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物だらけの実家に住む両親に、多少は物を捨ててほしいから、「一緒に片付けよう」と申し出てみた。
すると、親に、「なぜ、物を捨てなきゃいけないの?」と聞かれてしまった。
こんな時の答え方を紹介しています。
「せっかくお金を出して買ったのに。これはまだまだきれいで使えるし、こっちの布団は、お客さんが来たときにいるだろうし」。
こんなふうに親に言われたら、不用品を片づけるからこそ起きる、いいことを教えてあげればいいのです。
今回は、生活面でのメリットを5つ紹介します。
1.暮らしやすくなる
不用品を捨てると、今より、暮らしやすくなります。
たまに、ふだんよく使っているもの(洗濯機とか)を、捨ててしまい、「かえって手間が増えた」と文句を言うミニマリスト志望の方がいますが、それは、この人が、「できるだけ物を捨てること」をゴールにしているからです。
実家の片付けのゴールは、あくまで生活しやすくすることですから、こんなことは起きません。
若い頃ほど、さくさく動けなくなった高齢の人には、暮らしやすさは、とても大きなメリットです。
取り出しやすく、しまいやすい
不用品が少ない家は、衣類にしても食器にしても、使いたい時に取り出しやすく、使いおわったあとしまいやすくなります。
何かを取り出すとき、周りにある物を寄せたり、どけたりしなくてすみます。
もちろん、目当ての物がどこにあるのか、見ただけでさっとわかるので(または、それがどこにあるか把握できるので)、余計な探しものからも解放されます。
圧縮袋も、探しもの発見器も不用です。
やりたいことがしやすくなる
高齢の人は、たいていもう退職しているから、家にいる時間が長いもの。
新しい趣味を始める人も多いでしょう。そのさい、物が少ない環境にいたほうが、趣味を楽しみやすくなります。
私の友達(同級生)は、新型コロナウイルスのせいで、自由に外出ができなかったとき、川柳と絵手紙を習い始めましたが、周りはおばあさんばかりだ、と言っていました。
川柳を詠むのに、スペースは必要ありませんが、絵手紙の場合は、絵の具やハガキを置く場所が必要です。
ダイニングテーブルやこたつテーブルの上がいつもきれいに片付いていると、さっと絵手紙グッズを置くことができ、時間と体力のロスなく、やりたいことに集中できます。
家事が楽になる
物が少ないと家事が楽になります。
家事といってもいろいろありますが、特にめんどくさいのは、掃除と炊事(洗い物含む)だと思います。
シンプルな暮らしをすれば、楽に掃除できます。
使うために物を取り出し、そのへんに散らかしても、元に戻すのはきわめて簡単。
数が少なければ、流しの中に食器をためることも、部屋の片隅に洗濯物をためることもありません。
2.節約できる
不用品を捨てると節約できます。シニア世代の人は、年金暮らしなので、お金はあまり使いたくないはずです。
こちらに書いたことは⇒不用品を捨ててお金を残す:知らないうちにお金が貯まる行動案(その9)
シニアの人にもすべてあてはまります。
入れ物を買わなくてすむ
生きている時間が長い高齢者は、思い出の品や、現役時代に使ったり、買い集めたりして、捨てそこなっている物をたくさん持っています。
たくさんあるから、どこかにうまく収納したいと思っているでしょう。
こんなとき、ふつうの人は、収納家具、収納グッズ、外部ストーレージを手に入れようとします。
いずれも無料ではありません。
物が少なければ、余計な物を入れるための物やスペースは不用になるので、ここにお金を使うことはありません。
余計な物を買わずにすむ
シンプルに暮らし始めると、日常使う物の数が減るので、余計な物を買いません。
私は化粧品もヘアケア製品も使わないから、このジャンルには全くお金を使っていませんよ。
特殊な洗剤を買うなど、物のメンテナンスに使うお金も減ります。
ストレスによる買い物が減る
メンタル編で書きましたが⇒物が多い実家にいる両親に、「なぜ捨てなきゃいかんのだ?」と聞かれたときの答え方~メンタル編。
物が多いとストレスが増えます。
このストレスを発散するために、買い物する人がたくさんいますが、それはシニア世代の人も同じです。
シニアの場合、仕事をしていないことが多く、なまじ時間があるので、毎日のようにスーパーや100円均一ショップに行ってしまうかもしれません。
シンプルライフにすると、ストレスが減るので、「買い物したいからする買い物」は減るため、お金が残ります。
3.人が入りやすい家になる
高齢になると、生活するうえで、家族や友人、業者を頼ることが増えます。
そんなとき、家が片付いているほうが何かと便利です。
きのうお便りを紹介した方は⇒やりたくないことをやめる3つの方法~さっそく今日から行動しよう。
「介護に出向く義理のお義父さんの家が物だらけで不快だ」と書いていました。
物が多い家は、見た目に不快なだけでなく、不潔だし、何がどこにあるのかわかりにくいので、必要なタスクを完了することが難しくなります。
訪問介護の仕事をしている方から、「介護に行く家がゴミ屋敷で困っている」というメールをいただいたこともあります⇒訪問介護に行く家がゴミ屋敷で困っています←質問の回答
ここまでしっかりガラクタをためこむ人はめずらしいと思いますが、余計な物はあまりない方が、そこに住む人も、その家にやってきて特定のタスクを実行しようとする人も、たまに顔を見にくる家族も、みな、気持ちよく過ごせます。
物が少ない家は、よい人間関係を運んでくれるのです。
4.ダウンサイジングの準備になる
寿命が伸びている現代、若いころ買った自分の家(マイホーム)で、寿命を全うできる人は少数派です。
今から死ぬまでのどこかの時点で、高い確率でその家を手放すか、出ることになるでしょう。
将来、老人ホームや介護ホームに入居するかもしれないし、入院することになるかもしれません。
ずっと元気でいたとしても、子どもたちが巣立ってしまえば、大きな家は不用なので、もっと小さい場所に移りたいと思うでしょう。
遠くに住んでいる子どもたちのそばに引っ越したいと思うかもしれません。
いずれにしろ、ダウンサイズすることになります。
ダウンサイズするとき、物が少ないほうが、スムーズに移行できます。
ダウンサイジングでは、かなりの量の物を捨てることになるので、体力的にきついのですが、高齢者にとっては、それよりも、精神的な痛みのほうが大きいと思います。
ずっと大事にしてきた物たちと別れなければなりませんから。
今から、不用品を手放す生活を心がければ、物が少ない生活のよさがわかるし、物に感情移入しすぎなくなるし、何より、物を捨てることに慣れます。
ガラクタを捨てることが怖くなくなるのです。
5.生き方を見直すことができる
不用品を捨てることが、死ぬまでの時間をどんなふうに過ごしたいか、考えるきっかけを与えてくれます。
シンプルライフを目指して、不用品を捨てている人はわかるでしょうが、片付けは、自分の生き方や人生を見直すことにつながります。
余計な物を手放すのは、より身軽で自由な自分になれるワークのようなもの。
充実した老後や、幸せな生活を望むなら、きょうから所持品の見直しをするべきでしょう。
■これまで書いた記事
物が多い実家にいる両親に、「なぜ捨てなきゃいかんのだ?」と聞かれたときの答え方~メンタル編。
物をためこんでいる両親に、まだ使える物を捨てる理由を聞かれたときの答え方~健康編。
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実家の親に、「物を捨てると何かいいことあるの?」とか、「どうして物を捨てなきゃならないの?」と聞かれたときの答え方を3回に分けて紹介しました。
いずれも、説得力があると思います。
スッキリした環境で暮らせるし、健康にいいし、日々の暮らしが楽になるし、ストレスも減るし、頭の中も片付く。
いい事づくしです。
これがわかれば、使いもしない物にしがみつく生活から卒業できるでしょう。