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次々と新しい服が欲しくなり、セールで買うから、クローゼットの中がいっぱいだ。だけど、まだまだ欲しい。
こういう人、少なくないと思います。
今回は、なぜセールで買ってしまうのか、その理由を5つ紹介します。自分の行動を振り返ることができれば、今後、セールで損をし続けることを防げます。
セールで買ってしまう5つの理由:
1.セールで買うのはお得だという思い込み
2.チャンスを逃すのがいや。売れ切れるのが怖い
3.人にお値打ち品を取られたくない(負けたくない)
4.買い物ではなく、節約することにフォーカスしすぎ
5.せっかく来たから、買わないとなんだか損、という思考
順番に説明します。
1.セールで買うのはお得だ、という強い思い込み
人がセール品にむらがるのは、「セール品を買うのは、得することなんだ」という思い込みがあるからです。
物の価格がその物の価値を表していると、セール品はお得だと思いがちです。
先日まで2万円だったジャケットが、きょうはセールで半額だ。100%価値のあった物を、50%の価格で買えるなんてすばらしい。買うのはとてもお得なことだ。買わないと、とてつもなく損をする、と思うのです。
ですが、物の値段と価値は2つの違うものです。確かに、値段の高い物は質がいいかもしれません。けれども、買っても使わなかったら、質のよしあしなんて、関係ありません。使わない物の価値は自分にとってはゼロです。
むしろ、家の中でガラクタになったり、あとで処分に悩んだり、「ああ、またセールでしょうもない物買ってしまったよ」と、セルフエスティームが下がったりするので、その価値はゼロ未満と言えましょう。
「物の価値は使う人によって、いくらでも変わる」ということを覚えておけば、「セールで買うのはお得なんだ」という思い込みを手放すことができます。
「セールはお得だ」と、頭から信じ込んでいる人は、この記事を読んでください⇒価格と価値の違いを知れば、余計な物も浪費も減る。
2.売り切れるのが怖い
「クリアランスセール」とか、「現品限り」と言われると浮足だって買ってしまう人は、売り切れるのを恐れています。
「この商品をこの値段で買うチャンスはもう2度と手にはいらない。このチャンスを失いたくない」と思ってしまうのです。
なぜ、そんなことが怖いのか?
このとき、買い物をすること(必要な物をお金と交換して手に入れること)ではなく、「チャンスを逃すか、逃さないか」ということに意識が向いています。
しかも、そのチャンスは、自分が頭の中で勝手に作っただけの「めったに訪れない好機」です。
よくよく考えてみれば、日本の店は、毎月、何かしらのセールをしています。
洋服のセールが多いのは12月、1月、6月あたりです。
ですが、ほかの月でも売れ残り品や仕入れすぎてしまった在庫品をセールしているし、客寄せのために、最初からセール品として用意していたものを売っていることも多いでしょう。
べつに今回のチャンスを逃したって、同じようなチャンスはあとから、あとから出てくるわけです。
家にセール品の服がたくさんあり、もてあましているなら、これまで「チャンスだ!」と思ったものは、べつにチャンスでもなんでもなかったわけです。
自分の「チャンスを見極める目」が狂っているわけですから、次にチャンスだと思っても、たぶんそれは見立て違いなのです。
3.お値打ち品を人に取られたくない
お値打ち品を勝ち取る、バーゲン会場で他人に勝つ、ということがゴールになっていると、やはり無駄なセール品をたくさん買う結果になります。
大きなバーゲン会場になると、品物を奪いあう光景が見られます。「一番のお値打ち品を、ほかでもない、この私が勝ち取るのだ」という競争心の強い人がたくさんいるからです。
実際、アメリカのウォールマートでは、毎年ブラックフライデーのセールでは、死人や怪我人が出ます。
ブラックフライデーとは? ⇒ブラックフライデーとは?大勢のアメリカ人が命がけで買い物をする日の由来
どんなに安いものを手に入れても、死んでしまっては何にもならないし(死んだら買い物できませんが)、半額のテレビだって、怪我をしてまで買う価値はないと思います。
バーゲン会場で他人を押しのけて買うことに熱くなる人は、間違いなく「足りないマインド」の持ち主です。
足りないマインドとは、この世にある幸せや喜びの分量は限られていて、私はそれを他人と奪い合っている、と考えることです。
詳しくはこちら⇒こんな考え方が貧乏を引き寄せる。お金がたまらない恐怖のマインドとは?
誰でも、そう考える傾向はありますが、このマインドセットが強すぎる人は、いくら物を買い集めても、セール品をゲットしても、心は満たされません。
セールでゲットしたものを、勲章のように、人に見せびらかす人も(リアル、ネットかかわらず)、足りないマインドに支配されているのかもしれません。
セール品を勝ち取ることよりも、セールで買った物を、ちゃんと使いこなせているかどうかが重要です。
4.節約にフォーカスしすぎている
ショッピングをするためにセールに行くのに、節約することにフォーカスしすぎると、値下がり幅の大きい物をたくさん買ってしまいます。
時に、必要だから買おうと思っていた物や、買いたいと思っていた物を買いそこねることすらあります。
物を選ぶ基準が、「もっとも値段の安い物」「もっとも値下がりしている物」になってしまうからです。
まあ、私も、何かを買うとき、いくつか種類があるうちで迷ったら、一番安い物にすることがままあります。この場合、必要な物を買う、という基本線は、はずしていません。
ところが、セール会場では何もかもが、すごく値下がりしているため、、「節約しなくちゃ」という目で見ると、そこにあるあれもこれも、自分の節約生活にたいそう貢献する物のように見えてしまうのです。
ふだん強く節約を心がけている人は、節約によるストレスがたまっているので、「たまにはいいじゃない。こんなに安いんだし。みんなも買ってるし、ばちはあたらないわよ!」と、たががはずれて買いすぎるものです。
節約しすぎるとはまるワナ⇒節約のやりすぎでかえって不幸になってしまう5つのケース。
ほかの人もいっぱい買っているように見えるから、雰囲気にのせられて買い物に拍車がかかります。
これはリアル店舗だけではありません。最近は、ネットの店舗も、「残り◯◯個」と在庫の数をカウントダウンしたり、「この商品を買った人は、こちらも買っています」と、別の商品を表示します。
注文状況を見せている店舗もありますね。
こういうのを見ると、買い物をしているのは自分だけじゃないんだ、という気分になります。
セールは、欲しいと思っていた物や必要な物を買う場所です。「できるだけお金を使わないこと」に焦点をあてるのではなく、むしろ、「欲しい物のためにちゃんとお金を使うこと」に意識を向けたほうが、無駄遣いしないものです。
5.せっかく来たから買わないと損
わざわざセールに来たのだから、何も買わずに帰るのは、なんとなく損だ、と考える人もいます。そして、無理に何かを買って帰ります。
私も、昔、デパートや東急ハンズのセール品の入ったワゴンの中で、気に入ったものを発見するために、バッグやポーチをほじくり返すことに時間をかけることがよくありました。
「せっかく、セール品のワゴンに行き合わせたのだから、買って帰らなけば損だ」と思っていたのです。
なぜ損なのか?
たまたまセール品に遭遇しただけなのに。
私も、1番に書いた、「セール品はお得だ信仰」の持ち主でしたから、「買わなければ損」と思っていたのでしょう。さらに、「わざわざ来たのに、買わないのも損」という考えもありました。
ここまで来るのに、せっかく時間や手間、交通費を使ったから、それを無駄にしたくない。埋め合わせる何かを買って帰るべきだ、と考えていました。
ふだん、さまざまな場面で「元を取りたい」という発想をしがちな人は、セールで無駄な物を買いがちです。
「元と取ろう」とあがいた結果、さらにお金を失うのはよくあることです⇒高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません
欲しい物がなかったら、何も買わずに帰ってもかまわないのです。ウインドウショッピングを楽しんだ、気晴らしをした、市場リサーチした、と思えばいいだけです。
無理やり何かを買っても、使いこなせないのは目に見えています。そうした物が、家の中でどんどん死蔵品になっていくのです。
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ほかにも、一緒に買い物している友人の影響を受けて買ってしまったり、店員さんに申し訳なくて買ってしまったり、雰囲気に飲まれて自分を見失って不用品を買ってしまったり、なんてこともあるでしょう。
私は、セールで物を買うのはだめだ、とは言いません。賢くセールを利用している人も大勢いると思います。けれども、必要な物は定価でさっさと買ったほうが、結局は、時間もお金も無駄にならない、と考えています。
「安いから」という理由だけで、衝動的に買ったものを、これまでずいぶん断捨離した経験があるからです。