いらないものを手放し、基本に戻れ:コリン・ライト(TED)

TEDの動画

ページに広告が含まれることがあります。

久しぶりにミニマリストのTEDのプレゼンを紹介します。

タイトルは、Get rid of the unnecessary to get down to basics (いらないものを手放して基本に戻れ)。プレゼンターは、アメリカの有名なミニマリスト、コリン・ライト(Colin Wright)さんです。

コリンは作家であり、起業家であり、専業旅行者(フルタイムトラベラー歴、7年)です。

彼は旅行が好きで、4ヶ月ごとに、違う国に住んでいます。次、どこへ行くかは、ブログの読者の投票によって決めているという、ある意味、とても変わった人です。

不用なものを捨てて、基本に戻ろう:TEDの説明

In a talk full of individual experiences, he will show you how easily you can get rid off the superfluous to focus on your true needs and become more free.

自分の体験から、彼(コリン)は、不要なものを捨てて、自分が本当に求めているものにフォーカスし、より自由になるのは、いかに簡単なことか語ります。

プレゼンの長さは16分24秒。英語字幕があります。動画のあとに抄訳を書きます。

私はフルタイムのトラベラー

私はコリン・ライトです。

ラッキーなことに、一風変わったライフスタイルを送ることができています。4ヶ月ごとに新しい国に引っ越します。

その土地の人と同じように過ごすようにしています。私のブログの読者が投票して、次の行き先を決めます。

旅行しながら、本を書いて生活の糧を得ています。旅行、ビジネス、哲学、人間関係に関する本や、SF小説を書いている作家です。

そのとき、熱中していることをテーマにしています。

興味のあることを追求し、それをシェアして生活できているので、とても幸運だと思います。

こんなことができているのは偶然ではありません。意識的に生きようとした結果です。

シャツにまつわるルーティン

意識的になることについて、後ほど、お話ししますが、まず、シャツの話をさせてください。

誰でも、シャツを持っているかと思います。朝、起きて、たんすに向かいます。シャツが入っている引き出しを開けます。

1枚引っ張り出し、眺めます。着てみたりもするでしょう。

このシャツは、いま着ているほかの服と合わない、と思います。形が変だったり、丈が短かかったり、袖がふくらみすぎていたりして、とにかく自分に合いません。

そこで、たたみ直して、また引き出しに戻します。ほかのシャツを上に乗せたりするかもしれません。そのシャツについて、しばらくは考えたくないと思うからです。

シャツそのものはいい品で、値段もそれなりにしました。ですが、自分に合わないのです。

「いつか、また、そのうち着るかもしれない、でも、それは今日じゃない」。こんなふうに思います。

7年前の気づき

7年前、シャツを引っ張り出して、見てと、いつものように始めしたが、この日は、ちょっと違いました。

シャツをがしっと握り、「おい、シャツ、きょうは違うぞ!」と言い、床に投げつけました。

何が変わったのか? 

7年前のこの日、気づいたのです。

私は、表面上は成功していました。仕事はうまくいき、若くして、大きな収入を得ていました。

初めて大金を手にした若き成功者によくあるように、たくさんの物を買いました。

家の中を物でいっぱいにしました。余分な服がたくさんありました。シャツを見ながら、考えました。

人生について考えてみたのです。

可能な限り、たくさんお金を稼ぐために、一生懸命働く人生を変えたいと思いました。

それまでの生活も悪くなかったのですが、心から満足していたわけではありません。自分が本当にしたいことをしてはいませんでした。

「旅行して、いろいろな世界を見たり、土地の人に出会う暮らしに変えられるかもしれない」。こう、思いました。

人生を変えるとき、物は足かせに/h3>

たくさんの物を前にして、考えました。

私がこれまで、いかにうまくやってきたかを表しているこれらの品物は、自分にとって、錨(いかり)ではないのか。

自分を押さえつけている、たくさんの錨。だって、こうした物をなんとかしなければなりませんでしたからね。

そこに住んでいるなら、物があってもいいけれど、私は旅行がしたかったのです。たくさんある物をどうしようか考えました。

物だけを入れる小さなアパートを借りようか、そして旅行しているあいだ、その家賃を払おうか、それとも貸し倉庫を利用しようか?

シャツを見ながら考えました。「これは高かったし、質もいいし、価値もある」。

このとき、自分はファラオみたいだと思いました。自分が集めた富に埋められていると感じたのです。

家には価値のある物がたくさんあるが、どれ1つとして、私は、楽しんで使っていない。

シャツも、持っていた物の大半も使っていませんでした。ただ、そこに置きっぱなしになっていただけ。

私は、他の人が使えないように、ためこんでいただけでした。

このときです。シャツを床に放り投げたのは。シャツにではなく、自分に腹が立ちました。

自分にとって価値があるのか?

ほかの引き出しも全部開け、1つずつ取り出して、こう自問しました。

「これは、自分にとって価値があるのか?(Is this valuable to me?)」

ただ、価値があるだけではだめです。どんな物だって、誰かにとっては価値があります。

自分にとって、価値があるかどうかが重要です。

洋服については、それを調べるのは簡単でした。

「先月、着たか?」と聞くだけです。もし着ていなかったら、床に投げました。

着ていないシャツを全部床に出し、次にパンツ、ジャケット、靴と、チェックしていきました。

95パーセントの物は不用品だった

オフィスでも同じことをしました。

予備のパソコンがたくさんあったのです。余分な道具やノート、画材。すべてを見直し、そうした物の価値を享受しているのかどうか、考えました。

ほとんど何の価値も得ていませんでした。

所持品の95パーセントが、床の上に行きました。

物の山はあまりに大きく、それだけで1つの部屋が埋まりました。ためこんでいた物で、部屋が1つ埋まったのです。

このとき、私がやったことを言い表す言葉があります。

自分の暮らしを振り返り、そこにあるのが当たり前だと思っていた物の価値を改めて見極めていくこと。

これは intentionality (インテンショナリティ、意図的であること)です。

意図を持って、物ごとを行うことが、インテンショナリティです。

ミニマリズムは意図的に物を持つこと

意図的であるためには、まず、目的やゴールが必要です。

自分が何を得たいのか、どこへ行きたいのか定めます。そして、人生のいろいろな面を見て、「これはゴールへ近づくことを助けてくれるのか?」と考えることが、意図的である、ということです。

自分の物を捨てることは、私が求めている場所に向かうのを助けてくれるステップでした。

インテンショナリティは、人生のどんな面にもあてはめることができます。

物に対してあてはめたとき、それはよくミニマリズムと言われます。

ミニマリズムでは、何が大事なのかという核心に意識を向け、余計なものをすべて手放します。

何が大事かは人によって違います。

大事じゃないものをすべて手放せば、時間、エネルギー、リソースが浮き、大事なものに使うことができます。

つまり、自分の労力や意識、お金を割り当てる場所を変えるわけです。

意味のないものに使うかわりに、大事なものに、使うのです。

自分以外の者になれ、という声に注意

意味のないものに使っていたリソースを、意味のあるものに使う。とてもシンプルなことです。けれども、私たちは、このことをよく忘れてしまいます。

というのも、世間では、「何者かになれ」というメッセージがあふれていますから。

これを持たなければならない、このブランドを所有しなければならない、こういう集団に入らなければならない。

こうしたメッセージは真実ではありません。

自分にちゃんと役立つものや自分にとって価値のあるものに囲まれているとき以上に、自分自身でいられることはないのですから。

ただ、この点を認めてしまうと、企業はお金を稼ぐことができません。売り手側は、たくさんの物を売りたいと考えています。

だから、注意深く、意識的に暮らし、買い物するときは、そのことを忘れてはいけません。

意図的な人間関係を持て

同じことが人間関係にも言えます。こんなことは考えたこともない、という人が多いと思います。

礼儀に欠けますから。

どれが自分にとって価値があるのか、どれが足かせになっているのか考えながら物を選ぶように、人間関係も調べていきます。

自分にとってもっとも大切な人間関係は何か?

単に、「よい」と呼べる関係はどれか? 便宜があるから友達でいるような場合です。

職場で隣に座っている人、たまたま一緒に学校に行くことになった人、隣人。

価値のある関係ではあるものの、自分のすべての時間を使いたい関係ではないかもしれません。

ある環境にいるときは、望ましい関係ですが、親友や、配偶者や恋人のように大切な人ではないし、家族でもありません。

エネルギーを奪われる関係もあります。

自分の生活にネガティブなことしかもたらさないのに、そういう人間関係にエネルギーを注ぐことが多いものです。その関係から距離を置くのは、礼儀正しいことではないからです。

友達や家族でも、自分や自分の人生にとって害があるなら、距離をおき、自分の時間を使うのを控えるべきです。

意図的な人間関係を持つことは、自分にとても正直になることです。

この人は、私の時間、注意、エネルギーを注ぐに値する人なのか?

もし答えがノーなら、その時間を、本当に大事な人たちに使います。

自分の人生に価値をもたらしてくれる人、自分をよい気分にさせてくれる人、ゴールに到達するのを助けてくれる人に。

これが意図的に生きることです。

自分にとって本当に大事な人に、意識を向けてください。

仕事も意図的に行う

仕事も意図的に行います。これまた、あまり人気のない考え方ですが。

人は、仕事や、仕事上の成功を、通常、たった1つの判断基準を用いて判定します。

いくらお金を稼いでいるか?

それこそが、人の成功を示し、家族が自分のことを誇りに思ってくれるポイントです。

ですが、それは1つの測定基準にすぎません。

お金はいいものです。私はお金嫌いではありません 住むところ、食べるもの、基本的な安全は確保しなければなりません。

けれども、自分が望んでいるところへ行くという大きなゴールを見据えて、意図的に仕事をすべきです。

仕事上の決断をするとき、こう考えてください。

この仕事は、ゴールへ行くことを助けてくれるのか? 私がより自分らしくいられる場所に行くのを助けてくれるのか?

とても幸せで、心の底から満足できる場所へ行くことを助けてくれるのか?

お金のためではなく、自分以外の人のためにできる仕事か? 何らかの形で、貢献できる仕事か?

理想の生き方は人それぞれ

自分のゴールを意識すれば、健全なライフスタイルを送るために、物、人間関係、仕事という3つの柱を振り返ることになるでしょう。

理想のライフスタイルは人によって違います。大事な物、関係、仕事は人それぞれ。

自分にとって本当に価値のあるものにお金を使えば、お金で幸せを買うことができます。

物、人間関係、仕事の面で意図的に選んでいくと、その結果は、自分という人間を表します。

私のライフスタイルは、とても奇妙です。旅行をして本を書き、旅の行き先は読者が決める。

変ですよね? 変ですが、私自身をよく表しています。私を知る人は、この生き方を、「とてもコリンらしいね」、と言うのです。

私たち一人ひとりの人生もそんなふうに言われるといいと思います。

私が一緒にいる人たち、持っている物、やっている仕事、これが、私という人間を表しています。

これが理想です。

それぞれが、ゴールに向かって自分の道を歩んでいることを誇りに思うべきです。

意図的に生きることを、周囲は反対する

意図的に暮らし始めると、他人には、変に見えるものです。物を捨てるのは、ある人たちにとっては、とても変なことです。

意図的に、少ししか物を買わなかったり、つきあう人間を限定したり、お金にならない仕事や、社会的ステータスのない仕事をしたり。

こうすると、周囲の人に「そんなことはすべきじゃない」と言われるかもしれません。

それはそれでいいのです。そういうことを言う人が悪人というわけではありません。実際は、良心的な人です。

人は生まれてから、死ぬまで、たどるべき一般的な道を与えられています。これをして、次はこれをして、あれをして、最後にはなにがしかのゴールに到達する。

このような道は、高速道路みたいなものです。

きれいに舗装されていて、ライトもついており、行き先の表示があちこちにあります。どこへ行くべきか、どこがゴールかちゃんと教えてくれています。

別のゴールに向かおうとすると、このルートからはずれることになります。それは、くぼみがあるでこぼこ道かもしれません。

この道を通る人は少ないから、標識もないでしょう。

これまで誰もしたことがないライフスタイルを送ることになり、自分で道を作って行くことになるかもしれません。

周囲の人はそれを見て、「いったいぜんたい、何やってるの?」と言うのです。「心配なのよ。いったいどこに行ってしまうのか。危険だわ」。

この人たちは正しいのです。あなたが、幸せで安全でいてほしいと願ってそう言うのですから。

目的をもって自分らしく生きていく

自分の人生のすべてに、疑問を投じ、自分の目的に向かって、意図的に生きるようになると、とても不安になるものです。安定しない暮らしになるかもしれません。

周囲の人が、いろいろ言うのも当然です。

ですが、結局のところ、そういう人たちに、これは自分にとって大事なことなのだ、と示すしかありません。

より幸せに、より自分らしくあろうとするだけなのです。

この生き方が、自分のためになっている、と周囲に見せてください。

自分の生き方が、自分の心を満たすものなのだと。用意されていた高速道路を走っていては、決して得られないものなのだと。

理解されなくてもかまいません。人はそれぞれ違う道を行くのです。

いろいろ言う人を許すようにしてください。誰もが、自分の人生を振り返るチャンスがあるわけではありません。そんなぜいたくが許されない人もいます。

どんな人生を選ぼうとも、できるだけ幸せで、充実し、あとに続く人のための道標を示してください。

どう生きようとも、いつも、目的をもって生きてください。

単語の意味

geek about  熱中する、強い関心を示す 

happenstance  偶然のできごと

ostensibly  表面上は

calibrate  測定する

at the end of the day  最後には、結局のところ

pothole  路面のくぼみ、洞窟

コリン・ライトのブログ⇒Exile Lifestyle, by Colin Wright

ミニマリストによるほかのプレゼン

ミニマリズム~何もしない時間、何もないスペースを作ってより充実した人生を

『ものは少なく、幸せは多めに』~グラハム・ヒルに習う「小さく暮らす」メリット

ガラクタを全て売り払い、借金を返し、旅に出て、自由に生きている男の話(TED)

人生で本当に必要なものは3つだけ:マチアス・ルフェーブル(TED)

物を持たないシンプルライフだからこそ人生が楽しくなる(TED)

物を持たないと、より豊かに生きられる。ミニマリストの体験(TED)

ミニマリズムはより幸せになるための実験(TED)

自分らしいゴールを定める

意図的に生きる(インテンショナリティ)とは、コリンによれば

1)自分のしたい生活、求めているもの(ゴール)を確認する

2)そのゴールに到達するのに、助けにならないものはすべて捨てる

3)ゴールに到達するのに貢献するものを大事にする(よけいなものに使っていたリソースを注ぎ込む)

こうなります。

このとき、重要なのは、自分が本当にほしいもの、自分が本当に到達したい場所をゴールとして設定することだと思います。

目的地を間違えると、どんなにがんばっても、気持ちは満たされません。

コリンも語っていましたが、自分の理想は、人それぞれです。できるだけ自分らしさを大事にするといいと思います。

人生はたった1度ですからね。

シンプルライフをめざして、ばりばり捨てているが、何か違和感があるという人は、再度ゴールを確認するといいでしょう。

*****

高収入を得ていて、物をたくさん買ったけど、全然使っていなかった、かえってそれは足かせになっていた、という人、アメリカのミニマリストに多いですね。

努力すれば、チャンスは誰にでもあり、社会的に上昇し、経済的、物資的繁栄が得られる、それが幸福の形だ、という考え方(いわゆるアメリカンドリーム)があるからでしょうか?

いまは物が安いため、そんなに金持ちではなくても、物をたくさん買いすぎて、部屋の中を埋めつくすことは、充分可能です。「私はお金がないから」という人も、気をつけたほうがいいです。

調べてみると、想像以上にたくさんの物を買っているものです。

関連記事

カナダ在住の60代。ミニマリストです。

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,741人の購読者に加わりましょう
カテゴリー
アーカイブ
TOP
CLOSE