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自宅にやってくる物のソース(出どころ)を突き止めて、スッキリ環境を手に入れるシリーズ、今回は、もらいもののうち、個人的なギフトを見ていきましょう。
誕生日プレゼント、クリスマスプレゼント、結婚式の引き出物、内祝い、お歳暮、お中元、バレンタインデーのチョコレート、ホワイトデーのお返し、旅行や出張のお土産、お見舞い、快気祝い、就職祝い、転勤や引っ越しのご挨拶としてのギフト、カジュアルな手土産、などなど日本では贈り物をいただく機会がそれはもうたくさんあります。
これらは、個人的な贈りものなので、販促品より捨てにくいかもしれません。
「どれも好意や愛情のこもったものだから、捨てるのは、相手の気持ちを無下にする、人間として許されない行為だ」と、無意識に思っているからです。
しかしすべてのギフトが、「愛にあふれたもの」ではありません。
この記事で、ギフトの7つタイプを説明しますので、あまり愛が感じられないものから、どんどん捨ててください。
1.ステータスや対面を保つためのギフト
相手のことなんて何も考えておらず、自分(贈る側の人間)のためだけにくれる贈り物です。
気前のいいところや、お金のあるところを見せつけるためにくれるもの。見栄を張りたいと思ってくれるもの。
「常識人に思われたい」「できる人だと思われたい」「気遣いのできる嫁だと思われたい」「物わかりのいい姑だと思われたい」「センスのいい人だと思われたい」などなど、そのギフトに詰まっているのは、くれた人の、「こう思われたい気持ち」だけです。
実はこういうギフトはけっこう多く、だからこそ、ギフトレシートがうまれたのではないか、と思うほどです。
ギフトレシートって何? という方はこの記事をどうぞ⇒プレゼントに入れるギフトレシートとは?(片付けに関係ない質問特集)
この手のギフトは、簡単に捨てられます。だって、好意なんてみじんも入っていないのだから。
まあ、くれた人が、ものすごく親しい人とか、こちらが好意を持っている人だと、捨てるのは忍びないと思うかもしれませんが、相手にはあなたへの愛はありません(少なくともそのギフトの中には)。
2.買い物欲を満たすためのギフト
買い物が大好きな人が、買い物したいがために、思わず買って、あなたにくれた贈り物です。
自分のために、ネットショップで何かを注文したけど、送料無料ラインまでに、少し金額が足りないから、「そうだ、もうすぐ、友人のP子の誕生日だから、これ、P子の誕生日プレゼントにあげよう」と買ってしまった香りのいい高級せっけんや、インテリア雑貨。
そんな物があなたの家にありませんか?
あなたの誕生日のことを思い出してくれたのだから、くれた人に、あなたへの好意はあるでしょう。
でも、その好意は、買い物したいがための言い訳で、ほとんど付け足しです。
相手の頭の中を占めているのは、「とにかくショッピングしたい」「送料無料にして得したい」という気持ちです。
3.見返りを要求するギフト
自分のために、あなたに何かしてほしいからくれるギフトです。
政治家が受け取る賄賂や、裏口入学のさいに、親が大学側にあげるもの。
「ドクターX」(テレビ朝日のドラマ)には、患者が、大学病院の医者に、菓子折りの箱の底にお金を詰めたものを渡すシーンがありますが、そういうギフト。
ここまではっきりと「私、見返りを要求してますからね」と見てとれないかもしれませんが、いつもやっかいなことや、無理なことを要求する友人に、再三、物をもらっていることはあると思います。
この手のギフトも簡単に捨てられます。物で人を釣るなんていやしい人間のすることですから。
ついでに人間関係の整理もしましょう。
健全ではない人間関係を捨て去ると、新しい自分や他人との出会いがある。
4.断捨離代わりのギフト
自宅にある不用品を自分で捨てるのは心が痛むから、他人に捨ててもらおう、こんな意図のあるギフトです。
このギフトにも、あなたへの好意が多少は入っているでしょうが、買い物欲を満たすためのギフトと同じで、ほんのちょっぴりです。
採れすぎた野菜や果物をくれる(おすそ分け)ぐらいならいいのですが、古着や自宅で余っている家電(すごくかさばる)をたびたびくれる人が友人や親戚にいると、あなたの家は、物だらけになってしまうでしょう。
新しい物を買いたくて思わず買ってしまい、古い方やダブりをくれる人もいます。
相手は、「ねえ、これ、よかったら使って。嫌だったら捨ててくれてもいいから」なんて言いながら、ギフトを差し出すでしょう。
「なら、自分で捨てれば?」と言って断りましょう。
5.物でしか愛情表現できない人のギフト
先日、お金が貯まる行動案の1つとして、物で自己表現してはいけない話を書きましたが、覚えていらっしゃるでしょうか?
知らないうちにお金がたまる行動案(その4)~物を使わず自己表現をする。
世間には、物をプレゼントすることが、好意や愛情を示す唯一の方法だと信じている人がいます。
「一緒に時間を過ごすことも大事よね」とわかっていても、忙しいので、物を贈ることですませる人もいます。
こんな人が身近にいると、「一見愛情の詰まった贈り物」がたくさんたまります。
でも、それ、本当に愛情が詰まっているんでしょうか?
愛情が込められていたとしても、1つひとつの贈り物は、かなり水増しされているのではないでしょうか?
どんなものも、数が多すぎると、それぞれの価値が下がりますから。
6.悪意のある贈り物
数はそんなに多くないでしょうが、悪意しかこもっていない贈り物もあります。
あなたを傷つけたり、おとしめたりするのが目的の贈り物です。
あなたがダイエットをがんばっているのを知っているのに、クッキーの詰め合わせをくれるとか。
あなたがちょっと太めなのを気にしているのを知っているのに、わざとサイズの小さいセーターをくれるとか、ぎょっとするほど趣味の悪いスカーフをくれるとか。
贈り物の内容がなんであれ、相手が嫌がっているのに無理に押し付ける物は、すべて「悪意のある贈り物」だと思います。
この手の贈り物も、簡単に捨てられますね。
きょう、きっぱりと捨てましょう。
7.真正贈り物
自分のことなど何も考えず、相手のことだけを思ってするプレゼントです。
贈り物の本来あるべき姿を体現しているギフトと言えましょう。
この贈り物の究極の形は、アメリカの作家、オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」ではないでしょうか?
とても有名な小説で、国語や道徳、英語の教科書にのっていそうなので、皆、知っているでしょう。
舞台は20世紀のはじめごろのニューヨーク。とても貧しい、だけど仲のいい若い夫婦が、クリスマスに相手が喜びそうなものをプレゼントします。
夫は、おじいさんか誰かからもらった懐中時計をとても大事にしているので、妻はこの懐中時計につける金のチェーンを夫にあげます。
夫は、妻(美しい髪の持ち主)が、前から欲しがっていた、べっ甲の櫛のセット(髪にさすアクセサリー)を妻にあげます。
しかし、2人とも貧乏なので、プレゼントを買うお金を工面するため、夫は懐中時計を質に入れてしまったし、妻は自慢の髪を売ってしまっていたのです。
つまり、2人とも、もらったプレゼントをすぐに使うことはできません。
2人は、ある意味、間抜けな物を贈ってしまったことに一瞬驚くものの、すぐに相手の気持ちにほろりとして、妻は、「大丈夫、私の髪はすごく早くのびるから」と言うし、夫は、「僕たちのプレゼントはどこかにしまっておけばいい。今すぐ使うには上等すぎるからね」と言います。
髪は1年で12センチ伸びるから、3年ほどたてば、妻がこの櫛を使える日は来るでしょう。夫が質から時計を出すまでには、もう少し時間がかかるでしょうが、流れてしまわなければ、いつか時計も手元に戻ってきます。
この贈り物が尊いのは、相手にプレゼントするために、2人とも自分が一番大事にしている物を犠牲にしたから。
もしあなたが、こんな真正贈り物を持っていたらどうするか?
相手の気持ちがうれしくて、見るたびに人生の荒波を乗り越える活力が出る…そんな物は、ずっと持っていればいいでしょう。
でも、「なんか邪魔、趣味悪いし」と思うときはどうするか?
オー・ヘンリーの時代は、庶民がぜいたく品を手に入れるのは、とても大変でしたが、今は、皆が捨てるほど物を持っている時代です。
愛しか詰まっていない贈り物でも、「いらないや」と思うことはあるでしょう。
そんなときは、たとえ真正贈り物でも、処分していいと私は考えています。
相手はあなたの幸せを100%願っているのだから、自分が幸せになる道を行けばいいのです。
■このシリーズを最初から読む⇒家をガラクタの集積場にしないために出どころを見極める(その1)~それ、どこから来たんでしょう?
■贈り物を捨てる⇒罪悪感を感じる必要なし、人からもらった贈り物を捨てる3つのコツ
■自分からも贈らない⇒よけいな贈り物はしない:知らないうちにお金が貯まる行動案(その7)
*トップの画像のクレジット⇒© paylessimages, 123RF Free Images
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ガラクタのソースの見極め、3回目は個人的なギフトを紹介しました。
贈り物を捨てるイコール薄情者、と考えてしまい、捨てられない人も多いと思います。
でも、義理だけで持っている贈り物を捨てると本当にスッキリしますよ。