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求職中だけど、消費社会に加担したくないと思うと、仕事を見つけることができません、どうしたらいいですか?
こんな質問をいただきました。この記事で回答します。
まず、メールをシェアします。仕事探し人さんのお便りです。
消費社会に加担したくない
件名: 悩み相談
こんにちは。いつもブログを楽しく拝見しております。
相談したいことがありメール致しました。
今わたしは仕事(アルバイト)を探しています。
地理的な問題や労働時間・内容などを私個人の条件を元に探していると、販売職の求人がよく目に付くので、面接行こうかなと思い、会社の取扱商品を見ていると、
確かに素敵な商品だけど、別に私はいらないなぁと思ってしまい、自分がいらない物を売るのって嫌だなと結局応募を見送ってしまいます。
以前は事務をしていましたが、その時も物が売れてもモヤモヤしていました。
販売でもサービスでも、皆こんなに物ほしいの? このサービスいる? なくても大丈夫じゃない? なんで消費消費消費なの?
などと思ってしまいます。
でもこれって精神論ですよね。現に私は働いてお金を得なければならない状況です。
それでも、給料をもらえるのに、なんでこんなつまらないことのために働かないといけないんだという気持ちがあります。
つまらないモノ、コトを増やすからつまらない仕事がどんどん増えて、時間を奪われて私含め皆疲れてるんじゃないの? と。
なんというか無駄な事が多すぎるのに、その働き方に巻き込まれるのが嫌というか…
シフトとかもなんで入れないの? と言われても、逆にもっと営業時間を減らしてメリハリつければいいのにとか考えてしまいます。
今の私の状況に対して何かアドバイスいただければ幸いです。
よろしくお願い致します。
職探し人さん、お便りありがとうございます。「職探し人」は長いので、この記事では、便宜上、Sさんとお呼びしますね。
Sさんの問題を簡単にまとめると
●仕事を見つけなければならない
●だけど、求人の多い販売職はいや
●なぜなら、販売の仕事をすることで、消費社会の片棒をかつぐことになるから
●どうしたらいいですか?
こうですね?
この質問に一言でお答えすると、
「販売職じゃない仕事を見つければいい 」
となります。
ですが、これで終わってしまうと、身も蓋もないので、いまのSさんにできそうなことを5つ書きます。お好きな道を選んでください。
1.そのまましばらく様子を見る(ただし前向きでいること)
職探し人さんの性別も年齢もわかりませんが、学生さんでしょうか? 以前、事務のお仕事をされていたそうですから、社会人かもしれませんね。
いま、お仕事をされていないわけですから、失業保険で生きているのですか?
いずれにしろ、まだ仕事を選んでいられる状況にあると思います。人間、どうしてもお金がいる、どうしても仕事がいる、という状況になったら、なんとか仕事を見つけますから。
それは優先順位の問題です。
ですから、もっと困った状況になれば、おのずと仕事を見つけるでしょう。現在、日本は人手不足ですし、いまはそんなことで悩まなくてもいいかもしれません。
失業保険が切れるまで(貯金がなくなるまで)は、あまり思いつめず、新聞の求人広告を見たり、ハローワークで仕事を検索したり、周囲の人に、仕事を探しているとアピールしたりして、地道に就職活動を行ってください。
Sさんにとって、「つまらない仕事」ではない仕事が見つかるかもしれません。
そのさい、あまり、「この世はつまらない仕事ばかり」と決めつけないほうがいいです。
人間は、探しているものを見つけます。
「どれもこれもつまらない仕事だ」「どれもこれも無駄なことばかり」「つまらないモノやコトばかり」と思っていると、本当にそういう(ふうに思える)ものがどんどん自分の人生に出現します。
2.販売職以外の仕事につく
求人広告では販売職が目立っているそうですが、この世には販売職ではない仕事もたくさんあります。
物を売らない仕事につけば、そんなに抵抗を感じないのではないでしょうか? それともやはり抵抗がありますか?
参考までに、ほかの仕事の例を書いておきます。
実業・ビジネス
銀行員、会計士、商社マン、広告マン、保険を売る人、役人(政府関係の仕事)、会社の人事やマネジメント、マーケットリサーチをする仕事、ファイナンシャルアドバイザー、その他いっぱい。これらに関した事務や営業職、コンサル業。
実業は、消費社会を牽引している分野ですから、Sさんは抵抗があるかもしれません。その場合はNGOに勤めてもいいかと思います。国際協力NGO職員とか。
司法関係
警察官、裁判官、司法に関係のある仕事。私の娘は大学3年ですが、現在のところ、保護観察官になりたいと言っております。
運輸交通関係
バスや飛行機の運転手、フライトアテンダント、バス、車、自転車などを整備する仕事(メカニック)、管制塔で仕事する人、これらに関連する事務や営業職。
芸術関係
建築家、デザイナー、アーティスト、美術館のキュレーター、音楽家、役者、ダンサー、何かのパフォーマンスをする人、これらに関連する事務や営業職。
メディア関係
出版業、編集者、ライター、パブリック・リレーション、これらにまつわる事務職。
新聞社やテレビ局で働く人もメディア関係ですが、狭き門かもしれません。
医療
医者、看護師、リサーチャー、ソーシャルワーカー、病院の事務職など。介護職もここに入るでしょうか。
医者になるのは難しいですが、近所の歯医者の受付事務あたりなら、医療の勉強をしたことがなくても仕事ができるんじゃないでしょうか?
実際、私が以前勤めていた会社の友達は、医療のバックグラウンドは何もなかったのに、結婚後、近所の歯医者で受付のバイトをしていました。
教育
教師、塾の講師、学校の事務、オンラインで何か教える人、家庭教師、通信教育の課題の添削をする人(赤ペン先生)、図書館の仕事もそうですかね。
サービス業
小売業(Sさんは、やりたくないそうですが、売っているものによっては抵抗がないんじゃないですか? たとえば食品はどうですか? 食品を売るのも抵抗がありますか?)、
美容師、ジムのトレーナー、ウェイター/ウエイトレス、バリスタ、バーテンダー、コールセンターでの仕事(消費社会促進に加担している仕事も多いかもしれません)、結婚式の司会やプランニング、花屋、ツアーガイド、ベビーシッター、その他いろいろ、本当にいろいろ。
家事援助や掃除、庭の雑草抜きあたりも、サービス業かと思います。
IT関係
Web・アプリの開発者、プログラマー、ソフトウエアの開発者、WEBデザイナーもここに入りますかね。それとも、デザイナーだから、芸術関係でしょうか。
ざっと書きましたがほかにもいろいろあると思います。
農業、林業、水産業などの第一次産業の仕事にだって、その気になればつけます。
「販売職の求人しかない」という思い込みをはずすと、自分にもできそうな仕事が見つかるのではないでしょうか?
2.起業する
自営業を始めれば、ある程度、自分の理念にそって仕事をできます。
自由業ですから、仕事をするもしないも、生きるも死ぬも自由です。
先日、在宅ワークに興味のある方の質問に回答しましたが⇒片付けに関係のない雑多な質問6つに回答しました。
パソコンやインターネットを使った仕事で、起業するのもいいですね。在宅ワークです。
自分で作ったものを売るのもいいです。
もう10年以上前ですが、自宅でひとりでパンを焼いて、近所のスーパーにおろしている人のブログをよく読んでいました。
そのころ、お菓子やパンを作るのが好きだったからです。
楽しそうだなあ、と思って見ていました。そういえば、このブログを読んでくださっているよしおさんも、会社員をやめてサンドイッチ屋さんになりました⇒物を捨ててガラリと人生を変えた人、4人の証言。
3.引っ越す
自営はいやだし、1番に書いたような仕事は、近所にはない、と思ったら仕事のある場所に引っ越してください。
まずしい国の人は、近隣諸国に働きにいきますが、その要領です。
日本は貧しい国ではないので、すごい田舎からちょっと都会へ出る、という感じになるでしょう。
仕事をするために海外に行く人もいますが。
完全に引っ越すのではなく、出稼ぎにいってもいいかもしれません。半年、がーっと働いて、あとは故郷でのんびりする、とか。
4.学校に行って学びなおす
自分の理念に一致する仕事があるのに、スキルがなくて、「(Sさんのいう)つまらない仕事」にしかつけない、と思ったら、専門学校や大学に行って学びなおします。
いまは、オンラインで学べるところもたくさんあります。
ウエイトレスなど、わりと採用されやすい仕事をとりあえず確保して、そうした仕事を続けながら、キャリアアップのために学び直すのはどうでしょうか?
5.消費社会を拒絶して生きる
Sさんは、消費社会がお嫌いのようです。その場合、消費社会や資本社会に背をむけて生きる道もあります。ほかの人みたいには働かないわけです。
定職を持たず、定住もせず、世界を旅して暮らすとか。ちょっとした労働の対価として、食べ物をもらい、天気のいい日は、その辺で野宿、悪い日は、労働の対価として、屋根のある場所を提供してもらいます。
参考記事⇒お金を使わずに1年暮らしてわかったこと:キャロライン・ホーグランド(TED)、
共産主義である東欧のどこかに引っ越すのもいいかもしれません。
日本にいても、お金を使うことを拒絶すれば、資本主義のシステムに巻き込まれている、資本主義を推進している、とは感じないでしょう。
以前、何もかも(お金、クレジットカード、パスポート、免許も)捨てて、お金を使わない生活を始めたアメリカ人のことを記事で紹介しました。
ダニエロ・スエロさんという方です⇒不用品の処分にかかる費用がもったなくて捨てられない問題をどうするか? この記事の後半で書いています。
スエロさんのように、お金を使わないで生きてみようと思う人は、何人かいて、メディアで話題になっています。
ドイツ人女性のハイデマリー・シュヴェルマーさんもその1人です。
彼女は、元教師で、その後、心理療法士として働いていましたが、娘さんが自立したあと、何もかも捨てて、お金を使わない生活を始めました。離婚したのでご主人はいません。
実際、20年以上、お金を使わずに生活しているそうです(たぶんいまもそうしていると思います)。
住み込みで家事や庭仕事などの雑務をする代わりに、食料や生活必需品をもらって20年以上生活しています。
彼女は、「お金はもらわない」と決めていますから、使うこともありません。
シュベルマーさんの生活はドキュメンタリーや本になっています。
予告編(英語字幕)
翻訳本も出ています。表紙クリックでアマゾンに飛びます。
彼女は、有名になったあとも「お金はもらわない」という原則を貫きとおし、本の印税は金銭でもらったものの、すべてほかの人にあげたそうです。
シュベルマーさんは、Sさんと同じように、お金にふりまわされる社会のあり方に疑問を持っていました。だから、「お金を使わない生活もあるよ」と身をもって、示したのです。
こういう生き方をするのもありかもしれません。失いたくないものがありすぎる私にはできませんが。
以上、Sさんの参考になれば幸いです。