法「ボディランゲージが人を作る」(TED)
パワーポーズをとると、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が減少しますが、前かがみや猫背の姿勢でいると、逆にストレスホルモンのレベルが上昇します。
おまけに、私のように前かがみになってキーボードを打っていると、肺が圧迫されます。しっかり呼吸をすることができず、酸素が体にうまく行き渡りません。
酸素が充分得られなければ、脳の働きも悪くなるし、心臓にも負担がかかります。呼吸が浅いとイライラしがちになり、活力が低下するのでますますストレスが増えます。
たとえ、自分ではふつうの気分だと思っていても、背中を丸めていると、だんだんネガティブになってしまうのです。
デスクワーク中に、わけもなく悲しくなってきたり、ゆううつになるのは、仕事がいやなせいだけではないのかもしれません。
「自分はネガティブ思考に陥りやすい」という自覚がある人は、一度、ふだんの姿勢を振り返ってみてください。
背筋をのばし、深呼吸することで、気分が落ち着きます。
2.血行が悪くなり体調も悪くなる
私たちの体の中では、いつも血液や体液が循環しています。変な姿勢をとると、この循環を阻害してしまうので、体調が悪くなります。
血の流れが悪いと、冷え性、疲労、倦怠感その他、さまざまな不調がでるのは誰しもご存知でしょう。
座りっぱなしが健康によくないのも、1つにはとても血行が悪くなるからです。
長時間座るとよくない話⇒座りっぱなしが寿命を縮める。座りすぎのリスクとそれを回避する方法。
特に足を組んで座るクセがある人は気をつけてください。
足を組む人は、あの姿勢が楽だと思っているのかもしれませんが、体にしてみれば、組んでいる間中、背骨や骨盤が歪んでいます。
背骨や骨盤がゆがめば、肩こりや腰痛が起こります。
足は首や肩から遠いので、一見関係なさそうに思えます。ですが、人間のからだは、みんなつながっています。足を組むせいで、肩こりになったり、背中が痛むのは充分あり得ることです。
また、足の静脈の血行が悪くなり、足がむくんでだるくなります。ひどいときは、クモの巣静脈瘤 くものすじょうみゃくりゅう。足に細い血管が浮く病気)を引き起こします。
3.頭痛がする
デスクワークの最中に頭痛がするなら、ずっと前かがみの姿勢でいるせいかもしれません。
首や肩、背中の筋肉がこってくると、痛みはだんだん上にあがっていきます。
姿勢の悪さと頭痛は一見関係なさそうに思えます。しかし、首と頭はつながっているから、首に負担をかければ、頭痛がしてもおかしくないのです。
特に猫背で、アゴを前に突き出した姿勢でいると、首の、頭を支えている部分に負担がかかります。
首の筋肉が固くなると、中に通っている神経(頭につながっています)を圧迫してしまうので、頭がいたくなるのです。
この頭痛は、緊張性頭痛(きんちょうせいずつう)と呼ばれます。
猫背でアゴがあがっている、というのはまさしく私の姿勢です。
いつも最初は、背筋を伸ばしてタイプし始めるのですが、ふと気づくと猫背になっており、「はっ!」として、また背筋を伸ばしています。
私がやってみた感じでは、椅子に深く座り、足を、気持ち前に出すと前かがみになりません。椅子の高さにもよりますが、足を前に出しているとかがみにくくなります。
猫背になっているときは、足が、椅子のほうに引き寄せられています。
尚、理想の膝の角度は90度だと言われています。また下腹に力をいれて、おなかをへこませるのもいいそうです。
4.仕事ができる人に見えない
姿勢が悪いと、健康によくないだけでなく、社会的にもデメリットがあります。
最大のデメリットは、仕事ができない人に見えることではないでしょうか?
前かがみになってパソコンに向かっている人と、背筋を伸ばして仕事をしている人と、どちらが仕事ができる人に見えるのかというと、当然背筋が伸びている人です。
社員全員がサルのように前かがみのオフィスと、ピシっと背中をの伸ばしている人が仕事をしているオフィスのどちらと取引したいですか?
当然サルじゃないほうですね。
また、社員全員が、椅子を後ろに引き気味にしたところに斜めに座り、片足にもう片方の足をのせて仕事をしていると、気質(かたぎ)の会社に見えません。
私が昔、派遣で行った会社に、実際こういう不思議な座り方をする人が何人かいました。スーツを着ているのに、足元は健康サンダルかスリッパでした。
肉体的に姿勢が悪いと、仕事に対する姿勢も疑われてしまうのです。
自分ではまじめに仕事をしているつもりでも、姿勢が悪いだけで、5割ほど「仕事ができない人」に見られてしまいます。
メラビアンの法則でわかる姿勢の社会的影響
姿勢が悪いと仕事のできない人に見えると私が思う理由を補足します。
実は人がコミュニケーションをとっているとき、言葉によるやりとりより、言葉を使わない言語外のコミュニケーションの割合のほうが多いのです。
メラビアンの法則をご存知ですか?
アメリカの心理学者、アルバート・メラビアンは、コミュニケーションの要素を研究して、言語、声のトーン、ボディランゲージの割合を出しました。
その結果が以下の数字です。
●話す内容(言語情報):7%
●声のトーンや話す早さ(聴覚で得る情報):38%
●見た目、ボディランゲージ(視覚で得る情報):55%
フランス語のことわざに、「話す内容より、話し方のほうが大事だ」というのがあります。このことわざを見るたびに、「でも、やっぱり内容のほうが大事なんじゃないの?」と思っていました。
ですが最近は、話す内容は、意外とどうでもいいのかもしれない、と思うようになりました。
私のように英語を話す人間と一緒に暮らしていると、英語がうまくなりそうですが、実は言葉でコミュニケーションをしている部分はそれほど多くないので、自分で努力しないとうまくなりません。
昔学校で、他の学生や先生と英語で話していたときより、今のほうがはるかに英語が下手になったと自覚しています。
ちなみに、メラビアンの法則は、7-38-55のルールとして知られています。この数字だけが独り歩きしてしまい、いつでもそうなんだ、と思われがちです。
実際は、好意や反感を伝えるコミュニケーションにおいて、送り手がどちらともとれるメッセージを送った場合などの条件があります。
すべてのコミュニケーションにおいて、見た目が半分以上の要素を握るわけではないのです。それでも、コミュニケーションにおける非言語情報は、想像以上に、大きな役割をになっています。
きれいにお化粧してトレンドの服を着て会社に行っても、姿勢が悪いと台無しです。すっぴんで着たきりでも、姿勢がいいと好印象です。
とくに学校や予備校の先生、何かのインストラクター、セミナーの講師など、人前でパフォーマンスをする職業の人は、姿勢に気を配ったほうがいいでしょう。姿勢1つで、「教え方がうまい先生」と思われます。
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私はもともと猫背で(カワウソの背中のようだ、と言われたことがあります)、姿勢の悪さが気になっていました。
悪い姿勢が気分に影響を与える、と知ってからは、できるだけ背筋をのばしたり、正しい座り方を意識しています。
意識するだけで、かなり違います。結局、姿勢も生活習慣だからです。