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座りっぱなしは体に悪いそうですが、寝ながらスマホをするのは大丈夫ですか?
こんな質問が届きました。
この記事で回答します。ペンネーム「あ」という方からいただきました。まずメールをシェアします。
休日は寝っ転がってスマホをやっています
寝ながらスマホの場合はどうですか?
座ると腰や首に負担がかかるらしいけど寝ながらなら大丈夫なんでしょうか? 休日はごろごろ寝ながらスマホいじいじ
あさん、お問い合わせありがとうございます。
このメッセージも、横になったまま、スマホから送ってくれたのでしょうか?
「寝スマホ」には、2つのリスクがあります。
1.昼間の活動時間に、病気でもないのにずっと横になっている問題
2.ずっとスマホをやっている問題
順番に説明します。
活動時間に寝転がっていることで起きる弊害
長時間動かないとどうなるか?
座りっぱなしが問題なのは、ずっと同じ姿勢で動かないからです。
座ることそのものは悪くありません。座ったまま何時間もそのままでいることが問題なのです。
あさんのポジションにもよりますが、仰向けに寝てスマホをやっているのなら、首や背骨にかかる負担は多少は少ないかもしれません。しかし、動かないのですから、結局は座りっぱなしと同じことです。
むしろ座っているときより悪いと思います。
足を使わないことが問題なのです。
人の足の腿の部分には大きな筋肉がついています。立って動いているときは、この筋肉は縮んだり、伸びたりします。
筋肉を動かすには、エネルギーが必要なので、血糖を使います。このとき、体内でさまざまな化学物質も分泌され、そのおかげで、血糖値やコレステロールレベルが適正に保たれ、代謝もうまくいきます。
ずっと動かないと、足の筋肉は伸びたままなので、血糖を使わず、悪玉コレステロールが増え、健康によくありません。
それは座りっぱなしのときと何ら変わりません⇒座りっぱなしが寿命を縮める。座りすぎのリスクとそれを回避する方法。
いつもいつも寝転がっているなら、筋肉が固くなり、筋力も落ちるでしょう。筋肉の量そのものも減っていきます。
あさんは、まだまだお若いと思います。ですが、ずっとそんな生活をしていると、私ぐらいの年(50代)になったとき、さまざまなトラブル(病気、怪我、その他の体の不調)に見舞われます。
膝や腰が痛くなったり、何でもないところで転んだり、骨折したりするでしょう。
活動時間は縦に重力をかけるべき
大昔、人間は四足で、猫や犬みたいに動いていたらしいですが、結局、直立して、重い頭をてっぺんにのせ、2本の足で動くことを選んで進化してきました。
いつも重力が縦にかかり、体中の筋肉や神経、臓器が動いています。重力という負荷がかかるので、筋肉や腱(けん)が伸びたり縮んだりして、代謝がうまくできるようになっています。
横になってばかりいると、血行が悪くなります。重力がかからない状態が続くと、骨も弱くなります。
この点についてはこちらの記事を読んでください⇒更年期からは要注意。骨粗しょう症になりやすい人とは? 「10.低体重の人」のところです。
あさんは、「寝たきりはよくない」と聞いたことがありませんか?
お年寄りが、何かのきっかけで寝たきりになると、みるみる体が衰弱します。健康に必須の「立って活動する」ということができなくなるからです。
筋力が落ちるだけでなく、呼吸機能、胃腸の働きなどすべて悪くなります。
人が、横になっているべきときは、睡眠をとるとき、休息を取るとき、病気や怪我のときぐらいではないでしょうか?
昼間の活動時間はできるだけ立ち上がって、体を動かしたほうがいいのです。
運動不足の弊害⇒運動をしないとどんなことになるのか。運動不足の6つの弊害
次にスマホをやりすぎることが、体にどんな害を及ぼすのか説明します。
スマホをやりすぎる弊害
メラトニンの分泌が妨げられ睡眠の質が落ちる
あさんは、休日、いつスマホをやっているのでしょうか?
もし、夜、寝る前に、寝床でスマホを使っているなら、その習慣はすぐに捨てたほうがいいです。
スマホから放出されるまぶしい光(ブルーライト)が、メラトニンという、人をリラックスモードにして、睡眠に誘うホルモンの分泌を妨げる、と考えられています。
こちらの記事で紹介している動画を見てください⇒夜なかなか眠れない時の対処法。4つのものを捨てれば解決する。
メラトニンがうまく分泌されないということは、本当は肉体的に疲れていて、休息が必要な時も、寝ないで起きているということです。
よって睡眠不足になったり、睡眠の質が落ちたりします。夜しっかり寝ないことは、ダイレクトに健康に害を及ぼします。
睡眠不足の弊害はこちら⇒睡眠不足はとっても危ない。寝足りないと起きる5つの弊害
あさんが、「座ることすらめんどくさい」と感じてしまうのは、もしかしたら睡眠不足で脳が疲れているからかもしれません。
目に悪い
まぶしい光を発する小さな画面に並んだ小さな文字をじっと見つめ続ける。これは、ひじょうに目に悪いです。
近くにある何かを長時間見つめると目が疲れますが、スマホの場合、それに「まぶしさ」が加わるのでますます目に悪いのです。
こちらに、YouTube動画の見過ぎによるヘルスリスクを書いていますが、それと全く同じことが、スマホの使いすぎでも起きます⇒YouTubeの見過ぎをやめる9つの方法。本気で依存から抜け出したい人へ。 「3.YouTubeの見過ぎが引き起こしている結果を調べる」のところです。
指、手首、肘、肩、首に負担がかかる
寝転がるポジションによっても違いますが、スマホを持ち上げる必要があるので、手首や肘、肩、首に負担がかかっているはずです。
これは座ってスマホを使っているときと同じです。
スマホ腱鞘炎やスマホ肘と呼ばれる状態になるリスクも同様です。
寝転がって安全にスマホを使うには?
以上のように、寝転がってずっとスマホをさわっているのは、決して体によくないので、私ならやりません。
寝床にスマホに持ち込むのは最悪です。しかし、どうしてもやりたいなら以下のことに気をつけて行ってください。
1.休憩を取りながらやる
目の専門家は10~20分に1度はスマホを見るのをやめて、遠くを見つめなさい、とアドバイスしています。
30分に1度でもいいと思います。
時々、スマホを手から離し、立ち上がってそのへんを歩いたり、ストレッチをしてください。
2.サポートするものを充てる
無理な姿勢を長時間続けなくてすむように、肘を支えるものをあてがって使ってください。
パソコンのキーボードを打つ時、疲労軽減のためにリストレストなどを使うことがありますが、考え方は同じです。
3.スマホを目の高さに持ってくる
スマホを見つめるとき、できるだけ目の高さに持ってきてください。
目と首の負担軽減のためです。しかし、これをしようとすると、今度は手首や肘に負担がかかるかもしれません。
だから、横になってスマホをやるより、座ってやるほうがいいと思います。
座って、椅子の肘掛け部分(アームレスト)に肘をついてやったほうがよさそうです。
4.暗いところでスマホを見つめない
スマホを見つめるときは、適度に明るい場所で行なったほうが、目が疲れません。
寝る前に部屋の電気を消したあと、暗い中で、スマホを見つめるのは目によくない、と専門家は言っています。
この件について、まだ科学的に実証されてはいませんが、充分考えられることです。
人間の目や脳は、自然の中で暮らしながら進化してきました。夜は暗いのが普通です。
暗いところではすべてが暗いほうが目は疲れません。
日本の街にはじめて電灯が灯ったのは、明治11年(1878年)のこと。およそ140年前です。それからだんだん、庶民の家庭にも電球が灯るようになっていきました。
まだつい最近のことなので、人間の目は、スマホから発せられる光を長時間見るのに慣れていないと思います。
いきなり不自然な光を目に入れると、負担がかかります。
5.目的意識をもって使用する
必要なときだけ、スマホを使ってください。
スマホが問題なのは、何の目的もないのに、単なる習慣でだらだらとやり続けてしまうことです。
3年前に名古屋に里帰りしたとき、電車の中で、大勢の人が、スマホを見ていた光景にびっくりしました。
きっと手持ち無沙汰だから、見ていたのでしょう。こんなふうにスキマ時間をすべて、スマホで埋めてしまうと、思考力やクリエイティビティがどんどん失われていくのではないでしょうか?
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今回は寝ながらスマホをする問題点をお伝えしました。
スマホはとても便利なツールですが、これを使うことによって、確実に失われていくものがあります。
必要なときだけ使うのが一番いいと思います。