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年内に終えておくといい片付けプロジェクトを紹介しています。
15個目のプロジェクトのテーマは、デッドスペースの片付けです。
デッドスペースとは?
デッドスペース(dead space)の、直訳は、「死んだスペース」。辞書をひくと、「家の中などの、利用できない空間」とあります。住宅で、何らかの事情で利用するのがむずかしい空間です。
インテリア雑誌や、収納技術を磨く本を見ると、たぶん、デッドスペースを活かしましょう、と書いてあると思います。
突っ張り棒なんかを使って、死んだスペースを活かせ、生き返らせろ、と言うわけです。
ですが、デッドスペースに、いろいろな物を入れていると、そこにある物まで死んでしまいます。
つまり、死蔵品が増えるんです。
実は、ここは名前の通り恐ろしいスペースですよ。
もともと死んだ物だから、デッドスペースに入れるのか、デッドスペースに入れるから死んでしまうのか?
きっと両方あるでしょう。
年内にデッドスペースの見直しをして、死んでいるものは、もう外に出しましょう。
いろいろなデッドスペース
まず、自宅にどんなデッドスペースがあるか、振り返ってください。
よくあるデッドスペースの例:
・階段の下
・階段の踊り場
・廊下の突き当り
・ちょっとした壁のくぼみ
・シンクの下(洗面所・台所)
・あらゆる部屋の高いところ(天井付近)
・ドアの開閉部分の上
・部屋の角
・家具と家具の間
・壁と壁の間
・柱と壁の間
・あらゆる扉の裏
・あらゆる家具の下(ベッド下、テーブル下)
・押入れやクローゼットの奥のほう
ほかにもあるかもしれません。
べつに、デッドスペースを有効活用するな、と言いたいわけではありません。
今は知りませんが、私が子供の頃は、廊下のはしっこや押入れの中に子供のコーナーを作っている家がありました。
前に書いたでしょうか?
小学校のときの同級生に益田さんていう女の子がいたのですが、彼女に家に遊びに行ったら、廊下の端っこが、彼女のコーナーでした。
廊下の突き当りに向かって勉強机(座り机)が置かれていました。
机の上には、本箱があり、机の周りにも本箱があり、彼女は本に囲まれて勉強していました。
当時私は、弟と子ども部屋をシェアしていたので、「益田さん、いいな~、自分のコーナーがあって。私もこんな部屋ほしいなあ」とうらやましく思いました。
あまりにうらやましくて、今でも覚えているぐらいです。
益田さんは、毎日、ここで勉強したり、絵を描いたりしていわけですから、ここにあった物は別に死んではいなかったでしょう。
しかし、死んだ物がいっぱい入っているデッドスペースもあります。
生死の確認をしてください
もしあなたが、デッドスペースを収納スペースにして、いろいろな物を置いていたら、そこに、どんな物があるのか調べてください。
たとえば、階段の下は、ふだんは通る必要がないので、そこに何があるのかなんて、あまり考えないと思います。
いつも黒い影が見えるだけ。しかも、その影は、いつもあるからあって当然のもの。
うすうす、そこにガラクタがあることに気づいているけれど、あえて、考えたくない人もいるでしょう。
ですが、この記事を目にした今日こそ、その、黒い影に向き合うタイミングです。
さもないと、またずーっと無視して、自分が死んだあとに、親族が片付けることになりますよ。
「私は、いらない物はさっさと捨てるほうだし、部屋はいつもきれいです。片付けは得意な方です」。
そうあなたは言いたいかもしれません。しかし、そのような人の家でも、きれいなのは、ふだん目に見えるところだけ、ということがよくあります。
私たちは、ふだん、物を買いすぎており、目に見えないところに、物がいっぱいしまいこみます。
「デッドスペースを活用しないと、物を置く場所がない」という状態が生じた時点で、物の持ちすぎを疑うべきです。
ここに物が出ていたら汚部屋予備軍。大ごとにならない前に片付けたい5つの場所。
生きている物ってどんな物?
たとえデッドスペースでも、そこは自分の家の一部です。生きている物だけ、収納・保存するのが筋ですよね?
では生きている物とはいったいどんな物でしょうか?
私の定義は、以下の3つです。
・いつも使っている物
・たまには使う物
・数年に1度しか出番はないが、必ず使う物
実用品ではない飾り物や置物でも、今後、必ず飾ると確信できるものです。
なくてもいい飾り物を捨てる:手っ取り早く部屋をきれいにする方法(その2)
必ず使う物だけ残せば、たぶん、デッドスペースはスペースのまま残すことができます。
多くの人は、死蔵品(デッドストック)を、生きている物だと勘違いしています。
この勘違いのせいで、自宅に物があふれ、暮らしにくくなり、片付けや断捨離をするはめになっています。
デッドストックとスリーピングストック
使う見込みのない物は、デッドストック(死蔵品)ですが、もう1つ、スリーピングストック(休眠在庫)というのもあります。
企業がもつデッドストックは、未来永劫、売ることができないもの(本製品が生産中止になったため、使いみちがなくなった部品とか)。
スリーピングストックは、今すぐ、売ったり、原材料にしたりすることはできないが、将来、そうできる(つまり何かに使って利益を得られる)可能性があるもの、しかし、そうするまでにとても時間がかかるものです。
デッドストックはもちろんのこと、スリーピングストックを持っていると、企業にとっては負担になります。
倉庫代や、管理にコストがかかるからです。
自宅で眠っている在庫にかかる費用は、リアルには現れないので、みんな、損失を出しているとは思っていないでしょう。
ですが、確実にリソースを損しています。
多すぎるストックをただちに断捨離すべき理由。過剰在庫は資産ではない
リソースがわからない人はこちら⇒私たちが持っているいろいろなリソース~たっぷりあるから、そんなに買わなくても大丈夫。
それは家計簿の数字には現れないかもしれません。しかし、どこかにしわ寄せが行っています。
しわ寄せの例:
・デッドスペースに物を置きすぎて、見た目がすごく悪いため、いつもイライラしている
・物が多すぎて、在宅ワークがしにくい
・掃除のたびに一手間かかる。それを何年も続ける。
・日当たりや風通しが悪くなっている
・物がありすぎて、家の中で動きにくい
・何がどこにあるのかわからなくて、探し物ばかりしている
・買わなくてもいい家具や収納グッズを買いすぎて、肝心の物に使うお金がなくなる
このしわ寄せ(損失)を一気にチャラにするのが、住む人のいなくなった実家の片付けではないでしょうか?
それまで、親が死蔵品をためまくり、リソースを無駄遣いしていたため、高いお金を出して業者に片付けを依頼したり、自分の時間と体力を思いっきり使って片付けるはめになります。
住んでいるうちから、無駄な物を置かないようにすれば、何年かのち、その家を開けることになった時、リソースを大量投下して片付けなくてもすみます。
物が少ないと、暮らしやすいし、余計なストレスや仕事から開放されます。
なぜ、みな、こちらの道を選ばないのでしょうか?
べつに全員にミニマリストになれとは言っていません。デッドストックを持ちすぎるな、と言っているだけです。
そして、それは決して難しいことではありません。
生死を勘違いしないために
「死蔵品がないほうがいいのはわかった、でも、どれが死蔵品なのかよくわからない。というより、私の持ってるもの、みんな休眠在庫じゃないかしら?」
そんな人に、生死の見分け方を書いておきます。
「今後、使うかどうかわからない」と思う物は、もう死んでます。
「いつか使うかもしれない」「もしかしたら使うかもしれない」という物も死んでいます。
ここで気をつけるべきことは、使っていないのに、使っていると思い込んでいる物があることです。
流しの下にある、ザルやボウル、洗剤やスポンジのストック(夫が持ってます)、最後に使ったのはいつですか? 今度、いつ使うのでしょう?
キッチンに置いてあるからといって、使っている物ばかりとは限りません。
デッドスペースに置いている物たちときっちり向き合い、これ以上、リソースを無駄にするのをやめましょう。
☆このシリーズを最初から読む方はこちら⇒今年中にやってしまいたい片付けプロジェクト(その1)
☆この続きはこちら⇒なぜ化粧品を捨てることができないのか?:今年中にやってしまいたい片付けプロジェクト(その7)
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今回はデッドスペースにある物の見直しをおすすめしました。
一度に全部片付けなくてもいいので、最も気になる部分を片付けてください。
場所によっては、通路の確保から始まるかもしれません。
がんばってください。